コーヒーでコロナ予防!?
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コーヒーでコロナ予防!?

公開日:2025年2月22日

 中国・The 991st Hospital of Joint Logistic Support Force of People's Liberation ArmyのYong-Zheng Fan氏らは、コーヒーの定期的な摂取がCOVID-19の予防または治療に有効であるかをシステマティックに評価し、メタ解析を行った。また、分子ドッキング法を用いて、そのメカニズムを調査した。Medicine誌2025年2月14日号の報告。
 2024年8月1日までに公表されたCOVID-19の予防または治療におけるコーヒーの有効性に関する研究を、各種データベース(ClinicalTrials.gov、Cochrane Library、PubMed、Web of Science、Embase、China Biomedicine、Wanfang、CNKI、VIP)より検索した。2人の研究者により、Rev Man 5.4 softwareを用いて研究データをスクリーニングし、Schrodinger 2018-1 softwareを用いてメカニズムの可能性を調査した。
主な結果は以下のとおり。
・5研究、3万9,290人をメタ解析に含めた。 ・1日1杯以上コーヒーを飲む場合、まったく飲まないまたは1杯未満の場合と比較し、ベネフィット率が有意に高かった(RD:0.17、95%CI:0.08〜0.27、p=0.0005)。 ・ベネフィット率向上には、COVID-19感染率の低下および回復率の向上(RD:0.24、95%CI:0.13〜0.35、p<0.0001)が含まれた。 ・分子ドッキング法では、コーヒーに含まれるクロロゲン酸およびカフェインが、ACE2のARG273/HIE345または3CLのCYS145などの主要なアミノ酸残基と結合して水素結合を形成することが示唆された。
 著者らは「1日1杯以上のコーヒーの定期的な摂取により、COVID-19に対する予防または治療効果が期待できる可能性が示唆された。本検討では、研究の数および質が限られていたため、これらの結果を確認するためにも、ランダム化比較試験が必要である。また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸およびカフェインがACE2や3CLなどの主要なアミノ酸残基による水素結合の形成と関連している可能性が確認されたが、正確な作用機序については、細胞内外の分子レベルでのさらなる検証が求められる」と結論付けている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Fan YZ, et al. Medicine (Baltimore). 2025; 104: e41550.
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39960901

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