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先生にとって希望にあう求人ってどんな求人ですか?
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先生にとって希望にあう求人ってどんな求人ですか?

年収が上がる求人。週4日で働ける求人。専門性を生かせる求人。その中で、先生が「自分にあう」と感じるのは、どんな求人でしょうか。ヒポクラのアンケートでは、1年以内の転職を検討する108人のうち、42人(38.9%)が「希望に合う求人が見つからない」と回答しました。 「希望にあう」を考える手がかりは、その職場でどんな毎日を送りたいか。まだ条件がまとまっていなくても、マイナビDOCTORでは今後の働き方から相談できます。 1分無料登録無料登録して、希望にあう働き方を相談する 働き方で最も重視する条件 TOP3 具体的な転職予定がない560人が、今後の働き方で「最も重視する」と選んだ条件は、次の3項目が上位でした。 1位 仕事内容・専門性 222人(39.6%) 2位 年収・報酬 115人(20.5%) 3位 勤務日数、勤務時間、当直・オンコール 109人(19.5%) 最多は「仕事内容・専門性」。ただ、同じ条件を重視していても、望む働き方は先生ごとに違います。「専門性を生かす」なら、手術を続けたいのか、専門外来に力を入れたいのか。そこまで考えると、確認したい求人の中身が見えてきます。 その条件で、どんな毎日を実現したいですか? 希望する条件に「なぜ大切なのか」を添えてみてください。たとえば、次のような考え方です。 ・専門性を生かしたい:これまでの経験を生かし、専門外来を続けたい。 ・年収を確保したい:教育費などに備え、必要な収入を維持したい。 ・勤務の負担を調整したい:夜間の呼び出しを減らし、家族と過ごす時間を持ちたい。 自由記述にも、続けたいことと変えたいことが具体的に表れた声がありました。 現在週5勤務。2,3年後に週3(4)の外来勤務に変えたいが、専門領域(呼吸器科)で需要があるか否か? 先生なら、今の仕事で何を残し、何を変えたいでしょうか。その中で「ここは譲れない」と思うことを一つ選ぶと、求人を比べる軸になります。 その希望にあう求人があるか、相談してみませんか 「専門外来を続けながら勤務日数を減らせるか」「必要な年収と当直の軽減を両立できるか」。希望を実際の求人と照らし合わせる段階で、エージェントを活用できます。求人票だけでは分からない勤務実態も、担当者に確認を依頼できます。 マイナビDOCTORでは、希望の整理から求人紹介、応募先との条件交渉までキャリアパートナーがサポート。転職するか未定でも相談できます。まずは、先生が実現したい働き方を伝えることから始めてみませんか。 マイナビDOCTORに無料登録して相談する コメントは原文のまま掲載した個人の意見です。本文の条件例は編集上の提案で、実在する求人を示すものではありません。 調査概要 対象者:ヒポクラ会員アンケート期間:2026年8月18日~31日有効回答:668件 ※冒頭の割合は転職検討層108人が分母。ランキングは転職予定なし層560人の1位回答のみを集計。割合は小数第1位で統一。
[確認用テスト]【医師監修】太っていないのに代謝異常?!「脂肪萎縮症」の特徴を写真で解説
[確認用テスト]【医師監修】太っていないのに代謝異常?!「脂肪萎縮症」の特徴を写真で解説
脂肪萎縮症とは皮下脂肪や内臓脂肪などの脂肪組織が減少・消失する希少疾患です。2015年に指定難病に選定され、小児慢性特定疾病にも指定されています。脂肪萎縮症にはいくつかのタイプがありますが、これまでの調査では我が国の全身性脂肪萎縮症の患者数は約100人と推定されています。一方で最近、従来の典型例に当てはまらない脂肪萎縮症の報告例が増えてきており1) 、未診断例がまだ多く存在すると考えられています。また、造血幹細胞移植後に脂肪萎縮症の発症が認められるケースも知られています。脂肪萎縮症の特徴を写真付きで解説します。 〈監修〉 ■脂肪萎縮症の主な分類と特徴脂肪萎縮症は、先天性・家族性/後天性、全身性/部分性に大きく分類される。遺伝子変異による先天性・家族性と、自己免疫異常などによる後天性のものがあり、それぞれ摂取エネルギー量とは無関係に全身の脂肪組織が減少・消失する全身性と、四肢など一部の脂肪組織が減少・消失する部分性に分けられる (図1)。 図1 ■脂肪萎縮症の診断明らかな肥満がなくて重度のインスリン抵抗性、糖尿病、高トリグリセリド血症、脂肪肝などの糖脂質代謝異常が認められる患者では、脂肪萎縮症の可能性を考慮する必要がある。脂肪萎縮症が疑われる場合、全身の体脂肪分布を視診で確認する必要がある(下記参照)。また特徴的な所見や症状(下記参照)も診断するうえで参考となる。さらに全身MRI T1強調画像検査と血中レプチン濃度の測定は、脂肪萎縮症の診断補助手段として有用である1) 。血中レプチン検査は、全身性脂肪萎縮症の診断補助を目的として保険承認されており、血中レプチン濃度が男性で0.6ng/mL未満、女性で1.9ng/mL未満の場合、同疾患が疑われる2) 。先天性病因による脂肪萎縮症の場合は、病因遺伝子の変異が検出されれば診断が確定する。 ■脂肪萎縮症の身体的徴候 1) ・頭頸部:眼、頬、こめかみのくぼみ、頬骨弓の突出 ・上肢:静脈の怒張、骨格筋肥大 ・下肢:非静脈瘤性の静脈の怒張、骨格筋肥大 ・臀部:くぼみ、骨格筋肥大 ・体幹:静脈の怒張、骨格筋肥大 ■関連して見られる特徴的な所見・症状 1) ・食欲亢進 ・黒色表皮腫(腋窩部、項部、肘部等) ・肝腫大 ・多毛 ・性腺機能低下(希発月経、無月経、男性化等) ■脂肪萎縮症の臨床分類※造血幹細胞移植後の症例は、「家族性部分性脂肪萎縮症」に似た外観を呈することが多い 「脂肪萎縮症の新規原因遺伝子の同定と脂肪細胞分化・増殖メカニズムの解明」課題番号26461333 より改変(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-26461333/) ■ここをチェック!全身性脂肪萎縮症は、全身の脂肪が消失しているとはいえ、一般的にイメージされる「(げっそりした)痩せ」とは異なり、全身の骨格筋が際立っているのが特徴である。外来診療で重要なのは顔貌の視診である。頬の脂肪が無いため、頬骨が突っ張ったように見え、話す時にほうれい線が目立ってみえる。 部分性脂肪萎縮症は、脂肪分布のパターンが多様である。頭頸部の脂肪が保たれている場合、寧ろ脂肪過多で満月様顔貌のようにさえ見えるときがある(左の写真)。右の写真の症例では、頭頚部および上肢の脂肪が萎縮している一方で、大腿部は脂肪過多である。いずれも全身の脂肪の付きかたのアンバランスが特徴である。 ■脂肪萎縮症の治療現時点では、脂肪萎縮症に対する根本的治療法は確立されておらず、主に脂肪萎縮に起因する代謝異常症に対する治療に重点が置かれている。とりわけ近年、脂肪組織由来ホルモンであるレプチンを補充する治療法の有効性が明らかにされている。レプチンを補充することによって、脂肪萎縮症における糖脂質代謝異常や脂肪肝が改善することが分かっており、レプチン製剤は脂肪萎縮症に対する治療薬として既に保険適用されている。レプチン補充治療により脂肪萎縮症患者さんの長期的な生命予後の延伸が期待されている。 ■脂肪萎縮症を疑ったら【医師の方】インスリン抵抗性を伴う重度の糖脂質代謝異常や脂肪肝、特徴的な身体所見や顔貌に特徴を認めた場合は、血中レプチン濃度の測定や代謝内科・内分泌科への紹介を検討することが重要です。診断・治療方針について迷われた場合は、脂肪萎縮症の専門医にオンラインで相談できる「脂肪萎縮症コンサルト」もございます。下記のエキスパート回答医に、無料でご相談いただけます。ぜひご活用ください。※コンサルトをご利用いただけるのは、医師の方に限ります。 【脂肪萎縮症コンサルトエキスパート回答医(敬称略)】 ・青谷 大介(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学/べっぷ内科クリニック宇治市役所前院) ・岡田 賢 (広島大学大学院 医系科学研究科 小児科学) ・永山 綾子(久留米大学 内分泌代謝内科) ・松田やよい(福岡県済生会二日市病院 糖尿病内科) 【患者さん・ご家族の方】脂肪萎縮症が疑われる場合、まずは内分泌・代謝内科、または糖尿病内科を受診してください。全身の筋肉が目立つ、頬の脂肪が少なくほうれい線が目立つ、糖尿病や脂質異常を若い頃から指摘されている、などの症状がある場合には早めに専門医へ相談することが勧められます。診断や治療に関する正しい情報は、難病情報センター等の公式情報をご確認ください。難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/小児慢性特定疾病情報センター:https://www.shouman.jp/ 引用:1) 日本内分泌学会雑誌 Vol. 94 Suppl. September 2018 2) 日本内分泌学会「全身性脂肪萎縮症診断における血中レプチン検査の運用指針」3) Brush M et al., J Clin Endocrinol Metab. 2024 May 17:dgae335. 文責:株式会社エクスメディオ監修:青谷 大介先生(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学分野/べっぷ内科クリニック宇治市役所前院 )
医師が転職してよかったと感じたことTOP5
医師が転職してよかったと感じたことTOP5
ヒポクラでは、医師会員を対象に「転職・働き方の変更で良かったこと」をテーマにアンケートを実施しました。寄せられた107件の回答から見えたのは、当直やオンコールからの解放、人間関係の改善、収入アップ、家族との時間、心身の回復など、働く環境を変えたことで得られた具体的な変化です。この記事では、医師が実感した「転職して良かったこと」をランキングと実際のコメントで紹介します。 転職・働き方の変更で「良かったこと」ランキング 第1位勤務負担の軽減 23件(21.5%)|当直・オンコール・残業の減少 第2位人間関係・精神的ストレスの解消 19件(17.8%)|ハラスメントや医局のしがらみからの解放 第2位収入・給与・待遇の向上 19件(17.8%)|給与・手当の増額、直接雇用や開業での増収 第4位働きやすさ・環境・自由度の向上 14件(13.1%)|自分のペース、良い環境、自由な働き方 第5位家族・子ども・プライベート時間の確保 10件(9.3%)|子育て、休日、趣味の時間が増加 第6位身体・健康面の回復 7件(6.5%)|睡眠や体調の改善 その他全般的な満足・キャリア転換など 15件(14.0%) 寄せられたコメントをピックアップ 第1位 勤務負担の軽減 ただ働きや当直などが無くなり、無駄な業務も減った。 24時間365日待機から解放されました。 長時間労働から解放された。 当直やオンコール、時間外勤務の削減は、医師の生活と健康に直結する変化です。勤務回数や救急対応、勤務日数などを希望条件として整理すると、自分に合う選択肢を探しやすくなります。 1分で無料登録勤務負担を減らせる働き方を相談する 同率第2位 人間関係・精神的ストレスの解消 ストレスフルな人間関係がゼロになった 思い切って職場を変えたことで、人間関係のストレスが減り、目の前の診療に集中できるようになったことです。 転職してよかったこと。能力のない上司のパワハラから逃れることができた。 人間関係や組織風土は、求人票だけでは判断しにくい情報です。希望条件を整理しながら、職場選びで確認したいポイントをキャリアパートナーへ相談できます。 1分で無料登録求人票だけでは分からない職場選びを相談する 同率第2位 収入・給与・待遇の向上 まずは時間外が大幅に減少、給料もアップといいことずくめでした。 麻酔の非常勤の仕事をしていて、重症の長時間症例ばかり当てられてしかも医局に安く派遣させられていたので辞めて他の病院のバイトに直接雇用されたら普通の症例になり給料が1.5倍になりました。 給料が上がった!うれぴよ! 給与だけでなく、時間外手当、契約形態、業務範囲なども確認しておきたい条件です。希望条件の整理から応募先との条件交渉まで、キャリアパートナーに相談できます。 1分で無料登録給与・待遇について相談する 第4位 働きやすさ・環境・自由度の向上 職場環境の悪化で長年勤めた総合病院の常勤を辞めました。しばらくフリーランスでいましたが、意を決して現在の職場に入職、今に至ります。オンコール無し、残業時間もぐっと少なく、その上人間関係も良い職場です。自分を必要としてくれ、存在感が認められているように思われるのが最大のポイントです。隣の芝は青く見えるだけだと思いとどまっていましたが、本当にそのような職場があるのだとわかり、転職して良かったです。 開業したら自分のペースで働けるようになってよかったです。 しがらみが無くなって本当に良かった。 勤務先の規模や施設形態、常勤・非常勤などの選択によって、仕事の裁量やペースは変わります。現在の働き方に限らず、自分に合う選択肢を整理してみましょう。 1分で無料登録自分に合う働き方を相談する 第5位 家族・子ども・プライベート時間の確保 QOLが上がった。子どもと過ごせる時間が増えたのが一番。 子育てに積極的に介入できるようになった 当直の回数が減って、土曜日の外来がなくなったので子どもたちと過ごせる時間が増えた。 勤務時間、通勤時間、当直・オンコール、休日の取りやすさを条件として整理すると、家庭やプライベートから逆算した働き方を検討できます。 1分で無料登録家庭と両立できる働き方を相談する 第6位 身体・健康面の回復 総収入は一瞬下がりましたが、帯状疱疹がしっかり治っただけでも幸せでした。 思い切って常勤から非常勤に変えたことで、当直がなくなり長年苦しんでいた不眠症の程度が若干改善した気がします。 転職して、胃痛がなくなりました。 働き方の見直しが、睡眠や体調の改善につながったという声も寄せられました。心身の不調がある場合は休養や受診を優先しながら、負担を減らせる勤務条件も検討してください。 1分で無料登録心身の負担を減らせる働き方を相談する 一つでも実現したいことがあるなら、希望条件を整理してみませんか 当てはまる項目を確認してみましょう。 当直・オンコール・時間外勤務を減らしたい 人間関係や組織風土を重視したい 給与・手当・契約条件を見直したい 家族やプライベートの時間を確保したい 専門性やキャリアの選択肢を広げたい 心身への負担が少ない環境を探したい 転職をすぐに決める必要はありません。まずは実現したいことと、譲れない条件を整理することから始めましょう。 希望条件例 勤務条件:当直/オンコール/勤務日数/勤務時間 待遇:年収/手当/契約形態 両立:通勤/育児/休日/休暇 キャリア:専門性/施設形態/業務内容/将来像 1分で無料登録希望条件を無料で整理する 転職するか未定でも、これからの働き方を相談できます 今回の回答のような変化を、自分の働き方でも実現できるか整理してみませんか マイナビDOCTORでは、医師の転職市場に精通したキャリアパートナーが、現在の悩みや希望条件を伺いながら、求人の提案、条件交渉、中長期のキャリア相談までサポートします。転職するかどうかを今すぐ決める必要はありません。まずは情報収集から始めていただけます。 ✓ 1分で登録 ✓ 登録・相談無料 ✓ 転職時期「未定」を選択可能 ✓ 専任キャリアパートナーが対応 1分で無料登録キャリア相談を始める ※本記事内のコメントは、キャンペーンに寄せられた回答を原文のまま掲載しています。 ※掲載しているコメントは個人の体験・感想であり、すべての医療機関や勤務環境に当てはまるものではありません。 ※心身に強い不調がある場合は、転職活動よりも休養や医療機関・相談窓口への相談を優先してください。 調査概要 調査対象:ヒポクラ医師会員 調査期間:2026年8月24日~8月31日 有効回答数:107件 調査方法:自由回答形式 集計方法:回答内容を編集部が主なテーマ1つに分類
医師が転職を考えた理由 TOP5
医師が転職を考えた理由 TOP5
ヒポクラでは、2026年8月、医師会員を対象に『転職を考えた瞬間』をテーマにアンケートを実施しました。寄せられた回答から見えたのは、人間関係、過重労働、待遇、家庭との両立、専門性や将来像への不安です。この記事では、医師が働き方に違和感を抱いた具体的な瞬間と、その背景を紹介します。ひとつでも心当たりがあれば、転職を決める前に、希望条件と今後の選択肢を整理してみてください。 医師が転職を考えた理由 TOP5 第1位人間関係やハラスメントによる悩み 53件(39.6%) 第2位当直・オンコール・人手不足による疲弊 31件(23.1%) 第3位専門性と将来像を見直すきっかけ 21件(15.7%) 第4位評価や待遇への違和感 16件(11.9%) 第5位家庭との両立とライフステージの変化 7件(5.2%) 寄せられたコメントをピックアップ 人間関係やハラスメントに、心がすり減った やはり日々のハラスメントが一番つらいです。続くたびに、さすがにもう無理かなと思い、転職を考えます。 ありきたりだが、職場の人間関係に限界が来た 同僚たちの無気力さを見ていると、真面目に働く意欲が失せてしまいます。 上司との関係や理不尽な扱いに関する声は、特に多く寄せられました。医療現場ではチームでの連携が欠かせないからこそ、人間関係の悪化は日々の診療にも大きな影響を及ぼします。 環境を変えることは「逃げ」ではありません。自分らしく医療に向き合える職場を探すことも、キャリアを守るための大切な選択肢です。 職場の人間関係や組織風土は、求人票だけでは判断しにくい情報です。マイナビDOCTORでは、希望条件を整理しながら、求人情報だけでは確認しにくい職場選びのポイントもキャリアパートナーに相談できます。 求人票だけでは分からない職場選びを相談する 当直、オンコール、人手不足。終わりの見えない勤務に疲弊 当直で一睡もできなくてそのまま外来して、食事もせずに夕方…時計を見たら四時だったけど朝の四時なのか夕の四時なのか一瞬バグった時にもうやめようと思いました 1人常勤で、応援非常勤医が2人→1人→ゼロになり、体調を崩し、辞めました。 残業続きで家に帰れない日が続くとき 相次ぐ救急対応、当直明けの通常勤務、無給のオンコール、減り続けるスタッフ。使命感だけで支え続けるには、あまりにも大きな負担です。 疲労が積み重なると、心身の健康だけでなく、診療の質にも影響しかねません。「まだ頑張れる」と無理を重ねる前に、勤務日数や当直回数、オンコールの有無など、希望する条件を整理してみることが重要です。 当直回数、オンコール、救急対応、勤務日数などの希望条件を整理し、該当する求人や選択肢をキャリアパートナーと確認できます。 勤務条件を無料で相談する 専門性や将来像を、もう一度見つめ直す このまま勤務を続けていると専門医維持が困難になることが予想できたため、転職しました。 臨床中心から少し離れたく、特殊な部署へ異動し転職しました。精神的には楽になりました。 やりたいと感じた事(仕事)があれば転科でもなんでもヤルべし、逃げの転職でなく攻めの転職をすべし、短い人生で後悔なく生きて欲しい。 現在と同じ診療科・施設形態に限らず、専門性を生かせる業務や施設、今後身につけたい経験も含め、中長期のキャリアを整理できます。 今後のキャリアの選択肢を相談する 仕事量に見合わない評価や待遇への違和感 働き方改革という名の時間外手当削減(自己研鑽扱い)。 雇われ院長をやったときに、言われた条件と違った時。 医局派遣ではなく勤務していた病院で、医局派遣の先生方と給与が違いすぎることがわかってショックだった。 給与だけでなく、契約形態、時間外手当、業務範囲など、確認しておきたい条件もあります。マイナビDOCTORでは、希望条件の整理から、応募先との条件交渉までキャリアパートナーがサポートします。 待遇・勤務条件を相談する 家族との時間を守れる働き方を選びたい 子どもや家族との時間がなかなかとれない 子どもが熱を出して保育園に迎えに行かなければならず、当直の交替を依頼しても誰も代わってくれず、嫌味や陰口を言われたりすることが続くと心が折れます。他県に住んでいる母親にお願いするときは情けない気持ちになります。そういう時は病児保育も満員だったりして当てにならない。 「このままここで働き続けるのは、もう無理かもしれない」 そう思ったのは、忙しさそのものよりも、仕事と家庭の両立がどうしても難しくなった時でした。 子育てをしながら働いていると、急な呼び出しや子どもの体調不良で周囲に気を遣うことが増え、「迷惑をかけないように」と常に気を張っていました。 ある日、また子どものことで勤務調整をお願いしたときに、周囲の反応を見て、「自分が頑張って合わせ続けるだけでは、もう限界だ」と感じました。 勤務時間、通勤時間、当直・オンコール、勤務日数、休暇の取りやすさを希望条件として整理し、生活から逆算して働き方を検討できます。 家庭と両立できる働き方を相談する 一つでも当てはまるなら、転職を決める前に条件を整理してみませんか 当てはまる項目を確認してみましょう。 心身の不調や強い疲労が続いている 当直・オンコール・時間外勤務の負担が大きい 職場の人間関係やハラスメントに悩んでいる 業務量と評価・待遇が見合っていないと感じる 家族との時間を十分に確保できない 身につけたい専門性や将来像と現在の業務が合わない すぐに転職すると決める必要はありません。まずは希望条件を整理し、どのような選択肢があるのかを知ることから始めてみましょう。 希望条件例 勤務条件:当直/オンコール/勤務日数 待遇:年収/手当/契約条件 両立:通勤/育児/介護/休暇 キャリア:専門性/施設形態/将来像 希望条件を無料で整理する 転職するか未定でも、これからの働き方を相談できます 一人で結論を出す前に、希望条件と今後の選択肢を整理してみませんか 当直やオンコールを減らしたい、家族との時間を確保したい、待遇や業務内容を見直したい、専門性を生かせる環境を探したい――希望する働き方は一人ひとり異なります。マイナビDOCTORでは、医師の転職市場に精通したキャリアパートナーが、現在の悩みや希望条件を伺いながら、今後の選択肢を一緒に整理します。転職するかどうかを今すぐ決める必要はありません。まずは情報収集から始めていただけます。 求人の提案から条件交渉、中長期のキャリア相談までサポートします。 ✓ 1分で登録 ✓ 登録・相談無料 ✓ 転職時期「未定」を選択可能 ✓ 専任キャリアパートナーが対応 無料登録してキャリア相談を始める ※本記事内のコメントは、キャンペーンに寄せられた回答をもとに、記載をしています。実際の投稿はこちらからご覧いただけます。 ※掲載しているコメントは個人の体験・感想であり、すべての医療機関や勤務環境に当てはまるものではありません。 ※心身に強い不調がある場合は、転職活動よりも休養や医療機関・相談窓口への相談を優先してください。 調査概要 調査対象:ヒポクラ医師会員 調査期間:2026年8月6日〜8月16日 有効回答数:134件 調査方法:自由回答形式 集計方法:回答内容を編集部がテーマ別に分類。複数のテーマを含む回答は重複して集計
全員がファーストペンギン。泌尿器科で、自分らしいキャリアを切り拓く
全員がファーストペンギン。泌尿器科で、自分らしいキャリアを切り拓く
掲載日:2026年7月28日 藤田医科大学 腎泌尿器外科 臨床教授の佐々木ひと美先生は、小児泌尿器科、腎移植、海外留学、大学での診療・教育、学会活動など、幅広い経験を重ねてきた泌尿器科医です。日本泌尿器科学会では、初の女性理事として広報・IT分野を担っています。「大海の一滴」と呼ばれるほど女性泌尿器科医が少なかった時代から、若い女性医師が独自のキャリアモデルを作り始めている現在へ。佐々木先生の歩みを通じて、泌尿器科にある多様な専門性、フラットな文化、そして自分らしく働き続けるためのヒントを伺いました。 佐々木ひと美(ささき・ひとみ)1993年、藤田保健衛生大学医学部医学科卒業。藤田保健衛生大学病院、東京都立清瀬小児病院、Washington University Research Fellowなどを経て、現在は藤田医科大学 腎泌尿器外科 臨床教授。藤田医科大学国際医療センター センター長、医療連携福祉相談部部長を兼任。日本泌尿器科学会理事、広報委員会委員長・IT委員会委員長も務める。専門は小児泌尿器科、腎移植など。 「パイオニアになれる」の言葉に導かれた、泌尿器科医としての第一歩 ―先生が泌尿器科を志されたきっかけについて教えてください。佐々木:当時は現在のような初期・後期研修プログラムがなく、大学6年生の段階で直接入局する医局を選ぶ時代でした。私は内科、外科、精神科など複数の選択肢を考えながら、何か新しい領域に挑戦できる道に進みたいと思っていました。内科に進むなら腎臓内科、外科なら腎臓の外科的領域を担う泌尿器科が面白そうだと、二つの選択肢の間で迷っていたのです。最終的な決定打となったのは、当時の講師であり私の師匠となる先生からの言葉でした。「(当時)日本において小児泌尿器科と腎移植の両方を専門とする女性医師はいない。君がその道を歩めばパイオニアになれる」と言われたのです。この熱烈な勧誘には、大いに心が動かされましたし、「パイオニア」という響きに惹かれるものもありましたが、まだこの時点では心は決まりきっていませんでした。 ―当時は女性医師が極めて少ない時代だったと思います。入局に際して、周囲の反応はいかがでしたか。佐々木:母に相談したところ、実家が医師の家系ではなかったこともあり「女性の少ない泌尿器科ではお嫁に行けなくなるのでは」と猛反対を受けました。すると教授と講師が、私と母を交えた四者面談を開いてくれました。先生方が「必ず立派な医師、パイオニアに育てます」と真摯に説得してくれたのを覚えています。母も最後には「先生にこの子を預けます」と納得してくれました。私自身、そこまで医局が熱意を持って歓迎し、受け入れる土壌を整えてくれたことに深く心を動かされ、この世界で生きていく気持ちが固まりました。 ―実際にキャリアをスタートされてから、初期の段階で特に印象に残っている経験はありますか。佐々木:仕事を始めて1か月目くらいに、足の裏の皮が全部ペロンとめくれてしまったんです。それまで病院の中をこれほど歩き回った経験がなかったので、本当に驚きました。先輩に「水虫でしょうか」と相談したら「それだけ歩き回って仕事をしたということだよ」と笑われました。当時は朝7時半には病棟に入り、前日の全患者のデータを暗記してカンファレンスに臨み、夜は夜で上司や先輩に毎日のように焼肉や中華に連れていってもらうような、とにかく慌ただしくも活気のある日々でした。大変でしたが、初めての女性入局者ということで、医局の皆さんが戸惑いながらも温かく受け入れ、大切に育ててくれた記憶が残っています。 留学、臨床復帰、学び直し。助けを求めながら広がったキャリア ―その後、20代後半でアメリカのワシントン大学へ留学されていますが、言葉や環境の異なる地での研究生活はいかがでしたか。佐々木:3年間のリサーチフェローとしての留学は、私にとって大きな試練でした。それまで触ったこともない実験器具を使い、まったく新しい学問をすべて英語で進めなければならず、苦労の連続でした。最初の数か月は周囲のアメリカンジョークも聞き取れず、12月のある研究会で発表した際、質問の意味が分からず呆然としていると、「お前は俺の言葉が理解できているのか」と厳しい指摘を受け、本当に悔しい思いをしました。しかし、毎朝ラジオを聴き続けるなど必死に環境に食らいついていると、ある朝突然、英語が自然と頭に流れ込んでくる瞬間が訪れたのです。それからは土日も休まず朝から晩まで研究室にこもり、試行錯誤を繰り返しました。その結果、豚から人への異種移植において拒絶反応から細胞を守る遺伝子(HLA-G)の研究で大きな成果を上げることができたのです。アメリカ移植外科学会(ASTS)で若手研究者を対象にした「Young Investigator Award」を受賞し、抄録番号のトップ(001番)を獲得したときは、他のラボにいた日本人医師たちも自分のことのように駆けつけて喜んでくれました。 AUA(フロリダ)に参加 ―成果を携えて帰国された後、国内の臨床現場に戻る際のご苦労はありましたか。佐々木:31歳で帰国したのですが、直近の3年間は臨床から完全に離れていたため、最初は取り残されたような感覚がありました。ましてや留学前は小児をメインに診ていたので、大人の泌尿器科臨床はほぼ未経験に近い状態です。すぐに外来を任されたのですが不安が拭えず、後輩に前立腺肥大症の薬の対応表などを作ってもらい、それを必死に確認しながら外来をこなしていました。その後、30代中盤で病棟チーフを務めた際も、2学年下の後輩の先生に本当におんぶに抱っこで助けてもらいながら、一歩一歩、大人の臨床感覚を取り戻していきました。 ―これまでのキャリアの中で、女性であることに起因する困難や葛藤を感じられた場面はありましたでしょうか。佐々木:チーフ時代にはさまざまな手術を執刀させてもらい、次は前立腺がんなどの悪性腫瘍の手術に挑もうとした段階で「ひとみは悪性腫瘍にいかなくてもいいよね」という雰囲気がありました。女性であるがゆえに、スペシャリティを絞る方向へ導かれた部分もあったのかもしれません。男性医師であればすべての領域を網羅するのが当たり前だった時代ですから、今振り返れば、その時点で選択肢が狭まってしまったことは少しもったいなかったなと感じることもあります。ただ、私は置かれた状況を自分の中でポジティブに噛み砕くタイプです。レールを敷いていただいたおかげで小児泌尿器科と腎移植のスペシャリストになれたと感謝しています。それに、当時できなかったことに今から挑戦しようとしているんです。理事などの役職が増え、手術の第一線を後輩に譲った今、私は学会のセミナーなどで「悪性腫瘍を今から勉強します!」と公言し、実際に学び始めています。何歳からでも新しい挑戦ができることも、この科の素晴らしい魅力だと思います。 ロールモデルを探す時代から、自分らしいキャリアを作る時代へ ―近年の働き方改革や技術の進歩によって、泌尿器科の就労環境はどのように変化していると感じますか。佐々木:現在の就労環境は大きく進化しています。特に泌尿器科は現在、ワークライフバランスを考えやすい科として若手から注目されています。かつては朝から晩までかかっていた膀胱全摘や前立腺全摘の手術が、現在はロボット手術の普及により、前立腺であれば2時間強、膀胱でも5時間ほどで終わるケースもあります。また、他科に比べて夜間の緊急対応を要する疾患が比較的少ないことも、オンとオフのメリハリをつけやすい大きな特徴です。 ―就労環境の向上によってオフの時間も確保しやすくなったかと思います。先生ご自身はどのようにリフレッシュされていますか。佐々木:実は私、「家づくり」が大好きなんです。自宅の照明を少し落としたダウンライトにして、自分にとって心地よい空間を作ることがライフワークです。趣味は「文庫本のオリジナルカバー掛け」。お菓子のかわいい包装紙や、使い終わったカレンダーのきれいな写真を大切に取っておき、自分で文庫本サイズに折ってカバーにしています。きれいな背表紙が並ぶ本棚を見るのが何よりも楽しい時間なんですよ。自分好みの空間で、夫と愛猫と一緒に過ごす時間が大切なリフレッシュタイムです。私はよく後輩に「働く時間を最高の気分転換にしよう」と伝えています。家事や育児、人生のさまざまなフェーズで忙しいからこそ、病院にいる時間を一人の医師としての充実した時間に昇華させる。人生すべてをひっくるめて、仕事も私生活も「楽しいものを見つけたもん勝ち」だと思っています。 AUA(フロリダ)に参加 ―次世代を担う若手泌尿器科医や、これから進路を決める医学生に向けてアドバイスやメッセージをお願いいたします。佐々木:良い医師になれるかは、自分の中にある引き出しの多さで決まります。患者さんが「喉が痛い」と訴えたとき、風邪の引き出ししか持っていなければ風邪薬しか出せませんが、がんや特殊な感染症の引き出しを持っていれば、必要な検査につなげることができます。だからこそ、若いうちの勉強や経験はすべて将来の患者さんに直結していると考え、大切に積み上げていってほしいです。女性の泌尿器科医はこれからさらに増えていく段階だと思います。いわば全員が「ファーストペンギン」です。決められたロールモデルがないからこそ、自分が望むキャリアや生き方を自由に構築できる可能性があるんですよ。泌尿器科医には、外交的で明るく、チーム力のある人が多いという傾向が、海外の論文でも示されています。お互いの専門領域をリスペクトし合い、年次や学閥に関係なく、LINEや電話で「この症例で困っているから助けてほしい」と、フラットに相談し合える素晴らしい文化があります。誰かの挑戦を邪魔せず、壁にぶつかったときには多くの温かい手が差し伸べられる土壌がここにはあります。ぜひ、この魅力にあふれた泌尿器科の世界へ飛び込んできてほしいですね。 泌尿器科専門医が少しでも気になった方は、こちらの学会ホームページをご覧ください。 日本泌尿器科学会へみなさまのことを学会一同お待ちしております。 ※本記事は日本泌尿器科学会 WEBサイト ダイバーシティ推進委員会に掲載された記事を転載しています。
泌尿器科医は、人生と医療を面白がる天才たちの集まり
泌尿器科医は、人生と医療を面白がる天才たちの集まり
掲載日:2026年7月28日 山形大学医学部・土谷順彦教授は約40年前、「一目惚れ」をきっかけに泌尿器科医の門を叩きました。土谷教授のキャリアは地方病院への出向から始まり、米国メイヨークリニックへの留学、そして現在はAIを駆使した医局運営へと続いています。なぜ泌尿器科は外科と内科の両面を持ち、テクノロジーの導入で医療界の最先端を走り続けられるのか?「泌尿器科医はどこへ行っても独特の『楽しさ』がある」と語る土谷教授に、知られざる泌尿器科医の魅力と、求められる「枠にはまらない生き方」についてお話を伺いました。 土谷順彦(つちや・のりひこ)1988年秋田大学医学部卒業後、同大泌尿器科入局。水戸協同病院、国立水戸病院(現・水戸医療センター)勤務を経て、1999年より米国メイヨークリニックへ留学し前立腺がんの遺伝子研究に従事。帰国後、秋田大学医学部准教授等を経て、2015年より山形大学医学部腎泌尿器外科学講座教授。AIを活用した医局運営や後進の育成に尽力している。 イメージとのギャップに衝撃。「一目惚れ」から始まった泌尿器科医への道 ―土谷先生が泌尿器科を選ばれた理由を教えていただけますか?土谷: きっかけは非常に単純で、学生時代の臨床実習で最初に回ったのが泌尿器科だったからです。それまで私は内科志望で、外科系にはあまり興味がありませんでした。当時の泌尿器科は、失礼ながら「性病科」や「地味」といった印象を持たれがちでした。私自身もそうしたイメージを少なからず持っていたこともあり、あまり期待せずに泌尿器科での臨床実習に臨みましたが、実際に実習に行ってみたらイメージを根底から覆されました。 ―具体的にどのような点に衝撃を受けたのでしょうか?土谷: とにかく手術がダイナミックだったんです。1cmくらいの小さな結石を取り出すために、背中からお腹のあたりまで大きく切開するような手術をします。その光景を見たときに、私の中の「泌尿器科は地味」という認識は吹き飛びました。また、先輩の先生方が非常に楽しそうに働いているのも印象的でした。日中は外来や手術をこなし、夕方からは実験室にこもって研究に没頭するようなエネルギッシュな方ばかり。忙しいはずなのに活気にあふれた明るい医局に触れたことで「こういう外科なら自分もやっていけそうだし、何より楽しそうだ」と一目惚れしてしまったんです。 ―入局直後のキャリアについても教えてください。土谷: 入局直後の配属は、茨城県にある水戸協同病院でした。大学病院に比べて一般病院は医師の数が少ない分、1年目とは思えないほど多くの症例を経験させてもらえました。あの時期に臨床の基礎体力を徹底的に鍛えられたことは、その後のキャリアにおいて大きな財産になりましたね。 ―その後、どのような経緯で山形大学へ?土谷: 水戸での研修を終えた後は秋田大学へ戻り、そこで基礎研究を始めました。その後、もう一度水戸の病院(国立水戸病院)で勤務し、その間に米国への留学も経験しました。帰国後は再び秋田大学で講師、准教授を務め、2015年からご縁があって山形大学医学部の教授として赴任することになりました。一つの場所に留まらず、様々な環境で研鑽を積めたことは良かったと思っています。 仲間意識とフットワークの軽さ。泌尿器科が走る医療の最先端 ―米国への留学は、ご自身にとってどのような経験でしたか?土谷: 卒後3年目から勤務した国立水戸病院(現・水戸医療センター)での上司の勧めがきっかけでした。「俺も論文を書くから、将来留学したいやつは年に2本は書け」という現場主義の部長でした。その教えを守って論文を書き続けたおかげで、医局の人員が減って大変な時期でしたが、念願の留学を許してもらえました。留学先であるメイヨークリニック(Mayo Clinic)は、トウモロコシ畑の中にポツンとあるような医療機関ですが、世界中から優秀な医者や多くの患者さんが集まる素晴らしい環境です。そこで前立腺がんの遺伝子研究に従事し、幸運にも良いデータが出て論文にまとめることができました。「研究もする、英語も学ぶ、旅行もする」が当時の留学の3大目標でしたが、英語以外は達成できたかなと思っています。 ―海外の研究者と交流する中で、何か気づきはありましたか?土谷: アメリカにいて気づいたのは、泌尿器科医には不思議と世界共通で似たタイプの人が集まる、ということです。基本的には皆さん真面目なんですが、根が明るくて楽しいことが好きな人が多いんです。24時間ガチガチに働くというよりは、オンとオフの切り替えが上手で、人生を楽しもうという姿勢を持っている人ばかりのように思えます。この印象は、かつて留学先で交流した先生も、最近学会でお会いする先生も変わりません。また、泌尿器科医は外科や内科に比べると人数が少ない分、先生方の顔が見えやすいんです。「あそこの大学の誰々先生」といえば大体通じる風通しの良さと仲間意識の強さが、泌尿器科の大きな武器だと思います。 ―その結束力が、新しい技術の導入にもつながっているのでしょうか?土谷: そう思います。例えば腹腔鏡手術や、手術支援ロボット「ダヴィンチ」などが登場した時もそうでした。他の科が「そんな新しいもので大丈夫か」「やはり大きく切ったほうが確実だ」と慎重になっている間に、泌尿器科は「面白そうだからやってみよう」「これは患者さんのためになる」と、どんどん取り入れていきました。組織のフットワークが軽く、新しいことへの抵抗感が少ないのが泌尿器科の特徴です。新しいものに触れていきたいという好奇心が、結果として泌尿器科を医療テクノロジーのフロントランナーにしているのだと思います。 「入り口も広く、出口も広い」ライフスタイルに合わせた多様なキャリアパス ―これから泌尿器科を目指す人へ、キャリアパスの魅力について教えてください。土谷: 泌尿器科の良さは、「入り口も広く、出口も広い」ところです。バリバリ手術をする名医、いわゆる「ゴッドハンド」を目指したい人には、ロボット手術のような最先端のフィールドがあります。一方で、手術一辺倒ではなく、薬物療法や内分泌療法でじっくり患者さんを診たい人、透析医療や男性不妊、小児泌尿器、女性泌尿器といった専門性を高めたい人にも活躍の場があります。もちろん、開業もしやすい科であることは間違いありません。内科と外科の両方の側面を兼ね備えているため、自分のライフステージや興味の変化に合わせて、働き方を柔軟に変えていけるのが最大の魅力ですね。 ―勤務医としてのQOL(生活の質)についてはいかがでしょうか?土谷: 日中は手術や外来で忙しいですが、泌尿器科は他科に比べて緊急手術が少ないのが特徴です。夜間や休日に呼び出される頻度はそこまで高くないので、オンオフのメリハリはつけやすいと思います。私自身、休日は大好きなゴルフを楽しんでいます。また、コロナを機に趣味としてプログラミングを始めました。最近は、毎週出る膨大な数の新着論文を生成AI「Gemini」に読ませて要約させ、それを医局員に配信するシステムを作りました。論文を全部読まなくても大体の内容が5行くらいで把握できるので、概要を短い時間で学ぶにはとても便利ですね。常に新しいものを取り入れて効率化していくのも、泌尿器科医らしい気質かもしれません。   ―最後に、医学生や若手医師へのメッセージをお願いします。土谷: 私は「言われたら断らない」をモットーに生きてきました。上司や先輩からの頼まれ事は、時に面倒に感じるかもしれませんが、「君ならできる」という信頼の証でもあります。自分のキャパシティを少し超えるような課題に挑戦することで、人は成長できます。また、これからの時代は高齢の患者さんが増え、ガイドライン一辺倒の治療では対応しきれない場面も増えるでしょう。そんな時こそ、患者さんの人生観を含めて全体を診る力が試されます。泌尿器科は、食わず嫌いをするにはもったいないほど奥深く、そして楽しい世界です。これから専門医としての進路を模索している方、泌尿器科医としてキャリアを積み重ねたい方には、もっと泌尿器科医の魅力を知ってほしいですね。きっと、想像以上に面白い未来が待っていますよ。 泌尿器科専門医が少しでも気になった方は、こちらの学会ホームページをご覧ください。 日本泌尿器科学会へみなさまのことを学会一同お待ちしております。 ※本記事は日本泌尿器科学会 WEBサイト ダイバーシティ推進委員会に掲載された記事を転載しています。
今の病院を辞めると決める前に。 常勤先の選択肢だけ、調べておきませんか?
今の病院を辞めると決める前に。 常勤先の選択肢だけ、調べておきませんか?
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尿素サイクル異常症~知っておきたい希少疾患
尿素サイクル異常症~知っておきたい希少疾患
 原因不明の意識障害や嘔吐 ー「アンモニアを測る」という意識 ー 取材協力:株式会社オーファンパシフィック原因不明の意識障害や嘔吐、倦怠感といった症状は、日常診療で決して珍しいものではない。多くの場合は感染症や消化器疾患などが想定されるが、その背後に代謝性疾患が潜んでいることもある。その一つが尿素サイクル異常症(Urea Cycle Disorder:UCD)である。希少疾患ではあるが、診断の遅れが患者の予後に影響する可能性がある疾患として知られている。臨床の現場で重要になるのが、「アンモニアを測る」という視点である。 尿素サイクル異常症とは 尿素サイクル異常症は、体内で産生されるアンモニアを尿素へと変換する「尿素サイクル」に関与する酵素またはトランスポーターの遺伝的欠損によって発症する先天代謝異常症である(1)。蛋白質代謝の過程で生じるアンモニアは、生体にとって毒性を持つ物質である。通常は肝臓において尿素へと変換され、尿中に排泄されることで無毒化される。しかし尿素サイクルが障害されると、この代謝経路が十分に機能せずアンモニアが体内に蓄積する。とくに中枢神経系への影響が大きいとされ、高アンモニア血症が持続した場合には意識障害や痙攣などの神経症状を来す可能性がある(2)。尿素サイクル異常症は、欠損する酵素またはトランスポーターによって複数の病型に分類される。なかでも日本ではオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症が比較的多いとされている(3)。多くの病型は常染色体潜性遺伝であるが、OTC欠損症はX連鎖性遺伝をとる点が特徴とされる。 発症は新生児から成人まで 尿素サイクル異常症の診断を難しくしている要因の一つが、発症時期の幅広さである。新生児期に発症する重症例では、生後数日以内に哺乳力低下や嘔吐、意識障害、痙攣などを契機に発見されることがある。一方で、酵素活性が部分的に保たれている場合には症状が比較的軽く、小児期以降に発症することもある。成人になってから診断される例も報告されている(4)。遅発型では症状が必ずしも特異的ではない。倦怠感や腹痛、嘔吐といった一般的な症状として現れることがあり、初期の段階では代謝性疾患を想定することが難しい場合もある。また、感染症や高蛋白食などが契機となり急性の高アンモニア血症を来すことがあるとされる(5)。症状が一時的に改善すれば原因が特定されないまま経過観察となることもあり、複数の診療科を受診した後に診断に至るケースもあると指摘されている。 「疑わなければ測らない」アンモニア 診断の鍵となるのが血中アンモニア値の測定である。しかし日常診療においてアンモニアを積極的に測定する機会は必ずしも多くない。肝不全など特定の病態を除けば、一般内科や救急診療の場面でアンモニア測定が積極的に行われるケースは限られていると考えられる。そのため、原因不明の神経症状や消化器症状に遭遇した際に代謝性疾患を想起できるかどうかが、診断に影響する可能性がある。新生児マススクリーニング関連の診療ガイドラインでは、代謝性疾患を疑う場合の鑑別診断の流れが示されている(6)。ただし希少疾患であることから、すべての診療科で広く認識されているとは言い難いのが現状である。患者会などからは、「一人でも多くの医師に疾患を知ってほしい」「疑ったらアンモニアを測定してほしい」といった声も寄せられているという。 長期管理が必要な疾患 尿素サイクル異常症と診断された患者では、長期にわたる管理が必要となる。治療の基本は食事療法と薬物療法によるアンモニア管理である。蛋白摂取量の調整など食事管理が重要となるため、日常生活にも一定の配慮が求められる。とくに小児では学校生活や給食への対応など、周囲の理解が必要となる場面も少なくない。また、成長に伴い小児科から成人診療科へ移行する際のトランジションも課題の一つとされており、専門的に対応できる医療体制の確保が求められている。 アンモニア管理の治療 薬物療法では、体内で産生される窒素を別の経路で排泄させる薬剤が用いられてきた。従来から使用されている薬剤の一つが、ブフェニール(一般名:フェニル酪酸ナトリウム)である。近年、新たな治療選択肢としてラビクティ(一般名:グリセロールフェニル酪酸)が日本でも承認された。海外ではすでに使用されている薬剤で、日本では2025年12月に承認されている。ラビクティは体内でフェニル酪酸、さらにフェニル酢酸へと代謝され作用を示す薬剤であり、既存薬と同様に窒素排泄を促進することでアンモニア管理に用いられる(7)。海外第III相試験ではブフェニールとの比較で非劣性が示されており(8)、国内試験でも海外データと整合する結果が報告されている。また液剤製剤であることから、従来治療で課題とされてきた服用量や服薬負担の軽減につながる可能性があるとされている。ただし日本では臨床での使用経験はまだ限られており、今後の実臨床での知見の蓄積が待たれる。 診療の現場でできること 尿素サイクル異常症は希少疾患ではあるが、急性の高アンモニア血症は重篤な神経症状を引き起こす可能性がある。原因不明の意識障害や反復する嘔吐、強い倦怠感などに遭遇した際、鑑別の一つとして代謝性疾患を想起できるかどうか。そして必要に応じてアンモニアを測定するという選択肢を持てるかどうか。「アンモニアを測る」という小さな視点が、診断につながる重要な手がかりになる可能性がある。 (文責:エクスメディオ編集チーム) 参考資料(1)Summar ML, et al. Urea Cycle Disorders Overview. GeneReviews®(2)Brusilow SW, Maestri NE. Adv Pediatr. 1996;43:127–170.(3)難病情報センター 尿素サイクル異常症(指定難病 251)(4)Kido J, et al. Metab Brain Dis. 2018;33(5):1517–1523.(5)Häberle J, et al. J Inherit Metab Dis. 2019;42(6):1192–1230.(6) 新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン(7)ラビクティ 添付文書 ※貴社医療関係者サイトの添付文章へリンク(8)Diaz GA, et al. Mol Genet Metab. 2013;110(1–2):10–19.
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症~知っておきたい希少疾患
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症~知っておきたい希少疾患
 ー 骨の痛みとリン代謝 ーFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症をどう見抜くか 取材協力:協和キリン株式会社 くる病・骨軟化症の分類と、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症とは何か くる病・骨軟化症は、骨の石灰化障害により小児ではくる病、成人では骨軟化症として現れる疾患群である。原因は大きく以下の3つに分類される。 ● ビタミンD欠乏性 ● ビタミンD依存性 ● 低リン血症性このうち低リン血症性くる病・骨軟化症は、腎尿細管でのリン再吸収障害により慢性的な低リン血症を呈し、さらに原因別に複数の疾患が含まれる。その中心的な病態を担うのが、腎でのリン再吸収を抑制するホルモンFGF23[線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23: FGF23)]の過剰作用である。代表的な疾患がX染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH)と腫瘍性骨軟化症(TIO)であり、本稿ではこのFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症を取り上げる。 FGF23過剰がもたらすリン低下のメカニズム 骨の石灰化にはカルシウムだけでなくリンが不可欠である。FGF23が過剰に作用すると腎尿細管でのリン再吸収が抑制され、慢性的な低リン血症が持続する。これにより、小児ではくる病、成人では骨軟化症が生じる。臨床現場では「骨=カルシウム」という認識がまだまだ強く、リンの重要性が十分に意識されていないことも少なくない。しかし、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の本態はリン代謝異常であり、診断の出発点は「血清リンを測ること」にある。 XLHとTIO:共通点と相違点 X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH)XLHは遺伝性疾患で、約70%が家族性とされる。出生時から病態を有し、小児期には歩行開始後に下肢変形(O脚・X脚)が顕在化する。低身長、動揺性歩行、駆けっこが遅い、転びやすいなどが診断の契機となる。成人期には骨痛、偽骨折、骨折が問題となり、骨折は骨粗鬆症が原因で起こる骨折と起こりやすい部位が異なる。偽骨折は骨を横断しない骨折様病変で、慢性的な骨脆弱性を背景に出現する。従来治療(ビタミンD製剤・リン酸製剤)は長期使用で腎機能障害や副甲状腺機能亢進症を招くリスクがあり、加齢とともに合併症が増える点も課題である。腫瘍性骨軟化症(TIO)TIOは後天性で、FGF23産生腫瘍が原因となる。有病率は1~5万人に1人で、男女差はない(1)。大人で発症することが多いが、まれに子どもでの発症も報告されている。「かつてない痛み」として自覚されることもある。骨粗鬆症や変形性関節症と誤診されやすく、原因となる腫瘍は1cm未満と小さく、全身のどこの骨や軟部組織にでも発生する可能性があるため、見つけにくいことが多いと言われている。専門医の「整形の先生による画像診断にリン値の確認が伴えば、診断は一気に近づく」といった期待の声もある。 患者さんが語る質の異なる「痛み」の表現 患者が訴える痛みはときに特徴的で、「まるで骨を糸ノコで切られるような痛み」や、「足先から脳天までピーンと走る痛み」など、痛みの程度が通常の疼痛とは異なることが想像される。 XLH:幼少期から痛みに慣れてしまい、治療開始後に初めて「痛みがあった」と気づく例がある TIO:成人発症のため「これまで経験したことのない痛み」として自覚されるこうした痛みの質的特徴も、診断のヒントとなる。 構造的に血清リンが測定されにくい現状 血清リンは多くの診療科でルーチン検査に含まれないこともあり、さらに症状が非特異的であるため、低リン血症を想起しにくい構造が日常診療に存在している。診断の鍵は低リン血症の確認である。血液検査では、血清アルカリホスファターゼ(ALP)値が高値で、無機リン(P)値が低値となり、まれに低カルシウム血症が同時に認められることがある。 ● 治療抵抗性の骨粗鬆症 ● 原因不明の慢性骨痛 ● 繰り返す骨折こうした“違和感”を覚えたときに血清リンを測定することが、診断への現実的アプローチとなる。また、XLHでは、家族や親族の中に低身長であったり、骨折を繰り返していたりする患者がいる場合、診断の手がかりとなることがある。 トランジションの課題:小児から成人へ XLHは小児期に診断されても、骨端線閉鎖後に症状が軽減し、治療が中断される例がある。本人に病名が十分伝わらないまま成人を迎え、「むかし何か薬を飲んでいた」という記憶だけが残るケースもある。成人XLHでは、小児期からの診療がそのまま継続され、成人期に入っても小児科でフォローされるケースが少なくないとされる。一方で、成人診療科へのトランジションが十分に整備されておらず、移行が円滑に進まない現状がある(2)。XLHが進行性かつ生涯にわたる疾患であるという認識を、医療者間で共有することが重要である。 抗FGF23抗体療法:病態に即した新たな選択肢 抗FGF23抗体製剤クリースビータ(ブロスマブ)は、FGF23と結合してその過剰な作用を中和し、腎でのリン再吸収を改善する。従来の補充療法とは異なり、病態の中心であるFGF23過剰に直接作用する治療である。2025年に公表された「X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症の診療ガイドライン」においても、小児・成人ともにブロスマブの有用性が複数のクリニカルクエスチョンで示されており、治療選択肢として明確に位置づけられている(3)。 ● 小児:下肢変形の改善、成長促進 ● 成人:骨痛軽減、骨折リスク低減、QOL向上在宅自己注射が可能で、プレフィルドシリンジ製剤の導入により利便性も向上した。一方で薬剤費は高額であり、指定難病の医療費助成制度の理解が治療継続に影響する(4)。 潜在患者と今後の課題 XLHの有病率は約2万人に1人と推定されており(5)、国内には一定数の患者が存在すると考えられている。一方で、実際に診断に至っていない患者も多く、未診断のまま潜在しているケースが少なくないとの指摘がある。TIOは有病率が1~5万人に1人程度とされる希少疾患であるが、診断が難しいこともあり、こちらも未診断の患者が多く存在すると考えられている。「リンを測る」というシンプルな行為が、未診断の患者を見つける第一歩となる。日常診療で遭遇する頻度は高くないものの、「いつもと違う」と感じた場面で低リン血症を念頭に置けるかどうかが診断の糸口になる。《参考》 患者さん・ご家族向け情報サイト本記事で取り上げたXLHや骨軟化症について、患者さんやご家族が情報を得られる場として、「くるこつ広場」(https://www.kurukotsu.com)では疾患解説や患者さん同士の交流に関する情報が掲載されている。 (文責:エクスメディオ編集チーム) 参考資料1)古家美菜絵,伊東伸朗.Clinical Calciumu 2018;28(10):1351-13572) Kubota T. X-Linked Hypophosphatemia Transition and Team Management. Endocrines. 2022.3) 2025年「X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症 診療ガイドライン」。小児・成人ともにブロスマブの有用性がCQで示されている。4) 厚生労働省「難病法に基づく医療費助成制度」。自己負担上限額は受診単位で決まり、通院頻度が負担に影響。5)Endo I,et al.Endocr J.2015;62:811-816. XLHの推定発生率は約20,000人に1人であった。
小児がんの子どもに新しい薬を届けるために〜みんなで考えるドラッグアクセス改善〜
小児がんの子どもに新しい薬を届けるために〜みんなで考えるドラッグアクセス改善〜
座長・演者座長: 荒川 歩 (国立がん研究センター中央病院)    富澤 大輔(国立成育医療研究センター)小児がん薬剤アクセス改善に向けた制度活用と連携強化の現状と展望演者: 中島 美穂(国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科)厚生労働省の医薬品等開発促進施策について演者: 荒木 康弘(厚生労働省医政局研究開発政策課治験推進室)誇りとワクワクを大切に、子どもたちに寄り添い共創する~PMDAの役割~演者: 井口 豊崇(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)小児がんの子どもに新しい薬を届けるためにみんなで考えるドラッグアクセス改善-製薬会社の視点から-演者: 早川 穣 (大原薬品工業株式会社研究開発本部)患者会主導のドラッグアクセス改善の新機軸ー小児がん領域のマルチステークホルダー協働モデルの構築を目指して演者: 大門 恭平(日本小児グリオーマネットワーク)小児がんのドラッグアクセス改善に向けた臨床現場での取り組み演者: 鈴木 麻也(九州大学病院ARO次世代医療センター)執筆:国立成育医療研究センター 小児がんセンター 坂口大俊 要約  本シンポジウムでは、日本の小児がん領域におけるドラッグラグおよびドラッグロスの深刻な現状を踏まえ、行政・規制当局・製薬企業・患者家族・臨床医が多角的に議論した。欧米と比較し、新薬が患者に届くまでの時間差が大きい(ドラッグラグ)だけでなく、海外で承認された薬剤が日本では開発すら始まらない(ドラッグロス)例も増えており、制度面・開発面・現場面の包括的な改善が必要である。国立がん研究センターから、患者数の少なさや治験実施の難しさが薬剤アクセスの障壁である一方、条件付き承認制度、患者申出療養、国際共同治験、分散型臨床試験(DCT)などにより改善の兆しが見え始めていると報告があった。厚生労働省は、研究開発を出口まで結びつけるための国家的戦略を紹介し、特に海外の新興バイオ企業(EBP)が日本で治験を開始しやすい環境整備を進めている点を強調した。 医薬品医療機器総合機構からは、2025年薬機法改正により企業に小児開発計画策定が努力義務化され、小児医薬品開発を後押しする制度が大きく前進したことが示された。製薬企業側からは、小児がん領域の採算性の低さや開発予見性の不足が薬剤開発の最大の障壁であり、制度面の改善だけでなく、市場性や治験要件の透明化が重要と指摘された。患者家族の講演では、海外で承認済みの薬剤が国内で使用できない現実の痛みが共有され、欧州 Accelerate のような多主体協働モデルが日本でも必要であると強いメッセージが示された。臨床現場からは、国際共同治験への早期参画、モデルベース開発、DCTの導入、患者申出療養の活用など、実践的な方策が提示された。本企画を通じて、ドラッグアクセス改善は「制度×企業×臨床×患者会」の総合的連携が不可欠であることが改めて明らかとなった。今後は、国際共同治験の推進、治験効率化、患者会との協働を通じ、海外と同等の薬剤アクセスを日本の小児がん患者に提供できる体制構築が求められる。 参加レポート  本シンポジウムは、小児がん患者さんの「新しい薬へのアクセス」をテーマとして掲げ、行政・規制当局・製薬企業・患者団体・アカデミア・臨床医が一堂に会して多角的に議論した点に極めて大きな意義があった。小児がん領域では、従来からドラッグラグが問題視されてきたが、近年はドラッグロスと呼ばれる、より深刻な状況──すなわち「海外で承認された薬が日本では開発すら始まらない」事態が進行している。欧米との格差は拡大傾向にあり、日本の小児がん患者が海外と同等の治療機会を得られない現実が、医療者・研究者にとどまらず社会全体の課題として浮き彫りとなっている。6名の演者はいずれも、この問題の構造的複雑性を指摘しつつ、未来に向けた解決策を提示した。本レポートでは、それぞれの講演内容を整理しつつ、本企画から得られた学術的・制度的・実務的示唆を総合的に論じる。 1. 小児がん薬剤アクセス改善に向けた制度活用と連携強化の現状と展望 演者:中島 美穂(国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科) まず日本の小児がん領域におけるドラッグラグ/ドラッグロスの深刻さなど問題点が再整理された。欧米に比して新規薬剤が患者の手に届くまでの遅れが大きいだけでなく、治験開始自体が遅滞し、臨床研究から実装までのサイクルが十分に回っていない現状が示された。背景には、患者数の少なさ、治験実施の難しさ、審査・保険適用プロセスの複雑さなど、複数の要因が絡み合っている。 このような状況を打開するため、近年は制度面での支援が拡充されつつある。条件付き承認制度、患者申出療養制度の整備により、通常の承認プロセスでは救えない患者に対するアクセスが広がってきている。特に国際共同治験の推進は、国内では症例が集めにくい疾患において不可欠な取り組みである。また、分散型臨床試験(DCT)の導入は、医療機関に頻繁に通えない患者・家族の負担を軽減し、治験参加率を押し上げる可能性が示された。 しかし制度整備が進む一方で、制度の理解・利用が医療現場に十分浸透していないという課題も明確となった。制度運用には高度な薬事知識が求められるため、アカデミア・臨床医との協働が不可欠であり、トランスレーショナルリサーチの強化や薬事戦略人材の育成が今後の鍵となる。 2. 厚生労働省の医薬品等開発促進施策について 演者:荒木 康弘(厚生労働省医政局研究開発政策課治験推進室) 2025年に改訂された「健康・医療戦略」を背景に、小児がん領域の薬剤アクセス改善に資する政策について包括的に紹介された。本戦略は、優れた基礎研究だけでは国民に恩恵が届かないという問題意識を踏まえ、出口(実装)を明確に意識した総合戦略である。 具体的には、臨床試験支援プラットフォームの構築、医療機器・医薬品イノベーションエコシステムの形成、創薬基盤の強化などが挙げられた。また注目すべきは、海外Emerging BioPharma(EBP)が日本で治験を開始しやすい環境整備である。小児がん関連薬剤の多くはEBPが開発主体となっており、日本にEBPの拠点が少ないことが国際共同治験の参加を妨げ、結果としてドラッグロスにつながっている。こうした構造的問題に対し、治験効率化、First-in-Human 試験の体制整備、薬事相談の早期化など、政策レベルでの対応が急速に進められている。 さらに、各制度を有機的に連動させる必要性が強調された。単にルールを整えるだけではなく、医療現場・企業・患者団体との協働により制度利用を促す環境づくりが不可欠であり、今後は“政策の運用面”が問われる段階に入っているといえる。 3. 誇りとワクワクを大切に、子どもたちに寄り添い共創する~PMDAの役割~ 演者:井口 豊崇(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構) 小児用医薬品の開発が国際的に困難である根本的理由について、症例数の少なさに加え、市場規模が小さく投資回収が困難であること、成人領域で開発が進む薬剤が多く小児適応の検討が後回しにされがちな構造的問題、さらには、小児は年齢による生理学的変動が大きく、用法・用量の検討が難しいといった科学的課題も存在することなどが挙げられた。 その上で、2025年の薬機法改正を中心に、レギュラトリー面の大きな進展が紹介された。企業に対して小児開発計画の策定努力義務を課すことで、小児適応の検討が“後付け”ではなく“開発初期段階からの検討”へと変わる契機となる。また、特定用途医薬品指定制度により、小児や希少疾患領域の薬剤に対し柔軟な評価が可能となり、再審査期間延長制度は企業に対するインセンティブとして働く。 さらに、2024年に設置された「小児・希少疾病医薬品等薬事相談センター」により、PMDA内での小児専門相談体制が強化された。これにより、治験計画段階から承認申請に至るまで一貫したサポートが可能となり、開発の円滑化が期待される。 4. 小児がんの子どもに新しい薬を届けるために  みんなで考えるドラッグアクセス改善-製薬会社の視点から- 演者:早川 穣(大原薬品工業株式会社研究開発本部) 小児がんは症例数が極端に少ないため、市場規模は採算ラインに達しないことが多い。特に大手製薬企業では、年間売上100〜300億円規模が開発投資の前提であり、小児がん領域は投資対象となりにくい。一方で成人がん薬の小児適応追加は薬価上有利に働くことから、企業の戦略的には“成人開発を主体とする発想”が変わりにくい。 また、米国と比較すると日本には明確なインセンティブ制度(優先審査バウチャー、販売独占期間延長など)が乏しく、小児がん領域に企業を誘導する仕組みが十分ではない。特に米国の RACE 法のように企業に明確な利益がある仕組みが存在しないことは、日本での開発が進まない主要因の一つである。 さらに、新興バイオ医薬品会社(EBP)が日本に拠点を持たないことが、国際共同治験に日本が含まれない要因となり、結果として“日本の患者が治験機会を得られない”という状況を生んでいる。制度が整っても、企業にとって「日本で治験を行う理由」が明確でなければ開発は進まない。そのため、「患者数の予測」「薬価・採算性の見通し」「治験要件の明確化」「開発期間短縮」など、開発予見性の可視化が企業参入の鍵であることが強調された。 5. 患者会主導のドラッグアクセス改善の新機軸  小児がん領域のマルチステークホルダー協働モデルの構築を目指して 演者:大門 恭平(日本小児グリオーマネットワーク) 脳腫瘍を罹患した自身の子どもが、海外では承認されている薬剤を国内では使用できなかった経験を通して、薬剤が目の前に存在しているにもかかわらず制度の壁に阻まれ、治療選択肢を奪われる苦しみは、データや政策議論では捉えきれない深刻さを持つという想いが語られた。患者家族の立場からの発信は、ドラッグラグを「制度の問題」から「生命の問題」へと再定義するものであり、会場の空気に大きな影響を与えた。 また、2025年2月にベルギーで開催された Accelerate の議論が紹介され、医療者・企業・規制当局・患者団体が対等な立場で政策形成に参画する欧州モデルの重要性が示された。日本でも患者団体が中心となり、マルチステークホルダー型協働体制を構築すべきとの強い主張がなされ、患者会が治療アクセス改善の“主役”となり得ることが明確に提示された。 6. 小児がんのドラッグアクセス改善に向けた臨床現場での取り組み 演者:鈴木 麻也(九州大学病院ARO次世代医療センター) 臨床現場の視点から、小児がん薬剤アクセス改善に向けた具体的アプローチを論じた。症例数が少ない日本では、成人データや海外小児データの活用、モデルベース開発(モデリング・シミュレーション)など、科学的工夫が不可欠である。また、治験実施施設が都市部に集中している現実に対し、DCT の導入は非常に有効であると指摘された。 治験実施の効率化と質の担保、国際共同治験への早期参画、国内外の成人領域や企業との共同開発は、患者が治療機会を得るための重要要素である。さらに、新制度が整うまでの過渡期においては、患者申出療養制度による未承認薬アクセスが多くの患者に希望をもたらす可能性があることが強調された。 7. 総括:日本の小児がん薬剤アクセスは今、大きな分岐点にある  本企画を総括すると、日本の小児がん薬剤アクセスは、制度面・開発面・臨床面・社会面のすべてにおいて変革期を迎えているといえる。特に以下の3点が本企画からの重要な学びである。2025年薬機法改正は「小児用医薬品開発の義務化」という画期的転換点であり、今後10年の構造を左右する。EBP の日本参入問題こそがドラッグロスの核心であり、これを解決しなければ制度改革だけでは不十分である。患者会が政策提言の主体となる時代に入り、医療者は新たな協働モデルを前提に活動する必要がある。 私は小児腫瘍領域の臨床医の立場として、国際共同治験参加、専門レジストリの拡充、適応外薬使用データの蓄積、企業との連携、そして患者団体との協働を主軸に、薬剤アクセス改善に貢献したいと考えている。本シンポジウムは、単なる議論ではなく、未来の子どもたちへの責任を果たすための“行動の起点”として極めて重要な機会であった。