抗CD20モノクローナル抗体関連の遅発性好中球減少、オビヌツズマブとリツキシマブでの違いは
血液内科 Journal Check

抗CD20モノクローナル抗体関連の遅発性好中球減少、オビヌツズマブとリツキシマブでの違いは

公開日:2024年12月20日

Fadaos N, et al. Ann Hematol. 2024 Dec 12. [Epub ahead of print]
 抗CD20モノクローナル抗体関連の遅発性好中球減少の発生率は、8〜27%と報告されている。濾胞性リンパ腫(FL)の維持療法には、抗CD20モノクローナル抗体が広く使用されているにも関わらず、遅発性好中球減少の発生や臨床結果に及ぼす影響に関するデータは限られている。イスラエル工科大学のNashwa Fadaos氏らは、維持療法中のFL患者における遅発性好中球減少の発生率、重症度、リスク因子について評価を行った。Annals of Hematology誌オンライン版2024年12月12日号の報告。
 対象は、2006〜21年にイスラエル・ラムバン病院で治療を行ったFL患者。対象患者のデータは、電子カルテより収集した。
主な結果は以下のとおり。
・維持療法群には165コースの治療による155例、非維持療法群には67コースの治療による58例を含めた。 ・維持療法の期間中央値は1.81±0.28年。 ・維持療法中に遅発性好中球減少が発生した患者は23.2%、1回以上の再発は13.8%で認められた。 ・非維持療法群では、遅発性好中球減少が29.3%、再発が38.8%でみられた。 ・維持療法群における維持療法開始から最初の好中球減少までの期間中央値は5ヵ月(1.25〜12)であり、非維持療法群の方がより早期に好中球減少が発生した(1.9ヵ月[0.97〜3.71]、p=0.06)。 ・維持療法群における遅発性好中球減少のリスク因子は、オビヌツズマブ+ベンダムスチン併用療法またはオビヌツズマブ維持療法であった。 【オビヌツズマブ+ベンダムスチン併用療法】オッズ比(OR):4.546、95%信頼区間(CI):1.419〜14.563、p=0.011 【オビヌツズマブ維持療法】OR:3.138、95%CI:1.23〜7.94、p=0.016 ・非維持療法群における遅発性好中球減少のリスク因子は、1つ以上の治療ライン(OR:3.93、95%CI:1.00〜15.38、p=0.04)、導入化学療法完了時の好中球絶対数の低さであった。 ・リツキシマブまたはオビヌツズマブによる維持療法を行った患者における遅発性好中球減少の発生率の違いは、抗CD20抗体のタイプI抗体またはII抗体のメカニズムの差が影響している可能性が示唆された。
 著者らは「FL患者に対する抗CD20モノクローナル抗体による長期維持療法は、遅発性好中球減少の再発減少に有用である」としたうえで「本知見は、個々のFL患者における遅発性好中球減少リスクを予測し、治療選択を最適化するうえで役立つであろう」とまとめている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Fadaos N, et al. Ann Hematol. 2024 Dec 12. [Epub ahead of print]
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39663256

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