CLL患者の肺炎リスクにベネトクラクスはどのくらい影響するか?
血液内科 Journal Check

CLL患者の肺炎リスクにベネトクラクスはどのくらい影響するか?

公開日:2025年1月24日

Kalicinska E, et al. Cancers (Basel). 2024; 16: 4168.
 慢性リンパ性白血病患者(CLL)は、臨床アウトカムに影響を及ぼす感染症リスクが高い。ポーランド・ヴロツワフ医科大学のElzbieta Kalicinska氏らは、CLL患者の実臨床におけるベネトクラクスレジメン治療による肺炎発生率、無イベント生存期間(EFS)のリスク因子、全生存期間(OS)の評価を行った。Cancers誌2024年12月13日号の報告。
 医療機関8施設より322例が、本多施設共同研究に参加した。ベネトクラクスベースの治療中における肺炎の発生率およびOSをアウトカムとし、単変量解析および多変量解析を用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・最も一般的な合併症は、好中球減少(59%)であった。 ・ベネトクラクスベースのレジメンにより肺炎を発症した患者は66例(20%)、リツキシマブ+ベネトクラクス療法で50例(23%)、オビヌツズマブ+ベネトクラクス療法で13例(16%)であった(p=0.15)。 ・多変量解析では、EFSのリスク因子として、COPD/喘息(HR:2.08、95%CI:1.16〜3.74、p=0.014)、脾腫(HR:1.73、95%CI:1.08〜2.78、p=0.020)、クレアチニン高値(HR:2.13、95%CI:1.10〜4.11、p=0.030)、8g/dL未満の貧血(HR:3.58、95%CI:2.18〜5.89、p<0.001)が挙げられた。 ・リツキシマブ+ベネトクラクス療法で治療された再発・難治性CLL患者では、肺炎を伴う患者は、そうでない患者と比較し、OSが不良であった(p<0.001)。 ・オビヌツズマブ+ベネトクラクス療法で治療された患者では、肺炎を伴う患者とそうでない患者との間で、OS中央値に差は認められなかった(p=0.45)。
 著者らは「実臨床におけるベネトクラクスレジメンによる肺炎発生率は、臨床試験の報告よりも高く、とくにリツキシマブ+ベネトクラクス療法で治療を行った再発・難治性CLL患者では、OSが不良であることが示唆された。なお、好中球減少は、肺炎のリスク因子ではなかった」と結論付けている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Kalicinska E, et al. Cancers (Basel). 2024; 16: 4168.
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39766067

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