AMLの新治療戦略となるか!バルプロ酸併用でベネトクラクスの有効性向上
血液内科 Journal Check

AMLの新治療戦略となるか!バルプロ酸併用でベネトクラクスの有効性向上

公開日:2025年1月29日

Kawakatsu R, et al. Diseases. 2025; 13: 10.
 急性骨髄性白血病(AML)は、悪性度の高い一般的な白血病であるが、現在の治療戦略では十分とはいえない。AML治療薬として承認されているベネトクラクスは、BCL-2を阻害し,アポトーシスを誘発する薬剤であるが、その治療効果は限られている。そのため、ベネトクラクスの治療効果を高めるための新たな治療戦略が求められている。一方、てんかん治療などに用いられるバルプロ酸は、AML治療に対する潜在的な応用が研究されている薬剤の1つである。京都府立医科大学のRenshi Kawakatsu氏らは、AML細胞株に対するバルプロ酸およびベネトクラクスとバルプロ酸併用の影響を評価した。Diseases誌2025年1月8日号の報告。
 AML細胞株に対するバルプロ酸およびベネトクラクスとバルプロ酸併用の影響を評価するため、本研究を実施した。細胞生存率の分析にはトリパンブルー色素排除法、細胞周期状態の分析にはフローサイトメトリーを用いた。プロアポトーシスタンパク質BaxおよびBakの発現は、RT-qPCRで測定した。
主な結果は以下のとおり。
・AML細胞の増殖に対するベネトクラクスおよびバルプロ酸の単独による影響は、わずかであった。 ・しかし、ベネトクラクスとバルプロ酸を併用すると、細胞増殖が有意に抑制され、細胞死が誘発された。 ・カスパーゼの基質となるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの切断を引き起こし、アポトーシスを活性化することが示唆された。 ・VPAはBaxとBakの発現を上昇させ、アポトーシス誘導をさらに促進した。 ・ベネトクラクスとバルプロ酸併用による細胞死誘発は、主にアポトーシスによるものであり、このことは、Panカスパーゼ阻害による細胞死の多くを阻害することで確認された。
 著者らは「本研究により、ベネトクラクスとバルプロ酸併用は、AML細胞株に対するベネトクラクス誘発アポトーシスを増強することが実証された。このバルプロ酸の新たな作用は、AML治療戦略におけるバルプロ酸併用の可能性を示唆している」と結論付けている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Kawakatsu R, et al. Diseases. 2025; 13: 10.
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39851474

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