ライブラリー
再発・難治性PCNSLに対する治療選択の現状は?
公開日:2024年10月4日
Primeaux B, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e3313.
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)は、全身的な病変を伴わずに中枢神経系へ影響を及ぼすアグレッシブリンパ腫である。第1選択治療として、大量メトトレキサート(HDMTX)ベースのレジメンが推奨されるが、その後は、高用量化学療法、全脳放射線療法、テモゾロミド併用または維持療法、自家造血幹細胞移植(auto HSCT)などによる強化療法が行われる。HDMTX+リツキシマブによる治療が進歩したものの、いまだ多くの患者が再発している。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのBrian Primeaux氏らは、再発・難治性PCNSLに対するリアルワールドでの治療の特徴を明らかにするため、本研究を実施した。Hematological Oncology誌2024年11月号の報告。
2016年4月1日〜2022年7月1日にHDMTXベースの第1選択治療を行なった成人PCNSL患者54例を対象に、レトロスペクティブ記述的分析を行なった。二次性中枢神経系リンパ腫、非B細胞由来PCNSL、眼内悪性リンパ腫の治療目的でHDMTXを行なった患者は除外した。再発・難治性PCNSLに対するリアルワールドでの治療の特徴および第1選択治療後の強化療法の特徴について、分析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・31例(57%)の患者には、リツキシマブ+大量シタラビン(R-HD-AraC療法)、全脳放射線療法、またはその両方による強化療法が行われていた。
・13例(24%)は、auto-HSCTに進んでいた。
・病勢進行は25例で認められ、17例に対し第2選択治療が行われた。
・第2選択治療の内訳は、臨床試験(18%)、リツキシマブ+レナリドミド(18%)、HDMTXベースのレジメン(18%)、イブルチニブ+リツキシマブ(12%)、R-HD-AraC療法(12%)。
・さらに7例で病勢進行が認められ、第3選択治療が行われた。
・第3選択治療はさまざまであり、リツキシマブ+レナリドミド、イブルチニブ+HDMTX、イブルチニブ、リツキシマブ、メトトレキサート、シタラビン、R-HD-AraC療法、リツキシマブ+ニボルマブ、全脳放射線療法などで治療されていた。
・5例は第4選択治療として、リツキシマブ、リツキシマブ+レナリドミド、R+HDMTX、ニボルマブが行われた。
・第5選択治療以降を行った患者は3例、これまでのレジメンに加え、リツキシマブ+テモゾロミド、ペムブロリズマブが用いられていた。
著者らは「再発・難治性PCNSLの治療選択肢は多様であり、医師の好み、臨床試験の適格性、治療歴、PS、臓器機能、治療目的など、患者の要因に大きく影響されていることがわかった。最適なマネジメントを実現するためにも、プロスペクティブ臨床試験の必要性が示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Primeaux B, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e3313.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39340121
血液内科 Pro(血液内科医限定)へ
※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら