腸内細菌を介して、アルツハイマー病が伝染る！？　他4本≫ Journal Check Vol.72（2023年10月26日号）

腸内細菌を介して、アルツハイマー病が伝染る！？

最近の研究では、腸内微生物叢がアルツハイマー病（AD）の重要な感受性因子であると位置づけられているが、腸内微生物叢の変化がADの症状発現の原因であるかどうかは不明である。著者らは、AD患者と健康な対照者から得た糞便微生物叢を、微生物叢が枯渇した若年成体ラットに移植し、どのような症状が起こるかについて調査した。Brain誌オンライン版2023年10月18日号の報告。

高カロリー食が、満腹中枢を抑制する！？

オキシトシンを発現する視床下部室傍核ニューロン（PVN OTニューロン）は、コレシストキニン（CCK）を含む腸からの求心性シグナルを統合して、全身のエネルギー恒常性を調整しているが、PVN OTニューロンが腸から脳への摂食制御を調整する分子基盤は依然として不明である。著者らは、PVN OTニューロンのシグナル伝達が腸-脳満腹経路を切り離すメカニズムを明らかにした。Cell Reports誌オンライン版2023年10月20日号の報告。

たった1回のプレリハビリで、筋肉は保持されるか？

床上安静中の筋原線維タンパク質合成（MyoPS）障害は、高齢者の骨格筋の減少を加速し、二次的な健康への悪影響を増加させる。著者らは、短期床上安静中のMyoPSおよび筋肉形態に対する事前のレジスタンス運動の影響を評価した。The Journal of Physiology誌オンライン版2023年10月19日号の報告。

リバウンドが起こる原因は？

減量は、空腹感とグレリン濃度の増加とともに、エネルギー消費量の不均衡な減少に関連しており、これらの変化は、エネルギー不足に対抗する恒常性維持機構であると推定されている。著者らは、減量に伴う安静時代謝率（RMR）の不均衡な低下が、食欲や消化管ホルモンの血中濃度変化と関連しているかどうかを調査した。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2023年10月18日号の報告。

コーヒー摂取と因果関係のある神経疾患は？

これまでの観察研究は、コーヒー摂取と神経疾患の関連に焦点を当てていたが、因果関係があるかどうかは不明である。著者らは、コーヒー摂取とアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、てんかん、脳卒中、片頭痛などの神経疾患のリスクとの因果関係を評価するために、メンデルランダム化研究を実施した。European Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2023年10月16日号の報告。