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血流感染症に対する適切な抗生物質投与期間はどのくらいか/NEJM
公開日:2024年11月29日
Daneman N, et al. N Engl J Med. 2024 Nov 20. [Epub ahead of print]
血流感染症は、罹患率が非常に高く、死亡リスクに大きな影響を及ぼす。より早期に適切な抗生物質治療を行うことは重要であるが、治療期間についてはよくわかっていない。カナダ・トロント大学のNick Daneman氏らは、血流感染症に対する適切な抗生物質投与期間を明らかにするため、7日間または14日間の抗生物質治療における多施設共同非劣性試験を実施した。NEJM誌オンライン版2024年11月20日号の報告。
集中治療室(ICU)患者を含む血流感染症入院患者を対象に、7日間または14日間の抗生物質治療群にランダムに割り付けた。抗生物質の選択、投与量、投与経路は、治療チームにより決定した。除外対象は、重度の免疫抑制、長期治療が必要な病巣、コンタミの可能性のある単一培養、黄色ブドウ球菌が検出された患者。主要アウトカムは、血流感染症診断後90日以内における、すべての原因による死亡とし、非劣性マージンは4%ポイントに設定した。
主な結果は以下のとおり。
・7ヵ国74施設により3,608例が登録され、ITT分析に含めた。
・対象患者は、抗生物質7日間投与群1,814例、14日間投与群1,794例にランダムに割り付けられた。
・登録時点で、患者の55.0%はICU、45.0%は病棟に入院していた。
・感染の発生率は、市中で75.4%、病棟で13.4%、ICUで11.2%。
・菌血症の発生部位は、尿路(42.2%)、腹部(18.8%)、肺(13.0%)、血管カテーテル(6.3%)、皮膚または軟部組織(5.2%)であった。
・90日までの死亡率は、7日間投与群で14.5%(261例)、14日間投与群で16.1%(286例)であり(群間差:−1.6%ポイント、95.7%信頼区間[CI]:−4.0〜0.8)、短期治療期間の非劣性が示された。
・割り当て期間よりも抗生物質の長期投与が行われた患者の割合は、7日間投与群で23.1%、14日間投与群で10.7%。
・プロトコル毎の解析でも、非劣性が示された(群間差:−2.0%ポイント、95%CI:−4.5〜0.6)。
・これらの結果は、副次的臨床アウトカムおよび患者、病原体、症候群の特性により事前に定義されたサブグループ解析においても、概ね一貫していた。
著者らは「血流感染症入院患者に対する抗生物質治療は、その期間が7日間であっても、14日間治療に劣っていないことが示唆された」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Daneman N, et al. N Engl J Med. 2024 Nov 20. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39565030
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