花粉症予防に有用なお茶の種類とその摂取頻度は?
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花粉症予防に有用なお茶の種類とその摂取頻度は?

公開日:2025年2月20日

 カテキンを含むお茶の摂取は、アレルギー症状に対して潜在的に有益な影響を及ぼすなど、健康関連ベネフィットとの関連が示唆されている。しかし、お茶の摂取量とアレルギー症状との関連についての大規模な疫学研究は、限られている。順天堂大学の青木 のぞみ氏らは、大規模な日本における疫学コホートにより、お茶の摂取頻度と季節性花粉症の主な原因であるスギ花粉アレルギーとの関連を調査した。Journal of Nutritional Science誌2025年1月10日号の報告。
 対象は、東北在住の地域住民1万6,623人。血液検査で評価したスギ花粉抗体レベルおよび自己記入質問票によるお茶(緑茶、番茶、烏龍茶、紅茶)の摂取頻度に関するデータを収集した。お茶の摂取頻度により、3群(1回/週未満、1〜6/週、1日1回以上)に分類した。お茶の摂取頻度とスギ花粉特異的IgE血清レベル(lumicount陰性:0〜1.39、陽性:1.40以上)との関連を評価するため、ロジスティック回帰モデルを用いて分析した。
主な結果は以下のとおり。
・緑茶の摂取量とスギ花粉特異的IgEとの間に、逆相関が認められた。 ・1日1回以上の緑茶の摂取は、それ未満の場合と比較し、調整オッズ比が0.81(95%CI:0.70〜0.94)であった。 ・番茶、烏龍茶、紅茶については、スギ花粉特異的IgEとお茶の摂取頻度との間に、統計学的に有意な関連は認められなかった。
 著者らは「カテキンを含むお茶のなかでも緑茶の摂取のみが、スギ花粉特異的IgE陽性率の低下と関連している可能性が示唆された」と結論付けている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Aoki N, et al. J Nutr Sci. 2025: 14: e2.
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39943933

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