DLBCL

80歳以上のDLBCL患者でもCAR-T細胞療法は検討する価値があるのか?
80歳以上のDLBCL患者でもCAR-T細胞療法は検討する価値があるのか?
公開日:2025年3月11日 Kharfan-Dabaja MA, et al. Bone Marrow Transplant. 2025 Mar 1. [Epub ahead of print]  CAR-T細胞療法の臨床試験では、高齢者の悪性リンパ腫患者に対する検討は、十分に行われていない。米国・メイヨークリニックのMohamed A. Kharfan-Dabaja氏らは、80歳以上の悪性リンパ腫患者に対する標準的なCAR-T細胞療法の安全性および有効性を評価するため、多施設共同観察研究を実施し、その結果を報告した。Bone Marrow Transplantation誌オンライン版2025年3月1日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者数は88例、年齢中央値は82歳(範囲:80〜89)。 ・最も多かった組織学的所見は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)であった(60例、68.2%)。 ・主に、アキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel:41例、46.6%)、リソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel:25例、28.4%)が使用された。 ・サイトカイン放出症候群(CRS)は68例(77.3%)、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は51例(58%)で発生した。 ・grade3〜4のCRS発生率は7.4%、ICANS発生率は31.4%。 ・DLBCL/形質転換した濾胞性リンパ腫(tFL)では、1年非再発死亡率(NRM)が11.6%、再発率が40.8%、無増悪生存率(PFS)が47.6%、全生存率(OS)が61.2%であった。  著者らは「CAR-T細胞療法は、80歳以上のB細胞リンパ腫患者に実行可能かつ効果的な治療選択肢である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kharfan-Dabaja MA, et al. Bone Marrow Transplant. 2025 Mar 1. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/40025178 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
CD5陽性DLBCLのCNS再発予防に対するDA-EPOCH-R/HD-MTX
CD5陽性DLBCLのCNS再発予防に対するDA-EPOCH-R/HD-MTX
公開日:2025年3月4日 Nato Y, et al. Hematol Oncol. 2025; 43: e70047.  CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、予後不良であり、中枢神経系(CNS)再発頻度の高い特徴を有する疾患である。DA-EPOCH-R療法と大量メトトレキサート(HD-MTX)によるサンドイッチ療法は、stage II〜IVのCD5陽性DLBCL患者を対象とした第II相試験において、優れた有効性とマネジメント可能な安全性を示した。三重大学の名藤 佑真氏らは、この試験結果を検証し、CD5陽性DLBCL患者の現在の治療状況を明らかにするため、レトロスペクティブに分析を行った。Hematological Oncology誌2025年3月号の報告。  対象は、2016〜21年に診断されたリツキシマブを含むアントラサイクリン系化学療法による治療を行ったCD5陽性DLBCL患者。臨床アウトカムをレトロスペクティブに分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・評価対象患者346例中、DA-EPOCH-R/HD-MTX療法を行った患者は62例(18%)。 ・フォローアップ期間中央値は43ヵ月。 ・DA-EPOCH-R/HD-MTX療法を行ったstage II〜IVの患者(55例)では、2年全生存率(OS)が87%(95%CI:73〜94)、無増悪生存率(PFS)が76%(95%CI:61〜86)、CNS再発の累積発生率が7.3%(95%CI:2.4〜16.0)であった。 ・治療関連死亡は認められなかった。 ・発熱性好中球減少は、18例(33%)で発生した。 ・346例を対象とした多変量解析では、OSの独立したリスク因子として、LDH上昇、複数のリンパ節外病変、髄腔内MTX投与なし、DA-EPOCH-R/HD-MTX療法なしが特定された。 ・HD-MTXと髄腔内MTXの療法を行った患者28例中、CNS再発が認められた患者は1例のみであった。  著者らは「DA-EPOCH-R/HD-MTX療法の良好な生存率およびマネジメント可能な毒性が、実臨床の現場において確認された。CD5陽性DLBCL患者のCNS再発予防に対して、HD-MTXおよび髄腔内MTXが有効である可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nato Y, et al. Hematol Oncol. 2025; 43: e70047.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39937961 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
メトホルミン+L-アスパラギナーゼ併用はDLBCLの新たな治療法となりうるか
メトホルミン+L-アスパラギナーゼ併用はDLBCLの新たな治療法となりうるか
公開日:2025年2月25日 Lordello L, et al. Cancers (Basel). 2025; 17: 394.  びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、非ホジキンリンパ腫で最も一般的なタイプであり、B細胞から発生するアグレッシブかつ不均一な腫瘍を特徴とする。とくに、再発・難治性の場合では、依然として治療困難な悪性腫瘍の1つである。悪性腫瘍細胞の特徴として、代謝の再プログラミングが挙げられる。フランス・Universite Paris CiteのLeonardo Lordello氏らは、代謝の脆弱性をターゲットとし、再発・難治性DLBCL患者の臨床アウトカムを改善させるための戦略を検討した。Cancers誌2025年1月24日号の報告。  米FDAで承認されている2つの抗代謝薬であるメトホルミンおよびL-アスパラギナーゼの併用がDLBCL細胞の代謝および生存に及ぼす影響を調査した。薬剤併用により誘発される代謝阻害の評価には、NMR分光法を用いた。脂質代謝、糖代謝、グルタミン代謝、トリカルボン酸(TCA)サイクル、抗酸化作用への影響を調査した。アポトーシス誘導の評価には、FACG分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・メトホルミンとL-アスパラギナーゼの併用は、酸化的リン酸化またはBCR/解糖系の状態に関わらず、DLBCL細胞のアポトーシスに対し、強い感受性を示した。 ・NMR分光法では、メトホルミンとL-アスパラギナーゼの併用は、いずれかの単剤の場合よりも、広範な代謝阻害を示すことが明らかとなった。 ・リン脂質、コレステロール、脂肪酸のレベルを調整することで、脂質代謝を阻害すると考えられる。 ・さらに、メトホルミンの糖代謝促進作用を打ち消し、解糖およびグルタミン代謝を減少させた。 ・また、細胞のエネルギー生成と酸化還元バランスに重要なTCAサイクルと抗酸化作用にも影響を及ぼすことが示唆された。 ・メトホルミンとL-アスパラギナーゼの併用は、がん生存に対して重要な2つの経路であるmTORC1およびMAPKシグナル伝達を阻害した。 ・これらの有益な影響が、DLBCL患者において実証された。  著者らは「メトホルミンとL-アスパラギナーゼの併用は、複数の代謝経路をターゲットとしてDLBCL細胞の生存に影響を及ぼすことから、再発・難治性DLBCLに対する新たな治療法となる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Lordello L, et al. Cancers (Basel). 2025; 17: 394.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39941763 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
80歳以上の日本人DLBCLに対する減量Pola-R-CHP療法、実臨床での有用性は
80歳以上の日本人DLBCLに対する減量Pola-R-CHP療法、実臨床での有用性は
公開日:2025年2月14日 Sato S, et al. Blood Res. 2025; 60: 10.  80歳以上で未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するポラツズマブ ベドチンとR-CHP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン)の併用療法(Pola-R-CHP療法)の有効性および安全性は、ほとんど調査されていない。神奈川県・湘南鎌倉総合病院の佐藤 淑氏らは、高齢者コホートであるPOLARIX試験の結果を拡張し、リアルワールドにおける80歳以上の日本人DLBCL患者における減量Pola-R-CHP療法の有効性および安全性を評価するため、レトロスペクティブに分析を行った。Blood Research誌2025年2月5日号の報告。  対象は、2022年9月〜2024年2月に当院でPola-R-CHP療法を行った80歳以上のDLBCL患者38例。毒性や病勢進行により早期に治療を中止した患者も含め、1コース以上の化学療法を行った。すべての患者の相対用量強度(RDI)をモニタリングした。Pola-R-CHP療法の用量調整は、主治医の裁量で実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者の年齢中央値は84.3歳(範囲:80〜95)、PS2以上の患者は8例(21%)。 ・MYCおよびBCL2再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫患者1例も対象に含めた。 ・ステージIII〜IVが30例(79%)、IPIの高リスク群16例(42%)、CNS-IPIの高リスク群4例(10%)。 ・治療コース中央値は5コース(範囲:1〜6)、全6コースを完了した患者は24例(63%)。 ・フォローアップ期間中央値は11.6ヵ月(範囲:1〜24)。 ・12ヵ月後の全生存割合(OS)は86.2%(95%CI:70.0〜94.0)、無増悪生存割合(PFS)は78.5%(95%CI:59.2〜89.5)。 ・発熱性好中球減少症の発生率は、比較的高かったものの(32%)、平均RDIが70%未満の患者では、治療強度が低下してもリスク増加が認められた。 ・末梢神経障害のためにポラツズマブ ベドチンの減量が必要であった患者はいなかった。  著者らは「新たにDLBCLと診断された80歳以上の高齢患者に対し、減量Pola-R-CHP療法は、実行可能な効果的な治療選択肢である可能性が示された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Sato S, et al. Blood Res. 2025; 60: 10.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39907880 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
モスネツズマブはリツキシマブを超えられるか、初発DLBCLに対するモスネツズマブ+Pola-CHP療法/Blood Adv
モスネツズマブはリツキシマブを超えられるか、初発DLBCLに対するモスネツズマブ+Pola-CHP療法/Blood Adv
公開日:2025年2月12日 Westin JR, et al. Blood Adv. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]  抗CD20/CD3二重特異性抗体であるモスネツズマブは、本邦において再発・難治性濾胞性リンパ腫(FL)で承認を取得した。本剤は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する新たな治療選択肢の1つとしても期待され、併用療法による臨床試験も進行している。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのJason R. Westin氏らは、DLBCLに対する第1選択治療の1つであるポラツズマブ ベドチン併用R-CHP(Pola-R-CHP)療法とリツキシマブをモスネツズマブに変更したモスネツズマブ+Pola-CHP療法の有効性および安全性を比較するため、第II相試験を実施し、最終結果を報告した。Blood Advances誌オンライン版2025年2月5日号の報告。  対象は、未治療のDLBC患者62例。モスネツズマブ+Pola-CHP群40例、Pola-R-CHP群22例にランダムに割り付けた。21日間6コースでday1に投与を行った。モスネツズマブは、1コース目にステップアップドーズで30mgまで増量した。主要エンドポイントは、独立審査委員会により評価したPET-CT検査による完全奏効(CR)率とした。 主な結果は以下のとおり。 ・CR率は、両群間で同等であった(モスネツズマブ+Pola-CHP群:72.5%、Pola-R-CHP群:77.3%)。 ・治験責任者により評価した24ヵ月無増悪生存期間(PFS)は、モスネツズマブ+Pola-CHP群で70.8%(95%CI:55.6〜86.1)、Pola-R-CHP群で81.8%(95%CI:65.7〜97.9)であった。 ・モスネツズマブ+Pola-CHP群において最も多かった有害事象は、サイトカイン放出症候群(CRS:68.4%)であり、その多くはグレードI(52.6%)、1コース目に限定的に認められた。 ・Pola-R-CHP群で最も多かった有害事象は、好中球減少症/好中球数減少(54.4%)。 ・好中球減少症/好中球数減少は、両群で最も高頻度に認められたグレードIII以上の有害事象であった(モスネツズマブ+Pola-CHP群:36.8%、Pola-R-CHP群:22.7%)。 ・グレードIII以上の有害事象、重篤な有害事象、治療中止に至る有害事象の発生率は、モスネツズマブ+Pola-CHP群の方が、Pola-R-CHP群よりも高かった。  【グレードIII以上の有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:86.8%、Pola-R-CHP群:59.1%  【重篤な有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:63.2%、Pola-R-CHP群:13.6%  【治療中止に至る有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:13.2%、Pola-R-CHP群:0% ・薬理学的変化は、モスネツズマブの作用機序とPola-CHP療法併用を支持するものであった。  著者らは「初発DLBCLに対する第1選択治療として、モスネツズマブ+Pola-CHP療法は有用であったが、この小規模な研究では、Pola-R-CHP療法を上回る臨床的ベネフィットは示されなかった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Westin JR, et al. Blood Adv. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39908481 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
LBCLに対するCAR-T細胞療法、2ndと3rdラインで治療結果はどのくらい違うのか?
LBCLに対するCAR-T細胞療法、2ndと3rdラインで治療結果はどのくらい違うのか?
公開日:2025年2月6日 Corona M, et al. Bone Marrow Transplant. 2025 Feb 1. [Epub ahead of print]  CAR-T細胞療法は、再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の第2選択治療に利用可能となった。米国・ニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターのMagdalena Corona氏らは、CAR-T細胞療法を第2選択で実施した患者と第3選択以降で実施した患者における再発リスクおよび進行パターンの比較を行った。Bone Marrow Transplantation誌オンライン版2025年2月1日号の報告。  対象は、アキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel)またはリソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel)で治療を行った再発・難治性LBCL患者354例(axi-cel:71%、liso-cel:29%)。治療ラインの内訳は、CAR-T細胞療法を第2選択で実施した患者(早期治療群)80例(23%)、第3選択以降で実施した患者(後期治療群)274例(77%)。 主な結果は以下のとおり。 ・1年全生存率(OS)は、早期治療群の方が良好であった(82%[95%CI:72〜93] vs.71%[95%CI:66〜77]、p=0.048)。 ・多変量Cox回帰モデルおよび傾向スコアマッチングでは、生存率に対するメリットは持続しなかった。 ・再発の1年累積発生率は同程度であり、1年無増悪生存期間(PFS)も同様であった。  【再発の1年累積発生率】37%(95%CI:24〜50) vs.43%(95%CI:37〜49)、p=0.200  【1年PFS】62%(95%CI:50〜76) vs.50%(95%CI:44〜57)、p=0.140 ・早期治療群では、グレードII以上のサイトカイン放出症候群(CRS)の発生率が低く、重度の好中球減少の累積発生率も低下が認められるなど、毒性プロファイルは良好であった。  【グレードII以上のCRS発生率】26%vs.39%、p=0.031  【重度の好中球減少の累積発生率】41%(95%CI:30〜52) vs.55%(95%CI:49〜60)、p=0.027  著者らは「CAR-T細胞療法は、治療ラインとは無関係に、良好なアウトカムを示すことが確認された。病勢制御の同等性が認められたことから、第1選択治療で再発したLBCLにおいて、CAR-T耐性メカニズムが持続している可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Corona M, et al. Bone Marrow Transplant. 2025 Feb 1. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39893244 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
初発ダブルエクスプレッサーリンパ腫にR-CHOP+ザヌブルチニブが有効〜第II相試験
初発ダブルエクスプレッサーリンパ腫にR-CHOP+ザヌブルチニブが有効〜第II相試験
公開日:2025年2月3日 Yin X, et al. Cancer. 2025; 131: e35697.  ダブルエクスプレッサーリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の他のサブタイプよりも予後不良である。中国・Shandong Cancer Hospital and InstituteのXia Yin氏らは、ステージIII以上のダブルエクスプレッサーリンパ腫に対してR-CHOP療法にザヌブルチニブを併用した際の有効性および安全性を評価するため、多施設プロスペクティブ単群第II相臨床試験を実施した。Cancer誌2025年1月1日号の報告。  対象は、2020年11月〜2022年7月に新たに診断されたダブルエクスプレッサーリンパ腫患者48例。対象患者には、6ヵ月間のザヌブルチニブ(160mg)1日2回およびR-CHOP療法6〜8サイクルを行った。R-CHOP+ザヌブルチニブ併用療法の有効性・安全性の評価および有効性と関連する因子の予備的調査を実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・客観的奏効率(ORR)は89.6%、完全奏効率(CRR)は83.3%であった。 ・フォローアップ期間中央値は29.3ヵ月。 ・無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の中央値は未達。 ・2年PFSは81.25%、2年OSは93.75%であった。 ・グレードIII以上の有害事象は48例中23例(47.9%)で報告された。 ・次世代シーケンシング(NGS)を実施した33例の結果では、最も一般的な遺伝子変異としてTP53、MYD88、PIM1が特定された。 ・多変量解析では、BCL-6遺伝子の再構成は、PFS(ハザード比[HR]:0.247、95%信頼区間[CI]:0.068〜0.900、p=0.034)およびOS(HR:0.057、95%CI:0.006〜0.591、p=0.016)の予後不良因子であることが明らかとなった。 ・また、リンパ節外病変数もOSに有意な影響を及ぼすことが示唆された(HR:15.12、95%CI:1.070〜213.65、p=0.044)。  著者らは「ダブルエクスプレッサーリンパ腫に対するR-CHOP+ザヌブルチニブ併用療法は、効果的な治療選択肢であり、ザヌブルチニブの毒性は許容可能であった」と報告している。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yin X, et al. Cancer. 2025; 131: e35697.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39748728 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
ASCT不適格の再発・難治性DLBCL、エプコリタマブ+GemOx療法が有効/Blood
ASCT不適格の再発・難治性DLBCL、エプコリタマブ+GemOx療法が有効/Blood
公開日:2025年1月20日 Brody JD, et al. Blood. 2025 Jan 10. [Epub ahead of print]  再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の予後は不良である。標準的な救援療法の1つであるリツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン併用療法(R-GemOx療法)による完全奏効(CR)率は約30%、全生存期間(OS)中央値は10〜13ヵ月となっている。難治性ではさらに不良であり、CR率は7%、OS中央値は6ヵ月である。2ライン以上の治療歴を有する再発・難治性DLBCLに承認されているCD30およびCD20二重特異性抗体であるエプコリタマブは、さまざまな薬剤との組み合わせにより良好な安全性および有効性が示されている。米国・マウントサイナイ医科大学のJoshua D. Brody氏らは、自家造血幹細胞移植(ASCT)の適応のないまたはASCT治療不成功の再発・難治性DLBCL患者を対象にエプコリタマブ+GemOx療法の有用性を評価するため、第Ib/II相EPCORE NHL-2試験を実施し、その結果を報告した。Blood誌オンライン版2025年1月10日号の報告。  対象は、ASCTの適応のないまたはASCT治療不成功の再発・難治性DLBCL患者103例(2023年12月15日現在)。病勢進行または許容できない毒性が認められるまで3段階のステップアップ用量レジメンによりエプコリタマブ48mgまで増量し、GemOx(q2w for 8 doses)投与した。主要エンドポイントは、全奏効率(ORR)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値は13.2ヵ月。 ・対象患者の年齢中央値は72歳。 ・2ライン以上の治療歴が62%、CAR-T細胞療法治療歴が28%、primary refractory diseaseが52%、最終治療で難治性が70%。 ・ORRは85%、CR率は61%であった。 ・CR期間中央値は23.6ヵ月、OS期間中央値は21.6ヵ月。 ・主な治療中の有害事象は、血球減少、サイトカイン放出症候群(CRS)であった。 ・CRSは、時期が予測可能であり、主に低グレード(全体:52%、グレードIII:1%)で、治療中止に至ることはなかった。  著者らは「ASCTの適応のないまたはASCT治療不成功の再発・難治性DLBCLに対するエプコリタマブ+GemOx療法は、良好かつ持続的な奏効を示し、長期アウトカムの改善が認められた」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Brody JD, et al. Blood. 2025 Jan 10. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39792928 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
予後不良因子を有するLBCL治療、同種HSCTとCAR-T細胞療法どちらが優れるか〜岡山大学
予後不良因子を有するLBCL治療、同種HSCTとCAR-T細胞療法どちらが優れるか〜岡山大学
公開日:2025年1月6日 Hayashino K, et al. Int J Hematol. 2024 Dec 16. [Epub ahead of print]  これまで、予後不良因子を有する再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者においてCAR-T細胞療法が同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)よりも有効であるか、毒性が低いかについては、直接比較で検討されていなかった。岡山大学の林野 健太氏らは、予後不良因子を伴う再発・難治性LBCL患者に対するCAR-T細胞療法チサゲンレクルユーセル(tisa-cel)とallo-HSCTの有効性を調査し、比較を行った。International Journal of Hematology誌オンライン版2024年12月16日号の報告。  対象は、2003年1月〜2023年5月に岡山大学病院でall-HSCTまたはtisa-celによる治療を行った18歳以上の再発・難治性LBCL患者67例(allo-HSCT群:24例、tisa-cel群:43例)。予後不良因子の定義は、PS2以上、複数の節外病変、化学療法抵抗性、血清LDH上昇とした。 主な結果は以下のとおり。 ・全体として、allo-HSCT群は、tisa-cel群と比較し、無増悪生存期間(PFS)が不良であり、非再発死亡率が高かった。再発/病勢進行の割合は、同程度であった。 ・化学療法治療抵抗性患者または高LDH患者では、tisa-cel群は、allo-HSCT群よりもPFSが良好であった。一方、PS2以上または複数の節外病変を有する患者では、PFSは同等であった。 【化学療法治療抵抗性】tisa-cel群:PFS 3.2ヵ月、allo-HSCT群:PFS 2.0ヵ月(p=0.092) 【高LDH】tisa-cel群:PFS 4.0ヵ月、allo-HSCT群:PFS 2.0ヵ月(p=0.018) 【PS2以上】tisa-cel群:PFS 1.6ヵ月、allo-HSCT群:PFS 1.9ヵ月(p=0.56) 【複数の節外病変】tisa-cel群:PFS 3.2ヵ月、allo-HSCT群:PFS 2.0ヵ月(p=0.40) ・予後不良因子を有する患者における細胞療法後の再発後生存期間は、allo-HSCT群で1.6ヵ月、tisa-cel群で4.6ヵ月であった。 ・これらの結果は、傾向スコアマッチングコホートで確認された。  著者らは「予後不良因子を有する再発・難治性LBCL患者において、tisa-celはallo-HSCTよりも良好な生存率をもたらすことが示唆された。しかし、細胞療法後に再発した患者では、いずれの治療でも予後不良であるため、さらなる治療戦略が求められる」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hayashino K, et al. Int J Hematol. 2024 Dec 16. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39680351 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
DLBCLの1stライン、Pola+R-CHPはR-CHOPを超えられるか
DLBCLの1stライン、Pola+R-CHPはR-CHOPを超えられるか
公開日:2024年12月24日 Zhao P, et al. Hematol Oncol. 2025; 43: e70017.  ポラツズマブ ベドチン併用R-CHP(Pola-R-CHP)療法は、国際共同第III相ランダム化二重盲検試験であるPOLARIX試験に基づき、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する新たな第1選択治療として承認された。しかし、リアルワールドにおける有効性および安全性に関するデータは、十分とはいえない。中国・天津医科大学のPeiqi Zhao氏らは、中国の日常診療におけるPola-R-CHP療法とR-CHOP療法のアウトカムを評価するため、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Hematological Oncology誌2025年1月号の報告。  2024年2月までにポラツズマブ ベドチンによる治療を1回以上行ったすべての患者を対象に、多施設レトロスペクティブコホート研究を実施した。6施設より適格患者600例(Pola-R-CHP療法群:131例、R-CHOP療法群:469例)が特定された。1:2の傾向スコアマッチング後、128組が生存および予後分析に含また。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値は12.8ヵ月、12ヵ月無増悪生存割合(PFS)は、Pola-R-CHP療法群の方がR-CHOP療法群よりも高かった(90.3% vs.84.1%、p=0.18)。 ・分子生物学的サブグループ全体で一貫したベネトットが認められ、とくに進行期、全身状態(ECOG)2以上、リンパ節外病変2以上、non-GCB-DLBCLにおいて顕著であった。 ・完全奏効率は、Pola-R-CHP療法群の方がR-CHOP療法群よりも高かったが、統計学的に有意な差は認められなかった(86.8% vs.79.7%、p=0.09)。 ・安全性プロファイルは、両群間で同等であり、新たな懸念は見当たらなかった。 ・Pola-R-CHP療法群128例のうち、96例でゲノムシーケンス解析を実施した。結果の内訳は、MCDタイプ(25.0%)、EZBタイプ(13.5%)、複合サブタイプ(12.5%)、ST2タイプ(12.5%)、その他/分類不能(30.2%)。 ・25%以上で認められた最も一般的な変異は、PIM1、TP53、BCL-6、KMT2D、SOCS1、BCL-2であった。 ・遺伝子検査の結果では、遺伝子型やPIM1/TP53の遺伝子変異と治療効果との相関関係が示唆された。  著者らは「Pola-R-CHP療法は、リアルワールドの対象集団において、DLBCLに対する有効な第1選択治療であることが裏付けられ、R-CHOP療法よりも持続的な有効性が示された。12ヵ月PFSに有意差は認められなかったものの、サブグループ解析では、Pola-R-CHP療法の方が良好であった」と結論付け「今後は、より大規模な研究、長期フォローアップ研究、より有効な患者群を対象とした研究が求められる」としている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zhao P, et al. Hematol Oncol. 2025; 43: e70017.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39641321 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら