ライブラリー 再発・難治性FLに対するmosunetuzumabの3年間フォローアップ調査/Blood
公開日:2024年11月11日
Sehn LH, et al. Blood. 2024 Oct 24. [Epub ahead of print]
抗CD20/CD3二重特異性抗体mosunetuzumabは、細胞傷害性T細胞を介した免疫を活性化し、CD20を有する腫瘍細胞に対して抗腫瘍効果をもたらす薬剤である。カナダ・BC CancerのLaurie H. Sehn氏らは、2レジメン以上の治療歴を有する再発・難治性濾胞性リンパ腫(FL)患者90例を対象に、固定期間のmosunetuzumabにおける3年間(中央値:37.4ヵ月)の有効性および安全性を検討した第I/II相試験の最新データを報告した。Blood誌オンライン版2024年10月24日号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・治験責任医師が評価した完全奏効(CR)率60.0%(95%CI:49.1〜70.2)、客観的奏効率(ORR)77.8%(95%CI:67.8〜85.9)。
・奏効が認められた70例における奏効期間中央値は、35.9ヵ月(95%CI:20.7〜NE)。
・CR達成患者54例のうち、治療終了時にCRを維持していた患者は49例、CR期間中央値は未達(95%CI:33.0〜NE)、カプランマイヤー推定による30ヵ月寛解率は72.4%(95%CI:59.2〜85.6)。
・推定36ヵ月全生存率(OS)は82.4%(95%CI:73.8〜91.0)、OS中央値は未達(95%CI:NE〜NE)であった。
・無増悪生存期間(PFS)中央値は24.0ヵ月(95%CI:12.0〜NE)。
・mosunetuzumab治療8サイクル後、CD19陽性B細胞回復までの期間中央値は18.4ヵ月(95%CI:12.8〜25.0)。
・新たなサイトカイン放出症候群、致死的、重篤なイベントまたはグレード3以上の有害事象は認められなかった。
著者らは「再発・難治性FLに対するmosunetuzumabは、長期的な奏効率の高さ、持続的な寛解、長期的な懸念のない管理可能な安全性を有していることが確認された。本結果は、外来患者へのmosunetuzumabが、高リスク患者を含む再発・難治性FL患者に対する安全かつ効果的な治療薬であることを裏付けている」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Sehn LH, et al. Blood. 2024 Oct 24. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39447094
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