「慢性リンパ性白血病(CLL)」の記事一覧

血液内科 Journal Check Vol.11(2022年7月19日号)
血液内科 Journal Check Vol.11(2022年7月19日号)
未治療のステージIII、IV期の古典的ホジキンリンパ腫患者に対するA+AVD療法~ECHELON-1試験 未治療のステージIII、IV期の古典的ホジキンリンパ腫患者に対する抗CD30 抗体薬物複合体ブレンツキシマブ ベドチン+ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン併用療法(A+AVD療法)は、ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン併用療法(ABVD療法)よりも、6年間の全生存期間を改善することが報告された。【The New England Journal of Medicine誌オンライン版2022年7月13日号】 ≫Bibgraphで続きを読む CAR-T細胞療法の市販後調査~米FDA有害事象報告システムの分析 米国・FDA有害事象報告システムのデータベースより抽出された3,225件のCAR-T細胞療法の副作用データを分析した。実臨床で報告された副作用およびその発現率とは。【Drug Safety誌オンライン版2022年7月12日号】 ≫Bibgraphで続きを読む 再発難治性濾胞性リンパ腫に対するモスネツズマブの有用性~第II相試験 2回以上の前治療歴を有する濾胞性リンパ腫患者に対する抗CD20/CD3特異性抗体Mosunetuzumab(モスネツズマブ)の有効性、安全性を評価した第II相試験の結果が報告された。注目の結果はいかに。【The Lancet. Oncology誌オンライン版2022年7月5日号】 ≫Bibgraphで続きを読む 造血器腫瘍患者に対するポサコナゾールの真菌感染症予防効果 第一選択薬として深在性真菌症治療剤ポサコナゾールを推奨した真菌感染症予防プロトコルを作成し、実践前後の予防投与の変化やその効果について検討が行われた。【Mycoses誌オンライン版2022年7月11日号】 ≫Bibgraphで続きを読む 再発難治性慢性リンパ性白血病および小リンパ球性リンパ腫に対するイブルチニブの有用性~国内市販後調査 2016年に日本で承認されたイブルチニブの市販後調査の結果が報告された(登録症例数:323例)。日本の実臨床下におけるイブルチニブの有効性および安全性プロファイルはどうだったのか。【Journal of Clinical and Experimental Hematopathology誌オンライン版2022年7月12日号】 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.10(2022年7月12日号) 未治療のiNHL、MCL、rrDLBCLに対するベンダムスチンの有用性~第I/II相試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.9(2022年7月5日号) LBCLのセカンドライン治療、CAR-T細胞療法はASCTにとってかわるか ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.8(2022年6月28日号) DLBCLに対するR-CHOP療法、10年後の臨床転帰は ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号) 再発難治性LBCLのセカンドライン治療におけるliso-celに有用性~TRANSFORM試験中間報告 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号) 再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
血液内科 Journal Check Vol.14(2022年8月9日号)
血液内科 Journal Check Vol.14(2022年8月9日号)
再発難治性慢性リンパ性白血病に対するベネトクラクス+イブルチニブによる微小残存病変陰性反応 慢性リンパ性白血病の微小残存病変寛解達成にはBCL-2阻害薬ベネトクラクスの単剤療法または BTK 阻害薬イブルチニブの併用療法が有用である。本試験では、再発難治性慢性リンパ性白血病患者を対象に、ベネトクラクス単剤療法またはイブルチニブ追加後における微小残存病変陰性達成率を評価した。【Blood誌オンライン版8月3日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む CAR-T細胞療法時代の難治性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対する最良の治療選択肢~リアルワールドエビデンス 難治性大細胞型 B 細胞リンパ腫(LBCL)に対するCAR-T細胞療法の有用性を明らかにするため、スペインの実臨床下でCAR-T細胞療法を実施したLBCL患者192例をレトロスペクティブに分析した。【Frontiers in Immunology誌7月12日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 末梢性T細胞リンパ腫におけるNK細胞媒介性細胞毒性の感受性に対するCD48の影響 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)は、予後不良を伴うアグレッシブな末梢T細胞腫瘍の1つである。これまで、ATLL細胞のNK細胞を介した免疫を回避するメカニズムについてはよくわかっていなかった。北海道大学の中川 雅夫先生らは、ATLL細胞におけるCD48の発現が、ATLL細胞に対するNK細胞媒介性細胞毒性の感受性に影響を及ぼすかを検討した。【Blood誌オンライン版8月3日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 実臨床における慢性骨髄性白血病に対するポナチニブ治療 慢性骨髄性白血病に対するポナチニブ治療の実臨床下における有用性を評価するため、イタリアのAIFAレジストリより日常診療管理、治療変更、転帰に関するデータを収集し、分析を行った。【British Journal of Haematology誌オンライン版7月29日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 高リスク好中球減少症患者に対するフルコナゾール予防戦略:empiric vs. pre-emptive therapy 好中球減少時、抗菌薬不応性発熱が持続する場合には抗真菌薬の経験的治療(empiric therapy)が推奨されている。一方、感染のエビデンスはあるが、疾病を発症していない状態で抗真菌薬による治療を開始するpre-emptive therapyも注目されている。本研究では、ガラクトマンナン抗原検査と胸部CTによるpre-emptive therapy戦略が、高リスク好中球減少症患者の生存率や侵襲性真菌症リスクに及ぼす影響を検討した。【Clinical Infectious Diseases誌オンライン版7月30日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.13(2022年8月2日号) 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するPola-BR療法による長期生存率 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.12(2022年7月26日号) 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する4つの新規薬剤による全生存期間の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.11(2022年7月19日号) 未治療のステージIII、IV期の古典的ホジキンリンパ腫患者に対するA+AVD療法~ECHELON-1試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.10(2022年7月12日号) 未治療のiNHL、MCL、rrDLBCLに対するベンダムスチンの有用性~第I/II相試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.9(2022年7月5日号) LBCLのセカンドライン治療、CAR-T細胞療法はASCTにとってかわるか ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.8(2022年6月28日号) DLBCLに対するR-CHOP療法、10年後の臨床転帰は ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号) 再発難治性LBCLのセカンドライン治療におけるliso-celに有用性~TRANSFORM試験中間報告 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号) 再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
血液内科 Journal Check Vol.17(2022年8月30日号)
血液内科 Journal Check Vol.17(2022年8月30日号)
CLL患者におけるCOVID-19重症度と血栓症・出血リスク~ERICの研究 慢性リンパ性白血病(CLL)患者は、高齢、併存疾患、疾患や治療に関連する免疫不全のため、血栓症や死亡などのCOVID-19関連のアウトカム不良につながる可能性がある。本研究では、重度のCOVID-19の影響を受けたCLL患者における血栓症と出血リスクを評価した。【Journal of Hematology & Oncology誌2022年8月26日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 現代の多発性骨髄腫治療における心血管合併症 2015年、多発性骨髄腫の新たな治療薬としてFDAより承認されたエロツズマブ、イキサゾミブ、ダラツムマブ、パノビノスタットの実臨床における心血管系の有害事象を明らかにするため、FDA有害事象報告システムのデータを分析した。【British Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2022年8月22日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 同種造血幹細胞移植後の再発に対するペムブロリズマブの有用性 同種造血幹細胞移植後の抗PD-1抗体による治療は、重度のGVHDを発生させる可能性が示唆されている。そこで、同種造血幹細胞移植後の再発患者に対するペムブロリズマブの安全性、有効性を評価するため、プロスペクティブ研究が行われた。【Blood Advances誌オンライン版2022年8月16日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 再発難治性CLLにおけるベンダムスチンデバルキング後のオビヌツズマブ+アカラブルチニブ+ベネトクラクス療法~第II相試験 再発難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)患者を対象に、ベンダムスチンによるデバルキング後の3剤併用療法(オビヌツズマブ+アカラブルチニブ+ベネトクラクス)を評価した多施設共同非盲検第II相試験が実施された。【The Lancet. Haematology誌オンライン版2022年8月18日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む DLBCL患者の生存率に対するスタチンの影響~メタ解析 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の生存率に対するスタチンの影響を評価したこれまでの研究では、一貫した結果が得られていない。本システマティックレビューおよびメタ解析では、スタチン使用がDLBCL患者の生存率と相関するかを検討した。【International Journal of Clinical Practice誌2022年7月30日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.16(2022年8月23日号) 再発難治性多発性骨髄腫に対するE-Pd療法の全生存期間分析~ランダム化第II相ELOQUENT-3試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.15(2022年8月16日号) 再発難治性多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法後100日間の血球減少症および感染症 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.14(2022年8月9日号) 再発難治性慢性リンパ性白血病に対するベネトクラクス+イブルチニブによる微小残存病変陰性反応 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.13(2022年8月2日号) 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するPola-BR療法による長期生存率 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.12(2022年7月26日号) 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する4つの新規薬剤による全生存期間の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.11(2022年7月19日号) 未治療のステージIII、IV期の古典的ホジキンリンパ腫患者に対するA+AVD療法~ECHELON-1試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.10(2022年7月12日号) 未治療のiNHL、MCL、rrDLBCLに対するベンダムスチンの有用性~第I/II相試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.9(2022年7月5日号) LBCLのセカンドライン治療、CAR-T細胞療法はASCTにとってかわるか ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.8(2022年6月28日号) DLBCLに対するR-CHOP療法、10年後の臨床転帰は ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号) 再発難治性LBCLのセカンドライン治療におけるliso-celに有用性~TRANSFORM試験中間報告 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号) 再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
再発CLLに対するアカラブルチニブ+ベネトクラクス+オビヌツズマブ療法〜CLL2-BAAG試験の最終分析
再発CLLに対するアカラブルチニブ+ベネトクラクス+オビヌツズマブ療法〜CLL2-BAAG試験の最終分析
公開日:2024年5月14日 Furstenau M, et al. Blood. 2024 Apr 15. [Epub ahead of print]  再発または難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)患者を対象とした第II相CLL2-BAAG試験では、ベンダムスチン減量オプション後のアカラブルチニブ、ベネトクラクス、オビヌツズマブの3剤併用療法による微小残像病変(MRD)の変化が調査された。ドイツ・ケルン大学のMoritz Furstenau氏らは、CLL2-BAAG試験の最終的な有効性および循環腫瘍DNA(ctDNA)解析結果の報告を行った。Blood誌オンライン版2024年4月15日号の報告。  対象は再発または難治性CLL患者45例(除外基準に違反したため、解析からは1例除外)。MRDは末梢血中のフローサイトメトリー(FCM)を用いて測定し(検出可能なMRD<10-4)、循環腫瘍DNA(ctDNA)は、血漿中のVDJ遺伝子再構成およびCLL関連変異のデジタルPCR(ddPCR)により測定した。MRD再発の定義は、MRD陰性/ctDNA陰性を達成したのち、ctDNA陽性および/またはMRD≧10-4の場合と定義した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者における過去の治療回数の中央値は1回(範囲:1〜4)、18例(40%)は本試験前にBTK阻害薬および/またはベネトクラクスによる治療を行なっていた。14例(31.8%)はTP 53遺伝子の異常が見られ、34例(75.6%)はIGHV変異なしであった。 ・フォローアップ期間は36.3ヵ月(中央値)、治療中止までの期間は21.9ヵ月(中央値)であった。 ・末梢血におけるMRD陰性は、全体として45例中42例(93.3%)で達成された。BTK阻害薬/ベネトクラクスの治療歴を有する患者では18例中17例(94.4%)、TP53遺伝子異常が認められる患者では14例中13例(92.9%)において、MRD陰性が達成された。 ・3年間の無増悪生存期間は85.0%、全生存率は93.8%であった。 ・全体でFCM /ctDNAサンプル585件を分析したところ、治療終了後のMRD再発は18件で認められた(臨床的進行あり:5件、臨床的進行なし:13件)。最初にctDNAで検出された検体は12件、FCMが3件、同時に検出された検体は3件であった。 ・ctDNAにより早期に検出された患者は、遺伝的リスクが高い特徴を有しているようであった。  著者らは「本試験では、再発または難治性のCLL患者に対するアカラブルチニブ+ベネトクラクス+オビヌツズマブ療法は、MRD陰性において多くの患者で寛解を達成することが可能であった。MRDの評価では、FCMにctDNAを追加することで、再発の早期発見の向上が期待できる」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Furstenau M, et al. Blood. 2024 Apr 15. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38620072 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
FCR療法による一次治療を行なったCLL患者の長期分析〜ドイツCLL研究グループ
FCR療法による一次治療を行なったCLL患者の長期分析〜ドイツCLL研究グループ
公開日:2024年5月21日 Kutsch N, et al. Eur J Haematol. 2024 May 1. [Epub ahead of print]  臨床試験において、慢性リンパ性白血病(CLL)に対するフルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブによるFCR療法は、長期フォローアップデータからも良好な有効性が示唆されている。ドイツ・ケルン大学のNadine Kutsch氏らは、ドイツCLL研究グループ(GCLLSG)のレジストリより収集したデータを用いて、CLL患者に対するFCR療法の長期データの分析を行なった。European Journal of Haematology誌オンライン版2024年5月1日号の報告。  FCR療法による1次治療を行なったCLL患者417例(臨床試験以外での治療実施患者:293例、70.3%)を分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・1次治療からの観察期間の中央値は、95.8ヵ月(四分位範囲:58.7〜126.8)であった。 ・GCLLSGレジストリでデータ収取を開始した2013年以降、FCR療法の1次治療を行なった194例(46.5%)の患者データに焦点を当てたところ、奏効率は85%、非奏効率は15%、データが欠落していた患者は3.6%であった。 ・無イベント生存期間(EFS)の中央値は、60.2ヵ月、5年EFS率は50.6%であった。 ・高リスク患者(IGHV変異なし)78例のEFSの中央値は、45.4ヵ月、5年EFS率は36.3%であった。 ・IGHV変異患者40例のEFSの中央値は、77.5ヵ月、5年EFS率は60.3%であった。 ・全生存期間の5年生存率は92.7%であった。  著者らは「CLLに対する1次治療としてのFCR療法は、とくにIGHV変異患者において、EFSの延長と関連していることが明らかとなった」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kutsch N, et al. Eur J Haematol. 2024 May 1. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38693677 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性CLLに対するアカラブルチニブの有効性・安全性〜メタ解析
再発・難治性CLLに対するアカラブルチニブの有効性・安全性〜メタ解析
公開日:2024年6月5日 Park D, et al. J Chemother. 2024 May 27. [Epub ahead of print]  ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬イブルチニブが承認されたことにより、慢性リンパ性白血病(CLL)に対する効果的な標的療法が実現可能となった。しかし、一部の患者では、副作用プロファイルが問題となっていた。アカラブルチニブは、不可逆的な次世代BKT阻害薬であり、イブルチニブよりもより選択的にBTKに共有結合することで作用を発現する薬剤である。新規BTK阻害薬の開発により、その有効性や副作用をより深い理解に繋がり、臨床医と患者の共同意思決定(SDM)に役立つ可能性がある。米国・カリフォルニア大学のDaniel Park氏らは、再発・難治性CLLに対するアカラブルチニブの有効性・安全性を評価するため、メタ解析を実施した。Journal of Chemotherapy誌オンライン版2024年5月27日号の報告。  PICOSモデルとPRISMAガイドラインを用いて、検索を実施した。アカラブルチニブ、アカラブルチニブ単剤療法、チロシンキナーゼ阻害薬、再発・難治性CLLをキーワードとし、PubMeb、Embase、Cochrane Libraryデータベースより検索した。文献レビュー後、12件の研究をメタ解析に含めた。メタ解析およびフォローアップメタ回帰モデルを行った。 主な結果は以下のとおり。 ・全奏効率(ORR):82%(95%CI:74〜90、I2=84.14%、p<0.01) ・完全奏効率(CR):4%(95%CI:2〜6、I2=0.00%、p=0.99) ・死亡率:12%(95%CI:6〜19、I2=87.23%、p<0.01) ・副作用による死亡率:7%(95%CI:3〜10、I2=67.67%、p=0.01) ・肺炎による死亡率:2%(95%CI:1〜3、I2=0.00%、p=0.43) ・CLL進行による死亡率:4%(95%CI:2〜6、I2=61.03%、p=0.04) ・好中球減少症(グレード3以上):18%(95%CI:15〜20、I2=0.00%、p=0.70) ・血小板減少症(グレード3以上):7%(95%CI:4〜11、I2=54%、p=0.09) ・貧血(グレード3以上):9%(95%CI:6〜12、I2=36.93%、p=0.18) ・肺炎(グレード3以上):10%(95%CI:6〜14、I2=66.37%、p=0.02) ・心房細動:7%(95%CI:3〜11、I2=80.13%、p=0.00)  著者らは「再発・難治性CLLに対するアカラブルチニブ、有効性および許容可能な副作用を有する治療薬である」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Park D, et al. J Chemother. 2024 May 27. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38803142 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
未治療の日本人CLLに対するアカラブルチニブ+オビヌツズマブ〜第I相試験
未治療の日本人CLLに対するアカラブルチニブ+オビヌツズマブ〜第I相試験
公開日:2024年7月11日 Takizawa J, et al. Leuk Lymphoma. 2024 Jul 1. [Epub ahead of print]  新潟大学の瀧澤 淳氏らは、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)の日本人患者を対象に、アカラブルチニブとオビヌツズマブ併用療法の安全性、薬物動態、薬力学、抗腫瘍活性を評価した多施設共同非盲検第I相試験パート3に焦点を当て、報告した。Leukemia & Lymphoma誌オンライン版2024年7月1日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者は、未治療の日本人CLL患者10例(年齢中央値:68歳)。 ・治療期間中央値は27.2ヵ月。 ・治療中に発生した有害事象(AE)は、すべての患者において認められ(グレード3以上:70%)、最も多かったAEは貧血および頭痛であった(各々、40%)。 ・グレード4の好中球減少症が1例で認められた(唯一の用量制限毒性)。 ・薬物動態の結果から、オビヌツズマブの併用は、アカラブルチニブに明らかな影響を及ぼさないことが示唆された。 ・薬力学評価では、併用療法により、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)占有率が98%以上になることが示唆された。 ・全奏効率は100%、奏効期間中央値と無増悪生存期間中央値は未達であった。  著者らは「アカラブルチニブとオビヌツズマブ併用療法は、未治療の日本人CLL患者において、概ね安全かつ有効な治療法であることが示唆された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Takizawa J, et al. Leuk Lymphoma. 2024 Jul 1. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38952054 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
未治療CLLに対するベネトクラクス+オビヌツズマブ〜第III相CLL14試験の長期フォローアップ結果
未治療CLLに対するベネトクラクス+オビヌツズマブ〜第III相CLL14試験の長期フォローアップ結果
公開日:2024年8月1日 Al-Sawaf O, et al. Blood. 2024 Jul 10. [Epub ahead of print]  未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)に対するBCL-2阻害薬ベネトクラクス+抗CD20抗体薬オビヌツズマブ併用療法の有効性および安全性を評価した第III相試験CLL14試験の6年長期フォローアップ結果を、ドイツ・ケルン大学のOthman Al-Sawaf氏らが報告した。Blood誌オンライン版2024年7月10日号の報告。  CLL14試験では、未治療CLL患者を12サイクルのベネトクラクス+オビヌツズマブ群(216例)またはchlorambucil+オビヌツズマブ群(216例)に、ランダムに割り付けた。主要エンドポイントは、無増悪生存期間(PFS)とした。副次的エンドポイントは、次治療開始までの期間(TTNT)、微小残存病変(MRD)陰性率、全生存期間(OS)および有害事象発生率とした。QOL悪化までの期間に関する患者報告アウトカムについても分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・観察期間中央値76.4ヵ月でのPFSでは、ベネトクラクス+オビヌツズマブ群(PFS中央値:76.2ヵ月)はchlorambucil+オビヌツズマブ群(PFS中央値:36.4ヵ月)よりも、継続的に良好であった(HR:0.40、95%CI:0.31〜0.52、p<0.0001)。 ・同様に、TTNTにおいても、ベネトクラクス+オビヌツズマブ群の方が延長された(6年TTNT:65.2% vs. 37.1%、HR:0.44、95%CI:0.33〜0.58、p<0.0001)。 ・ベネトクラクス+オビヌツズマブ群において、PFS短縮の独立したリスク因子として、17p欠失あり、免疫グロブリン重鎖可変部体細胞遺伝子変異(IGHV)変異なし、リンパ節サイズ5cm以上が特定された。 ・治療から5年後にMRD陰性(末梢血中10〜4未満)を示した患者は、ベネトクラクス+オビヌツズマブ群17例(ITT:7.9%)、chlorambucil+オビヌツズマブ群4例(ITT:1.9%)であった。 ・6年OSは、ベネトクラクス+オビヌツズマブ群78.7%、chlorambucil+オビヌツズマブ群69.2%であった(HR:0.69、95%CI:0.48〜1.01、p=0.052)。 ・ベネトクラクス+オビヌツズマブ群(中央値:82.1ヵ月)は、chlorambucil+オビヌツズマブ群(中央値:65.1ヵ月)と比較し、全体的な健康状態/QOLの悪化までの期間を有意に延長することが確認された(HR:0.70、95%CI:0.51〜0.97)。 ・フォローアップ調査で調整された1,000患者月当たりの二次原発性悪性腫瘍(SPM)の発生率は、ベネトクラクス+オビヌツズマブ群2.3、chlorambucil+オビヌツズマブ群1.4であった。  著者らは「未治療CLLに対する12サイクルのベネトクラクス+オビヌツズマブ併用療法は、持続的な長期生存、MRD陰性化、QOLの維持などにおいて、長期の有用性が示唆された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Al-Sawaf O, et al. Blood. 2024 Jul 10. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39082668 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
形質転換CLLに対するR-CHOPブリッジング後ブリナツモマブ〜多施設共同第II相試験
形質転換CLLに対するR-CHOPブリッジング後ブリナツモマブ〜多施設共同第II相試験
公開日:2024年8月13日 Guieze R, et al. Nat Commun. 2024; 15: 6822.  慢性リンパ性白血病では、時に組織学的形質転換(Richter症候群)をきたし、急激な病勢進行を示す。フランス・クレルモン フェラン大学のRomain Guieze氏らは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)への転換をきたしたRichter症候群患者を対象に、R-CHOP療法でのブリッジング後における抗CD3/CD19二重特異性T細胞誘導抗体ブリナツモマブの有効性および安全性を評価するため、多施設共同第II相試験を実施した。Nature Communications誌2024年8月9日号の報告。  R-CHOPを2サイクル後に完全奏効(CR)が得られなかったDLBCLへの転換をきたしたRichter症候群患者を対象に、8週間のブリナツモマブ持続静脈注射(112μg/日まで段階的に投与)を行った。主要エンドポイントは、ブリナツモマブ導入後のCR率とし、副次的エンドポイントは、安全性、奏効期間、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・R-CHOPを開始した39例中、25例にブリナツモマブが投与された。 ・ブリナツモマブ導入後、CR 5例(20%)、部分奏効(PR)4例(16%)、安定(SD)6例(24%)であった。 ・フル解析セットにおける全奏効(OR)率は46%(18例)、14例(36%)はCRを達成した。 ・治療中に発生したすべてのグレードの主な有害事象は、発熱(36%)、貧血(24%)、リンパ球減少(24%)であった。 ・サイトカイン放出症候群(グレード1〜2)は16%、神経毒性は20%で認められた。  著者らは「DLBCLへの転換をきたしたRichter症候群に対するブリナツモマブ治療は、主要エンドポイントを達成する抗腫瘍効果と許容可能な毒性を示した」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Guieze R, et al. Nat Commun. 2024; 15: 6822.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39122717 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
Richter形質転換DLBCLに対する抗PD-L1抗体アテゾリズマブ+ベネトクラクス+オビヌツズマブ/Lancet Oncol
Richter形質転換DLBCLに対する抗PD-L1抗体アテゾリズマブ+ベネトクラクス+オビヌツズマブ/Lancet Oncol
公開日:2024年9月20日 Tedeschi A, et al. Lancet Oncol. 2024 Sep 10. [Epub ahead of print]  Richter形質転換びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、通常、化学療法に抵抗性を示し、予後不良である。イタリア・Niguarda Cancer CenterのAlessandra Tedeschi氏らは、抗腫瘍免疫反応をターゲットとした化学療法なしでの治療レジメンを開発することを目的とし、Richter形質転換DLBCLに対する抗PD-L1抗体アテゾリズマブ+ベネトクラクス+オビヌツズマブ併用療法の第II相試験を実施した。The Lancet. Oncology誌オンライン版2024年9月10日号の報告。  本第II相試験は、イタリアおよびスイスの15施設において、プロスペクティブ非盲検多施設単群医師主導試験として実施した。対象患者は、IWCLL2008基準に従い、慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)と診断され、生検でDLBCLへの形質転換が認められた18歳以上の患者で、CLL治療を実施した可能性はあるが、Richter形質転換DLBCLに対する治療は未実施、ECOGのPSが0〜2であり、過去にアテゾリズマブ、ベネトクラクス、オビヌツズマブのいずれも未使用の患者。患者には、オビヌツズマブ静脈内投与(1サイクル目:day1 100mg、day2 900mg、day8・day15 1,000mg、2〜8サイクル目:day1 1,000mg)、アテゾリズマブ静脈内投与(1サイクル目:day2 1,200mg、2〜18サイクル目:day1 1,200mg)、ベネトクラクス経口投与(CLLの投与スケジュールに従い、1サイクル目:day15 20mg/日から増量し、3〜35サイクルのday21まで400mg/日)を行った。主要エンドポイントは、ITTにおける6サイクル目day21時の全奏効(OR)率とした。OR率が67%以上の場合、臨床的に有効であるとみなし、奏効率が40%以下の場合、帰無仮説を棄却とみなした。 主な結果は以下のとおり。 ・2019年10月9日〜2022年10月19日に、28例(男性:12例[43%]、女性:16例[57%])が登録された。 ・フォローアップ期間中央値は16.8ヵ月(IQR:7.8〜32.0)。 ・6サイクル目に28例中19例で奏効がみられ、OR率は67.9%(95%CI:47.6〜84.1)であった。 ・グレード3以上の治療関連有害事象は、28例中17例(61%、95%CI:40.6〜78.5)で認められ、好中球減少の報告が最も多かった(28例中11例、39%、95%CI:21.5〜59.4)。 ・治療中に発生した重篤な有害事象は8例(29%、95%CI:14.2〜48.7)、感染症が最も多かった(28例中5例、18%、95%CI:6.1〜36.9)。 ・有害事象による死亡例は2例(7%)、その内訳は敗血症1例、真菌性肺炎1例であり、いずれも治療との直接的な関連性は低いと考えられた。 ・免疫関連有害事象は、6例(21.4%)で認められたが、いずれも治療中止には至らなかった。 ・腫瘍崩壊症候群は、認められなかった。  著者らは「Richter形質転換DLBCLに対するアテゾリズマブ+ベネトクラクス+オビヌツズマブの3剤併用は、有効かつ安全であることが示唆されており、本レジメンが、Richter形質転換DLBCLに対する新たな第1選択治療アプローチとなりうる可能性がある」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tedeschi A, et al. Lancet Oncol. 2024 Sep 10. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39270702 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら