ライブラリー FCR療法による一次治療を行なったCLL患者の長期分析〜ドイツCLL研究グループ
公開日:2024年5月21日
Kutsch N, et al. Eur J Haematol. 2024 May 1. [Epub ahead of print]
臨床試験において、慢性リンパ性白血病(CLL)に対するフルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブによるFCR療法は、長期フォローアップデータからも良好な有効性が示唆されている。ドイツ・ケルン大学のNadine Kutsch氏らは、ドイツCLL研究グループ(GCLLSG)のレジストリより収集したデータを用いて、CLL患者に対するFCR療法の長期データの分析を行なった。European Journal of Haematology誌オンライン版2024年5月1日号の報告。
FCR療法による1次治療を行なったCLL患者417例(臨床試験以外での治療実施患者:293例、70.3%)を分析した。
主な結果は以下のとおり。
・1次治療からの観察期間の中央値は、95.8ヵ月(四分位範囲:58.7〜126.8)であった。
・GCLLSGレジストリでデータ収取を開始した2013年以降、FCR療法の1次治療を行なった194例(46.5%)の患者データに焦点を当てたところ、奏効率は85%、非奏効率は15%、データが欠落していた患者は3.6%であった。
・無イベント生存期間(EFS)の中央値は、60.2ヵ月、5年EFS率は50.6%であった。
・高リスク患者(IGHV変異なし)78例のEFSの中央値は、45.4ヵ月、5年EFS率は36.3%であった。
・IGHV変異患者40例のEFSの中央値は、77.5ヵ月、5年EFS率は60.3%であった。
・全生存期間の5年生存率は92.7%であった。
著者らは「CLLに対する1次治療としてのFCR療法は、とくにIGHV変異患者において、EFSの延長と関連していることが明らかとなった」としている。
(エクスメディオ 鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Kutsch N, et al. Eur J Haematol. 2024 May 1. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38693677
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