「covid-19」の記事一覧

COVID-19;イタリアの状況を日本と比較して考えてみた
COVID-19;イタリアの状況を日本と比較して考えてみた
北部イタリアに続いて、南部イタリアも移動制限されましたね。結婚式やお葬式も禁止らしいです。イタリアは日本と違い陸で国境を接しているので封じ込めに関しては移動制限が必要になってくると考えれらます。 そんなイタリアの3 月10日のCOVID-19による死者数が168人1ですが、多いか少ないか判断に困りますが、COVID-19に関して理解を深める為にも疫学的に考えてみました。 2018年の日本の人口は1億2601万人2で2020年のイタリアの人口は6240万人3で大体日本の半分ぐらい。少し古く統計データの取り方もおそらく違うので一概には言えないですが、イタリアの2017年の肺炎による死亡者数は9100人と資料4にあり、2018年の日本の94654人2と比較すると人口が半分と言っても日本と比較すると圧倒的に少ない。 年間を通じて死亡率は一定ではないが、便宜的に一定とすると、イタリアでは例年は1日あたり25人が死亡、日本では326人となるので、今回のCOVID-19の死亡数イタリア的にパニックになる数値ということが理解できると思います。 イタリアの元の肺炎死亡数が日本と比較して少ない理由までははっきりとわからなかったが、統計方法の違いや、死因に関する考え方の違い等あるのかもしれない。イタリアのDemographicsの死因top 10にはpneumonia5が入っておらず、日本の死亡診断書で言う所の「直接死因」6で統計されていない可能性がある。また、日本の肺炎死亡数も2016年は119300人7、2017年は96807人8と2018年の日本の94654人と揺れがある為たまたま少ない年のデータを見てしまった可能性はある。 日本の3月10日の2名9という数値に関してもなんとも言えないですが、パニックを起こさせないという意味では日本の数値の出し方は正しいのかもしれません。 感染症に対する恐怖心を和らげるという意味ではないですが、またNHKの回し者ではありませんが、人類が感染症に打ち勝つことができた稀有な例のひとつ天然痘撲滅に関するプロジェクトXの本がキンドルで安売りしていたので、興味があるひとは読んでみると、今回のCOVID-19の状況とは全然違いますが(ワクチンの有無や死亡率、発症率など)なんとなく勇気が出ました。 「決戦 人類最強の敵」~日本人リーダー 天然痘と闘う ―命輝け ゼロからの出発 プロジェクトX~挑戦者たち~ https://www.amazon.co.jp/gp/product/B008YOIKC4/ *1 AFPBB News https://www.afpbb.com/articles/-/3272686 *2 平成 30 年(2018) 人口動態統計月報年計(概数)の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30.pdf *3 The world factbook https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/it.html *4 https://ec.europa.eu/eurostat/web/products-eurostat-news/-/EDN-20171110-1?inheritRedirect=true *5 Italy http://www.healthdata.org/italy *6 死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル https://www.mhlw.go.jp/toukei/manual/dl/manual_h30.pdf *7 平成 28 年(2016)人口動態統計(確定数)の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei16/dl/00_all.pdf *8 平成 29 年(2017)人口動態統計(確定数)の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/00_all.pdf *9 新型コロナウイルス感染症について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10094.html 筆者:ヒポクラ監修医
COVID-19;世界の状況を確認
COVID-19;世界の状況を確認
ヨーロッパを中心として呼吸の封鎖や移動の制限が進んでいますが、COVID-19の現在の状況をグラフで整理してみました。 まずは国別のCOVID-19による死亡数のグラフです。これだけだと少し、傾向がわかりにくい感じがするので、次に対数スケールに変換してみます。 対数スケールで表現することで、多少傾向が見えてきました。イタリア、イラン、スペインがだんだんと増加してきていることがわかります。 単に死亡数だけをグラフ化してもいまいち実感が掴みにくいと考えて人口百万人当たりの死亡数をグラフ化してみました。こうやって見るとイタリア、イラン、スペインが高いことがわかります。イタリアで死亡数が急上昇し始めている3月10日にイタリア全土で移動制限がかけられたのもわかります。もちろん死亡数だけで考えることはできず、感染者数は完全に把握することが難しいことから何を指標にして考えるかは難しい(COVID-19の性質が完全にわかっていないことも含めて)と思いますが、死亡の原因は各国で医師がしっかりと究明していると考えて今回死亡数に注目してグラフを作成してみました。作成の出典データは下にあげた通りです。 出典: 「人口推計」(総務省統計局):2020/03/17閲覧 https://www.stat.go.jp/data/jinsui/index.html The world factbook:2020/03/17閲覧 https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook Worldometer COVID-19 CORONAVIRUS OUTBREAK:2020/03/17閲覧 https://www.worldometers.info/coronavirus/ 厚生労働省 報道発表資料 2020年2月:2020/03/17閲覧 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/houdou_list_202002.html 厚生労働省 報道発表資料 2020年3月:2020/03/17閲覧 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/houdou_list_202003.html Ministry of Health and Family Welfare of INDIA:2020/03/17閲覧 https://www.mohfw.gov.in/ Centers for Disease Control and Prevention:2020/03/17閲覧 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/index.html National Institute for Public Health and the Environment Ministry of Health, Welfare and Sport:2020/03/17閲覧 https://www.rivm.nl/en/novel-coronavirus-covid-19 Federal Office of Public Health FOPH:2020/03/17閲覧 https://www.bag.admin.ch/bag/en/home/krankheiten/ausbrueche-epidemien-pandemien/aktuelle-ausbrueche-epidemien/novel-cov.html World Health Organization Coronavirus disease (COVID-2019) situation reports:2020/03/17閲覧 https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/situation-reports
#05 言葉や文化の壁を超え、伝承されるべき医療を残したい。
#05 言葉や文化の壁を超え、伝承されるべき医療を残したい。
発展途上国、日本のへき地離島、大規模災害の被災地……。世の中には「医療の届かないところ」があります。NPOジャパンハートはそんなところに、無償で医療支援を行っています。ボランティアとして参加した医療従事者が、現地での活動内容などを報告します。 長期ボランティア医師(活動地:ラオス) ジャパンハート長期ボランティアでカンボジアで医師をしています。 今回、ラオスの「ウドムサイ甲状腺治療技術移転プロジェクト」を引き継ぐにあたり、感じたことをレポートさせていただきます。 診療活動を終えた帰りの飛行機の中、ふと見下ろせば広い山岳地帯が広がっていました。ここで生活する人々がちゃんとした医療を受けるために、必要なことは何か。どうすれば、言葉や文化の壁を超え、医療を伝承していけるようになるのか。これからのラオス甲状腺外来を任された私は、なんだか果てしない道のりを歩いていかなければならないようで、どうしたものかと考えていました。 先日ラオス、ウドムサイ県の甲状腺内科診療活動に参加しました。 この活動は医療過疎地であるラオス北部の山岳地帯に住む人々で、特に甲状腺疾患を持つ方に対して、定期的に診療を行い無償で薬を提供すると同時に、現地医療者に甲状腺治療技術を伝えるという「ウドムサイ甲状腺治療技術移転プロジェクト」です。 私はこのプロジェクトに初めて参加したのですが、以前からこの活動に携わっている、長期医師ボランティアのA先生にとっては、今回が最後の活動となりました。活動前から「ラオスの甲状腺外来を引き継ぎたい」と言われていました。 私は普段、カンボジアで診療活動を行なっており、様子を聞けば、ラオスの甲状腺診療も似たような状況であるように感じました。基本的な甲状腺機能の検査はできるがお金の関係で頻回の検査はできず、またそのほかの特殊な検査や針生検(針を刺して癌かどうかを調べる検査)ができないことは同じで、基本的な診療のやり方はいつもと変わらないから大丈夫だろう、と考えていました。 今回の活動はコロナウイルスの影響もあり、少し特別な状況となりました。 現地の政府から - 人が集まる状況を避けること - コロナウイルス感染流行国から来た医療者の活動は禁止 などの活動制限を受けました。 現地スタッフはその他にもコロナウイルスの対策として、患者に事前に症状や海外渡航歴などを電話で聞いたり、現地で感染対策を行なったりと様々な調整をおこなっており、自分が診療を行うために様々な準備をしてくれているという当たり前のことに改めて気づかされました。 活動を振り返ると、私は目の前の患者を診るのに精一杯でした。一方でA先生は英語が伝わらないラオス人ドクターに通訳を介して説明をし、一緒にエコーを行っていました。ラオス人ドクターからも信頼され堂々と活動される様子は、とても眩しく私の目に映りました。 自分で学び、自分で診療する方がよっぽど楽なのです。後輩の指導を日本語で行うことすらとてもエネルギーを使うのに、言葉が違いなかなかうまく伝わった気がしない上に、相手の文化に気を遣いながら教えるのは、ため息が出そうになることです。それでもA先生はひたすら伝え続けていました。ラオスに縁などないはずなのに。 A先生と参加できたからこそ、私はウドムサイのことをよく知ることができたと思います。早朝にウドムサイの町の中を一緒に走り、細やかな身体診察の方法を教えていただきました。そこで私は、ウドムサイの人々の生活を垣間見ることができました。 朝早くから家の周りの道路を掃除する人々。診察で気づいた、たくさんの仕事によって荒れてしまった掌。家族の病気の様子を心配そうに尋ねる付き添いの表情。そこで奮闘するドクターの姿。それぞれが家族や街を守るために生活している。なぜか私はウドムサイの人々や町を、近い存在に感じるようになりました。私はこの人たちの生活がちゃんと続くように、力になりたいと思う。 私にできることはほんの小さな手助け程度だろう。しかし私は、すでにA先生が積み重ねてきたものを引き受けてしまいました。この小さな積み重ねがラオスの人たちの生活を少しでも豊かにし、幸せをもたらしてくれるのだと信じて、私も積み重ねていき、そして後に続く人へ引き渡さねばならない。私たちが行なっていることはラオスの山奥の小さな町の中だけのことだが、こうやって受け渡していくことは、おそらく人類が医療をより高めながら伝承してきたのと同じ方法なのかもしれない。 ジャパンハートは「医療を届ける」団体です。医療とは伝承されていくものだと定義するのならば、「医療を届ける」とは患者を治療するだけでなく、伝承されるべき医療を残していくことも含まれるのではないだろうか。私はそう思います。 A先生のおかげでラオスが好きになりました。私は口下手で、説明が下手くそなのですが、私なりに積み重ねていき、自分の精一杯を込めて次の人へつなげていきたいと思います。 (ジャパンハート 2020年4月21日掲載) ジャパンハートは、ミャンマー、カンボジア、ラオスで長期ボランティアとして活動してくれる医師を募集しています。 オンライン相談会を実施中です。「医療の届かないところに医療を届ける」活動に関心のある方は、ちょっとのぞいてみてください。 〉ジャパンハート オンライン相談会ページ
#12 「コスタ・アトランチカ」乗組員への緊急医療支援活動
#12 「コスタ・アトランチカ」乗組員への緊急医療支援活動
発展途上国、日本のへき地離島、大規模災害の被災地……。世の中には「医療の届かないところ」があります。NPOジャパンハートはそんなところに、無償で医療支援を行っています。ボランティアとして参加した医療従事者が、現地での活動内容などを報告します。 長期ボランティア医師(活動地:日本) 「長崎にて、コスタ・アトランチカ号の医療支援第二陣に参加しています」 4月末から始まったジャパンハートの医療支援活動も2週目に入りました。クルーズ船のそばの陸地に設置されたプレハブ小屋で、自衛隊・長崎医療センター・Peace Winds・国境なき医師団と一緒に医療活動を行っています。 日々の業務内容としては、下船患者の状態確認や誘導・濃厚接触者へのPCR検査・状態悪化した患者のCT撮影や救急搬送の対応を行ったり、現場のマニュアル作りや物品管理のフローチャート作成をしたりしています。また、各医療チームが入れ替わるごとに、PPE(個人用防護服)の着脱方法を教え合ったり、船内で状態が悪化した患者が発生した時のシミュレーションを行ったりすることで、コロナ診療の経験が豊富なチームが後から新しく参加したチームに「ここでのコロナ対策」を伝達しています。 僕が普段活動しているミャンマーでもコロナ対策はしていましたが、実際のコロナ診療の現場に立ち会ってみて感じたのは、感染症診療の原則を踏まえつつ、同時にその現場ごとの環境に合わせた「ここでのコロナ対策」を作り上げていく必要があるということです。 今回のコスタ・アトランチカ号は、ダイヤモンド・プリンセス号での経験を踏まえて極めて冷静に対応されており、現場は予想していた以上に落ち着いています。自分たちの安全を第一として、安心して患者対応できるシステムが整っています。 そして、コスタ・アトランチカ号の現場に関わってみて、2月時点でのダイヤモンド・プリンセス号での混乱した現場の対応の難しさを実感しています。まだコロナ肺炎の自然経過も、一部の患者が急速に重症化するコロナ特有の経過も、優先すべき搬送順も分からない状況で、クルーズ船オペレーションの大きな方針から細かいマニュアル作りまでを決定し、刻々と変化する状況や情報に合わせて適宜修正を加えていくのは、どれほど困難だったでしょうか。あの現場で働かれた方々に心から敬意を表します。 また、ここに来てよかったのは他の医療支援チームとの出逢いです。Peace Windsの坂田大三先生は、ミャンマーの隣国バングラデシュで途上国医療をされていたり、僕の地元福山で地域医療をされていたりと、僕にとっては今後にも繋りそうな良い出逢いになりました。 最終的に全ての乗員が下船できるまでは、もうしばらく時間がかかりそうです。チーム内外でコミュニケーションをしっかり取りながら、乗員の皆が安心して帰国できるようにお手伝いしようと思います。 ミャンマーでの医療支援活動の様子 (ジャパンハート 2020年5月12日掲載) ジャパンハートは、ミャンマー、カンボジア、ラオスで長期ボランティアとして活動してくれる医師を募集しています。 「医療の届かないところに医療を届ける」活動に関心のある方は、ちょっとのぞいてみてください。 〉ジャパンハート オンライン相談会ページ
クラスター発生施設の支援活動を行った看護師がみたリアル
クラスター発生施設の支援活動を行った看護師がみたリアル
発展途上国、日本のへき地離島、大規模災害の被災地……。世の中には「医療の届かないところ」があります。NPOジャパンハートはそんなところに、無償で医療支援を行っています。ボランティアとして参加した医療従事者が、現地での活動内容などを報告します。 日本国内で日々発表される新型コロナの新たな感染者数は減少傾向にあります。しかし、全国各地の医療施設では患者と職員を巻き込んだクラスター(感染者集団)が今も発生しており、医療従事者の手が足りない状況が続いています。クラスターが起こった施設の人手不足を緩和しようと、発展途上国や災害被災地で医療活動を行うNPO法人「ジャパンハート」(東京)は2020年5月から、全国の病院や介護老人福祉施設などに看護師を派遣しています。現地での活動を終えた看護師に、現場の実情や感じたことついて話を聞きました。 (ヒポクラ × マイナビ編集部・金子省吾) 海外支援に参加予定が一転 国内のクラスター発生施設へ 看護師歴20年超の前田百合子さん(大阪府)。これまで内科、脳外科、ICU、外科を経験してきました。長年の夢だった海外での医療活動を実現するために、ジャパンハートが主催している「国際看護師研修」のプログラムに応募。2020年11月に 6人のチームでカンボジアへ渡る予定でした。しかし、新型コロナの流行により状況は一変しました。2班に分かれ、時期をずらして現地へ向かうことになったのです。後発組はクラスターが発生した全国各地の医療施設などで支援活動をした後に渡航することに。「国内が大変なことになっている状況で自分の夢を優先させていいのだろうか。渡航は延期して現場の手助けに回ろう」と自ら志願し、支援に参加することを決めました。 20年10月末~21年2月上旬にかけて、沖縄県、青森県、北海道、大阪府の医療・福祉施設6カ所に派遣され、それぞれ5~14日間、活動しました。最初に訪れたのは沖縄県石垣市のかりゆし病院。看護師としての経験は豊富ですが、新型コロナ患者に関わる現場は初めてだったため、緊張を感じながら臨んだといいます。その後に訪れた病院を含め、主な業務は、入院した感染患者の食事の手伝いや定期的な検温、点滴や床ずれの処置などで、派遣先の施設が管理するシフトに従い、夜勤にも入りました。新型コロナで入院する患者のほとんどは高齢者で、普通に話したり歌を歌っていたりした人が、翌日急激に悪化するという特徴があったといいます。 ギリギリのスタッフ数で、かろうじて運営している施設も多かったそう。そのため、体を拭いたり着替えさせたりといった身の回りの世話までは手が回らなかったといいます。「最小限の仕事」しかできず、「クラスターが発生するとこんなにもいっぱいいっぱいになってしまうのかと、深刻さを実感した」と振り返ります。 看護師がさらされる恐怖と、人手不足の原因 患者と密に接する看護師は特に感染リスクが高いといえます。前田さんも「自分の身は自分で守る」という自覚を持って対策を取っていましたが、感染の恐れを常に感じながらの活動だったといいます。実際に体調を崩したこともあり、検査結果は陰性でしたが、肝を冷やしたそうです。 感染リスクとは別に看護師が恐れているのが、「差別」や「風評被害」だといいます。クラスターが発生した施設で働いていると知られると、あからさまに周囲からの風当たりが強くなるとのことで、人手不足の原因の一端はそこにあるそうです。とある病院では、欠勤している看護師40人のうち20人は自身の感染が理由で、残りの20人は自己都合による欠勤でした。家族や自分の生活を守るために、職場に出てくることができないのです。 「自分の家だけ回覧板を飛ばされた」「家族が職場の人から、出てこないでくれと言われた」「幼稚園の職員から、子どもを預けないでくれと言われた」という話を聞いたといいます。クラスターが発生した病院にはタクシーを呼んでも来てくれない、その病院の関係者だと乗車拒否されるということもあるそう。家を出てホテルで暮らしながら働いている人も多くいるといい、「辞めたい」と嘆く看護師も目にしました。「悪いことをしているわけではないのに、どうしてこんなに働きにくくなってしまうのか。なんでうまくいかないんだろう……」。今までに経験したことのないジレンマでした。 状況は徐々に緩和傾向にあるが… 看護師として感じたもどかしさ 5カ所での支援活動を経て最後に訪れたのは、高齢者福祉施設。ここでも看護師として初めて抱く葛藤があったといいます。訪れた施設では、症状が急変した場合に積極的治療をしないという条件で入所している人も少なくなかったそうです。看護師としては、支援に入る以上どうにかして治療してあげたいと思うのが当然。しかし、重症患者を泣く泣くみとることしかできないこともあったといいます。 また、一つの施設に対する支援活動には期限があります。そのため、酸素投与や点滴などの処置ができるのは、その限られた期間だけ。福祉施設のスタッフだけでは医療行為を行えません。患者を残したまま去ることになった場合、後のことを考えるとやり切れませんでした。さらに、どんなに助けたいという思いがあったとしても、地域の病院にベッドの空きがなくて入院させられず、満足な治療ができないということもあったといいます。そんな状況に歯がゆさを覚えたまま、支援活動は終わりました。 昨年10月末から今年2月まで、新型コロナの対応に苦しむ医療現場で働いてきました。地域差はあるにせよ、一時期のどうしようもないほどにひっ迫した状況は収まりつつあるのではないかと感じているそうです。しかし、クラスターが終息した医療施設には、その後も大きな課題が残ると指摘します。差別や風評被害から心に傷を負って働けなくなった人や、家族や自分の生活を守るために職場を変えざるを得なかった人など、かなりの数の看護師が離職しており、人員不足は続いているそうです。これから途上国の支援に参加する前田さん。日本国内であっても、地域や施設による格差から助けられない患者がいることや、最前線で戦う看護師たちの嘆きや葛藤が、胸に深く刻まれました。 ジャパンハートは、ミャンマー、カンボジア、ラオスで長期ボランティアとして活動してくれる医師を募集しています。 オンライン相談会を実施中です。「医療の届かないところに医療を届ける」活動に関心のある方は、ちょっとのぞいてみてください。 〉ジャパンハート オンライン相談会ページ
英国のSARS-CoV-2感染が確定し入院した妊婦の特徴と転帰 全国住民対象コホート研究
英国のSARS-CoV-2感染が確定し入院した妊婦の特徴と転帰 全国住民対象コホート研究
Characteristics and outcomes of pregnant women admitted to hospital with confirmed SARS-CoV-2 infection in UK: national population based cohort study BMJ. 2020 Jun 8;369:m2107. doi: 10.1136/bmj.m2107. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【目的】英国で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のため入院した妊婦の全国コホートの特徴を記述し、感染関連因子および感染伝播などの転帰を明らかにすること。 【デザイン】英国産科監視システム(UKOSS)を用いた前向き全国住民対象コホート研究 【設定】英国内の全194の産科ユニット(obstetric unit)。 【参加者】2020年3月1日から4月14日の間にSARS-CoV-2感染のため入院した妊婦427例。 【主要評価項目】妊娠中の入院および新生児の感染の発生。母体の死亡、レベル3集中治療室への入室、胎児喪失、帝王切開分娩、早産、死産、早期新生児死亡および新生児ユニット入室。 【結果】妊娠中のSARS-CoV-2感染による入院発生率は、妊婦1000例当たり4.9(95%CI 4.5-5.4)と推定された。妊娠中SARS-CoV-2感染のため入院した妊婦233例(56%)が黒人またはその他の少数民族であり、281例(69%)が過体重または肥満、175例(41%)が35歳以上であり、145例(73%)に基礎疾患があった。266例(62%)が出産または妊娠喪失し、そのうち196例(73%)は正期産だった。41例(5%)が呼吸補助を要したため入院し、5例(1%)が死亡した。新生児265例のうち12例(5%)が検査でSARS-CoV-2 RNA陽性を示し、そのうち6例が出生後12時間以内に陽性が確定した。 【結論】SARS-CoV-2のため入院した妊婦のほとんどが妊娠第2または第3三半期であり、後期妊娠中に社会的距離を保持する指導の重要性を裏付けるものである。ほとんどが転帰良好であり、児へのSARS-CoV-2伝播の頻度は高くない。感染のため入院した妊婦に黒人または少数民族の割合が高いことについては、早急な調査と原因解明が必要とされる。 第一人者の医師による解説 迅速に妊婦感染者を集めた英国調査 日本の疫学調査の脆弱性を痛感 木村 正 大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室教授 MMJ. February 2021;17(1):11 2019年末に中国武漢市で最初に確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は瞬く間に世界規模の流行を引き起こし、世界保健機関(WHO)は2020年3月に同感染症(COVID-19)の世界的流行を宣言した。インフルエンザ等類似ウイルス呼吸器感染症の経験から妊婦は重篤化するリスクが高いと推測された。感染例の出産に関する報告はすでに5月までに数多くなされたが、施設単位・少数例の集積であった。本論文は出版時点では唯一の国人口ベースでの報告である。3月1日~4月14日に英国産科サーベイランスシステムを用いて同国内でコンサルタントを置く全分娩施設194施設から情報を集積した。調査期間中に427人の妊婦がSARS-CoV-2感染のため入院し(1,000人あたり4.9)、56%はアフリカ系・アジア系などの(英国社会の)少数派であった。69%は過体重または肥満、41%は35歳以上、34%に併存合併症があった。266人はこの期間内に妊娠が終了し、このうち流産4人、早産66人(うち53人は医学的適応)、正期産は196人(分娩の75%)であった。156人が帝王切開を受け29人は全身麻酔(うち18人は母体の呼吸状態悪化による挿管)下で行われた。入院した妊婦427人中41人は高度集中治療、4人は体外式膜型人工肺(ECMO)管理を受けた。観察期間に5人が死亡、397人は軽快退院、25人は入院中であった。新生児は3人が死産、2人が新生児死亡。生産児265人中67人は新生児集中治療室で管理され、12人がPCR検査陽性となった。生後12時間以内に陽性となった6人中2人は経腟分娩、3人は陣痛発来前の帝王切開、1人は発来後の帝王切開であった。 日本では日本産婦人科医会が6月末までの感染妊婦アンケートを行い、72人の感染(有症状者58人)が1,481施設から報告された。罹患率は報告施設の半年間の分娩数から10,000人あたり2人程度となり、今回の報告に比べ20分の1である。10人に酸素投与が行われ、1人が人工呼吸管理を受け死亡した(入国直後の外国籍女性)。児への感染はなかった。日本産科婦人科学会では、研究機関・学会での倫理審査を終え、新型コロナウイルス感染妊婦のレジストリ研究を開始し、9月から登録を募っている。しかし、国は研究費補助のみで研究班が個人情報保護法を意識しながら体制を構築したため時間がかかり、適時に十分な情報を国民に届けることができなかった。本論文は日英の医学研究におけるスピード感の差を如実に表し、最近の日本における個人情報保護法をはじめとするさまざまな制約は迅速な疫学情報収集を脆弱化させていることを改めて痛感している。
物理的距離の保持、マスクおよび保護めがね着用によるヒトからヒトへのSARS-CoV-2感染およびCOVID-19の予防 系統的レビューおよびメタ解析
物理的距離の保持、マスクおよび保護めがね着用によるヒトからヒトへのSARS-CoV-2感染およびCOVID-19の予防 系統的レビューおよびメタ解析
Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis Lancet. 2020 Jun 27;395(10242):1973-1987. doi: 10.1016/S0140-6736(20)31142-9. Epub 2020 Jun 1. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)はCOVID-19の原因であり、密接な接触を通してヒトとヒトとの間で広がる。著者らは、医療現場および非医療現場(地域など)での物理的距離の保持、マスク着用および眼の保護がウイルス伝播にもたらす効果を調べることを目的とした。 【方法】ヒトからヒトへの感染を避けるための最適な距離を調べ、マスクおよび保護めがね着用によるウイルス伝播予防効果を評価するため、系統的レビューおよびメタ解析を実施した。WHOおよびCOVID-19関連の標準的データベース21件から、SARS-CoV-2、重症急性呼吸器症候群を引き起こすベータコロナウイルス、中東呼吸器症候群のデータを取得した。データベース開始から2020年5月3日までのデータを検索し、言語は問わないが、比較試験や、妥当性、実行可能性、資源の利用および公平性に関する因子を特定した。記録をふるいにかけデータを抽出し、二重にバイアスリスクを評価した。頻度論的統計、ベイズ・メタ解析、ランダム効果メタ回帰解析を実施した。Cochrane法とGRADEアプローチに従って、根拠の確実性を評価した。この試験は、PROSPEROにCRD42020177047番で登録されている。 【結果】16カ国6大陸の観察的研究172件を特定した。無作為化試験はなく、44件が医療現場および非医療現場で実施した比較試験(対象計2万5697例)だった。1m未満の物理的距離と比べると、1m以上の距離でウイルスの伝播率が低く(1万736例、統合調整オッズ比[aOR]0.18、95%CI 0.09-0.38、リスク差[RD]-10.2%、95%CI -11.5--7.5、中等度の確実性)、距離が長くなるほど保護効果が高くなった(1m当たりの相対リスク[RR]の変化2.02、交互作用のP=0.041、中等度の確実性)。マスクの着用で感染リスクが大幅に低下し(2697例、aOR 0.15、95%CI 0·07-0.34、RD -14.3%、-15.9--10.7、低度の確実性)、使い捨てサージカルマスクや同等のマスク(再利用可能な12-16層の綿マスクなど)と比べるとN95や同等のマスクの方が関連が強かった(交互作用のP=0.090、事後確率95%未満、低度の確実性)。このほか、保護めがねでも感染率が低下した(3713例、aOR 0.22、95%CI 0.12-0.39、RD -10.6%、95%CI -12.5--7.7、低度の確実性)。未調整の試験、下位集団解析や感度解析からほぼ同じ結果が得られた。 【解釈】この系統的レビューおよびメタ解析の結果は、1m以上の物理的距離を支持し、政策決定者にモデルおよび接触者追跡の定量的推定を提供するものである。この結果および関連因子から、公共の場および医療現場でのマスク、医療用レスピレーターおよび保護めがねの最適な着用を広めるべきである。この介入の根拠を示す頑強な無作為化試験が必要であるが、現在の入手可能な科学的根拠の系統的評価は中間的なガイダンスになると思われる。 第一人者の医師による解説 44試験のメタ解析の結果 有用なエビデンス さらに今後の研究の蓄積が必要 荒岡 秀樹 虎の門病院臨床感染症科部長 MMJ. February 2021;17(1):14 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の主な感染様式は飛沫感染と接触感染であり、特殊な状況下(例、換気の悪い空間)では一部空気感染を示唆する報告もある。なかでも飛沫感染をどのように防止するかが感染予防の最優先事項と考えられている。本論文は、コロナウイルス(SARS-CoV-2、SARS、MERS)における感染予防法(身体的距離[physical distancing]、マスク、眼の保護)の効果を調べた44試験(患者25,697人)のメタ解析の報告である。 解析の結果、1m以上の身体的距離は、1m未満の身体的距離と比較して、ウイルス伝播を低下させることが証明された(補正オッズ比[aOR], 0.18;95%信頼区間[CI], 0.09~0.38;中程度の確実性)。この予防効果は距離が離れるほど強くなることも明らかとなった(中程度の確実性)。また、マスクの着用は感染のリスクを大幅に低下させた(aOR, 0.15;95% CI, 0.07~0.34;低い確実性)。マスクの感染リスク低下効果は市中よりも医療現場でより大きいことが示唆された。N95マスクはサージカルマスクと比較して予防効果が大きいことが示された。さらに、眼の保護も感染の減少と関連していた(aOR, 0.22;95% CI, 0.12~0.39;低い確実性)。 本研究は世界保健機関(WHO)の支援を受けて実施され、完全な系統的レビューの方法を遵守していることが強みである。また、GRADEアプローチに従って、証拠の確実性を評価している。2020年5月3日までの関連データを検索し、新型コロナウイルスのパンデミックが他の世界的な地域に広がる前に中国からのデータを含めて評価している。一方、本研究の限界として、対象の研究はいずれもランダム化されていないこと、多くの研究で身体的距離に関する正確な情報が提供されておらず推測が含まれること、ほとんどの研究がSARSとMERSについて報告したものであること、などが挙げられる。 今回のメタ解析の結果は、SARS-CoV-2に対する感染予防のランダム化試験がない状況下で、非常に有益な情報を私たちに与えるものである。1m以上の身体的距離が重要で、2m以上の距離はより有用な可能性がある。さらに、医療現場および市中でのマスク着用、眼の保護の重要性を明らかにした。本論文は、2020年5月3日までのエビデンスをまとめ、大変有用なものであるが、これ以降のSARS-CoV-2に特化した感染予防のエビデンスにも注目していきたい。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬とCOVID-19診断および死亡率の関連
アンジオテンシン変換酵素阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬とCOVID-19診断および死亡率の関連
Association of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor or Angiotensin Receptor Blocker Use With COVID-19 Diagnosis and Mortality JAMA. 2020 Jul 14;324(2):168-177. doi: 10.1001/jama.2020.11301. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【重要性】アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)/アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)によってコロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しやすくなり、ウイルスの機能性受容体、アンジオテンシン変換酵素2の発現が亢進することによって転帰が悪化すると思われる。 【目的】ACEI/ARBの使用とCOVID-19の診断およびCOVID-19患者の転帰との関連を調べること。 【デザイン、設定および参加者】COVID-19患者の転帰を調べるため、デンマークの全国レジストリのデータを用いて後ろ向きコホート研究を実施した。ICD-10コードを用いて2020年2月22日から5月4日までのCOVID-19患者を特定し、診断日から転帰または試験期間終了日(2020年5月4日)まで追跡した。COVID-19の感受性を調べるため、コホート内症例対照デザインのCox回帰モデルを用いて、2020年2月1日から同年5月4日まで他の降圧薬を比較したACEI/ARB使用とCOVID-19診断発生率との関連を検討した。 【曝露】発症日前6カ月間の処方と定義したACEI/ARBの使用。 【主要評価項目】この後ろ向きコホート研究で、主要評価項目は死亡とし、死亡または重症COVID-19の複合転帰を副次評価項目とした。コホート内症例対照の感受性解析では、転帰はCOVID-19診断とした。 【結果】この後ろ向きコホート研究には、COVID-19患者4480例を組み入れた(年齢中央値54.7歳[四分位範囲40.9-72.0歳]、47.9%が男性)。ACEI/ARB使用者895例(20.0%)および非使用者3585例(80.0%)であった。ACEI/ARB者の18.1%、非使用者の7.3%が30日以内に死亡したが、この関連は、年齢、性別および既往例で調整した後、有意差はなくなった(調整後ハザード比[HR]、0.83、95%CI 0.67-1.03)。ACEI/ARB使用者の31.9%、非使用者の14.2%に、30日以内に死亡または重症COVID-19が発生した(調整HR 1.04、95%CI 0.89-1.23)。COVID-19感受性を検討するコホート内症例対照研究では、高血圧の既往歴があるCOVID-19患者571例(年齢中央値73.9歳、54.3%が男性)を年齢および性別でマッチさせたCOVID-19がない対照5710例と比較した。COVID-19患者の86.5%がACEI/ARBを使用していたのに対し、対照は85.4%で、他の降圧薬と比較するとACEI/ARBにCOVID-19高発症率との有意な関連は認められなかった(調整HR 1.05、95%CI 0.80-1.36)。 【結論および意義】高血圧患者のACEI/ARB使用歴にCOVID-19診断またはCOVID-19患者の死亡または重症化との有意な関連は認められなかった。この結果から、COVID-19大流行下で臨床的に示唆されるACEI/ARB投与中止は支持されるものではない。 第一人者の医師による解説 COVID-19の流行に際し ACEI/ARBの服薬変更は不要の可能性を示唆 岩部 真人、二木 寛之、岩部 美紀、山内 敏正 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科 MMJ. February 2021;17(1):9 現在世界中でパンデミックを引き起こしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、一度は感染拡大の速度が緩んだようにみえた。しかし各種規制緩和などの影響でいわゆる第2波とも呼ぶべき再拡大が各国で起きており、日本でも感染者数は下げ止まっているなど、いまだ予断を許さない状況が続いている。 COVID-19を引き起こす病原体SARS-CoV-2はアンジオテンシン変換酵素(ACE)2を介して細胞内に侵入することが示されている(1)。一方、降圧薬のACE阻害薬(ACEI)やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)はACE2の発現を上昇させることが知られており(2)、COVID-19の罹患率、重症化率および死亡率への影響が懸念されてきた。ACEIやARBは降圧薬として第1選択となることも多く、投薬対象人口も非常に大きいことから、この関係を検証することは急務とされ、さまざまなコホートで研究が行われている。 本研究はデンマークでのデータを基に、重症化率・死亡率についてはACEI/ARB使用中の患者を含むCOVID-19患者4,480人を対象とした後ろ向きコホート研究により、罹患率についてはコホート内症例対照研究により検討したものである。まず重症化率・死亡率について、ACEI/ARB使用中の895人を含むCOVID-19患者4,480人のコホートで年齢、性別、既往歴について補正すると、ACEI/ARB使用者と非使用者の間で死亡率に有意な差はなかった(ハザード比[HR], 0.83)。同様に死亡率または重症化率についても両群間に有意差はなかった(HR, 1.04)。次に罹患率について、高血圧の既往のあるCOVID-19患者571人と年齢、性別がマッチした高血圧の既往のある非COVID-19患者5,710人との間で比較検討された。その結果、両群間のACEI/ARB使用率に有意な差は なく、ACEI/ARBの使用はCOVID-19の罹患率を上昇させていなかった(HR, 1.05)。 2019年12月以降COVID-19は世界的に拡大し、それから1年が経過しようとしている。COVID-19の病態メカニズムについて、いまだ明らかになっていないことは多いが、疫学的にさまざまな情報が集約されつつある。ACEI/ARBについては、特にSARS-CoV-2はACE2を介して細胞内に侵入することが明らかになり、COVID-19流行初期は服薬に伴うリスクが懸念されていた。しかしながらその後、本研究結果を含めACEI/ARBはCOVID-19の罹患率、重症化率、死亡率を上昇させないことが明らかになり、各学会からもACEI/ARBの使用継続を支持する声明が世界的に出されている。一方、本研究を含めて現在のエビデンスは、ほぼすべて後ろ向き研究の結果であり、各国で進行中の前向き研究に対して、今後も注視し続ける必要がある。 1. Wang Q, et al. Cell. 2020;181(4):894-904. 2. Vaduganathan M, et al. N Engl J Med. 2020;382(17):1653-1659.
SARS-CoV-2による一時的な小児多臓器系炎症性症候群患児58例の臨床的特徴
SARS-CoV-2による一時的な小児多臓器系炎症性症候群患児58例の臨床的特徴
Clinical Characteristics of 58 Children With a Pediatric Inflammatory Multisystem Syndrome Temporally Associated With SARS-CoV-2 JAMA. 2020 Jul 21;324(3):259-269. doi: 10.1001/jama.2020.10369. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【重要性】新型コロナウイルス感染症2019の発症率が高い地域で、発熱および炎症を伴うまれな症候群を呈する患児の報告が浮上している。 【目的】SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)による一時的な小児多臓器系炎症性症候群(PIMS-TS)の基準を満たした入院患児の臨床所見および検査値の特徴を明らかし、他の小児炎症性疾患の特徴と比較すること。 【デザイン、設定および参加者】2020年3月23日から5月16日の間に、発熱の持続と公開されているPIMS-TSの診断基準を満たした入院患児58例(中央値9歳、33例が女児)の症例集積。最終追跡日は、2020年5月22日であった。診療記録の臨床症状および検査結果を要約し、2002年から2019年に欧米で入院した川崎病(KD)患児(1132例)、川崎病ショック症候群患児(45例)および中毒性ショック症候群患児(37例)の特徴と比較した。 【曝露】英国、米国および世界保健機関(WHO)が定義するPIMS-TSの基準を満たした患児の兆候、症状、検査および画像所見。 【主要評価項目】PIMS-TSの基準を満たした患児の臨床、検査および画像所見、他の小児炎症性疾患の特徴との比較。 【結果】PIMS-TSの基準を満たす患児58例(平均年齢9歳[IQR 5.7-14]、女児20例[34%])を特定した。58例中15例(26%)がSARS-CoV-2ポリメラーゼ連鎖反応検査の結果が陽性、46例中40例(87%)がSARS-CoV-2 IgG検査陽性であった。合わせて、58例中45例(78%)がSARS-CoV-2感染しているか、感染歴があった。全例に発熱および嘔吐(58例中26例、45%)、腹痛(58例中31例、53%)、下痢(58例中30例、52%)などの非特異的症状が見られた。58例中30例(52%)が発疹、58例中26例(45%)が結膜充血を呈した。検査所見の評価で、C反応性蛋白(229 mg/L[IQR 156-338]、全58例で評価)、フェリチン(610 μg/L[IQR 359-128]、58例中53例で評価)などで著名な炎症が認められ、58例中29例がショック(心筋機能障害の生化学的根拠あり)を来たし、強心薬および蘇生輸液投与を要した(機械的換気を実施した29例中23例[79%]を含む)。13例が米国心臓協会が定義するKDの基準を満たし、23例にKDやショックの特徴がない発熱および炎症があった。8例(14%)が冠動脈拡張または冠動脈瘤を来した。PIMS-TSとKDまたはKDショック症候群を比較すると、年齢が高く(年齢中央値9歳[IQR 5.7-14] vs. 2.7歳[IQR 1.4-4.7]および3.8歳[IQR 0.2-18])、C反応性蛋白(中央値229mg/L vs. 67mg/L[IQR 40-150 mg/L]および193mg/L[IQR 83-237])炎症マーカー高値などの臨床所見や検査所見に差が見られた。 【結論および意義】このPIMS-TSの基準を満たした患児の症例集積では、発熱や炎症から心筋障害、ショック、冠動脈瘤までさまざまな徴候、症状および疾患重症度が見られた。KDおよびKDショック症候群の患児と比較からは、この疾患に関する知見が得られ、他の小児炎症性疾患とは異なるものであることが示唆される。 第一人者の医師による解説 COVID-19重症化抑制の治療法につながる 臨床的意義の大きな研究 永田 智 東京女子医科大学小児科学講座主任教授 MMJ. February 2021;17(1):12 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の高感染率地域で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)に関連した小児炎症性多系統症候群(PIMS-TS)が報告されており、川崎病との類似性が話題になった。 本論文では、2020年3月?5月に英国の8病院に入院した、英国、米国疾病対策予防センター(CDC)または世界保健機関(WHO)のPIMS-TS基準を満たした小児58人について、臨床的特徴をカルテレビューで抽出し、2002~19年に欧米の病院に入院した川崎病患者(1,132人)、川崎病ショック症候群患者(45人)、トキシックショック症候群患者(37人)と比較検討した。 これらPIMS-TS症例はSARS-CoV-2 PCR検査で58人中15人(26%)が陽性、SARS-CoV-2 IgG抗体検査で46人中40人(87%)が陽性であった。全例で発熱、約半数で嘔吐、腹痛、下痢の消化器症状を認めていた。同様に約半数は発疹や結膜充血といった川崎病類似の症候を呈していた。血清CRPは中央値22.9mg/dL(四分位範囲[IQR],15.6~33.8)、フェリチンも中央値610μg/L(IQR,359~1,280)と全般に高値であった。58人中29人(50%)が心筋機能障害を高頻度に伴うショックをきたし、そのうち23人(79%)は人工呼吸器管理を要していた。13人は米国心臓学会(AHA)の川崎病基準を満たし、興味深いことに8人は冠動脈拡張または冠動脈瘤を合併していた。 本研究では、PIMS-TS、川崎病、川崎病ショック症候群の三者が比較された。PIMS-TSでは罹患年齢の中央値が9歳(IQR,5.7~14)と一般の川崎病(中央値2.7歳)や川崎病ショック症候群(中央値3.8歳)より高かった。また、PIMS-TSの血清CRPは、川崎病(中央値6.7mg/dL)よりかなり高値の傾向にあったが、川崎病ショック症候群とは僅差であった(中央値19.3mg/dL)。 これらのPIMS-TS症例は、発熱・心筋障害・ショック・冠動脈瘤形成といった多臓器にまたがる多彩な症候を示していたが、全般に重症であった。これまで、川崎病に類似した症候をもつ他の疾患は数少なく、しかも冠動脈病変を有する疾患はほとんど報告されていない。PIMS-TSを丁寧に調べることにより、川崎病の病態発症、特に冠動脈病変の発生機序を考える上で、重要なヒントが得られる可能性がある。さらに、川崎病の標準治療である免疫グロブリン大量療法がCOVID-19の重症型であるPIMS-TSの治療に有効であることが証明されれば、COVID-19の重症化抑制に安全性の高い有効な治療選択肢が加わることになり、当検討の臨床的な意義は大きいことになる。
物理的距離確保の介入と新型コロナウイルス感染症発症 149カ国の自然実験
物理的距離確保の介入と新型コロナウイルス感染症発症 149カ国の自然実験
Physical distancing interventions and incidence of coronavirus disease 2019: natural experiment in 149 countries BMJ. 2020 Jul 15;370:m2743. doi: 10.1136/bmj.m2743. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【目的】世界の物理的距離を確保する介入と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発症の関連を評価すること。 【デザイン】分割時系列解析を用いた自然実験。メタ解析を用いて結果を統合した。 【設定】欧州疾病予防管理センターからCOVID-19症例の日報データ、オックスフォードCOVID-19 政策反応追跡から物理的距離確保の政策に関するデータが入手できる149の国または地域。 【参加者】2020年1月1日から5月30日までの間に、物理的距離を確保する政策5項目(学校閉鎖、職場閉鎖、公共交通機関の閉鎖、大規模集会やイベントの制限、移動の制限[都市封鎖])のうち1項目以上を導入した国または地域。 【主要評価項目】2020年5月30日または介入後30日間のいずれか先に発生した日付までのデータを用いて推算した物理的距離確保政策導入前後のCOVID-19の発生率比(IRR)。ランダム効果メタ解析を用いて各国のIRRを統合した。 【結果】物理的距離介入策の導入で、COVID-19発生率が全体で平均13%低下した(IRR 0.87、95%CI 0.85-0.89、149カ国)。他の4項目の物理距離確保政策が実施されていた場合、公共交通機関の閉鎖によってCOVID-19発症率がさらに低下することはなかった(公共交通機関の閉鎖あり:統合IRR 0.85、95%CI 0.82-0.88、72カ国、閉鎖なし:同0.87、0.84-0.91、32カ国)。このほか、11カ国のデータから、学校閉鎖、職場閉鎖および大規模集会の制限にほぼ同じ全般的な効果があることが示唆された(同0.85、0.81-0.89)。政策導入の順序を見ると、他の物理的距離確保政策の後に都市封鎖を実施した場合(同0.90、0.87-0.94、41カ国)と比較すると、都市封鎖の早期導入によってCOVID-19発生率が低下した(同0.86、0.84-0.89、105カ国)。 【結論】物理的距離の介入によって、世界的にCOVID-19発生率が低下した。他の4項目の政策を導入した場合、公共交通機関を閉鎖することによってさらに効果が高くなる根拠は見られなかった。都市封鎖の早期導入によってCOVID-19発生率が大きく低下した。この結果から、今回または将来の感染症流行のため、国が物理的距離政策の強化に備える政策決定に役立つと思われる。 第一人者の医師による解説 149カ国の自然実験 適切な身体的距離確保の介入指針となる可能性 神林 隆道(臨床助手)/園生 雅弘(主任教授) 帝京大学医学部附属病院脳神経内科 MMJ. February 2021;17(1):13 世界的なパンデミックとなっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、ほとんどの国が身体的距離(physical distancing)を確保することを目的とした介入を行っているが、それらの有効性の検討はこれまで主にモデル研究でなされており、実際の患者集団におけるデータに基づく有効性評価の報告は乏しい。 本研究では、2020年1月1日~5月30日に以下の5種類の身体的距離確保のための介入(学校閉鎖、職場閉鎖、公共交通機関の閉鎖、大人数の集会や公共イベントの制限、移動制限)のうち1つ以上が行われた国を対象に国別に分割時系列解析を実施し、データのメタ解析によって身体的距離確保の介入前後のCOVID-19発生率比を評価した。 149カ国が1種類以上の身体的距離確保のための介入を行っており、ベラルーシとタンザニアを除くすべての国が5種類のうち3種類以上を実施していた(日本は公共交通機関の閉鎖以外の4種類)。118カ国では5種類すべてが実施されていた。全体の結果として、身体的距離確保の介入によってCOVID-19発生率が13%低下したことが示された。 データのメタ解析からは、最初の症例報告から介入開始までの日数(P=0.57)や、PCR検査実施率(P=0.71)は、発生率に有意な影響を与えておらず、一方で65歳以上の高齢人口比率(P<0.001)や1人当たりのGDPが高い(P=0.09)国は、身体的距離確保の介入による発生率の低下がより大きかった。また、注目すべき点として、介入の組み合わせについて、学校閉鎖、職場閉鎖、公共イベントの制限、移動制限の4種類が一緒に実施された場合のCOVID-19発生率比(0.87;95 % 信頼区間[CI], 0.84~0.91;32カ国)は、さらに公共交通機関の閉鎖を加えた5種類すべての介入を行った場合とほぼ同等(0.85;95% CI, 0.82~0.88;72カ国)で、公共交通機関の閉鎖に付加的なCOVID-19発生抑制効果は認められなかった。 介入の順序に関しては、移動制限を早期に実施した場合のCOVID-19発生率比(0.86;95% CI, 0.84~0.89;105カ 国)は、他の身体的距離確保による介入後に遅れて移動制限を行った場合(0.90;95 % CI, 0.87~0.94;41カ国)よりも 低く、より早期の移動制限の介入の方がCOVID-19発生率の抑制効果は大きいことが示唆された。 著者らはこれらのデータが、今後流行が起こった際の施策決定に役立つだろうと結論している。日本でも引き続き適切な行動変容によって、医療崩壊に陥らずかつ社会・経済活動を維持できる程度に感染者数をコントロールしていくことが重要であろう。
COVID-19患者の病理解剖所見および静脈血栓塞栓症 前向きコホート試験
COVID-19患者の病理解剖所見および静脈血栓塞栓症 前向きコホート試験
Autopsy Findings and Venous Thromboembolism in Patients With COVID-19: A Prospective Cohort Study Ann Intern Med. 2020 Aug 18;173(4):268-277. doi: 10.7326/M20-2003. Epub 2020 May 6. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】新型コロナウイルス、SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって、世界で21万人以上が死亡している。しかし、死因やウイルス病理学的特徴についてはほとんど明らかになっていない。 【目的】病理解剖、死亡時画像診断およびウイルス学的検査のデータから臨床的特徴を検証し、比較すること。 【デザイン】前向きコホート試験。 【設定】ドイツ・ハンブルク州から委託され、大学病院1施設で実施したPCR検査でCOVID-19診断が確定した患者の病理解剖。 【患者】COVID-19陽性で死亡した最初の連続症例12例。 【評価項目】死後CT検査、組織学的およびウイルス学的解析を含む死体解剖を実施した。臨床データおよび疾患の経過を評価した。 【結果】患者の平均年齢は73歳(範囲52~87歳)、患者の75%が男性であり、病院内(10例)または外来病棟(2例)で死亡が発生した。冠動脈疾患、喘息または慢性閉塞性呼吸器疾患が最も頻度の高い併存疾患であった(それぞれ50%、25%)。解剖から、12例中7例(58%)に深部静脈血栓症があったことが明らかになったが、いずれも死亡前に静脈血栓塞栓症の疑いはなかった。4例では肺塞栓が直接的な死因であった。死後CT検査で8例に両肺にコンソリデーションを伴う網状浸潤影、病理組織学的検査で8例にびまん性肺胞傷害が認められた。全例の肺から高濃度のSARS-CoV-2 RNAが検出された。10例中6例からウイルス血症、12例中5例からは肝臓や腎臓、心臓からも高濃度のウイルスRNAが検出された。 【欠点】検体数が少ない点。 【結論】静脈血栓塞栓症が高頻度に見られることから、COVID-19による凝固障害が重要な役割を演じていることが示唆される。COVID-19による死亡の分子的構造および全体の発生率、死亡を抑制するための有望な治療法を明らかにすべく、詳細な研究が必要とされる。 第一人者の医師による解説 死に至る病態はびまん性肺胞傷害で急速悪化のケースと 合併症により徐々に衰弱するケースか 福澤 龍二 国際医療福祉大学大学院医学研究科基礎医学研究分野・医学部病理学教授 MMJ. February 2021;17(1):8 本論文は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)12例(全例基礎疾患あり)の臨床像、血液、凝固系、PCRなどの検査所見、死後のCT、病理解剖所見を報告している。剖検による死因として全例に肺病変が挙げられ、2種類の肺病理像に分類できる。 (1)間質性肺炎(IP)─びまん性肺胞傷害(DAD):8例は、IPが先行しDADに進展した症例であった。血液、肺、その他複数の臓器からSARS-CoV-2が検出され、ウイルス血症による全身への播種、IPとの関連が示唆される。 (2)気管支肺炎(BP):残り4例は、末梢気道への好中球浸潤を主体とするBPであった。間質性病変はなく、経気道的な細菌感染が示唆される。このようなウイルス性IPの組織像が明確でない症例でも、肺組織からウイルスが検出されていることから、ウイルスが気道上皮細胞に感染し、粘液線毛クリアランスを低下させることが細菌感染の一因と思われる。 肺病理像に基づいて、血液凝固異常との関連をみると、IP-DAD症例8例中6例に深在静脈血栓が形成され、4例は肺塞栓を伴っていた。全例が病院外で突然死または集中治療室で死亡している。重篤な呼吸障害を起こすDADに加え、肺塞栓を高頻度に認める解剖所見は死亡時の状況を反映している。一方、BPの症例では、肺塞栓はなく、静脈血栓を1例のみ認めた。全例が一般病棟で支持療法中に死亡しており、経過は緩徐で、IP-DADに比べ血液凝固異常は起こりにくい病態であることが示唆される。 以上から、COVID-19により死に至る病態は以下の2つが想定される:①IPが先行し、DAD発症により急速に呼吸状態が悪化し、重症化する(急性呼吸促迫症候群)。また、血液凝固異常の頻度が高く、肺塞栓症の併発は循環動態をも悪化させ、急死に至らしめる。全身性病態へ進展する背景には、ウイルスの全身播種とこれに対する宿主の過剰防御反応(サイトカインストーム)が想定され、過剰な免疫反応がCOVID-19関連死の最大の誘因と考えられる②合併症(BP増悪や敗血症への進展)により徐々に衰弱し死亡すると思われる病態。これらの症例ではIP(肺胞壁の炎症・免疫応答)がみられないことから、ウイルスは肺胞上皮までは感染していないか、しても複製量が少なく肺外に拡がりにくい可能性がある。このため、過剰な免疫反応が起こりにくく、DADに至らず、凝固異常の頻度も低いと推測される。 〈脚注〉 IP:多くはウイルスが原因である。上気道粘膜に侵襲したウイルスが肺胞に至り、肺胞壁にリンパ球主体の炎症が起き、肺野にびまん性に拡がりやすい。DAD:急性呼吸促迫症候群の肺病理像で、肺胞壁の毛細血管から肺胞内への滲出性変化(硝子膜の形成)を特徴とする。誘発因子は肺炎、敗血症など。 BP:細菌の気道感染により発症する。気管支・肺胞内に炎症を起こす局所的な肺炎で、炎症は好中球が主体である。
健康的な生活習慣および社会経済的地位と死亡率および心血管疾患との関連:2件の前向きコホート研究
健康的な生活習慣および社会経済的地位と死亡率および心血管疾患との関連:2件の前向きコホート研究
Associations of healthy lifestyle and socioeconomic status with mortality and incident cardiovascular disease: two prospective cohort studies BMJ. 2021 Apr 14;373:n604. doi: 10.1136/bmj.n604. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約【目的】生活習慣全般が社会経済的状況(SES)と死亡率および心血管疾患(CVD)発症との関連に介在するかを検討し、生活習慣およびSESと健康転帰との交互作用または複合的な関連の程度を評価すること。【デザイン】住民を対象としたコホート研究。【設定】米国民健康栄養調査(US NHANES、1988~1994年および1999~2014年)とUKバイオバンク。【参加者】米国の20歳以上の成人4万4,462例および英国の37~73歳の成人39万9,537例。【曝露】世帯所得、職業または雇用状況、学歴および健康保険(US NHANESのみ)を用いた潜在クラス分析でSESを評価し、項目回答確率に従って3段階(低、中、高)に分類した。喫煙未経験、非大量飲酒(女性1日1杯以下;男性1日2杯以下;1杯のエタノール含有量は米国14g、英国8g)、身体活動量上位3分の1および質の高い食事に関する情報に基づいて、健康的な生活習慣スコアを構築した。【主要評価項目】全死因死亡率を両研究の主要評価項目とした。複数のレジストリを紐付けることにより、UKバイオバンクのCVD死亡率とCVD発症率を入手した。【結果】US NHANESでは平均追跡期間11.2年で死亡が8906件、UKバイオバンクでは平均追跡期間8.8~11.0年で死亡が2万2309件、CVD発症が6903例記録された。SESが低い成人の年齢で、調整した1,000人年当たりの死亡リスクがUS NHANESで22.5(95%CI 21.7~23.3)、UK Biobankで7.4(7.3~7.6)、年齢で調整した1,000人年当たりのCVDリスクがUKバイオバンクで2.5(2.4-2.6)であった。これに対応するSESが高い成人のリスクは、それぞれ1000人年当たり11.4(10.6~12.1)、3.3(3.1~3.5)、1.4(1.3~1.5)であった。SESが高い成人と比較すると、SESが低い成人の方が全死因死亡率(US NHANESのハザード比2.13、95%CI 1.90~2.38;UKバイオバンク1.96、1.87~2.06)、CVD死亡率(2.25、2.00-2.53)、UKバイオバンクのCVD発症率(1.65、1.52-1.79)のリスクが高かった。生活習慣が介在する割合はそれぞれ12.3%(10.7~13.9%)、4.0%(3.5~4.4%)、3.0%(2.5~3.6%)、3.7%(3.1~4.5%)であった。US NHANESで生活習慣とSESの間に有意な交互作用が認められなかった一方で、UKバイオバンクではSESが低い成人で生活習慣と転帰の間に関連を認められた。SESが高く健康的な生活習慣因子数が3または4の成人と比較すると、SESが低く健康的な生活習慣因子数が0または1の成人は、全死因死亡率(US NHANES 3.53、3.01~4.14;UKバイオバンク2.65、2.39~2.94)、CVD死亡率(2.65、2.09~3.38)およびUKバイオバンクのCVD発症(2.09、1.78-2.46)のリスクが高かった。【結論】米国および英国いずれの成人でも、不健康な生活習慣が健康の社会経済的格差に介在する割合が小さかった。そのため、健康的な生活習慣の推進のみで健康の社会経済的格差が実質的に縮小することはない。健康の社会的決定因子を改善する他の手段が必要である。それでもなお、さまざまなSES部分集団で健康的な生活習慣に低死亡率および低CVDリスクとの関連を認め、健康的な生活習慣が疾病負荷の減少に果たす重要な役割を裏付けている。 第一人者の医師による解説 社会的経済的状態と疾病の発症について 生活習慣との相互作用を含めた研究が必要 門脇 孝 虎の門病院院長 MMJ. December 2021;17(6):188 近年、疾病の発症と社会経済的格差の関係が注目されている。恵まれない社会経済的状態(socioeconomicstatus;SES)と不健康な生活習慣はともに全死亡率と心血管疾患発症率の上昇に関連することが知られている。経済協力開発機構(OECD)諸国の中でも米国と英国では近年、貧富の差が拡大し、健康格差の拡大につながっていることが指摘されている(1),(2)。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行は、SESが低い人々により深刻な影響を及ぼしている(3)。これまでの研究では、低いSESは主に不健康な生活習慣を介して全死亡率や心血管疾患発症率の上昇に関与すると考えられていた。しかし、これまでSESと生活習慣のそれぞれの寄与や交絡についての詳しいデータはなかった。今回米国の国民健康栄養調査(NHANES)および英国Biobankのデータを用いた2つのコホート研究が行われ、SESと全死亡、心血管疾患発症との関連に対する生活習慣の影響などについて検討された。SESは、世帯収入や職業・雇用形態、教育水準、健康保険(米国のみ)に基づいて3段階に分類し、健康的な生活習慣も、非喫煙、大量飲酒なし、身体活動量が上位の3分の1、食事の質の高さに基づき3段階に分類した。その結果、SESと生活習慣はいずれも全死亡と心血管疾患発症に関係し、低いSESと不健康な生活習慣は、相加的に全死亡や心血管疾患発症を増加させた。例えば、高いSESかつ最も健康的な生活習慣の場合に比べ、低いSESかつ最も不健康な生活習慣の場合、全死亡・心血管死や心血管疾患発症のリスクは2.09~3.53倍に上昇した。同レベルのSESで見れば、健康的な生活習慣は全死亡や心血管疾患発症を減少させた。また、同レベルの生活習慣であっても、SESが高から低になるに従い全死亡や心血管疾患発症が増加した。今後、全死亡や心血管疾患発症を抑制するためには、SESに関わらず健康的な生活習慣の励行は重要だが、特に、SESが低い場合にはそれのみでは不十分であることがわかった。それには、低いSESに伴うさまざまな社会的資源へのアクセスの悪さや検診・治療の機会の低下など多様な要因が考えられ、それらを分析して全死亡や心血管疾患発症を低減させる社会的施策の立案・実施が重要である。日本の「健康日本21(第2次)」でも健康的な生活習慣に加え健康格差に注目しており、今後、社会経済的状態が疾病の発症に及ぼす影響について、生活習慣との相互作用を含めた同様の研究がなされる必要がある。 1. Marmot M et al. Health equity in England: e Marmot Review 10 years on.London: Institute of Health Equity (https://www.health.org.uk/publications/reports/the-marmot-review-10-years-on ) 2. Bor J, et al. Lancet. 2017;389(10077):1475-1490. 3. Niedzwiedz CL, et al. BMC Med. 2020 ;18(1):160.
イングランドの住民5,400万人以上を対象とした全国規模のコホート研究に用いる電子医療記録の連結 データ資源
イングランドの住民5,400万人以上を対象とした全国規模のコホート研究に用いる電子医療記録の連結 データ資源
Linked electronic health records for research on a nationwide cohort of more than 54 million people in England: data resource BMJ. 2021 Apr 7;373:n826. doi: 10.1136/bmj.n826. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約【目的】データの安全性およびプライバシーを確保し、国民の信頼を維持しながら、COVID-19および心血管疾患に関する全人口を対象とした研究を可能にする新たなイングランドの電子医療記録(EHR)資源について説明すること。 【デザイン】国民保健サービス(NHS)の個別記録を連結したデータ資源であり、NHS Digitalの新たなTrusted Research Environment内でのみアクセス可能である。 【設定】EHRに登録されているプライマリケア受診記録、病院受診記録、死亡登録、COVID-19臨床検査結果および地域の調剤データ。今後、専門医による集中治療、心血管系データおよびCOVID-19ワクチンデータも連結する計画がある。 【参加者】2020年1月1日時点で生存しており、イングランドのNHS総合診療医に登録されている患者5,440万例。 【measures of interest】2020年1月1日から10月31日までのCOVID-19確定例または疑い例の診断、心血管系疾患(脳卒中または一過性脳虚血発作の発症および心筋梗塞の発症)および全死因死亡。 【結果】連結したコホートはイングランドの人口の96%以上を対象としている。国民の個別データを連結することにより、全人口の約95%に当たる国民の年齢、性別および民族に関するデータが揃っている。脳卒中や一過性脳虚血発作の既往歴がなかった約5,330万例のうち、98,721例が2020年1月1日から10月31日の間に脳卒中または一過性脳虚血発作を発症した。このうち30%がプライマリケアのみ、4%が死亡登録のみに記録されていた。心筋梗塞の既往歴がなかった約5,320万例のうち、6万2,966例が追跡中に心筋梗塞を発症した。このうち8%がプライマリケアのみ、12%が死亡登録のみに記録されていた。約95万9,470例がCOVID-19確定または疑いと診断された(プライマリケアデータ714,182例、病院診療記録126,349例、COVID-19臨床検査データ50,504例)。58%がプライマリケアおよびCOVID-19臨床検査データに記録されていたが、15%がプライマリケアのみ、18%がCOVID-19臨床検査データのみに記録されていた。 【結論】この全人口規模の資源は、主要なデータの網羅性を最大限に活用し、心血管系事象およびCOVID-19診断を確認するために個別データを連結する重要性を示している。この資源は当初、COVID-19および心血管系疾患に関する研究の支援と臨床診療および公衆衛生のために構築されたが、さまざまな研究に広げることができる。 第一人者の医師による解説 EHRで遅れる日本 普及にはデータ共有・活用の重要性について国民の理解が必須 島田 直樹 国際医療福祉大学基礎医学研究センター教授 MMJ. December 2021;17(6):189 EHR(electronichealthrecord)は、患者の診断、治療、検査結果、生活習慣などが電子化された電子健康記録である。EHRの普及を国家政策として推進する国は今世紀になって増えており、特に英国では英国国民保健サービス(NHS)のもとで医療が一元的に管理されていることもあり、2017年時点でEHRの普及率は97%に達している。EHRの利点は、これらのデータを医療機関が共有・活用できることだが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が始まった当初の英国では、研究者はEHRにアクセスすることはできず、解析できなかった。この課題を解決するために、NHSDigitalとBritishHeartFoundationDataScienceCentreが協力して、新しい研究環境(NHSDigitalTrustedResearchEnvironment[TRE]forEngland)を構築した。この研究環境を介して研究者は、プライマリケア、病院エピソード、死亡登録、COVID-19検査結果、地域の薬局の調剤データなどが連結されたEHRにアクセスすることが可能になった。NHSの一般診療施設(GP)によって登録された、2020年1月1日時点で生存している5440万人、英国人口の96%以上のデータが集約されている。本論文では、このデータの利用例として、COVID-19の診断記録、脳卒中・TIA・心筋梗塞の発生、全死因死亡について、プライマリケア、死亡登録などの各データベースからの報告割合を評価している。日本におけるEHR政策は諸外国に比べて遅れている。その理由として、導入・運用・維持にコストがかかること、EHRサービスを提供するベンダー間で仕様の違いが大きく、データを連結するためのコストがかかること、が挙げられている。さらに、日本では個人情報保護の意識が強く、データの不正利用に対する警戒心が強い点も重要である。筆者は、指定難病患者が医療費助成を申請する際に提出する臨床調査個人票のデータを利用した疫学研究を実施している。以前は、厚生労働科学研究費を取得していれば、目的外使用申請によって、比較的容易にデータを使用することができた。しかし、2015年に難病法が施行されてからは、きわめて面倒な手続きが必要となった。運用フロー図、リスク分析・対応表、運用管理規定、自己点検規定、さらには本人確認・本人所属確認の写しまで提出しなくてはならず、非常に時間と手間がかかっている。日本においてEHRが普及するためには、データの共有・活用の重要性を国民が正しく理解することが必須である。
SARS-CoV-2に対するChAdOx1 nCoV-19ワクチンの安全性および免疫原性 第I/II相単盲検無作為化比較試験の仮報告
SARS-CoV-2に対するChAdOx1 nCoV-19ワクチンの安全性および免疫原性 第I/II相単盲検無作為化比較試験の仮報告
Safety and immunogenicity of the ChAdOx1 nCoV-19 vaccine against SARS-CoV-2: a preliminary report of a phase 1/2, single-blind, randomised controlled trial Lancet. 2020 Aug 15;396(10249):467-478. doi: 10.1016/S0140-6736(20)31604-4. Epub 2020 Jul 20. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)の世界的流行は、予防接種によって縮小できると思われる。著者らは、SARS-CoV-2のスパイク蛋白を発現するウイルスベクターコロナウイルスワクチンの安全性、反応性および免疫原性を評価した。 【方法】英国5施設で、SARS-CoV-2のスパイク蛋白を発現するチンパンジーアデノウイルスをベクターに用いたワクチン(ChAdOx1 nCoV-19)を対照の髄膜炎菌結合型ワクチン(MenACWY)と比較する第I/II相単盲検無作為化比較試験を実施した。検査によるSARS-CoV-2感染確定歴やCOVID-19様症状がない18~55歳の健康成人をChAdOx1 nCoV-19群とMenACWY群に(1対1の割合で)無作為に割り付け、いずれも5×1010ウイルス粒子を筋肉内に単回投与した。5施設中2施設でプロトコールを修正し、接種前にパラセタモルを予防投与してもよいこととした。10例を非無作為化非盲検のChAdOx1 nCoV-19プライムブースト群に割り付け、2回の接種日程を設け、初回投与28日後に追加投与した。SARS-CoV-2スパイク蛋白三量体に対する標準総IgG ELISA、多重免疫アッセイ、3通りの生SARS-CoV-2中和アッセイ(50%プラーク減少中和アッセイ[PRNT50]、マイクロ中和アッセイ[MNA50、MNA80、MNA90]およびMarburg VN)を用いて、偽ウイルス中和アッセイを用いて、試験開始時および追加接種時の液性応答を評価した。体外インターフェロンγenzyme-linked immunospot(ELISPOT)アッセイを用いて、細胞性応答を評価した。主要評価項目は、ウイルス学的に確定した症候性COVID-19で測定した有効性および重度有害事象の発生率で測定した安全性とした。患者を割り付けたグループごとに解析した。ワクチン投与後28日間にわたって安全性を評価した。ここに、安全性、反応性および細胞性および液性免疫反応に関する仮の結果を報告する。この試験は進行中であり、ISRCTN(15281137)、およびClinicalTrials.gov(NCT04324606)に登録されている。 【結果】2020年4月23日から同年5月21日にかけて1077例を登録し、ChAdOx1 nCoV-19(543例)とMenACWY(534例)に割り付、そのうち10例を非無作為化ChAdOx1 nCoV-19プライムブースト群に組み入れた。ChAdOx1 nCoV-19群では局所および全身反応が対照群より多く、熱っぽさ、寒気、筋肉痛、頭痛や倦怠感など多くの症状がパラセタモルの予防投与によって改善した(いずれもP<0.05)。ChAdOx1 nCoV-19による重度の有害事象はなかった。ChAdOx1 nCoV-19群では、スパイク特異的T細胞応答が14日目にピークに達した(末梢血単核球100万個当たりのスポット形成細胞数中央値856個、IQR 493~1802、43例)。28日時までに高スパイクIgG反応が上昇し(中央値157 ELISA単位(EU)、96~317、127例)、2回目の投与後にさらに上昇した(639EU、360~792、10例)。単回投与後、MNA80で測定した35例中32例(91%)、PRNT50で測定した35例(100%)でSARS-CoV-2中和抗体反応が検出された。ブースター投与後、全例に中和活性が認められた(42日時にMNA80で測定した9例全例、56日時にMarburg VNで測定した10例全例)。中和抗体反応にELISAで測定した抗体値と強い挿管が認められた(Marburg VNによるR2=0.67、P<0.001)。 【解釈】ChAdOx1 nCoV-19は許容できる安全性を示し、同種ブースター投与によって抗体反応が増強された。この結果を液性および細胞性免疫反応の誘導を併せて考えると、このワクチン候補を進行中の第III総試験で大規模な範囲で評価する妥当性を支持するものである。 第一人者の医師による解説 第3相試験でも70%の感染防御能確認 過去の研究の積み重ねの成果 中山 哲夫 北里大学大村智記念研究所特任教授 MMJ. February 2021;17(1):10 2019年12月に中国・武漢市で発生した重症肺炎の原因がコロナウイルスと判明し、SARSCoV-2と命名された。そのスパイク蛋白を主要な感染防御抗原としてワクチン開発が進んでいる。本論文はアストラゼネカ社とオックスフォード大学の共同開発によるチンパンジーアデノウイルス(ChAd)をベクターとしてSARS-CoV-2のスパイク抗原を発現する組換えワクチン(ChAdOx1nCoV-19)を健常成人543人に接種し、対照として4価髄膜炎ワクチンを534人に接種した第1/2相試験の免疫原性と安全性に関する報告である。 SARS-CoV-2スパイク蛋白に対するIgG抗体は接種28日後までに全例陽転化し、SARS-CoV-2中和抗体は80%抑制法で1回接種後に35人中32人(91%)が陽転化し、2回接種後に全例陽転化した。細胞性免疫能(ELISPOT)は1回接種14日後には43例全例に検出された。副反応としては487人中に接種部位の疼痛が67%(328人)、圧痛が83%(403人)、全身反応として倦怠感や頭痛がそれぞれ70%(340人)と68%(331人)に認められたが軽度で第3相試験に進むこととなった。 本論文以降、4月から英国、ブラジル、南アフリカで実施された4件の第III相試験の中間統合解析による有効性、免疫原性、安全性の結果が報告された(1)。感染者は標準量ワクチン2回接種群では27/4,440(0.6%)、対照(髄膜炎菌ワクチンまたは生食)群では71/4,455(1.6%)で有効率は62.1%(95% CI, 41.0~75.7)であった。低用量で1回接種し、その28日後に標準量を接種した群では3/1,367(0.2%)、対照群では30/1,374(2.2%)でワクチン有効率は90.0%(95% CI, 67.4?97.0)、全体のワクチン有効率は70.4%(54.8~80.6)であった(1)。また、英国で実施された70歳以上の高齢者も含めた同ワクチンの第2/3相試験では、18~55歳群と比較し、70歳以上では局所反応、全身反応ともに発現率が低いことが報告されている(2)。中和抗体は2回接種2週後に高値を示した。細胞性免疫能も検出され、英国では昨年12月8日から予防接種が始まった。 COVID-19発生後1年でワクチンができたように報道されているが、オックスフォード大学グループは種痘ワクチンをベクターとしたHIVワクチンの開発からヒトアデノウイルスをベクターとするシステムの構築へと進み、そして既存抗体陽性例で免疫能が低下する問題を解決すべく今回のChAdベクターを開発した。インフルエンザ、エボラ、MERS、SARS、Zikaウイルスなどに対するワクチンを研究開発し、一部は臨床試験まで実施した。こうした研究の積み重ねが今の成果につながっていることを忘れてはいけない(3)。 1. Voysey M, et al. Lancet. 2020:S0140-6736(20)32661-1. 2. Ramasamy MN, et al. Lancet. 2021;396(10267):1979-1993. 3. Gilbert SC, et al. Vaccine. 2017;35(35 Pt A):4461-4464.
SARS-CoV-2に対するmRNAワクチン 中間報告
SARS-CoV-2に対するmRNAワクチン 中間報告
An mRNA Vaccine against SARS-CoV-2 - Preliminary Report N Engl J Med. 2020 Nov 12;383(20):1920-1931. doi: 10.1056/NEJMoa2022483. Epub 2020 Jul 14. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、2019年半に出現した後、世界的に広がり、ワクチン開発を急ぐ国際的な取り組みが促されている。ワクチン候補のmRNA-1273は、融合前の安定化したSARS-CoV-2スパイクタンパクをコードする。 【方法】18-55歳の健康成人45例を対象に第1相用量漸増非盲検試験を実施し、mRNA-1273ワクチン25μg、100μg、250μgいずれかの用量を28日間隔を空けて2回接種した。各用量群に15例が参加した。 【結果】ワクチン初回接種後、高用量群ほど接種後の抗体反応が高かった[酵素結合免疫吸着測定法で測定した29日目の抗S-2P抗体の幾何平均抗体価(GMT):25μg群40,227、100μg群109,209、250μg群213,526]。2回目の接種後、抗体価は上昇した(57日目のGMT:順に299,751、782,719、1,192,154)。2回目の接種後、評価した全例から2通りの方法で血清中和活性が検出され、その値は対照の回復期血清検体パネルの分布の上位半分とほぼ同じだった。参加者の半数以上に疲労、悪寒、頭痛、筋肉痛、注射部位疼痛などの非自発的な有害事象報告があった。2回目の接種の方が全身性有害事象が多く認められ、最高用量群では特に多く、250μg投与群の3例(21%)に重篤な有害事象が1つ以上報告された。 【結論】mRNA-1273ワクチンは全例で抗SARS-CoV-2免疫反応を誘導し、試験に支障を来す安全性の懸念は認められなかった。この結果は、このワクチンの開発継続を支持するものである。 第一人者の医師による解説 第3相試験では 100 μg、28日間隔の投与で94.1%の有効性 田中 栄 東京大学医学部整形外科教授 MMJ. April 2021;17(2):40 新型コロナウイルス感染症パンデミック終息に向けての切り札として期待されているワクチンの開発は驚異的なスピードで進んでおり、2020年12月には世界に先駆けて英国で承認されたアデノウイルスベクターワクチン(Oxford-AstraZeneca COVID-19ワクチン[AZD1222])の投与が開始された。今回のワクチン開発を特徴づけているのが、これまで臨床で使用されてこなかったタイプのワクチン-mRNAワクチン-の登場である。本論文は米国Moderna社が開発したmRNAワクチン mRNA-1273の第1相試験に関する報告で、オンラインでは2020年7月14日に掲載された。 SARS-CoV-2のスパイク(S)蛋白は突起様の構造を形成し、ウイルスが宿主細胞に感染する際、細胞膜上の受容体ACE(アンジオテンシン変換酵素)2と結合する重要な役割を担っている。mRNA1273ワクチンは、この一部(S-2P)を抗原として用いている。このワクチンの設計では、mRNAに人為的に変異(S2サブユニット中心ヘリックスの連続するアミノ酸2個をプロリンに置換)を導入することでウイルスが受容体に結合する前の構造(prefusion conformation)を安定的にとるように工夫している。このような構造をとることで抗体誘導能が10倍増加するという。mRNA-1273ワクチンは変異型S-2PをコードするmRNAを脂質ナノ粒子内に封入した製剤であり、動物実験では変異型S-2P蛋白そのものをアジュバントと一緒に投与した場合に比べ、mRNA型ワクチンは、抗体誘導能は同程度、T細胞免疫誘導は優れていることが報告されている。 本試験では各群15人の健常成人に対して、それぞれ25、100、250μgのmRNA-1273ワクチンを28日の間隔をあけて2回筋注した。抗S-2P抗体は用量依存性に誘導され、2回目投与後は全例で中和活性のある抗体が回復期患者血清に匹敵する程度に誘導された。試験中止が必要な重篤な(serious)有害事象はみられなかったが、ワクチン投与に伴い倦怠感、冷感、頭痛、筋痛、投与部位痛などは半数以上の被験者に生じ、特に250μg投与群では2回目投与後3人に発熱などの全身性の重症(severe)有害事象がみられた。 mRNA-1273ワクチンについてはその後の第3相無作為化プラセボ対照試験において100μg、28日間隔の投与で94.1%の有効性が示された(1)。各国で一般市民への投与が開始されており、本号が出るころにはある程度実臨床での評価が進んでいるものと思われる。 1. Baden LR, et al. N Engl J Med. 2020:NEJMoa2035389.
若年者・高齢者を対象としたプライムブーストレジメンで投与するChAdOx1 nCoV-19ワクチンの安全性および免疫原性(COV002):第II/III相単盲検無作為化対照試験
若年者・高齢者を対象としたプライムブーストレジメンで投与するChAdOx1 nCoV-19ワクチンの安全性および免疫原性(COV002):第II/III相単盲検無作為化対照試験
Safety and immunogenicity of ChAdOx1 nCoV-19 vaccine administered in a prime-boost regimen in young and old adults (COV002): a single-blind, randomised, controlled, phase 2/3 trial Lancet. 2021 Dec 19;396(10267):1979-1993. doi: 10.1016/S0140-6736(20)32466-1. Epub 2020 Nov 19. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】高齢者(70歳以上)がCOVID-19を発症すると重症化リスクや死亡リスクが高く、有効なワクチンを開発すれば、優先的接種の対象となる。ワクチンの免疫原性は、免疫老化の結果として高齢者で悪化することが多い。若年成人を対象とした新たなチンパンジーアデノウイルスベクター型ワクチンChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)の免疫原性は既に報告している。今回は、対象者を70歳以上の高齢成人にも広げて、このワクチンの安全性と免疫原性を報告する。 【方法】この第II/III相単盲検無作為化対照試験(COV002)の第II相段階の報告では、英国の臨床研究施設2施設で、18歳以上の健康な成人を18~55歳、56~69歳、70歳以上の下位集団に分けて登録した。重度または治療不応の併存疾患やフレイルスコア高値(65歳以上の場合)がない被験者を適格とした。まず、被験者を低用量コホートに組み入れ、ブロック無作為化法を用いて、年齢、用量群および施設で層別化して、各年齢群内でChAdOx1 nCoV-19筋肉内投与(ウイルス粒子2.2×10^10個)と対照ワクチンMenACWYに割り付けることとし、18~55歳群はChAdOx1 nCoV-19の2回投与とMenACWYの2回投与に1対1の割合、56~69歳群はChAdOx1 nCoV-19単回投与、MenACWY単回投与、ChAdOx1 nCoV-19の2回投与、MenACWYの2回投与に3対1対3対1の割合、70歳以上群はChAdOx1 nCoV-19単回投与、MenACWY単回投与、ChAdOx1 nCoV-19の2回投与、MenACWYの2回投与に5対1対5対1の割合で無作為に割り付けた。初回投与と2回目投与の間隔は、28日間空けることとした。その後、被験者を標準投与コホート(ChAdOx1 nCoV-19ウイルス粒子3.5-6.5×10^10個)に組み入れ、18~55歳群をChAdOx1 nCoV-19の2回投与とMenACWYの2回投与に5対1の割合で割り付けたほかは、同じ無作為化手順を採用した。被験者と治験責任医師にワクチンの割付を伏せ、ワクチンを投与するスタッフには割り付けを伏せずにおいた。この報告の目的は、55歳以上の成人を対象とした単回投与および2回投与スケジュールの安全性、液性免疫および細胞性免疫原性を評価することである。施設内標準化ELISA、複合免疫アッセイおよび生重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)マイクロ中和アッセイ(MNA80)を用いて、ベースラインおよび各ワクチン接種から追加免疫投与1年後までの液性反応を評価した。ex-vivoのIFN-γ酵素結合免疫スポットアッセイを用いて、細胞応答を評価した。試験の複合主要転帰は、ウイルス学的に判定した症候性COVID-19症例数で測定した有効性および重篤な有害事象の発現で測定した安全性とした。ワクチンを投与した被験者を割り付けた投与群別に解析した。ここに、安全性、反応原性、細胞性および液性免疫反応に関する初期結果を報告する。本試験は現在進行中であり、ClinicalTrials.gov(NCT04400838)、ISRCTN(15281137)に登録されている。 【結果】2020年5月30日から8月8日の間に被験者560例を組み入れ、18~55歳群160例をChAdOx1 nCoV-19群100例、MenACWY群60例に、56~69歳群160例をそれぞれ120例、40例に、70歳以上群240例をそれぞれ200例、40例に割り付けた。7例が割り付けた2回投与レジメンの追加免疫投与を受けず、1例が誤ったワクチン接種を受け、3例に検体の表示に誤りがあったため、免疫原性の解析から除外した。解析対象とした552例のうち280例(50%)が女性であった。ChAdOx1 nCoV-19群の方が対照ワクチン群よりも局所反応と全身反応が多く、性質は既報とほぼ同じ(注射部位疼痛、発熱感、筋肉痛、頭痛)であったが、高齢者(56歳以上)では若年者よりも少なかった。ChAdOx1 nCoV-19の標準的な2回投与を受けた被験者では、初回免疫投与後、18~55歳群49例中43例(88%)、56~69歳群30例中22例(73%)、70歳以上群49例中30例(61%)が局所反応、それぞれ42例(86%)、23例(77%)、32例(65%)が全身反応を報告した。2020年10月26日現在、試験期間中に重篤な有害事象が13件発生したが、試験ワクチンとの関連があるものはないと考えられた。ワクチン2回投与群では、年齢層別コホート3群の追加免疫投与28日後の抗スパイクSARS-CoV-2 IgG反応中央値がほぼ同じであった(標準用量群:18~55歳20,713任意単位[AU]/mL[IQR:13,898~33,550]、39例;56~69歳16,170AU/mL[10,233~40,353]、26例;70歳以上17,561AU/mL[9,705~37,796]、47例;P=0.68)。全年齢層群の追加免疫投与後の中和抗体価がほぼ同じであった(標準投与群の第42日のMNA80中央値:18~55歳193[IQR 113~238]、39例;56~69歳144[119~347]、20例;70歳以上161[73~323]、47例;P=0.40)。追加免疫投与後14日目までに209例中208例(99%以上)に中和抗体反応が認められた。ChAdOx1 nCoV-19標準単回投与後14日目にT細胞反応がピークとなった(末梢血単核球100万個当たりのスポット形成細胞[SFC]中央値は、18~55歳1187個[IQR 841~2428]、24例;56~69歳797個[383~1817]、29例;70歳以上977個[458~1914]、48例)。 【解釈】ChAdOx1 nCoV-19の忍容性は、高齢者の方が若年成人よりも高いと考えられ、全年齢層群の追加免疫投与後の免疫原性がほぼ同じであった。全年齢層と併存疾患がある者を対象にこのワクチンの有効性をさらに詳細に評価することが必要である。 第一人者の医師による解説 日本での本ワクチンの承認や接種の検討において 非常に重要なデータ 齋藤 昭彦 新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野教授 MMJ. April 2021;17(2):41 アデノウイルスベクターワクチン(ChAdOx1nCoV-19)の安全性と免疫原性については、第1・2相試験ですでに報告されたが(1)、今回報告された第2・3相単盲検ランダム化対照試験では、対象年齢を広げ、70歳以上の高齢者を含めた集団を対象に同様の検討を行った。試験参加者は計560例で、英国の2つの臨床研究施設で行われた。対象は、18~55歳、56~69歳、70歳以上の3群に分けられ、年齢が高くなるほどSARS-CoV-2ワクチンへの割り付け比が高くなるように設定された(18~55歳では62.5%、56~69歳では75.0%、70歳以上では83.3%)。重症またはコントロールできていない基礎疾患を有する人は除外された。参加者はSARS-CoV-2ワクチン群(2.2X1010ウイルス粒子/ワクチン)もしくは対照ワクチン(髄膜炎菌ワクチン)を接種された後、液性・細胞性免疫の評価、有効性、そして安全性が評価された。 その結果、局所と全身の反応の頻度は、SARSCoV-2ワクチン群の方が対照ワクチン群に比べ高かったが、それぞれの副反応の頻度は過去の報告と同様で、56歳以上の成人ではそれより若い人に比べ低かった。SARS-CoV-2ワクチン2回接種者における初回接種後の局所反応の頻度は、18~55歳で88%、56~69歳で73%、70歳以上で61%、全身反応はそれぞれ86%、77%、65%であった。ワクチンと関係のある重篤な副反応はみられなかった。SARS-CoV-2ワクチン2回接種者において、追加接種後28日目の抗スパイク蛋白IgG値の中央値、中和抗体価に関して年齢群間に差は認めなかった。追加接種後14日目までに99%超の接種者に中和抗体の反応を認めた。T細胞の反応は、初回接種後14日目にピークとなった。 ChAdOx1 nCoV-19は、アストラゼネカ社がこれまで研究開発してきたアデノウイルスベクターを用いたワクチンの技術(2)を応用した製品である。新興コロナウイルスであるSARS、MARSに対するワクチンの研究を行ってきた成果が活かされている。今回の結果は、若年成人だけでなく、高齢者でもより安全に接種でき、追加接種後の免疫原性は全年齢において同様であった。今回のSARSCoV-2感染は、年齢が高くなると重症化リスクが高まるため(3)、特に高齢者におけるワクチンの安全性と免疫原性のデータは非常に重要である。このワクチンは、今後、日本に輸入され、また、国内のワクチン会社でも技術移転により製造され、それらが国内で接種される予定である(執筆時点)。このデータは、今後の日本における本ワクチンの承認、接種を検討する上で、非常に重要なものとなるであろう。 1. Folegatti PM, et al. Lancet. 2020;396(10249):467-478. 2. Gilbert SC, et al. Vaccine. 2017;35(35 Pt A):4461-4464. 3. O'Driscoll M, et al. Nature. 2021;590(7844):140-145.
COVID-19重症患者に用いる全身性コルチコステロイド投与と死亡率の関連メタ解析
COVID-19重症患者に用いる全身性コルチコステロイド投与と死亡率の関連メタ解析
Association Between Administration of Systemic Corticosteroids and Mortality Among Critically Ill Patients With COVID-19: A Meta-analysis JAMA. 2020 Oct 6;324(13):1330-1341. doi: 10.1001/jama.2020.17023. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【重要性】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の有効な治療法が必要であり、臨床試験データから、低用量デキサメタゾンで呼吸管理を要するCOVID-19入院患者の死亡率が低下することが示されている。 【目的】通常治療またはプラセボと比較したコルチコステロイド投与と28日全死因死亡率との関連を推定すること。 【デザイン、設定および参加者】COVID-19重症患者1703例を対象にコルチコステロイドの有効性を評価した無作為化臨床試験7件のデータを統合した前向きメタ解析。試験は、2020年2月26日から6月9日にかけて12カ国で実施され、最終追跡日は2020年7月6日であった。個々の試験、全体および事前に定義した下位集団別に統合したデータを集計した。Cochrane Risk of Bias Assessment Tool用いてバイアスリスクを評価した。I2統計量を用いて試験間の結果の非一貫性を評価した。主要解析は、全死因死亡率の分散逆数重み付け固定効果メタ解析とし、介入と死亡率との関連はオッズ比(OR)で定量化した。このほか、(異質性のPaule-Mandel推定値とHartung-Knapp調整を用いて)変量効果メタ解析、リスク比を用いて分散逆数重み付け固定効果解析を実施した。 【曝露】患者をデキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンいずれかの全身投与群(678例)と通常治療またはプラセボ投与群(1025例)に無作為に割り付けた。 【主な転帰評価項目】主要転帰評価項目は、無作為化後28日時の全死因死亡率とした。治験責任医師が定義した重篤な有害事象を副次評価項目とした。 【結果】計1703例(年齢中央値60歳[四分位範囲52~68歳]、女性488例[29%])を解析の対象とした。試験7件中6件で死亡率の結果が「低度」、1件は無作為化法が「懸念あり」とバイアスリスクを評価した。5試験が28日時の死亡率、1試験が21日死亡率、1試験が30日死亡率を報告していた。コルチコステロイドに割り付けた678例中222例、通常治療またはプラセボに割り付けた1025例中425例が死亡した(OR要約値0.66[95%CI 0.53~0.82]、固定効果メタ解析に基づくP<0.001)。試験間の結果は不一致性がほとんどなく(I2=15.6%、異質性のP=0.31)、変量効果メタ解析に基づくOR要約値は0.70(95%CI 0.48~1.01、P=0.053)であった。 死亡の関連を示す固定効果OR要約値は、通常治療またはプラセボと比較して、デキサメタゾンで0.64(95%CI 0.50~0.82、P<0.001、3試験計1282例中527例死亡)、ヒドロコルチゾで0.69(同0.43~1.12、P=0.13、3試験計374例中94例死亡)、メチルプレドニゾロンで0.91(同0.29~2.87、P=0.87、1試験47例中26例死亡)であった。重篤な有害事象が報告された6試験のうち、64件がコルチコステロイド投与群354例、80件が通常治療またはプラセボ群342例に発生した。 【結論および意義】COVID-19重症患者を対象とした臨床試験の前向きメタ解析では、通常治療またはプラセボと比較すると、全身性副腎皮質ステロイド投与によって28日全死因死亡率が低下した。 第一人者の医師による解説 COVID-19に対するステロイド療法 当面デキサメタゾン 6mg投与が望ましい 藤島 清太郎 慶應義塾大学医学部総合診療教育センター・センター長 MMJ. April 2021;17(2):42 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの中、世界でさまざまな臨床試験が同時進行的に行われ、その成果が日々オンライン上で公表されている。治療薬としては抗ウイルス薬に加えて、副腎皮質ステロイドやトシリズマブなどの抗炎症薬も有力な候補となっている。 本論文は、2020年2~6月に12カ国で実施された重症COVID-19患者を対象とした7件のランダム化対照試験(RCT)の世界保健機関(WHO)による前向きメタ解析である。本解析には1,703人の患者が組み入れられ、ステロイド投与群で有意な28日死亡率の低下を認め、重篤な有害事象には差がなかった。サブ解析では、投与薬別でデキサメタゾン(DEX)(3試験、1,282人)でのみ有意差があり、ヒドロコルチゾン(3試験、374人)とメチルプレドニゾロン(1試験、47人)では差を認めなかった。以上の結果は、解析対象患者の57%を英国のRECOVERY試験参加者が占めていることを踏まえて解釈する必要がある。同 RCTではDEX 6mg/日の最長10日間投与による有意な28日死亡率改善が示された。サブ解析では人工呼吸管理群、酸素投与群での有効性が示唆されている。一方、本論文のメタ解析では、より高用量や他のステロイドの有用性は明らかになっていない。 また、COVID-19重症例は敗血症、急性呼吸促迫症候群(ARDS)を高率に合併するが、抗炎症薬の適応や投与量の判断に当たっては、両病態に対する抗炎症薬開発の歴史も踏まえる必要がある。すなわち、過去半世紀以上にわたり膨大な数の抗炎症薬 RCTが実施された中で、最近の一部ステロイド試験を除き生存率改善効果が認められず、サイトカインストームに代表される過剰炎症反応が病態形成や不良転帰に関与しているという単純仮説は両病態に必ずしも当てはまらない可能性がある。COVID-19病態下では、炎症性サイトカイン値が他の原因によるARDSや敗血症よりもむしろ低く、DEXが免疫異常の修復により効果を発揮している可能性も最近示されている(1),(2)。以上を勘案すると、現状ではステロイド療法の適応と判断したCOVID-19患者に対し、DEX 6mg/日の投与が妥当と思われる。今後は、患者要因、重症度、診断マーカーなどに基づく治療の個別化に向けたさらなる研究の遂行が望まれる。 本論文以降も新たなメタ解析が逐次公表されており、これらの最新版を活用し(3)、不応性の病態に探索的な治療を行った場合は、その結果にかかわらずエビデンスとして集積・発信していくことが、将来的な治療成績の向上につながることを申し添えたい。 1. Sarma A, et al. Res Sq. 2021:rs.3.rs-141578. 2. Leisman DE, et al. Lancet Respir Med. 2020;8(12):1233-1244. 3. 日本版敗血症診療ガイドライン 2020 特別委員会 . COVID-19 薬物療法に関する Rapid/Living recommendations 第三版 . 2021.
COVID-19肺炎入院患者に用いるトシリズマブ
COVID-19肺炎入院患者に用いるトシリズマブ
Tocilizumab in Patients Hospitalized with Covid-19 Pneumonia N Engl J Med. 2021 Jan 7;384(1):20-30. doi: 10.1056/NEJMoa2030340. Epub 2020 Dec 17. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)肺炎は過剰な炎症を伴うことが多い。十分な医療サービスを受けていない集団・人種・少数民族の間でCOVID-19発症率が過度に高いが、COVID-19肺炎で入院したこのような患者に対する抗インターロイキン-6受容体抗体トシリズマブの安全性と有効性は明らかになっていない。 【方法】COVID-19肺炎で入院した人工呼吸管理下にない患者を標準治療と併用してトシリズマブ(体重1kgあたり8mgを静脈内投与)またはプラセボを1~2回投与するグループに2対1の割合で無作為に割り付けた。施設の選択で、高リスク患者や少数集団を組み入れる施設を含めることに重点を置いた。主要転帰は28日目までの人工呼吸管理または死亡とした。 【結果】計389例を無作為化し、修正intention-to-treat集団にはトシリズマブ群249例、プラセボ群128例を含め、56.0%がヒスパニックまたはラテンアメリカ系、14.9%が黒人、12.7%がアメリカインディアンまたはアラスカ原住民、12.7%が非ヒスパニック系白人、3.7%がその他または不明であった。28日目までに人工呼吸管理を実施したか死亡した患者の累積率は、トシリズマブ群12.0%(95%信頼区間[CI]8.5~16.9)、プラセボ群19.3%(95%CI 13.3~27.4)であった(人工呼吸管理または死亡のハザード比0.56、95%CI 0.33~0.97、ログランク検定のP=0.04)。生存時間解析で評価した臨床的失敗までの時間は、トシリズマブ群の方がプラセボ群よりも良好であった(ハザード比0.55、95%CI 0.33~0.93)。28日目までに、トシリズマブ群の10.4%、プラセボ群の8.6%にあらゆる原因による死亡が発生した(加重平均差2.0パーセントポイント、95%CI -5.2~7.8)。安全性解析対象集団では、トシリズマブ群250例中38例(15.2%)、プラセボ群127例中25例(19.7%)に重篤な有害事象が発現した。 【結論】人工呼吸管理下にないCOVID-19肺炎入院患者で、トシリズマブによって人工呼吸管理または死亡の複合転帰を辿る確率が低下したが、生存率は改善しなかった。安全性に関する新たな懸念事項は認められなかった。 第一人者の医師による解説 ステロイドや抗ウイルス薬を含む標準治療への トシリズマブの上乗せ効果を確認 金子 祐子 慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科准教授 MMJ. April 2021;17(2):43 2019年中国に端を発した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)は瞬く間に世界規模の大流行となり、1年を経過した現在も全世界に深刻な影響を及ぼしている。COVID-19患者の血清IL-6濃度は重症度と相関することや、IL-6上昇は人工呼吸器装着の予測となることが報告され、IL-6受容体阻害薬であるトシリズマブはCOVID-19治療薬として期待されていた。 本論文は、入院中のCOVID-19肺炎患者においてトシリズマブの有効性を検証した海外第3相無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験(EMPACTA)結果の報告である。米国と南米、アフリカの6カ国において、主として援助が不十分な少数民族を対象に、人工呼吸器は装着されていないが入院中で酸素投与を必要とする患者を中心としてintention-to-treat(ITT)集団ではトシリズマブ群に249人、プラセボ群に128人が組み入れられた。標準治療として80%以上が全身性ステロイド投与を、80%弱が抗ウイルス薬投与を受けていた。主要評価項目である28日以内の死亡または人工呼吸器装着率は、トシリズマブ群で12.0%、プラセボ群で19.3%とトシリズマブ群で有意に低く、死亡、人工呼吸器装着、集中治療室入室、試験からの脱落を包括した臨床的増悪は、ハザード比0.55でトシリズマブ群の成績が優れていた。28日以内の死亡率(トシリズマブ群10.4%、プラセボ群8.6%)、退院までの日数中央値(トシリズマブ群6.0日、プラセボ群7.5日)、重篤な有害事象の発生率(トシリズマブ群15.2%、プラセボ群19.7%)に関しては両群間で差を認めなかった。 トシリズマブのCOVID-19に対する有効性はこれまで複数の臨床試験で検証されたが、対象とする患者集団によって異なる結果が示されてきた。人工呼吸器装着中を約4割含む重症患者および重症度が低めの患者を対象とした試験では、トシリズマブ治療の有効性は示されず(1),(2)、人工呼吸器装着は10%程度で本研究と同様の患者を対象とした試験では死亡または人工呼吸器装着率や退院までの日数に関して標準治療へのトシリズマブ追加投与が優れていた(3)。総合すると、トシリズマブは中等症から人工呼吸器を装着していない段階の重症患者に、標準治療であるステロイドと抗ウイルス薬への上乗せ効果があると考えられるが、現在も複数の試験が進行中であり、今後の研究結果を注視する必要がある。 1. Ivan O. R, et al. medRxiv 2020.08.27.20183442;doi: https://doi.org/10.1101/2020.08.27.20183442(preprint) 2. Stone JH, et al. N Engl J Med. 2020;383(24):2333-2344. 3. Horby PW et al. medRxiv 2021.02.11.21249258; doi: https://doi.org/10.1101/2021.02.11.21249258(preprint)
COVID-19に用いる体外式模型人工肺支援 体外生命維持機構レジストリの国際コホート研究
COVID-19に用いる体外式模型人工肺支援 体外生命維持機構レジストリの国際コホート研究
Extracorporeal membrane oxygenation support in COVID-19: an international cohort study of the Extracorporeal Life Support Organization registry Lancet. 2020 Oct 10;396(10257):1071-1078. doi: 10.1016/S0140-6736(20)32008-0. Epub 2020 Sep 25. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】COVID-19に伴う急性低酸素血症性呼吸不全に対して、主要医療機関の多くが体外式模型人工肺(ECMO)による支援を推奨している。しかし、COVID-19に対するECMO使用の初期報告から、死亡率が非常に高いことが明らかになり、これまでにCOVID-19に用いるECMOを検討する大規模な国際的コホート研究は報告されていない。 【方法】2020年1月16日から5月1日の間に36カ国213施設でECMOによる支援を開始したCOVID-19確定患者(16歳以上)の疫学、入院経過および転帰を明らかにするため、体外生命維持機構(ELSO)レジストリのデータを用いた。主要転帰は、ECMO開始90日時に生存時間解析で評価した院内死亡とした。多変量Coxモデルを用いて、患者および病院因子に院内死亡率と関連があるかを検討した。 【結果】ECMO支援を用いたCOVID-19患者1035例のデータをこの研究の対象とした。このうち、67例(6%)が入院中、311例(30%)が自宅に退院または急性期リハビリ施設に転院、101例(10%)は長期急性期医療施設に転院または転院先不明、176例(17%)が他院に転院、380例(37%)が死亡した。ECMO開始90日後の院内死亡の推定累積発生率は37.4%(95%CI 34.4~40.4)であった。最終記録が死亡または退院だった患者の死亡率が39%(968例中380例)であった。循環補助を目的としたECMOの使用には、院内死亡率上昇と独立の関連があった(ハザード比1.89、95%CI 1.20~2.97)。静脈-静脈方式ECMO支援を受け、急性呼吸窮迫症候群の特徴が見られたCOVID-19患者の下位集団では、ECMO開始90日後の院内死亡の累積発生率は38.0%(95%CI 34.6~41.5)であった。 【解釈】ECMOを実施したCOVID-19患者で、ECMO開始90日後の推定死亡率および最終記録が死亡または退院だった患者の死亡率はいずれも40%未満であった。世界213施設から得られた今回のデータは、COVID-19に用いるECMOの死亡率の一般化可能な推定値を提示するものである。 第一人者の医師による解説 非 COVID-19関連 ARDSのECMO導入後死亡率と同程度 肺保護人工呼吸器療法との比較にはRCTが必要 佐藤 ルブナ(フェロー)/大曲 貴夫(センター長) 国立国際医療研究センター病院国際感染症センター MMJ. April 2021;17(2):44 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行以前には、急性呼吸促迫症候群(ARDS)患者に対する体外式膜型人工肺(ECMO)使用は肺保護を目指した従来の人工呼吸器療法に比べ死亡率を低下させることが報告されている(1)。しかし、ECMOを導入したCOVID-19患者を対象とした初めての報告では、ECMO導入群の死亡率が90%を超える結果であった(2)。この報告はARDSの定義を満たしてECMOを導入されたCOVID-19患者の死亡率を検討したプール解析であったが、病態が解明されていなかった流行初期の中国の報告のみが解析の対象となった背景があり、より大規模な国際コホート研究が望まれていた。 本論文はExtracorporeal Life Support Organization(ELSO)レジストリをもとに、ECMO導入COVID-19患者の予後を明らかにすることを主な目的としたコホート研究である。対象は2020年1~5月に36カ国のECMOセンター213施設でECMOを導入された16歳以上のCOVID-19患者1,035人で、研究期間終了(解析)時点において生存退院、死亡退院、ECMO導入後90日間の追跡終了のいずれかに該当した患者は968人(94%)であった。主要評価項目はECMO導入後90日間の院内死亡率(生存時間解析)であった。 対象患者の年齢中央値は49歳、男性が74%を占めていた。70%の患者が肥満、糖尿病、喘息、呼吸器疾患、腎不全、心疾患、免疫不全などの基礎疾患を有していた。ARDSのベルリン定義を満たしたのは79%であった。患者全体の90日院内死亡率は37.4%(95% CI, 34.4~40.4)であり、ARDSのベルリン定義を満たし、静脈脱血-静脈送血(V-V)ECMOを導入された群では38.0%(34.6~41.5)であった。これはCOVID-19以外の病態を誘因としたARDSに対してECMOを導入された患者における死亡率の既報(3)と同程度であった。また、ECMO使用中の出血性合併症として、6%の患者が脳出血を発症したが、これも非COVID-19患者の既報(1)と同程度であった。 本論文は重症呼吸不全を呈したCOVID-19患者に対してECMOの導入とECMOセンターでの管理を検討するよう勧めている世界保健機関(WHO)のガイドラインを支持する結果を示した。本論文の対象期間はステロイドや抗ウイルス薬に関する知見が集積する以前であったため、ステロイドは41%、レムデシビルは8%の使用にとどまり、現在の標準的治療が反映されていない点もある。標準化治療を行った上でのECMO導入率や死亡率の解明、肺保護戦略を徹底した人工呼吸器管理とECMOの有効性の比較にはさらなる研究が必要である。 1. Munshi L, et al. Lancet Respir Med. 2019;7(2):163-172. 2. Henry BM, et al. J Crit Care. 2020;58:27-28. 3. Combes A, et al. N Engl J Med. 2018;378(21):1965-1975.
COVID-19重症患者の院内心停止 多施設共同コホート研究
COVID-19重症患者の院内心停止 多施設共同コホート研究
In-hospital cardiac arrest in critically ill patients with covid-19: multicenter cohort study BMJ. 2020 Sep 30;371:m3513. doi: 10.1136/bmj.m3513. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【目的】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者の院内心停止および心肺蘇生の発生率、危険因子および転帰を推定すること。 【デザイン】多施設共同コホート研究。 【設定】米国の地理的に離れた病院68施設の集中治療科。 【参加者】検査で確定したCOVID-19重症患者(18歳以上)。 【主要評価項目】集中治療室(ICU)入室後14日以内の院内心停止および院内死亡。 【結果】COVID-19重症患者5019例のうち14.0%(5019例中701例)が院内心停止を来し、57.1%(701例中400例)に心肺蘇生を実施した。院内心停止を来した患者は、院内心停止がない患者と比べて高齢で(平均年齢63[標準偏差14]歳 vs. 60[15]歳)、併存疾患が多く、ICU病床数が少ない病院に入院していた傾向にあった。心肺蘇生を受けた患者は、受けなかった患者と比べて若年齢であった(平均年齢61[標準偏差14]歳 vs. 67[14]歳)。心肺蘇生時によく見られた波形は、無脈性電気活動(49.8%、400例中199例)および心静止(23.8%、400例中95例)であった。心肺蘇生を受けた患者400例中48例(12.0%)が生存退院し、わずか7.0%(400例中28例)に退院時神経学的所見が正常または軽度の障害があった。年齢によって生存退院率に差があり、45歳未満で21.2%(52例中11例)であったのに対し、80歳以上では2.9%(34例中1例)であった。 【結論】COVID-19重症患者に心停止がよく見られ、特に高齢患者で生存率が不良である。 第一人者の医師による解説 若年者では助かる見込みが高く 医療従事者の安全確保し標準的蘇生行為の実施を 遠藤 智之 東北医科薬科大学救急・災害医療学教室准教授 MMJ. April 2021;17(2):45 集中治療室(ICU)で治療を要する重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の予期せぬ院内心停止の頻度と予後に関する報告は、本研究発表前までは、武漢の1施設151例とニューヨークの1施設31例の報告に限られていた。重症COVID-19患者が心停止に陥った場合、心肺蘇生法(CPR)施行前の個人防護具(PPE)装着に時間を要し、CPRの遅れが患者転帰に影響しうる。また医療従事者にとってはCPRによるエアロゾル発生が感染のリスクとなる。心停止に陥るリスクが高く、CPRを行っても救命の見込みが乏しい患者では、事前に患者・家族と医療チーム内で協議を行い、無益な蘇生行為を差し控えるという意思決定が尊重されるだろう。このような議論を行う際、リアルワールドでの院内心停止例の疫学情報が必要となる。 本研究は、2020年3月4日~6月1日に米国68病院のICUに入室した重症COVID-19患者のレジストリデータを解析した多施設共同研究である。登録期間はデキサメタゾン治療の普及前である。ICU入室14日以内の予期せぬ心停止患者について、薬物療法、人工呼吸器、腎代替療法、血液データ、バイタルサイン、併存症、修正 SOFAスコア、CPRで使用した薬剤などのデータを解析した。結果は、ICU入室患者5,019人中701人(14%)が院内心停止を来し、そのうち93.2%が死亡した。院内心停止例の57.1%がCPRを受け、残りは心停止時にDNACPR(Do Not Attempt Resuscitation)コードであった。CPR施行例の33.8%で心拍再開が得られ、12%は病院退院、7%はCPC(cerebral performance category)スコア1/2であった。45歳未満の生存率は21.2%で、80歳以上の2.9%に比べ有意に高かった。初期調律は無脈性電気活動49.8%、心静止23.8%、心室細動3.8%、心室頻拍8.3%であり、心停止の原因は非心原性(呼吸由来や血栓症)である可能性が高いと考えられた。ICU入室から心停止までの期間中央値は7日であり、CPR施行例は若年者に多く、平均CPR実施時間は10分であった。ICUベッドが少ない(50床未満)の病院では死亡率が高く、非心停止例に比べて心停止例は心血管危険因子を有し、血液データが不良、2剤以上の血管収縮薬を投与されていた。日本と異なる患者背景として、3分の2以上がBMI30以上の肥満であった。高齢者はCPRされないことが多く、生存率も低かった。 このようなリアルワールドでの院内心停止のデータは、重症COVID-19患者とその家族との終末期ケアの議論に有益な情報である。対象患者は肥満が多く、そのまま日本のICU患者に当てはめることはできないが、若年者では重症COVID-19であっても助かる見込みが高く、医療従事者の安全を確保しつつ標準的蘇生行為を行う重要性を示している。
SARS-CoV-2ワクチン接種の可能性に対する態度 米国成人を対象とした調査
SARS-CoV-2ワクチン接種の可能性に対する態度 米国成人を対象とした調査
Attitudes Toward a Potential SARS-CoV-2 Vaccine : A Survey of U.S. Adults Ann Intern Med. 2020 Dec 15;173(12):964-973. doi: 10.7326/M20-3569. Epub 2020 Sep 4. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、またたく間に世界的大流行を引き起こした。ワクチン開発が異例の早さで進んでいる。利用できるようになれば、ワクチン接種と接種対象者を最大限に拡大することが重要になるであろう。 【目的】米国成人の代表的標本でCOVID-19に対するワクチン接種を受ける意志を評価し、ワクチン接種躊躇の予測因子や理由を明らかにすること。 【デザイン】2020年4月16~20日の間に実施した横断的調査。 【設定】米国の成人居住者の代表的標本。 【参加者】米国世帯人口の約97%に当たるAmeriSpeakの確率パネルから抽出した成人約1000例。 【評価項目】COVID-19ワクチン接種の意志を「コロナウイルスのワクチンができたら接種したいですか」という質問で測定した。回答選択肢を「はい」「いいえ」「分からない」とした。「いいえ」または「分からない」と回答した回答者に理由を聞いた。 【結果】AmeriSpeakパネル会員計991例が回答した。全体の57.6%(571例)がワクチン接種の意向を示し、31.6%(313例)が「分からない」と回答、10.8%(107例)にワクチンを接種する意志がなかった。ワクチン接種躊躇(「いいえ」または「分からない」の回答)と関連を示す独立の因子に、若年齢、黒人、低学歴および前年のインフルエンザワクチン非接種があった。ワクチン接種躊躇の理由に、ワクチンに対する懸念、詳しい情報の必要性、反ワクチンの姿勢や信念、および信頼感の欠如があった。 【欠点】ワクチンが販売される前および大流行が米国に大きな影響を及ぼす前にワクチン接種の意志を調査した。ワクチンの受容性を高める特定の情報や因子に関する質問がなかった。調査の回答率は16.1%であった。 【結論】コロナウイルス大流行中に実施したこの全国調査から、成人の約10人に3人がCOVID-19のワクチンを接種したいか分からず、10人に1人がワクチンを接種する意志がなかった。ワクチンが完成したときにCOVID-19ワクチンに対する受容性を増やすため、目標を定めた多方面からの努力が必要とされる。 第一人者の医師による解説 新型コロナワクチンのさまざまな情報提供の必要性を示唆 山岸 由佳 愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授(特任) MMJ. June 2021;17(3):75 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界的に大規模な影響をもたらし、現在パンデミック を抑制する最も有望な手段として世界の複数の研究者が効果的なCOVID-19ワクチン(以下ワクチン)の開発に取り組んでいる。現在これまでにないスケジュールで複数のワクチンが開発され大規模な第3相試験が行われているが、一部で懐疑的な見方もされており、ワクチンが利用可能となったときにワクチンの普及に課題が生じる可能性がある。そこで事前に接種の意向調査を行ったのが本研究である。 本研究は、2020年4月16〜20日に実施された横断調査で、米国の世帯人口のおよそ97%をカバーするAmeriSpeakの確率的調査パネルから抽出されたおよそ1,000人の成人を対象とした。参加者全体の57.6%がワクチンの接種を「受けるつもりである」、31.6%が「わからない」、10.8%が「受けるつもりはない」と回答した。接種に積極的ではない参加者の特徴として、年齢が低い,女性、黒人またはヒスパニック系、教育水準が低い、世帯収入が低い、世帯規模が大きい、インフルエンザワクチンを接種したことがあると答えた確率が低いなどが挙げられた。またワクチン接種をためらう理由としては、ワクチン特有の不安、より多くの情報が必要、反ワクチン的な態度や信念、信頼感の欠如などが挙げられた。 COVID-19大流行時に実施された今回の全国調査から、成人の約10人に3人がワクチン接種を受け入れるかどうか確信が持てていないことが明らかになった。ワクチンが利用可能になった場合、その受容性を高めるためには、ターゲットを絞った多角的な取り組みが必要となることが明らかとなった。本研究の限界として、参加者のワクチン接種の意思は、ワクチンが入手可能になる前で、かつパンデミックの影響が米国の狭い範囲に及んでいるときに調査され、さらにアンケートの回答率は16.1%であったことである。 日本国内ではワクチン接種が可能となるまでの期間、何度も流行の波が押し寄せたが、主要な海外 に比べ接種開始が遅れたことは否めない。また3種類のワクチンが契約となったものの(執筆時点で) 開始されたのは1種類のみであること、医療従事者を先行としたものの十分行きわたらないまま高齢者への接種が開始され準備に十分な時間がとれたとはいえない状況であった。しかし、この流行の波を抑えるにはワクチンしかないという機運が高まっていたこと、接種までの準備期間に諸外国を中心に有効性および安全性などのさまざまな情報がもたらされたことから、少なくとも医療従事者においては接種の意向がはっきりしてきていると思われる。
COVID-19入院患者の経過 コホート研究
COVID-19入院患者の経過 コホート研究
Patient Trajectories Among Persons Hospitalized for COVID-19 : A Cohort Study Ann Intern Med. 2021 Jan;174(1):33-41. doi: 10.7326/M20-3905. Epub 2020 Sep 22. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】米国コホートでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化や死亡の危険因子が調査されていない。 【目的】COVID-19の重症化や死亡を予測する入院時の因子を明らかにすること。 【デザイン】後ろ向きコホート解析。 【設定】メリーランドおよびワシントンDC地域の病院5軒。 【患者】2020年3月4日から4月24日の間にCOVID-19のため入院した連続症例832例を2020年7月27日まで追跡した。 【評価項目】世界保健機関のCOVID-19重症度尺度で分類した患者の経過(軌道)および転帰。死亡および重症化または死亡の複合を主要転帰とした。 【結果】患者の年齢中央値が64歳(1~108歳)、47%が女性、40%が黒人、16%がラテンアメリカ系であり、21%が介護施設居住者であった。全体で、131例(16%)が死亡し、694例(83%)が退院した(523例[63%]が軽症ないし中等症、171例[20%]が重症)。死亡例のうち66例(50%)が介護施設居住者であった。入院時に軽症ないし中等症であった787例のうち302例(38%)が重症または死亡へと進行し、第2病日までに181例(60%)、第4病日までに238例(79例)が死亡した。年齢、介護施設居住、併存疾患、肥満、呼吸器症状、呼吸数、発熱、リンパ球絶対数、低アルブミン血症、トロポニン値、CRPおよびこの一連の因子の相互作用によって疾患進行の確率が大きく異なっていた。入院時に見られた因子のみを用いると、院内での疾患進行を予測するモデルの第2病日、第4病日および第7病日の曲線下面積がそれぞれ0.85、0.79および0.79であった。 【欠点】試験は単一の医療システムで実施された。 【結論】人口統計学的変数および臨床変数の組み合わせに、COVID-19重症化または死亡および早期発症との強い関連が認められた。COVID-19 Inpatient Risk Calculator(CIRC)は入院時に見られた因子を用いて作成したものであり、臨床および資源の割り当ての決定に有用である。 第一人者の医師による解説 重症化や死亡リスク予測のためのRisk Calculator作成 5 ~ 90%の確率で予測 小倉 翔/荒岡秀樹(部長) 虎の門病院臨床感染科 MMJ. June 2021;17(3):76 2019年末に中国の武漢で肺炎の原因として確認されたSARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は急速に全世界へと拡大し、現在も世界の各地域で大きな脅威となり、社会経済活動や医療リソースを圧迫し続けている。入院時に予後不良を予測する因子を特定することにより、人工呼吸器や治療薬など潜在的に不足している医療資源の割り当てや、治療の方向性に関する患者や家族との話し合いに、有益な情報を提供できる可能性がある。 本研究は米国の5つの病院を含む単一の医療システム(Johns Hopkins Medicine)における後方視的コホート解析である。研究期間中に、832人の患者がCOVID-19で入院した。最終評価時において、694人(83%)の患者が退院し、131人(16%)が死亡し、7人(0.8%)が重症で入院したままだった。退院した患者のうち、523人(63%)は軽度〜中等症で、171人(21%)は重症であった。入院時からの臨床経過によると、45人(5%)の患者は病院到着時にすでに重症の状態であり、残りの787人の患者のうち、120人(15%)が12時間までに、149人(19%)が24時間までに、185人(24%)が48時間までに、215人(27%)が72時間までに、244人(31%)が96時間までに重症化または死亡した。重症化または死亡までの期間の中央値は1.1日(四分位範囲,0.07〜3.4日)だった。体格指数(BMI)、呼吸器症状、C反応性蛋白(CRP)値、呼吸数、アルブミン値および38.0°Cを超える発熱が年齢に関係なく重症化または死亡と関連していた。死亡のみを評価した場合、重要な危険因子には、年齢、ナーシングホームからの入院(75歳未満)、複数の併存疾患(CCI*で計算)、およびSaO2/FiO2 比が含まれた。これらのデータをもとに、重症疾患 または死亡のリスク(累積発生率)を予測するためのCOVID-19 Inpatient Risk Calculator(CIRC)が作成された(https://rsconnect.biostat.jhsph.edu/covid_predict/で入手可能)。 本研究では、米国におけるCOVID-19による入院患者の疾患経過と重症化または死亡に関連する危険因子が検討された。これらの危険因子の組み合わせにより、5%程度から90%を超える確率で重症化もしくは死亡が予測された。 本研究は、データが米国における単一の医療システムから取得されている点や、発症日のデータがないために疾患全体の経過が明確でない点が限界として挙げられる。 *CCI(Charlson Comorbidity Index):慢性疾患に関連する17の状態についてスコア化し評価し た指標
COVID-19入院患者のCOVID後遺症 後ろ向きコホート研究
COVID-19入院患者のCOVID後遺症 後ろ向きコホート研究
Post-covid syndrome in individuals admitted to hospital with covid-19: retrospective cohort study BMJ. 2021 Mar 31;372:n693. doi: 10.1136/bmj.n693. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【目的】COVID-19患者の退院後に見られる臓器別障害の割合を、マッチさせた一般集団対照群と比較して定量化すること。 【デザイン】後ろ向きコホート研究。 【設定】英国のNHS病院。 【参加者】COVID-19のため入院し、2020年8月31日までに生存退院した患者4万7780例(平均年齢65歳、男性55%)と、英国内約5000万人の10年間の電子健康記録を元に患者背景と臨床像を正確にマッチさせて抽出した対照群。 【主要評価項目】2020年9月30日までの再入院率(対照群はあらゆる原因による入院)、全死因死亡率、呼吸器疾患、心血管疾患、代謝疾患、腎疾患および肝疾患の診断率。年齢、性別、民族別の率比のばらつき。 【結果】平均追跡期間140日間の間に、急性COVID-19を発症し退院した患者の約3分の1(4万7780例中1万4060例)が再入院し、1割以上(5875例)が退院後に死亡し、マッチさせた対照群と比べると再入院比率が4倍、退院後死亡比率は8倍であった。COVID-19退院患者ではこのほか、呼吸器疾患(P<0.001)、糖尿病(P<0.001)、心血管疾患(P<0.001)の割合が有意に高く、1000人・年当たりでそれぞれ770(95%CI 758~783)、127(同122~132)、126(同121~131)であった。70歳未満の方が70歳以上より、少数民族の方が白人集団よりも率比が高く、呼吸器疾患で最も大きな差が見られた(70歳未満10.5[同9.7~11.4] vs. 70歳以上4.6[同4.3~4.8]、非白人11.4[同9.8~13.3] vs. 白人5.2[5.0~5.5])。 【結論】COVID-19退院患者は、一般集団で予想されるリスクよりも多臓器不全の発生率が高かった。リスクの上昇は高齢者に限らず、民族間でもばらつきがあった。COVID-19後遺症の診断、治療および予防には、臓器や疾患に特化したものよりも統合的なアプローチを要し、危険因子を明らかにするため早急な研究が必要とされる。 第一人者の医師による解説 心臓では高感度トロポニン、MRIなどによる評価と経過観察が望まれる 廣井 透雄 国立国際医療研究センター病院循環器内科 循環器内科診療科長 MMJ. August 2021;17(4):107 英国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に6月14日時点でおよそ460万人が感染、およそ47万人が入院し、約12.8万人が死亡した。院内死亡率は30%と高率であった。ワクチン接種の普及(1回接種率78.9%、2回接種率56.6%)により、新規感染者、死亡者は大きく減少した一方で、“long covid”、“post-covid syndrome”として知られる後遺症が問題となってきた。 今回の英国における後ろ向きコホート研究の報告によると、COVID-19で2020年8月末までに入院し生存退院した平均年齢64.5歳、男性54.9%の47,780人は、一般人口と比較し、男性、50歳以上、貧困地域在住、喫煙歴、肥満または過体重が多く、併存疾患が多い傾向にあった。過去10年の医療記録の50万人から条件(年齢、性別、人種、貧困指数、喫煙、体格指数[BMI]、併存疾患)をマッチさせた対照群との間で、2020年9月末までの再入院率(対照群では全入院)、全死亡率、呼吸器、主要循環器疾患(MACE:心不全、心筋梗塞、脳卒中、不整脈)、糖尿病、慢性腎臓病(ステージ 3~5、透析、腎移植)、慢性肝疾患の診断数を比較検討した。 平均観察期間140日(標準偏差 50日)で、5,875人(12.3%、320.0/1,000人・年)が退院後に死亡、14,060人(29.4%、766.0 /1,000 人・年)が再入院した。対照群ではそれぞれ830人(1.7%、41.3/1,000人・年)、4,385人(9.2%、218.9/1,000人・年)で、COVID-19患者のリスクは7.7、3.5倍であった。退院後に呼吸器疾患を診断された14,140人(29.6%、770.5/1,000人・年)のうち、新規診断 は6,085人(12.7%、538.9/1,000人・年)で、COVID-19患者のリスクはそれぞれ6.0、27.3倍であった。退院後に糖尿病 2,330人(4.9%、126.9/1,000人・年)、MACE 2,315人(4.8%、126.1/1,000人・年)、慢性腎臓病710人(1.5%、38.7/1,000人・年)、慢性肝疾患135人(0.3%、7.2/1,000人・年)と診断され、対照群と比較したリスクはそれぞれ1.5、3.0、1.9、2.8倍であった。すべてのアウトカムは70歳以上が70歳未満より多く、死亡は14.1倍、呼吸器疾患は10.5倍であった。糖尿病以外のアウトカムは非白人より白人で多く、呼吸器疾患は11.4倍であった。 COVIDで入院した米国退役軍人1,775人は、退院60日以内に20%が再入院し、9%が死亡し、本研究でも23%、9%と同様であった(1)。英国のリスクが低い201人でも、肺(33%)、心臓(32%)、腎臓(12%)、肝臓(10%)と障害が多臓器に及ぶ(2)。心臓では、高感度トロポニン、MRI、心エコーの長軸方向ストレイン(GLS)などによる評価と経過観察が望まれる(3)。 1. Donnelly JP, et al. JAMA. 2021;325(3):304-306. 2. Dennis A, et al. BMJ Open. 2021;11(3):e048391. 3. Puntmann VO, et al. JAMA Cardiol. 2020;5(11):1265-1273.
COVID-19患者の退院6カ月後の転帰 コホート研究
COVID-19患者の退院6カ月後の転帰 コホート研究
6-month consequences of COVID-19 in patients discharged from hospital: a cohort study Lancet. 2021 Jan 16;397(10270):220-232. doi: 10.1016/S0140-6736(20)32656-8. Epub 2021 Jan 8. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】COVID-19の長期的な健康上の影響は、大部分が明らかになっていない。この研究の目的は、COVID-19患者の退院後の長期的な健康転帰を評価し、危険因子、特に疾患重症度関連のものを検討することであった。 【方法】2020年1月7日から5月29日の間に金銀潭病院(中国・武漢市)を退院したCOVID-19患者を対象に、前後両方向コホート研究を実施した。追跡調査前に死亡した患者、精神病性障害、認知症、再入院のため追跡調査ができなかった患者、骨関節症を合併し自由に動けない患者、脳卒中や肺塞栓症などの疾患により退院前後に動けなかった患者、試験への参加を拒否した患者、連絡が取れなかった患者、武漢市以外の地域に居住している患者や介護施設または福祉施設に居住している患者を除外した。全例に一連の質問票を用いた問診で症状および健康関連QOLを評価し、身体診察、6分間歩行テスト、血液検査を実施した。入院中に評価した7段階重症度尺度の最高点3点、4点、5~6点で層別化した手順を用いて、患者から検体を採取し、肺機能検査、胸部の高解像度CT、超音波検査を実施した。Lopinavir Trial for Suppression of SARS-CoV-2 in Chinaに参加した患者には、SARS-CoV-2抗体検査を実施した。多変量調整線形回帰モデルまたはロジスティック回帰モデルを用いて、重症度と長期的な健康転帰の関連を評価した。 【結果】退院したCOVID-19患者2469例から736例を除外し、計1733例を組み入れた。参加者の年齢中央値は57.0歳(IQR 47.0~65.0)であり、897例(52%)が男性であった。追跡調査は2020年6月16日から9月3日の間に実施し、発症後の追跡期間中央値は186.0日(175.0~199.0)日であった。よく見られた症状に、疲労または筋力低下(63%、1655例中1038例)、睡眠障害(26%、1655例中437例)があった。患者の23%(1617例中367例)から不安または抑うつが報告された。6分間歩行距離の中央値が正常範囲下限以下であった患者の割合は、重症度尺度3点の患者24%、4点の患者22%、5~6点の患者29%であった。これに対応する肺拡散障害の割合はそれぞれ22%、29%、56%であり、CTスコア中央値はそれぞれ3.0(IQR 2.0~5.0)、4.0(3.0~5.0)、5.0(4.0~6.0)であった。多変量調整後の重症度尺度3点と比較したオッズ比(OR)は、肺拡散障害で4点1.61(95%CI 0.80~3.25)、5~6点4.60(1.85~11.48)、不安または抑うつで4点0.88(0.66~1.17)、5~6点1.77(1.05~2.97)、筋力低下で4点0.74(0.58~0.96)、5~6点2.69(1.46~4.96)であった。追跡調査時に血中抗体検査を実施した94例の血清陽性率(96.2% vs. 58.5%)および中和抗体の力価中央値(19.0 vs. 10.0)は、急性期(入院時)に比べると著しく低かった。急性期に急性腎障害がなく推定糸球体濾過量(eGFR)が90mL/分/1.73m^2以上であった822例のうち、107例で追跡調査時のeGFRが90mL/分/1.73m^2未満であった。 【解釈】COVID-19生存者に、急性感染後6カ月時、主に疲労または筋力低下、睡眠障害、不安または抑うつ傾向が認められた。入院中の重症度が高かった患者は、肺拡散障害や胸部画像所見異常の重症度が高く、長期回復のための介入の主な対象者となる。 第一人者の医師による解説 6カ月後にも疲労・筋力低下、睡眠障害、不安・抑うつが残存 重症患者は回復後も介入が必要 葉 季久雄 平塚市民病院救急科・救急外科部長 MMJ. August 2021;17(4):105 2021年7月9日時点で、日本での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数は累計でおよそ81万人、回復者数は78万人、死亡者数は1万5,000人である(厚生労働省統計)。COVID-19回復後に続く後遺症はLong COVIDと称され、臨床家の注目を集めている。 本論文は、中国武漢市金銀潭病院を退院したCOVID-19患者1,733人を対象とした、発表時点で対象者数が最大かつ追跡期間が最長の前後両方向コホート研究の報告である。目的は退院患者の経過から残存症状を記述し危険因子を探ること、抗SARS-CoV-2抗体価の推移など肺外臓器機能の評価である。すべての対象患者に面接、診察、6分間徒歩テスト、血液検査、さらに7段階の重症度分類(#)で抽出した一部の患者に肺機能検査、高解像度胸部 CT、超音波検査が実施された。なお、抗体検査はロピナビルの臨床試験(LOTUS)参加者94人のみに行われた。 患者背景は、年齢中央値57歳、男性52%、観察期間中央値は発症後186日であった。患者のうち68%が入院中に酸素投与を必要とし、7%は高流量酸素療法(HFNC)、非侵襲的陽圧換気(NIV)または侵襲的機械換気(IMV)を必要とした。4%が集中治療室での治療を受けた。入院期間の中央値は14日であった。 発症6カ月後の主な残存症状は、疲労・筋力低下(63%)、睡眠障害(26%)、不安・抑うつ(23%)であった。1つ以上の症状を有した患者は76%で、女性の割合が高かった。重症度スケール 3の患者と比較し、重症度スケール 5~6の患者が発症6カ月後に何らかの症状を有するオッズ比は2.42(P<0.05)であった。肺拡散障害、不安・抑うつ、疲労・筋力低下のオッズ比は、スケール 5~6の患者はスケール 3の患者に比べ、それぞれ4.60(P=0.0011)、1.77(P=0.031)、2.69(P=0.0015)であった。女性は男性と比較し、それぞれ2.22(P=0.0071)、1.80(P<0.0001)、1.33(P=0.016)のオッズ比を示した。発症6カ月後、急性期と比較し、血清抗体陽性率は96.2%から58.5%へと低下し、中和抗体抗体価の中央値は19.0から10.0に低下していた。 本研究は、重症患者、女性患者は回復後も多彩な症状が残存し、治療介入を要することを示していた。退院が治療の終了ではなく、退院後も適切なフォローアップが必要である。中和抗体は発症6カ月後には減少しており、回復後の患者にも再感染のリスクがあることを念頭におく必要がある。COVID-19回復後の長期経過の全容解明には、より大規模で、より長期間に及ぶ追跡調査が求められる。 #脚注)重症度スケールの定義:スケール 6= 入院して ECMO、IMV もしくはその両方を要した。スケール 5= 入院して HFNC、NIV もしくはその両方を要した。スケール 3= 入院したが酸素投与は要さなかった。
米国の新型コロナウイルス感染症入院患者の死亡予防に用いる予防的抗凝固療法の早期開始:コホート研究
米国の新型コロナウイルス感染症入院患者の死亡予防に用いる予防的抗凝固療法の早期開始:コホート研究
Early initiation of prophylactic anticoagulation for prevention of coronavirus disease 2019 mortality in patients admitted to hospital in the United States: cohort study BMJ. 2021 Feb 11;372:n311. doi: 10.1136/bmj.n311. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【目的】予防的抗凝固療法の早期開始によって、米国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のため入院した患者の死亡リスクが低下するかを評価すること。 【デザイン】観察コホート研究。 【設定】大規模な全国統合保健制度、退役軍人省の下で治療を受けている患者の全国コホート。 【参加者】2020年3月1日から7月31日までの間に検査で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染が確定し、抗凝固薬服用歴がない全入院患者4,297例。 【主要評価項目】主要評価項目は30日死亡率とした。死亡率、抗凝固薬による治療開始(血栓塞栓事象などの臨床的悪化の代用)および輸血を要する出血を副次評価項目とした。 【結果】COVID-19で入院した患者4,297例のうち3,627例(84.4%)が入院から24時間以内に予防的抗凝固療法を受けた。治療した患者の99%以上(3,600例)にヘパリンまたはエノキサパリンを皮下投与していた。入院から30日以内に622例が死亡し、そのうち513例が予防的抗凝固療法を受けていた。死亡のほとんど(622例中510例、82%)が入院中に発生した。逆確率重み付け解析を用いると、30日時の累積死亡率は、予防的抗凝固療法を受けた患者で14.3%(95%CI 13.1~15.5%)、予防的抗凝固療法を受けなかった患者で18.7%(15.1~22.9%)であった。予防的抗凝固療法を受けなかった患者と比べると、予防的抗凝固療法を受けた患者は30日死亡リスクが27%低かった(ハザード比0.73、95%CI 0.66~0.81)。入院中の死亡および抗凝固薬による治療開始にも同じ関連が認められた。予防的抗凝固療法に輸血を要する出血リスク上昇との関連は見られなかった(ハザード比0.87、0.71~1.05)。定量的バイアス解析から、結果が未測定の交絡に対しても頑強であることが示された(30日死亡率の95%CI下限のe-value 1.77)。感度解析の結果も一致していた。 【結論】COVID-19入院患者に対して早期に予防的抗凝固療法を開始すると、抗凝固薬を投与しなかった患者と比べて30日死亡率が低下し、重篤な出血事象リスクの上昇も見られなかった。この結果は、COVID-19入院患者の初期治療に予防的抗凝固療法を推奨するガイドラインを支持する実臨床の強力な科学的根拠を示すものである。 第一人者の医師による解説 軽症入院例では血栓症の合併は少ない 使用される薬剤や人種差にも注意 射場 敏明 順天堂大学大学院医学研究科救急・災害医学教授 MMJ. October 2021;17(5):139 本論文で報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者を集積した米国のコホート研究によれば、入院24時間以内に予防量ヘパリンによる抗凝固療法を開始した場合、抗凝固療法を実施しない場合に比べ、30日死亡率が絶対差で4.4%低かった(14.3%[実施群]対18.7%[非実施群];ハザード比、 0.73;95%信頼区間、 0.66?0.81)。一方、出血性有害事象に関しては有意差が認められなかった。今回の研究では患者全体の84.4%に入院24時間以内に抗凝固療法が開始され、使用された抗凝固薬の99.3%がヘパリン製剤(エノキサパリン 69.1%、ヘパリン 30.2%)*であった。死亡の大多数は院内死亡であった。 本研究は退役軍人を対象として実施された全国規模の後方視的コホート研究で、集積 COVID-19患者数は総計11万人を超え、この中からマッチングで選ばれた4,297人において比較が行われている。このような観点からは、実臨床に基づいた研究結果とすることができるが、やはり観察研究であるため治療による転帰の改善という因果関係を検証したものではない。しかし米国では予防的抗凝固療法が8割以上の患者に実施されていることを考えると、非治療群を設定した無作為化対照試験の実施はいまさら困難であることも理解できる。この背景としては、COVID-19では高率に血栓症の合併がみられること、また肺微小循環における血栓形成が呼吸機能の悪化に関わっていることが以前から指摘され(1)、国際血栓止血学会(ISTH)をはじめとして主要な国際機関が早々に予防的抗凝固療法の重要性を啓蒙してきたことなどが挙げられる(2)。よってCOVID-19入院患者に対するヘパリン療法は、基本的に実施が前提であり、研究に関してはすでに予防量と治療量の比較に視点が移っていることは否めない。ちなみに、治療量の有用性は複数の無作為化対照試験で評価されているが、今のところ予防量に比べ明らかな有用性はみられないとする結果が多いようである(3)。一方、今回の研究結果を本邦で解釈するにあたっては、使用される薬剤の種類や人種差などいくつかの点に注意する必要があるが、特に気をつける必要があるのは、海外においては入院の対象になるのは基本的に中等症以上であり、日本のように軽症例が入院することはないという点である。軽症入院例では血栓症の合併は少なく、抗凝固療法のメリットは少ないことは念頭に置いておく必要があるだろう。 * 予防量として、ヘパリン 5,000 ユニット、1 日 2 回または 3 回皮下投与、エノキサパリン 40mg1 日 1 回または 30mg1 日 2 回皮下投与 1. Iba T, et al. J Thromb Haemost. 2020;18(9):2103-2109. 2. achil J, et al. J Thromb Haemost. 2020;18(5):1023-1026. 3. Leentjens J, et al. Lancet Haematol. 2021;8(7):e524-e533.
中国・武漢の抗SARS-CoV-2抗体血清陽性率と体液性免疫の持続性:住民対象長期横断研究
中国・武漢の抗SARS-CoV-2抗体血清陽性率と体液性免疫の持続性:住民対象長期横断研究
Seroprevalence and humoral immune durability of anti-SARS-CoV-2 antibodies in Wuhan, China: a longitudinal, population-level, cross-sectional study Lancet. 2021 Mar 20;397(10279):1075-1084. doi: 10.1016/S0140-6736(21)00238-5. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】武漢市は、中国で発生したCOVID-19大流行の中心地であった。著者らは、武漢市民の抗SARS-CoV-2抗体の血清陽性率と動態を明らかにし、ワクチン接種対策に役立てることを目的とした。 【方法】この長期横断研究では、多段階の人口層別型クラスター無作為標本抽出法を用いて、武漢市内13地区100地域を系統的に選択した。各地域から系統的に世帯を抽出し、全家族構成員に参加のため地域ヘルスケアセンターに来てもらった。2019年12月1日以降、武漢市に14日以上居住した住民を適格とした。参加に同意した全適格参加者が人口統計学および臨床的データに関するアンケートにオンラインで回答し、COVID-19に伴う症状やCOVID-19診断歴を自己申告した。2020年4月14~15日に免疫検査用に静脈血検体を採取した。血液検体でSARS-CoV-2ヌクレオカプシドタンパクに対する汎免疫グロブリン、IgM、IgA、IgG抗体の有無を検査し、中和抗体を評価した。2020年6月11日~13日、10月9日~12月5日に2回連続で追跡調査を実施し、その際に血液検体も採取した。 【結果】無作為に選択した4,600世帯のうち3,599世帯(78.2%)、計9,702例が初回評価のため来院した。3,556世帯9,542例から解析に十分な検体を得た。9,542例のうち532例(5.6%)がSARS-CoV-2に対する汎免疫グロブリン陽性で、この集団の調査開始時データで調整後の血清陽性率は6.92%(95%CI 6.41~7.43)であった。汎免疫グロブリンが陽性であった532例のうち437例(82.1%)が無症状であった。調査開始時、この532例のうち69例(13.0%)がIgM抗体陽性、84例(15.8%)がIgA抗体陽性、532例(100%)がIgG抗体陽性、212例(39.8%)が中和抗体陽性であった。汎免疫グロブリンが陽性で、4月に中和抗体が陽性を示した参加者の割合は、2回の経過観察の来院でも一定であった(2020年6月は363例中162例[44.6%]、2020年10~12月は454例中187例[41.2%])。全3回の調査に参加し汎免疫グロブリンが陽性であった335例のデータでは、調査期間中に中和抗体値の有意な減少は認められなかった(中央値:ベースライン1/5.6[IQR 1/2.0~1/14.0] vs 初回追跡調査1/5.6[1/4.0~1/11.2]、P=1.0、2回目追跡調査1/6.3[1/2.0~1/12.6]、P=0.29)。しかし、無症候性症例の方が確定症例や症候例症例よりも中和抗体価が低かった。時間の経過とともにIgG抗体価が低下したが、IgG抗体保有者の割合は大きく減少しなかった(確定症例でベースライン30例中30例[100%]から2回目追跡調査時29例中26例[89.7%]に減少、症候性症例で65例中65例[100%]から63例中58例[92.1%]に減少、無症候症例で437例中437例[100%]から362例中329例[90.9%]に減少)。 【解釈】武漢市の横断的標本の6.92%でSARS-CoV-2抗体が産生され、そのうち39.8%が中和抗体を獲得した。液性応答に関する耐久性データから、集団免疫を獲得し流行の再燃を防ぐには大規模ワクチン接種が必要であることが示唆される。 第一人者の医師による解説 流行収束後もワクチンによる集団免疫を付けることが 再流行を防ぐために必須 森内 浩幸 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科小児科学教授 MMJ. October 2021;17(5):138 本論文の著者らは、中国における流行の中心であった武漢において経時的横断的研究を行い、多段階人口層化集落ランダム抽出法によって系統的に選ばれた世帯の成員に対して、人口統計学的データ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連症状の有無や診断歴を聴取するとともに、2020年4月、6月、および10~12月の間の3回にわたってSARS-CoV-2ヌクレオカプシド蛋白に対する抗体と中和抗体を測定した。 解析の対象となった3,556世帯の9,542人のうち532人(5.6%)が抗体陽性で、調整後の抗体保有率は6.92%(95%信頼区間 , 6.41~7.43)と推定された。陽性者の82.1%は無症状だった。また、抗体陽性者のうち4月の時点で39.8%、6月の時点で44.6%、最後の時点で41.2%が中和抗体も陽性で、その抗体価は期間中ほとんど減衰しなかった。無症状者は有症状者や診断確定者に比べ中和抗体価は低い傾向にあった。 この研究以前にも一般人口におけるSARSCoV-2抗体保有率の調査が行われている。例えばスイスの調査では、5歳以上の一般人口における診断確定例の11.6倍の抗体陽性者がいた(1)。米国の調査では1.0~6.9%の抗体保有率で、これは感染者の報告数の6~24倍に相当した(2)。アイスランドでは人口の0.9%が感染しており、抗体価は4カ月間で減衰しなかった(3)。武漢で以前行われた調査では成人の3.2%が抗体陽性だったが、統計解析のデザインは厳密なものではなかった。 どの地域のどのタイミングで調査が行われるかによって抗体保有率が異なるのは当然だが、一般人口における感染率を正しく捉えられる研究デザインだったか、無症状の感染者の割合がどれくらいだったか、そして抗体価の経時的推移がどうだったかについて、これまでの調査では十分に捉えられていなかった。今回の武漢における研究では、抽出法を工夫して一般人口を反映させ、かつ縦断的にフォローすることで武漢における流行が残した集団免疫の程度を明らかにすることができた。 この研究が意味することは、大きな流行が駆け抜けた地域においても住民の多くは感受性を持ったままであり、再び流行が起こるのを阻止するためにはワクチンによって集団免疫を構築すべきだということだ。また、不顕性感染の割合が非常に高かったことも、予防対策上重要な知見と思われる。 1. Stringhini S, et al. Lancet. 2020;396(10247):313-319. 2. Havers FP, et al. JAMA Intern Med. 2020.;180(12):1576-1586. 3. Gudbjartsson DF, et al. N Engl J Med. 2020;383(18):1724-1734.
思春期児を対象としたBNT162b2 Covid-19ワクチンの安全性、免疫原性および有効性
思春期児を対象としたBNT162b2 Covid-19ワクチンの安全性、免疫原性および有効性
Safety, Immunogenicity, and Efficacy of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine in Adolescents N Engl J Med. 2021 Jul 15;385(3):239-250. doi: 10.1056/NEJMoa2107456. Epub 2021 May 27. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【背景】重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対するワクチンは、ごく最近まで16歳未満の小児への緊急使用が許可されていなかった。この集団を保護し、対面学習や人の集まりを促進し、集団免疫に貢献するため、安全かつ有効なワクチンが必要である。 【方法】この進行中の国際共同プラセボ対照観察者盲検試験では、参加者を無作為によりBNT162b2ワクチン30μgを21日間隔で2回注射するグループとプラセボを注射するグループに1対1の割合で割り付けた。12~15歳にみられるBNT162b2に対する免疫応答の16~25歳の免疫応答に対する非劣性を免疫原性の目的とした。12~15歳のコホートで安全性(反応原性および有害事象)および確定した新型コロナウイルス感染症2019罹患(Covid-19;発症、2回目接種から7日以上経過後)に対する有効性を評価した。 【結果】全体で、12~15歳の思春期児2,260例に接種した。1,131例にBNT162b2、1,129例にプラセボを投与した。他の年齢群にみられたように、BNT162b2は安全性と副反応が良好で、反応原性事象も主に一過性で軽度から中等度であった(主に注射部位疼痛[79~86%]、疲労[60~66%]、頭痛[55~65%])。ワクチンに起因する重篤な有害事象はなく、重度の有害事象も全体的に少なかった。12~15歳の参加者にみられた2回目接種後SARS-CoV-2 50%中和抗体価の16~25歳に対する幾何平均比は、1.76(95%信頼区間[CI]、1.47~2.10)であり、両側95%信頼区間の下限が0.67を超える非劣性基準を満たし、12~15歳のほうが応答が大きいことが示された。SARS-CoV-2感染歴の根拠がない参加者では、BNT162b2接種群に2回目接種から7日以上経過後のCOVID-19発症例はいなかったが、プラセボ接種群に16例認められた。観察されたワクチンの有効性は100%(95%CI、75.3~100)であった。 【結論】12~15歳の小児に接種したBNT162b2ワクチンは、安全性が良好で、若年成人よりも免疫応答が大きく、COVID-19に対する高い有効性が示された。 第一人者の医師による解説 思春期児童は接種後の血管迷走神経反射の発生率が高く 対策を取ることが重要 新井 智 国立感染症研究所感染症疫学センター第11室室長 MMJ. February 2022;18(1):4 本論文は、ファイザー・ビオンテック社製のメッセンジャー RNAワクチン(BNT162b2)を評価している第1/2/3相試験(C4591001試験)の一部として、米国内の12 ~ 15歳の思春期児童約2,300人をBNT162b2 30μg群とプラセボ(生理食塩水)群に1:1の比で無作為に割り付け安全性、免疫原性、有効性を比較し、さらに米国以外の国からも登録した16 ~ 25歳の青年集団約1,100人と免疫応答での非劣性の検証等を行った結果の報告 である。1回目接種 受けたBNT162b2群1,131人とプラセボ群1,129人、2回目接種を受けたそれぞれ1,124人と1,117人の解析結果から、BNT162b2 30μ g接種における12 ~ 15歳の思春期児童の副反応は、全体的に一過性で軽度~中等度であった。最も頻度が高かった局所反応は注射部位の疼痛で79 ~ 86%、頻度の高かった全身性反応は倦怠感(60 ~ 66%)、頭痛(55 ~ 65%)、悪寒(28 ~ 42%)、筋肉痛(24 ~ 32%)であった。局所反応の頻度は1回目接種時の方が高かったが(1回目86%、2回目79%)、全身性反応の倦怠感、頭痛、悪寒、筋肉痛のいずれも2回目接種時の方が高頻度にみられた。 また、12 ~ 15歳の思春期児童と16 ~ 25歳の青年集団におけるBNT162b2 30μg接種の比較を行ったところ、12 ~ 15歳の思春期児童の1、2回目接種時の副反応発生率は、16 ~ 25歳の青年集団とほとんど違いがなく(16 ~ 25歳の青年:倦怠感60 ~ 66%、頭痛54 ~ 61%、悪寒25 ~40%、筋肉痛27 ~ 41%)、安全性に違いは認められなかった。有効性の指標である50%中和幾何平均抗体価(GMT)は、2回目接種1カ月後の12 ~15歳の思春期児童群では1,283.0、16 ~ 25歳の青年群では730.8、両集団間の幾何平均比は1.76(95%信頼区間 , 1.47 ~ 2.10)であり、免疫応答は12 ~ 15歳の思春期児童群の方が良好であった。 BNT162b2やモデルナ製スパイクバックのメッセンジャー RNAワクチンでは、初回よりも2回目接種の方が発熱、倦怠感、頭痛、悪寒などの全身性反応の発生割合が高い(1),(2)。これらの副反応への対応に関してはアセトアミノフェンの服用も選択肢として提案されており、事前に十分な情報提供を行い安心して接種を受けられる環境の提供が重要である。思春期児童では、ワクチン接種後の血管迷走神経反射の発生割合が他の年齢群に比べ高いため、横たわって接種を受ける、あるいは接種後30分程度様子を見るなど対策を取ることも重要である。 1. Polack FP, et al. N Engl J Med. 2020;383(27):2603-2615. 2. Baden LR, et al. N Engl J Med. 2021;384(5):403-416.
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号)
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SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 国内外でSARS-CoV-2オミクロンBA.2株への置き換わりが急激に進んでいる。BA.2株の感染性・病原性、COVID-19回復者やワクチン接種者の血漿のBA.2に対する中和活性、治療用モノクローナル抗体と抗ウイルス剤への有用性の検討が行われた。Nature誌2022年5月18日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む ワクチン未接種のSARS-CoV-2オミクロン感染と交差免疫の検討 オミクロン感染による、他変異株に対する交差免疫の検討が行われた。ワクチン接種有無による、交差免疫発現の違いが示唆された。Nature誌2022年5月18日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 糖尿病におけるSGLT2阻害薬間の心血管転帰の比較 SGLT2阻害剤の個々の薬剤間で心血管予後を比較したデータは少ない。日本における大規模なリアルワールドデータ(25,315例)を用いて,個々のSGLT2阻害剤間のその後の心血管リスクを検討した。Cardiovascular Diabetology誌2022年5月18日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 5〜11歳の米国の子供におけるCOVID-19ワクチンBNT-162b2接種の安全性 5~11歳の小児に対する承認後のCOVID-19ワクチンBNT-162b2(Pfizer/BioNTech)の安全性データ、特に青年・若年成人で見られた心筋炎の有害事象が限定的である。米国のCOVID-19ワクチン接種プログラムの最初の4カ月間に観察された有害事象を検証した。Pediatrics誌2022年5月18日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 食事中のコレステロール、血清コレステロール、卵の消費量と全死亡率・心血管疾患起因死亡率との関連 人間の健康に対する外因性(食事)・内因性(血清)コレステロールへの影響評価は不十分である。食事性コレステロール、卵の消費量、血清コレステロール値と全死亡率、CVD死亡率に関する前向きコホート研究及び、システマティックレビューとメタアナリシスを行った。Circulation誌2022年5月17日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号)
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6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 mRNA-1273(モデルナワクチン)の小児に対する安全性、免疫原性、有効性は不明である。第2-3相試験を通して、小児(6~11歳)に対する安全性、第3相試験の若年成人(18~25歳)の免疫反応に対する非劣性、及びCOVID-19の感染頻度を確認した。The New England Journal of Medicine誌2022年5月26日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む COPDの急性増悪に対する硫酸マグネシウムの投与 硫酸マグネシウムは気管支拡張作用があり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪時の補助的な治療法として期待されている。11件のRCTを対象とし、硫酸マグネシウムの静脈内投与は、プラセボと比較して、入院数の減少、入院期間の短縮、および呼吸困難スコアの改善等に影響があるかを検討した。The Cochrane Database of Systematic Reviews誌2022年5月26日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む ヒト猿痘の臨床的特徴と管理:英国における後ろ向き観察研究 2018年から2021年の間に英国で診断されたサル痘の7人の患者における臨床的特徴、長期的なウイルス学的所見、および適応外抗ウイルス薬への反応を確認した。The Lancet. Infectious diseases誌2022年5月24日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 妊娠糖尿病と妊娠の有害事象:系統的レビューとメタアナリシス 妊娠糖尿病と、妊娠の有害転帰との関連を調べるため、1990年1月1日から2021年11月1日までの論文について、系統的レビューとメタ分析を行った。BMJ誌2022年5月25日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 2型糖尿病の第一選択薬として使用されたSGLT2阻害薬とメトホルミンの心血管系イベント比較:コホート研究 メトホルミンまたはSGLT2阻害薬の第一選択薬の使用に関連する心血管イベントリスクに関するエビデンスは限られている。米国の大規模な商業データベースとメディケアデータベースの請求データ(2013年4月から2020年3月)を用いて、コホート研究を行った。Annals of Internal Medicine誌2022年5月24日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号)
運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する 身体運動はシナプス伝達の改善により精神障害の緩和に有効であるが、身体持久力トレーニングと神経順応の関連はまだ完全に解明されていない。本研究では、新たなエピジェネティック機構であるRNAのN6メチルアデノシン(m6A)修飾が、慢性拘束ストレスに対する回復力の向上に果たす役割について検討した。Advanced Science誌オンライン版6月1日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 妊娠中のCOVID-19ワクチン接種と乳児におけるSARS-CoV-2感染の発生率との関連性 妊娠中のCOVID-19ワクチン接種が、デルタ株・オミクロン株流行下(2021年9月1日~2022年4月1日)の生後4ヵ月までの乳児のCOVID-19リスク低減と関連しているかどうか、2021年9月~2022年2月にノルウェーで生まれたすべての出生児を対象にコホート研究が行われた。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2022年6月1日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 砂糖入り、人工甘味料入り、無糖のコーヒー摂取と全死亡率・癌関連死亡率・CVF関連死亡率の比較:大規模前向きコホート研究 これまでの観察研究では、コーヒー摂取と死亡リスク低下との関連が示唆されているが、これらの研究では、砂糖や人工甘味料を含むコーヒー摂取と含まないコーヒー摂取を区別していない。添加物の有無による影響を検討するため、17万1,616人を対象とした前向きコホート研究が行われた。Annals of Internal Medicine誌2022年5月31日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 性的接触を介したサル痘感染4例の疫学的、臨床的、ウイルス学的特徴 2022年5月以降、非流行国においてもサル痘の認められている。2022年5月17日~22日の間にイタリアで観察された、コンドームなしの性交を報告した若年成人男性のサル痘陽性者4例について、疫学的、臨床的、ウイルス学的特徴の報告が行われた。Eurosurveillance誌2022年6月号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 糖尿病予備軍・2型糖尿病患者におけるケトジェニックダイエットと地中海食のHbA1cに対する効果:無作為化クロスオーバー試験 ケトジェニックダイエットと地中海食は、3つの共通点(非でんぷん性野菜を接種し、添加糖・精製穀物を避ける)と3つの違い(豆類、果物、全粒粉の摂取有無)を有する低炭水化物食である。糖尿病予備軍・2型糖尿病患者の血糖コントロールおよび心臓代謝リスク因子への影響を比較した。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2022年5月31日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号)
乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 乳製品または食事性カルシウムと前立腺がんの因果関係が示唆されているものの、そのエビデンスは限定的である。米国およびカナダのセブンスデー・アドベンティスト(=キリスト教の一派)男性2万8,737人(黒人民族:6,389人)に対し、前向きコホート研究を行った。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2022年6月8日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 心房細動に対するモバイルヘルス介入の設計と根拠 心房細動患者の慢性疾患自己管理を支援するために,デジタルや健康リテラシーに関係なく利用可能な、スマートフォンと連動する機器AliveCor Kardia を開発した。経口抗凝固療法へのアドヒアランスが向上するか、単一施設並行群無作為化臨床試験で検討を行った。American Heart Journal誌オンライン版2022年6月9日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 食事の匂いに反応して分泌されたセロトニンとドパミンが老化を調節する? 食事制限と長寿の関係はよく研究されている。食事摂取自体ではなく、食事の匂いの有無が老化を調節するのではないかを線虫を用いてシグナル伝達経路を分析した。Nature communications誌2022年6月7日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む モルヌピラビルに入院率、死亡率の改善以外のベネフィットはあるか? MOVe-OUT試験で、モルヌピラビル(製品名:ラゲブリオ)は軽度から中等度のCOVID-19外来患者の入院率、死亡率を有意に減少させることが報告された。他の潜在的な臨床上のベネフィットを明らかにするため、CRP値、SpO2値、呼吸介入の必要性、退院までの時間についてMOVe-OUT試験の二次解析を行った。Annals of Internal Medicine誌オンライン版2022年6月7日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 中国人におけるアルコール摂取と心血管疾患罹患率・全死亡率との因果関係 適度なアルコール摂取が心血管疾患に及ぼす因果関係については、特に冠動脈心疾患に対して継続的に議論されている。アルコール摂取と心血管疾患罹患率および全死因死亡率との因果関係を探索することを目的とし、4万386人の中国人男性を対象に、前向きコホート研究が行われた。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2022年6月10日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号)
老化をあざむく方法は? 鳥や哺乳類と比較して、とくにカメは、加齢に伴う老化をほとんど示さない非常に長命の動物としてよく知られています。老化の進行を理解するため、非鳥類爬虫類と両生類の107個体群(77種)のデータを用いた、野生の四肢変温動物における老化率と寿命に関する研究が実施された。Science誌2022年6月24日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 遺伝子組換えブタからヒトへの心臓異種移植、その結果は 静脈動脈の体外式膜型人工肺(ECMO)に依存し、従来の同種移植片を含む標準的な治療法の候補ではなかった非虚血性心筋症の57歳の男性に、ブタの心臓を移植した。New Engrand Journal of Medicine誌オンライン版2022年6月22日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 妊婦のワクチン接種は、乳児のCovid-19による入院のリスクを下げるか 生後6ヵ月未満の乳児は、Covid-19の合併症のリスクが高いにもかかわらず、予防接種の対象ではない。母体のCovid-19ワクチン接種後のSARS-CoV-2抗体の経胎盤移行が、乳児のCovid-19保護効果に及ぼす影響について調査が行われた。New Engrand Journal of Medicine誌オンライン版2022年6月22日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む アメリカの人種間によるがん治療とサバイバーシップ、とくに格差が大きいのは… CDCの組織である国立衛生統計センター、米国国勢調査局のデータ、NCDB(National Cancer database)のデータを元に、2022年1月1日時点における、人種間のがん治療とサバイバーシップの格差を検討した。CA:A Cancer Journal for Clinicians誌オンライン版2022年6月23日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む ARDS診療ガイドライン2021改訂のポイント 日本集中治療医学会、日本呼吸器学会、日本呼吸療法医学会が合同で作成した「ARDS診療ガイドライン2021」。本ガイドラインでは、世界で初めて小児ARDSも対象に含めて改訂が行われた。Respiratory Investigation誌オンライン版2022年6月23日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号)
糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 エンパグリフロジン(製品名:ジャディアンス )は駆出率が保たれている心不全患者の転帰を改善するが、その効果が糖尿病の有無にかかわらず一貫しているかどうかはまだ解明されていない。II~IV度心不全で左室駆出率が40%超の患者を、通常の治療に加え、エンパグリフロジン10mgまたはプラセボの投与に無作為に割り付けた。Circulation誌オンライン版2022年6月28日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む COVID-19を含むがん患者における静脈血栓塞栓症の治療と予防のための国際的な臨床実践ガイドライン2022 International Initiative on Thrombosis and Cancerは、がん関連血栓症の治療と予防のためのグローバルなコンセンサスを確立することを目的とした、専門家による独立した学術的なワーキンググループである。2022年1月1日までの文献調査に基づく2022年版臨床実践ガイドラインには、がん患者およびCOVID-19を有する患者に対するガイダンスが含まれています。The Lancet. Oncology誌2022年7月号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む ストレスが睡眠を誘発する?そのメカニズムとは マウスでは、心理社会的ストレスの動物学的モデルである社会的敗北ストレス(SDS)が睡眠を誘発する。このような睡眠はレジリエンスを可能にすると考えられるが、ストレスがどのように睡眠を促進するかは不明であった。Science誌2022年7月号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む ビタミンDの補給で感染症リスクは低下するか? ビタミンDの補給は、感染症のリスクまたは重症度を低下させる可能性があるが、大規模な集団ベースの試験で調査されたことはほとんどない。抗生物質の処方を感染の代替指標として、60~84歳のオーストラリア人2万1,315人を対象に、5年間毎月6万 IUのビタミンD3補給またはプラセボに無作為に割り付けられた二重盲検プラセボ対照の試験を行った。The Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2022年7月3日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む COVID-19後遺症・慢性疲労症候群に対するAEOの効果は? 長いCOVIDは筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に継続する可能性があり、現在、最大2000万人のアメリカ人がCOVID後に重大な症状を持っていると推定され、最も一般的な症状は疲労である。 栄養補助食品であるAnhydrous Enol-Oxaloacetate(AEO)の高用量摂取が、これらに効果があるかを検討する。Journal of Translational Medicine誌2022年6月28日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号)
COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは COVID-19後遺症(PCC)の有病率を評価したこれまでの研究は、定義があいまいなまま実施されていた。そこで、2020年4~8月の間に入院した成人・小児を対象に6、12ヵ月後のPCC(WHOの定義)の有病率を調査し、その危険因子を評価するため、前向きコホート研究を実施した。BMC Medicine誌2022年7月6日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む ICUの未来:せん妄はもはや問題にならない COVID-19のパンデミック時、ICUにおけるせん妄の発生率は増加した。せん妄の無いICUを実現するための基本的な前提条件とは、どのようなものなのか。Critical Care誌2022年7月5日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む プルーン摂取は閉経後女性の骨密度に影響を与えるか? プルーンの食事摂取は骨の健康に好ましい影響を及ぼすと言われている。単一施設の並行群間ランダム化比較試験において、プルーンの12ヵ月食事摂取介入による閉経後女性の骨密度への影響について評価を行った。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2022年7月7日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 新型コロナウイルスのオミクロン変異株Ba.2.12.1、Ba.4、Ba.5の抗体回避は? 米国と南アフリカのそれぞれで激増しているオミクロン変異株Ba.2.12.1およびBa.4/5。スパイクタンパク質に追加の突然変異を抱えるこれらの新規変異株は、中和抗体をさらに回避する可能性がある。その回避性を明らかにするため、系統的抗原分析による調査が行われた。Nature誌オンライン版2022年7月5日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 「週末まとめて運動」と「日常的な運動」死亡率低下に寄与するのは? 中等度~強度の身体活動の週ごとの推奨量が、1週間に分散している場合とより少ない日数に集中している場合、死亡リスクに同じ利点があるかどうかは不明である。1997~2013年の米国国民健康インタビュー調査で身体活動について報告した35万978人を対象とした大規模前向きコホート研究の結果が報告された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2022年7月5日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
血液内科 Journal Check Vol.12(2022年7月26日号)
血液内科 Journal Check Vol.12(2022年7月26日号)
再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する4つの新規薬剤による全生存期間の比較 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫治療薬Tafasitamab(タファシタマブ)、Loncastuximab tesirine(ロンカスツキシマブ テシリン)、ポラツズマブベドチン、Selinexor(セリネクソール)の4剤について、全生存期間の比較が報告された。【European Review for Medical and Pharmacological Sciences誌2022年7月号】 ≫Bibgraphで続きを読む 血液疾患患者におけるCOVID-19と季節性インフルエンザの臨床転帰 日本人血液疾患入院患者におけるCOVID-19または季節性インフルエンザの臨床転帰の違いを明らかにするため、旭川厚生病院の塚田 和佳氏らは、レトロスペクティブ研究を実施した。【Journal of Rural Medicine誌2022年7月号】 ≫Bibgraphで続きを読む 多発性骨髄腫に対するレジメン比較~ネットワークメタ解析 移植非適応の多発性骨髄腫の第1選択薬として、プロテアソーム阻害剤、免疫調整剤、モノクローナル抗体ダラツマブの併用が用いられる。これらを用いたレジメンの有効性および安全性を比較するため、ネットワークメタ解析が実施された。【Hematological Oncology誌オンライン版2022年7月6日号】 ≫Bibgraphで続きを読む 造血幹細胞移植を予定していない再発難治性大細胞型B細胞リンパ腫に対する二次治療CAR-T細胞療法~非盲検第II相試験 造血幹細胞移植を予定していない一次治療後の再発難治性大細胞型B細胞リンパ腫患者は、転帰が不良で、次の治療選択肢も限られている。このような患者に対する二次治療としてのCAR-T細胞療法リソカブタゲン マラルユーセルの有用性を検討するため、非盲検第II相試験が行われた。【The Lancet. Oncology誌オンライン版2022年7月12日号】 ≫Bibgraphで続きを読む 濾胞性リンパ腫患者の初回化学療法中のBMIが全生存期間へ及ぼす影響 濾胞性リンパ腫の全生存期間と治療前のBMIとの間に有意な関連が認められないと報告されているが、化学療法中のBMIの変化との関係については、これまでよくわかっていなかった。濾胞性リンパ腫患者56例をレトロスペクティブに分析したところ、化学療法中のBMIの変化は、独立した予後不良因子である可能性が示唆された。【Internal Medicine誌2022年号】 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.11(2022年7月19日号) 未治療のステージIII、IV期の古典的ホジキンリンパ腫患者に対するA+AVD療法~ECHELON-1試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.10(2022年7月12日号) 未治療のiNHL、MCL、rrDLBCLに対するベンダムスチンの有用性~第I/II相試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.9(2022年7月5日号) LBCLのセカンドライン治療、CAR-T細胞療法はASCTにとってかわるか ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.8(2022年6月28日号) DLBCLに対するR-CHOP療法、10年後の臨床転帰は ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号) 再発難治性LBCLのセカンドライン治療におけるliso-celに有用性~TRANSFORM試験中間報告 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号) 再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号)
小児におけるオミクロンに対するファイザー社製COVID-19ワクチンの有効性 小児におけるオミクロン変異体に対するワクチンの有効性に関するデータは不足している。オミクロン変異体が急速に広まった2022年1月21日~4月8日における5〜11歳のシンガポールの小児25万5,936人に対し、BNT162b2ワクチン(製品名:コミナティ)接種が、感染リスクや入院リスクの減少に寄与したかを分析した。The New England Journal of Medicine誌オンライン版2022年7月20日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 世界におけるサル痘ウイルス感染の現状~16ヵ国の報告 2022年4月までは、サル痘ウイルスのヒトへの感染は、流行地であるアフリカ地域以外ではほとんど報告されていなかったが、現在では、世界中での報告が相次いでいる。しかし、感染、リスク因子、臨床症状、および感染症の転帰については、これまで十分に定義されていなかった。16ヵ国43施設で2022年4月27日~6月24日に診断された528件の症例を収集し、分析を行った。The New England Journal of Medicine誌オンライン版2022年7月21日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 低ナトリウム血症の診断・管理 低ナトリウム血症は最も一般的な電解質障害であり、成人の約5%、入院患者の35%に影響を及ぼすといわれている。また、軽度の低ナトリウム血症でさえ、入院期間や死亡率の増加に関連している。本論文では、低ナトリウム血症の診断と管理についてのレビュー結果が報告された。JAMA誌2022年7月19日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 中等度~重度の成人アトピー性皮膚炎に対するアブロシチニブとデュピルマブの有効性と安全性~無作為化二重盲検多施設第III相試験 中等度~重度の成人アトピー性皮膚炎患者に対するアブロシチニブ(製品名:サイバインコ)とデュピルマブ(同:デュピクセント) の有効性と安全性を評価するため、無作為化二重盲検多施設第III相試験(オーストラリア、ブルガリア、カナダ、チリ、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、ポーランド、スロバキア、韓国、スペイン、台湾、米国の151施設)が実施された。Lancet誌2022年7月23日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む アテローム性動脈硬化症患者における「中強度スタチンとエゼチミブ併用療法」と「高強度スタチン単剤療法」の長期有効性と安全性~無作為化非盲検非劣性試験 1つの薬剤の投与量を増やすよりも、薬剤の適切な組み合わせの方が、より高い有効性と安全性が得られることは少なくない。そこで、アテローム性動脈硬化症患者に対する高強度スタチン単剤療法の代替として、中強度スタチンとエゼチミブ(製品名:ゼチーアほか)併用療法は、副作用を抑えながら効果的にLDLコレステロール濃度を低下させるかを検討するため、韓国の臨床センター26施設において、無作為化非盲検非劣性試験が実施された。Lancet誌オンライン版2022年7月18日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.9(2022年7月21日号) 慢性便秘症に効果的な食物繊維摂取量は?:RCTの系統的レビュー&メタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号) COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
2019年新型コロナウイルスのゲノム特性解析と疫学:ウイルスの起源と受容体結合の意味するところ
2019年新型コロナウイルスのゲノム特性解析と疫学:ウイルスの起源と受容体結合の意味するところ
Genomic characterisation and epidemiology of 2019 novel coronavirus: implications for virus origins and receptor binding Lancet 2020 Feb 22;395(10224):565-574. 上記論文のアブストラクト日本語訳 ※ヒポクラ×マイナビ 論文検索(Bibgraph)による機械翻訳です。 【背景】2019年12月下旬、中国・武漢で原因不明の微生物によるウイルス性肺炎を呈した患者が報告された。その後、原因病原体として新規コロナウイルスが同定され、2019 novel coronavirus(2019-nCoV)と仮称された。2020年1月26日現在、2019-nCoV感染症は2000例以上確認されており、そのほとんどが武漢在住者または訪問者であり、ヒトからヒトへの感染が確認されている。 【方法】武漢の華南水産市場を訪問した9名の入院患者から採取した気管支肺胞洗浄液と培養分離株のサンプルについて次世代シーケンサーで解析を行った。これらの個体から2019-nCoVの完全および部分ゲノム配列が得られた。ウイルスコンティグをサンガーシークエンスで連結して全長ゲノムを得、末端領域はcDNA末端の迅速増幅で決定した。これらの2019-nCoVゲノムと他のコロナウイルスのゲノムの系統解析は、ウイルスの進化の歴史を決定し、その起源と思われるものを推測するのに役立てられた。ホモロジーモデリングにより、ウイルスの受容体結合の可能性を探った。 【調査結果】9人の患者から得られた2019-nCoVの10個のゲノム配列は、99-98%以上の配列同一性を示し、極めて類似していた。注目すべきは、2019-nCoVは、2018年に中国東部の舟山で採取された2つのコウモリ由来の重症急性呼吸器症候群(SARS)様コロナウイルス、bat-SL-CoVZC45およびbat-SL-CoVZXC21と近縁(88%の同一性)でしたが、SARS-CoV(約79%)およびMERS-CoV(約50%)より遠かったということです。系統解析の結果、2019-nCoVはベタコロナウイルス属のサルベコフイルス亜属に属し、最も近縁のbat-SL-CoVZC45およびbat-SL-CoVZXC21との枝長が比較的長く、SARS-CoVとは遺伝的に異なることが判明しました。注目すべきは、相同性モデリングにより、2019-nCoVは、いくつかの重要な残基でアミノ酸が異なるにもかかわらず、SARS-CoVと同様の受容体結合ドメイン構造を持っていることが明らかになった。 【解釈】2019-nCoVはSARS-CoVから十分に分岐し、新しいヒト感染性ベータコロナウイルスと見なされる。我々の系統解析は、コウモリがこのウイルスの本来の宿主である可能性を示唆しているが、武漢の海産物市場で売られている動物が、ヒトへのウイルス出現を促進する中間宿主である可能性もある。重要なのは、構造解析により、2019-nCoVがヒトのアンジオテンシン変換酵素2受容体に結合する可能性があることが示唆されたことである。本ウイルスの今後の進化、適応、拡散について早急に調査する必要がある。 【資金提供】中国国家重点研究開発計画、中国感染症制御・予防国家重点プロジェクト、中国科学院、山東第一医科大学 第一人者の医師による解説 ヒトのアンジオテンシン変換酵素2受容体に結合する可能性を示唆 下畑 享良 岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野教授 MMJ.June 2020;16(3) 新型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感染症(COVID-19)は、 2019年12月に中国武漢で報告されて以来、世界 的にパンデミックとなった。本論文は中国疾病管 理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention;CDC)が 論文発表前に公開し、 直ちに世界で共有されたものである。COVID-19 の病原体であるSARS-CoV-2のゲノム配列を系統 解析し、その由来と構造を検討している。 まず武漢の海鮮市場を訪 れ た8人 を 含 む9人 の入院患者の気管支肺胞洗浄液と咽頭拭い液からウイルス株を培養分離し、次世代シークエンサーを用いて解析している。9人から分離したSARSCoV-2のゲノム配列は類似し、99.98%以上の同一性があった。このことからこのウイルスは、生じてからの時間経過は短いことが示唆される。 次に、取得した完全ないし部分的なゲノムシーケンスを用いてウイルスコンティグ(ゲノム断片)を接続、完全長ゲノムを取得し、さらにcDNA末端 の増幅により末端領域を決定した。このウイルス ゲノムと他のコロナウイルスの系統解析を行い、 ウイルスの進化の歴史を決定し、起源を推測した。 結果として、SARS-CoV-2は、2018年に中国東部で収集された重症急性呼吸器症候群(SARS)類似の2つのコウモリ由来のコロナウイルス(bat-SLCoVZC45およびbat-SL-CoVZXC21)と88% の同一性があったが、SARS および中東呼吸器症 候群(MERS)の 病原体 で あるSARS-CoVおよびMERS-CoVとは、同一性 が そ れ ぞ れ 約79%、 約50%と低いことが判明した。つまりSARSや MERSの病原体よりもコウモリ由来コロナウイルスに近縁であるが、同一ではなく、おそらく海鮮市場で売られていた動物がコウモリから感染し、中間宿主となり、ゲノム配列が変化したものと推測された。実際に、この時期のコウモリは冬眠中で、 コウモリからヒトへの直接の感染は考えにくかった。また、ウイルスが感染する際に使用する受容体としては、SARS-CoVと同じアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体を用いることが分かった。 結論として、系統解析において、SARS-CoV-2は βコロナウイルス属サルベコウイルス亜属に分類 さ れ、最 も 近 い 近縁 のbat-SL-CoVZC45やbatSL-CoVZXC21のように比較的長い分枝長を持ち、 SARS-CoVやMERS-CoVとは異なっていた。また、 SARS-CoV-2がヒトのACE2受容体に結合できる可能性があることが示唆された。
人から人への感染を示す2019年新型コロナウイルスに関連した肺炎の家族性クラスター:研究報告。
人から人への感染を示す2019年新型コロナウイルスに関連した肺炎の家族性クラスター:研究報告。
A familial cluster of pneumonia associated with the 2019 novel coronavirus indicating person-to-person transmission: a study of a family cluster Lancet 2020 Feb 15;395(10223):514-523. 上記論文のアブストラクト日本語訳 ※ヒポクラ×マイナビ 論文検索(Bibgraph)による機械翻訳です。 【背景】中国湖北省武漢市で、新型コロナウイルスに関連した肺炎の集団発生が報告された。罹患した患者は、潜在的な感染源である地元のウェットマーケットと地理的に関連していた。本研究では,武漢訪問後に中国広東省深-市に帰国し,原因不明の肺炎を呈した家族集団の患者5名と,武漢に旅行していない追加家族1名の疫学,臨床,検査,放射線,微生物学的所見を報告する.これらの患者の遺伝子配列の系統解析を行った。 【FINDINGS】2020年1月10日から、2019年12月29日から2020年1月4日の間に深センから武漢に渡航した患者6人の家族を登録した。武漢に渡航した家族6人のうち、5人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。さらに、武漢に渡航していない家族1名が、家族4名と数日間接触した後、ウイルスに感染しました。武漢の市場や動物との接触はなかったが、2名は武漢の病院を受診したことがあった。家族5名(36-66歳)が感染後3-6日で発熱,上気道症状,下痢,あるいはこれらの複合症状を呈した.発症から6-10日後に当院(香港大学深-病院)を受診した。彼らと無症状の子供1人(10歳)には、放射線学的に地上の肺の混濁が見られた。高齢者(60歳以上)には,より多くの全身症状,広範なX線上の肺の地表面変化,リンパ球減少,血小板減少,CRPと乳酸脱水素酵素値の上昇がみられた.これら6人の患者の鼻咽頭または咽頭スワブは,ポイントオブケア多重RT-PCRによって既知の呼吸器系微生物に対して陰性であったが,5人の患者(成人4人と子供)はこの新規コロナウイルスの内部RNA依存RNAポリメラーゼおよび表面スパイク蛋白をコードする遺伝子に対してRT-PCR陽性であり,サンガー配列決定によって確認された.これら5名のRT-PCRアンプリコンと2名のフルゲノムの次世代シーケンサーによる系統解析の結果、このウイルスは中国のカブトコウモリに見られるコウモリ重症急性呼吸器症候群(SARS)関連コロナウイルスに最も近い新規コロナウイルスであることが判明した。 【解釈】我々の発見は、病院や家庭環境におけるこの新規コロナウイルスの人対人感染や、他の地域の旅行者の感染報告と一致するものである。 【資金提供】The Shaw Foundation Hong Kong, Michael Seak-Kan Tong, Respiratory Viral Research Foundation Limited, Hui Ming, Hui Hoy and Chow Sin Lan Charity Fund Limited, Marina Man-Wai Lee, the Hong Kong Hainan Commercial Association South China Microbiology Research Fund, Sanming Project of Medicine (Shenzhen) and High Level-Hospital Program (Guangdong Health Commission)を含む。) 第一人者の医師による解説 今でこそ常識だが 一家族のクラスター研究がもたらした大きな一歩 岩田 健太郎 神戸大学医学部附属病院感染症内科教授 /診療科長 MMJ.June 2020;16(3) 新しい感染症(新興感染症)が勃発したときは、 その感染症の正体を突き止めることが急務となる。それは漸近的に行われる。一足でカント的「物自体」を掴み取ることは不可能だ(もちろん、ずっと時間をかけても掴み取れないかもしれないのだが)。よって、研究者らは寄ってたかって、それも“急いで”真実に近づこうとする。感染症のアウトブレイク時は「研究しながら、対策する」という「急ぎの態度」が必要だ。ゆっくりと腰を落ち着けてやる研究とは性格を異にする。 本研究も、今からルックバックすると「なーんだ」という研究だ。しかし、本研究があったからこそ「なーんだ」なのである。すべての研究が先人の肩の上に乗っているとはよく言われるが、本研究のもたらした恩恵、すなわちSARS-CoV-2(論文発 表時は2019-nCoV)がヒト -ヒト感染を起こすという、現在では誰でも知っている「常識」を初めて看破した。その過程をここで追体験したい。 本研究は2019年12月29日から翌年1月4日 に広東省深圳市から湖北省武漢まで旅行した家族 6人を調査した。そのうち5人が新型コロナウイルスに感染し、香港大学深圳病院を受診。1月1日 に1人が熱と下痢を発症し、その後他の家族も発症した。4人は症状があったが、10歳の子は無症状だった。しかし、胸部 CTではすりガラス陰影が認められた。新型コロナウイルス感染はRT-PCR法で確定診断された。さらに武漢に行かなかった別の家族1人も同じ感染症に罹患し、RT-PCR法で診断が確定した。 聞き取り調査により、当初感染源と目された海鮮市場や動物との接触は否定された。武漢で接触した親戚にも発熱や咳が認められた。また、そうした親戚の中には肺炎として12月29日に武漢の病院を受診し、別の親戚が付き添っていた。武漢に行かなかった家族の感染が判明した事実も合わせ、 ヒト─ヒト感染があったことが示唆された。その後 ウイルスの全ゲノムシークエンシングが行われ、 遺伝子情報を用いた系統樹が作成された。リニエイジ Bのベータコロナウイルスに典型的な配列が RNAポリメラーゼ、スパイク蛋白、全ゲノムから見いだされた。患者2と患者5の全ゲノムはほぼ同じで、違いは塩基2つ分だけであった。 5月中旬でも 世界中で 猛威 を ふ る っ て い る COVID-19。私の周りでも院内外のアウトブレイクが起きている。アウトブレイクは巨大な対策を要し、それは担当者にとって苦痛以外の何物でもない。しかし、そこから得る新たな学びもある。まだ まだ分からないことの多いCOVID-19。学びを重ね、 理解を深め、少しでも近づき続けたいと考えながら本論文も読み直した。
重度のCovid-19患者に対するレムデシビルの慈悲深い使用。
重度のCovid-19患者に対するレムデシビルの慈悲深い使用。
Compassionate Use of Remdesivir for Patients with Severe Covid-19 N Engl J Med 2020 Jun 11;382(24):2327-2336. 上記論文のアブストラクト日本語訳 ※ヒポクラ×マイナビ 論文検索(Bibgraph)による機械翻訳です。 【背景】SARS-CoV-2の感染によって引き起こされる病気であるCovid-19で入院している患者に、レムデシビルを同情的に使用した。患者は,SARS-CoV-2感染が確認された者で,常用空気を吸っているときの酸素飽和度が94%以下であるか,酸素のサポートを受けている者であった。患者はレムデシビルを10日間投与され、その内訳は、1日目に200mgを静脈内投与し、その後残りの9日間は1日100mgを投与するというものでした。本報告書は、2020年1月25日から2020年3月7日までの期間にレムデシビルの投与を受け、その後の少なくとも1日分の臨床データを有する患者のデータに基づいています。 【結果】レムデシビルの投与を少なくとも1回受けた61名の患者のうち、8名のデータが解析できませんでした(治療後のデータがない7名と投与ミスの1名を含む)。データが解析された53名の患者のうち、22名は米国、22名は欧州またはカナダ、9名は日本に在住していました。ベースラインでは、30名(57%)の患者が人工呼吸を受けており、4名(8%)の患者が体外式膜酸素療法を受けていました。中央値18日の追跡期間中、36人(68%)の患者で酸素サポートクラスが改善し、そのうち機械的換気を受けていた30人(57%)の患者のうち17人が抜管された。死亡率は、人工呼吸を受けている患者では18%(34人中6人)、人工呼吸を受けていない患者では5%(19人中1人)であった。 【結論】重症のCovid-19で入院し、思いやりのある使い方をしたレムデシビルで治療を受けたこのコホートでは、53人中36人(68%)に臨床的改善が認められた。有効性の測定には、レムデシビル療法に関する継続的な無作為化プラセボ対照試験が必要である。(Gilead Sciences社より資金提供を受けています。) 第一人者の医師による解説 速報として捉える必要あるが 重症COVID-19にレムデシビルは光明となりうる 葉 季久雄 平塚市民病院救急科・救急外科部長 MMJ.August 2020;16(4) 2019年12月に中国・武漢で報告されて以来、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は今や世界的な脅威となっている。2020年2月ごろの日本のCOVID-19 治療最前線では、日日に呼吸状態が増悪していく重症COVID-19患者を我々は目の当たりにしていた。確立された治療薬がない中、数少ない論文を拠り所に、他疾患で承認済みの薬剤を臨床試用していた。そのような状況で、重症治療にあたっていた医師が求めていたものは、今、目の前で苦しんでいる患者を治すための治療薬、すなわち抗ウイルス薬であった。 レムデシビル(remdesivir)はエボラ出血熱の治療薬として開発されたウイルスRNAポリメラーゼ阻害薬である。エボラ出血熱に対してはより有効な薬剤が開発されたため、レムデシビルは全世界で未承認の薬剤であった。レムデシビルはin vitroにおいてコロナウイルスを含む1本鎖RNAウイルスに活性を示すことが知られている。中国からの報告では、in vitroにおいてSARS-CoV-2に対しても強い活性を示していたため、このパンデミック下における治療薬として再び注目された。 本論文は、人道的見地から治療目的に提供されたレムデシビルの重症COVID-19患者に対するコホート研究の報告である。対象となったのは、SARSCoV-2への感染が確認され、室内気で酸素飽和度が94%以下であるか酸素療法中の入院患者で、レムデシビルは10日間連日投与(1日目200 mg、2~10日目100mg)された。評価項目は、酸素療法必要度、転帰であった。本研究では対照群がないため、レムデシビルがCOVID-19に有効であるか否かを明らかにすることは不可能であり、本論文を解釈する際は、速報として結果を捉える必要がある。 データが解析された患者53 人のうち、中央値18日間のフォローアップ中に、68 %(36 /53) で酸素療法の状況が改善した。その一方で、15%(8 /53)は増悪した。改善の具体例としては、57%(17 /30)の患者で抜管することができ、体外式膜型人工肺(ECMO)が導入された患者4人のうち3人において離脱することができた。転帰は47 %(25 /53)が退院、13 %(7 /53)が死亡した。死亡率は人工呼吸器で管理された患者で18%(6 /34)、人工呼吸器で管理がされなかった患者で5%(1/19)であった。 本研究は、この後に続くランダム化比較試験(RCT)へのイントロダクションである。そのRCTの結果ならびに米食品医薬品局(FDA)の緊急時使用許可を踏まえて、レムデシビルは日本において重症COVID-19に対する治療薬(ベクルリー®)として特例承認された。本研究は、重症COVID-19患者に対するレムデシビルの有効性に、最初に光を当てた研究である。
医療者における新型ウイルス感染の心理的影響の発生、予防および管理:迅速レビューとメタ分析
医療者における新型ウイルス感染の心理的影響の発生、予防および管理:迅速レビューとメタ分析
Occurrence, prevention, and management of the psychological effects of emerging virus outbreaks on healthcare workers: rapid review and meta-analysis BMJ. 2020 May 5;369:m1642. doi: 10.1136/bmj.m1642. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 目的: 新型ウイルスの感染を管理して働く医療者の心理およびストレスと精神的苦痛への有効な対策を調査することを目的としました。 デザイン: 迅速レビューとメタ分析 データソース: Cochrane Central Register of Controlled Trials、PubMed / Medline、PsycInfo、Scopus、Web of Science、Embase、およびGoogle Scholarについて、2020年3月下旬まで検索しました。 研究選択の適格性基準: あらゆる臨床環境下で新型ウイルス感染が発生した際に、患者を診療している医療スタッフの心理的反応を調べた研究で、他の医師または一般集団との比較の有無は問わないこととしました。 結果: 59件の論文が選択基準を満たしました:37件は重症急性呼吸器症候群(SARS)、8件はコロナウイルス2019感染(covid-19)、7件は中東呼吸器症候群(MERS)、3件はエボラウイルス感染とインフルエンザA(H1N1/H7N9)でした。感染患者と直接接触した医療従事者の心理的結果を比較した38の研究のうち、25は、曝露のリスクが高い医療者と低い医療者を比較するペアワイズメタアナリシスが可能なデータを含んでいました。低リスクの医療者と比較して、感染患者と接触している医療者は、急性または心的外傷後ストレス(オッズ比1.71、95%信頼区間1.28-2.29)および心理的苦痛(1.74、1.50-2.03)の両方を受けているレベルが高く、継続調査においても同様の結果が得られました。これらの調査結果は、メタアナリシスに含まれていない他の研究と同様でした。心理的苦痛の危険因子には、若い、経験が浅い、扶養児童の親である、または感染した家族がいることが挙げられました。隔離期間の長期化、実際的なサポートの欠如、およびスティグマも影響していました。明確なコミュニケーション、適切な個人的保護、適切な休息、そして実践的および心理的サポートの両方が医療者のストレス/心理的苦痛状態の改善と関連していました。 結論: 新興感染症の発生時に患者を診る医療者が経験する心理的苦痛を軽減するのに役立つ効果的な介入があります。これらの介入は、本レビューでカバーしたアウトブレイクの設定やタイプを問わず、類似しており、現在のcovid-19アウトブレイクに適用できる可能性があります。 利益相反: すべての著者は、www.icmje.org / coi_disclosure.pdfにあるICMJE統一開示フォームに記入し、以下ように宣言しています。報告された研究に対していかなる組織からのサポートも受けていません。過去3年間に提出された研究に関心を持つ可能性のある組織との金銭的関係はありません。提出された研究に影響を与えたと思われる他の関連性や活動はありません。 第一人者の医師による解説 レビュー対象の59文献での負担軽減策はほぼ共通 COVID-19にも応用可能か 秋根 大(助教)/小川 真規(教授) 自治医科大学保健センター MMJ. October 2020; 16 (5):144 未知の感染症に遭遇する時、医療従事者はさまざまな葛藤に悩まされる。自分や身近な人への感染リスクが頭をよぎると、冷静な判断が難しくなる。社会からの過度な期待を受け、医学的には妥当でない判断を半ば強要されることさえある。資源は無限にあるわけではないのに。  本論文は、過去の感染症アウトブレイクと今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行期における医療従事者の心理的負担とその対応方法について、迅速にエビデンスを公表するために、フォーカスを絞り込んで系統的レビューの一部のステップを省略・簡略化したrapid review、およびメタ解析で検討している。対象は新興ウイルス感染症に対峙した医療従事者の心理的側面について記載した文献59件(8件はCOVID-19関連)。感染患者の治療に従事したスタッフは感染リスクの低い対照群に比べ、急性または心的外傷後ストレスおよび心理的苦痛のレベルが高かった。心理的負担(distress)の増悪因子として、スタッフの年齢が若い、経験が浅い、育児中である、隔離されている、家族が感染している、職場からの実務的サポートがない、医療従事者への社会的偏見などが挙げられている。一方、心理的負担の緩和因子として、明確なコミュニケーション、十分な個人防護具、十分な休養、実務的・精神的サポートなどが挙げられている。事業者が医療従事者の心理的負担を和らげるために、特に推奨される対処法として以下を提案している:①明確なコミュニケーションを行う、②感染症領域の研修や教育の機会を提供する、③感染防止対策を強化する、④十分に個人防護具を準備する、⑤心理面でのサポートを提供する。レビュー対象の59文献は背景や病原体がさまざまであったにも関わらず、これらの対策はおおむね共通していたことから、今回のCOVID-19流行にも応用可能ではないかと著者らは述べている。  最近、COVID-19に関連した医療従事者の燃え尽き症候群に関する研究が日本からも報告された(1)。職種別の燃え尽き症候群のリスクは医師が最も低く、その理由として、医師は看護師、薬剤師、放射線技師と比べて職業上の裁量が大きいことが考えられるとしている。その他のリスクとして、経験年数が短いこと、睡眠時間の減少、仕事量を減らしたいという欲求、感謝や尊敬を期待していることが挙げられている。今回紹介した論文と併せて国内の現状を示すものの1つとして提示した。 1. Matsuo T, et al. JAMA Netw Open. 2020;3(8):e2017271.
フランス・パリのCOVID-19大流行下に見られる小児の川崎病様多臓器系炎症性疾患 前向き観察研究
フランス・パリのCOVID-19大流行下に見られる小児の川崎病様多臓器系炎症性疾患 前向き観察研究
Kawasaki-like multisystem inflammatory syndrome in children during the covid-19 pandemic in Paris, France: prospective observational study BMJ . 2020 Jun 3;369:m2094. doi: 10.1136/bmj.m2094. 原文をBibgraph(ビブグラフ)で読む 上記論文の日本語要約 【目的】川崎病様多臓器系炎症性疾患の集団発生に見舞われた小児および青少年の特徴を明らかにし、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)との一時的な関連の可能性を評価すること。 【デザイン】前向き観察研究。 【設定】フランス・パリの大学病院一般小児病棟。 【参加者】2020年4月27日から5月11日の間に入院し、同年5月15日までに退院するまで経過観察した川崎病の特徴を有する小児および青少年21例(18歳以下)。 【主要評価項目】主要評価項目は、臨床的・生物学的データ、画像および心エコーの所見、治療および転帰とした。RT-PCRを用いて鼻咽頭ぬぐい液のSARS-CoV-2の有無を調べる検査を前向きに実施し、血液検体でウイルスに対するIgG抗体を調べた。 【結果】15日間の間に、小児および青少年21例(年齢中央値7.9[範囲3.7-16.6]歳)が川崎病の症状を呈し、入院した。12例(57%)がアフリカ系であった。12例(57%)が川崎病ショック症候群、16例(76%)が心筋炎を来した。17例(81%)が集中治療を要した。全21例に疾患早期の顕著な消化器症状と炎症マーカー高値が見られた。19例(90%)に、SARS-CoV-2に感染して間もない根拠があった(21例のうち8例がRT-PCR検査陽性、19例からIgG抗体検出)。全21例に免疫グロブリン製剤を静注し、10例(48%)にはステロイド薬も投与した。臨床転帰は全例が良好だった。入院中、5例(24%)に中等度の冠動脈拡張が見られた。5月15日までに、8(5-17)日間の入院後、全例が退院した。 【結論】パリの小児および青少年の間で現在も続く川崎病様多臓器系炎症性疾患の集団発生には、SARS-CoV-2との関連があると思われる。この研究では、この症状が見られる小児および青少年の間で消化器症状、川崎病ショック症候群の割合が非常に高く、その多くがアフリカ系であった。 第一人者の医師による解説 小児ではCOVID-19感染後1 ~ 2カ月間は 川崎病の症状に注意すべき 三浦 大 東京都立小児総合医療センター副院長 MMJ. December 2020;16(6):164 本論文は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染症(COVID-19)流行時に、川崎病類似の多臓器系炎症症候群の小児が多数発生したというフランスからの報告である。COVID-19に伴う多臓器系炎症症候群は、日本では皆無だが欧米で報告が相次ぎ、欧州ではPIMS-TS、米国ではMIS-Cと略され、一部は川崎病ショック症候群(KDSS)とオーバーラップする。  著者らは、パリの 大学病院小児科に2020年4~5月に中央値8日間入院し、川崎病の診断基準を満たした小児21人を調査した。年齢は中央値7.9歳、12人は女児で、12人(57%)はアフリカ系であった。12人(57%)はKDSS、16人(76%)は心筋炎を伴い、17人(81%)が集中治療を要した。21人全例が顕著な胃腸症状と高度の炎症反応を示し、免疫グロブリン静脈療法(IVIG)を受け、10人(48%)はステロイドも投与された。全例が良好に回復したが、中等度冠動脈瘤が5人(24%)に検出された。  SARS-CoV-2に関して、PCR陽性8人、IgG抗体陽性19人と計19人(90%)で最近の感染が証明された。川崎病発症と咳・鼻汁・発熱などウイルス感染症状との間隔は中央値で45日間(9人)、SARS-CoV-2疑い症状のあった家族との接触との間隔は36日間であった(5人)。SARS-CoV-2感染の1~2カ月後に発症するという時間的経過はPIMS-TSの報告と一致し、ウイルス感染後の免疫反応が川崎病様の症状を引き起こしたと推測される。  本報告例では、アフリカ系、年長児、女児に好発し、胃腸症状、ショック、心機能低下、炎症反応異常高値を多く認め、IVIG不応率、冠動脈瘤合併率、集中治療を要した割合が高かった。このような特徴はPIMS-TSやKDSSと同様で、アジア人、乳幼児、男児に多い典型的な川崎病と異なる。その理由は不明であるが、人種による遺伝的免疫応答の相違である可能性があり、今後の研究テーマである。  当院で調査した日本の小児のデータを紹介する(1)。2020年3 ~ 5月に入院した川崎病患児14人における抗SARS-CoV-2抗体検査でIgG陽性は1人のみであった。この陽性例は1歳の男児で(2)、母親からのCOVID-19に感染後60日目に再入院し、川崎病の診断でIVIG+ステロイド併用療法を受け、冠動脈瘤なく軽快した。KDSSの症状はなかったが、SARS-CoV-2と川崎病との関連が示唆され、調べ得た範囲では日本初の症例である。  世界的にはCOVID-19流行は収まっておらず、アフリカ系の住民が多い地域では、胃腸症状や血行動態が不安定な川崎病様の症状を呈する小児に注意が必要である、と著者らは述べている。日本ではまれであるが、COVID-19感染後、1~2カ月間は発熱など川崎病の症状に気をつけるべきと考える。 1. Iio K, et al. Acta Paediatr. 2020 Aug 16:10.1111/apa.15535. 2. Uda K, et al. Pediatr Intern. 2020 (in press). # #編集部対応:最新状況を反映する
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.12(2022年8月11日号)
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慢性腰痛を軽減する最良の運動オプションとは~RCTのネットワークメタ解析 成人(18~65歳)の慢性腰痛患者における痛みと障害を軽減するために最適な運動は何かを検討するため、2021年7月までに公表された研究を6つの電子データベースより系統的に検索し、適格条件を満たした118件のRCT(9,710人)を含むネットワークメタ解析を実施した。The Journal of Orthopaedic and Sports Physical Therapy誌2022年8月号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む AHAが新たな心血管健康状態の評価指標『Life’s Essential 8』を発表 2010年、米国心臓協会(AHA)は、疾患治療のみに焦点を当てるのではなく、集団および個人のライフコースにわたる積極的な健康増進と維持を含むパラダイムシフトを促進するため、心血管の健康という新しい概念を定義した。この度、最新のエビデンスを受け定義の更新が行われ、新たな指標として『Life’s Essential 8』が発表された。Circulation誌2022年8月2日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 寒冷による抗腫瘍効果を確認 グルコースの取り込みは、がん細胞の解糖に必須であり、脂肪組織の非ふるえ熱産生に関与しているといわれている。寒冷や薬物による褐色脂肪組織(BAT)の発熱性代謝の活性化は、脂肪細胞における血糖の取り込みを促進する。しかし、BAT活性化に関連する全体的な代謝変化が腫瘍増殖に及ぼす機能的影響はよくわかっていなかった。著者らは、担がんマウスを寒冷条件に曝し、寒冷の抗腫瘍効果を評価した。Nature誌オンライン版2022年8月3日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む COVID-19後遺症の有病率や症状は? COVID-19感染から回復した患者では、その後もさまざまな症状に悩まされているケースは少なくない。本研究は、COVID-19に関連する長期症状の特徴、有病率、重症度を分析した初めての報告である。Lancet誌2022年8月6日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 日本におけるCOVID-19ワクチンの有効性:デルタ流行期とオミクロン流行期の比較(FASCINATE研究) デルタ流行期(2021年8月~9月)およびオミクロン流行期(2022年1月~3月)における、SARS-CoV-2感染に対するワクチンの有効性を検証するため、日本の医療機関16施設による多施設共同の診断陰性例コントロール試験(FASCINATE研究)が実施された。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2022年8月3日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.11(2022年8月4日号) サル痘の臨床的特徴~最新症例報告 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号) 小児におけるオミクロンに対するファイザー社製COVID-19ワクチンの有効性 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.9(2022年7月21日号) 慢性便秘症に効果的な食物繊維摂取量は?:RCTの系統的レビュー&メタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号) COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
血液内科 Journal Check Vol.15(2022年8月16日号)
血液内科 Journal Check Vol.15(2022年8月16日号)
再発難治性多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法後100日間の血球減少症および感染症 再発難治性多発性骨髄腫の治療薬として承認されたCAR-T細胞療法イデカブタゲン ビクルユーセル(ide-cel)。本試験では、標準治療においてide-cel治療を行った患者52例を対象に、治療開始100日以内の血球減少症および感染症の特徴を明らかにするため、多施設共同レトロスペクティブ研究を実施し、その結果が報告された。【Blood Advances誌オンライン版8月8日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む COVID-19患者に対する抗ウイルス薬併用時の免疫抑制薬の治療薬物モニタリングと投与量調整 COVID-19に対する抗ウイルス薬ニルマトレルビル/リトナビルと免疫抑制薬の併用では、薬物代謝酵素CYP3Aの関与が大きいことから、免疫抑制薬の投与量調整が求められる。本研究では、免疫抑制薬の治療薬物モニタリングおよび投与量調整に関する推奨事項が報告された。【Therapeutic Drug Monitoring誌オンライン版8月9日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 臍帯血移植を受けた寛解期AML患者におけるFlu/Bu4/Melコンディショニングレジメンの有効性と安全性 愛知医科大学の水野 昌平先生らは、臍帯血移植を受けた寛解期の急性骨髄性白血病(AML)患者に対するシクロホスファミドおよび全身照射ベースの骨髄破壊的前処置と比較したフルダラビン+ブスルファン+メルファラン(Flu/Bu4/Mel)の有効性および安全性を調査した。【Transplantation and Cellular Therapy誌オンライン版7月31日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む CD5陽性DLBCL患者における予後栄養指数(PNI)による予後予測 CD5陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL) の予後に対する予後栄養指数(PNI)の影響を明らかにするため、CD5陽性DLBCL患者207例を対象とした多施設共同レトロスペクティブ研究が実施された。【Cancer誌オンライン版8月6日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む KRdまたはERd療法を実施した再発難治性多発性骨髄腫患者のOSとPFS カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(KRd療法)またはエロツズマブ+レナリドミド+デキサメタゾン(ERd療法)で治療を行った再発難治性多発性骨髄腫患者919例(臨床研究を除く)を対象に、実臨床下における全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の分析が行われた。【Frontiers in Oncology誌7月18日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.14(2022年8月9日号) 再発難治性慢性リンパ性白血病に対するベネトクラクス+イブルチニブによる微小残存病変陰性反応 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.13(2022年8月2日号) 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するPola-BR療法による長期生存率 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.12(2022年7月26日号) 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する4つの新規薬剤による全生存期間の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.11(2022年7月19日号) 未治療のステージIII、IV期の古典的ホジキンリンパ腫患者に対するA+AVD療法~ECHELON-1試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.10(2022年7月12日号) 未治療のiNHL、MCL、rrDLBCLに対するベンダムスチンの有用性~第I/II相試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.9(2022年7月5日号) LBCLのセカンドライン治療、CAR-T細胞療法はASCTにとってかわるか ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.8(2022年6月28日号) DLBCLに対するR-CHOP療法、10年後の臨床転帰は ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号) 再発難治性LBCLのセカンドライン治療におけるliso-celに有用性~TRANSFORM試験中間報告 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号) 再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.13(2022年8月18日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.13(2022年8月18日号)
運動後の摂取はゆで卵、生卵どちらの摂取が有用か? 卵タンパク質は、運動後の筋タンパク質合成率の上昇を促進するため、運動からの回復期に摂取することにより、運動トレーニングに対する骨格筋の適応反応をサポートする。これまで、運動後の筋タンパク質合成に対する卵タンパク質の調理の影響は不明であった。本研究では、運動後の回復期にゆで卵または生卵を摂取した場合の食後の筋原線維タンパク質合成率への影響を比較した。The Journal of Nutrition誌オンライン版2022年8月9日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む COVID-19疾患感受性遺伝子DOCK2の重症化機序とは~日本人集団大規模ゲノム分析 COVID-19の重症化の要因を宿主遺伝学的に明らかにすることは、新たな課題の1つである。「コロナ制圧タスクフォース」は、日本全国100以上の医療機関が参加し、2022年7月末時点で6,000人以上のCOVID-19患者の協力を得て、日本人集団大規模ゲノム分析を実施した。Nature誌オンライン版2022年8月8日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む なぜ、若年層での脳卒中発症率が上昇しているのか いくつかの研究では,若年層(55歳未満)での脳卒中発症率の増加が報告されているが、多くの場合、行政データにのみ依存しており、詳細な検討が不十分であった。2002年4月~2018年3月に英国オックスフォードシャー(平均人口:9万4,567人)を対象に、前向き人口ベースの発症率調査が実施された。JAMA誌2022年8月9日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 身体活動が変形性膝関節症に及ぼす影響 2005年~20年に英語で発表された原著論文(レビュー論文)に限定し、身体活動が変形性膝関節症の構造的進行にどのように関連するかについての一次エビデンスをまとめたナラティブレビュー、システマティックレビューおよびメタ解析が行われ、その概要が報告された。European Journal of Rheumatology誌オンライン版2022年8月9日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 抗血栓療法の周術期管理~米国胸部疾患学会臨床実践ガイドライン 抗血栓療法の周術期管理に関する米国胸部疾患学会の臨床実践ガイドラインは、長期経口抗凝固療法または抗血小板療法を受けている患者で、選択的手術/処置を必要とする患者の周術期管理に関する43項目の患者・介入・比較対象・結果(PICO)の質問に対処するために作成されている。本ガイドラインの概要が紹介された。Chest誌オンライン版2022年8月10日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.12(2022年8月11日号) 慢性腰痛を軽減する最良の運動オプションとは~RCTのネットワークメタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.11(2022年8月4日号) サル痘の臨床的特徴~最新症例報告 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号) 小児におけるオミクロンに対するファイザー社製COVID-19ワクチンの有効性 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.9(2022年7月21日号) 慢性便秘症に効果的な食物繊維摂取量は?:RCTの系統的レビュー&メタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号) COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.14(2022年8月25日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.14(2022年8月25日号)
ゼロカロリー甘味料は、耐糖能に影響を及ぼさないのか? 日常の食事中に含まれる非栄養性甘味料(NNS:いわゆるゼロカロリー甘味料)は、不活性であると考えられている。しかし、動物実験によると、NNSが微生物叢や血糖反応に影響を及ぼす可能性が示唆されている。本研究では、甘味料であるサッカリン、スクラロース、アスパルテーム、ステビアがヒトの腸内細菌や耐糖能に及ぼす影響を評価するため、健康成人120人を対象とした無作為化対照試験を実施した。Cell誌オンライン版2022年8月17日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 世界のがん負荷に影響するリスク因子は~世界疾病負担研究2019 潜在的に修正可能なリスク因子に起因するがん負担の大きさを理解することは、効果的な予防および緩和戦略の開発にとって極めて重要である。著者らは、Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study(GBD)2019の結果を分析し、世界的ながん対策計画の取り組みに関する情報を報告した。Lancet誌2022年8月20日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む COVID-19感染後の神経精神医学的な後遺症リスク~100万人超のレトロスペクティブコホート研究 COVID-19は、その後数週~数ヵ月間の神経学的および精神医学的な後遺症リスクの増加と関連している。これらのリスクがいつまで続くのか、小児と成人で同様の影響を及ぼすのか、SARS-CoV-2亜型のリスクプロファイルに違いがあるのかを明らかにするため、2年間の後向きコホート研究が実施された。The lancet. Psychiatry誌オンライン版2022年8月17日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 母親の「声」は早産児の経口栄養摂取を改善するか 妊娠28~34週で出生した乳児を対象に、前向き非盲検2施設介入試験が行われた。乳児は1日2回、経口栄養を試みる前に20分間母親の声を聞かせ、その後の経口栄養摂取の割合との関連を調査した。Journal of Perinatology誌オンライン版2022年8月18日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 若返り効果が期待されるGlyNAC補給で、老化は改善するか? 酸化ストレスの上昇、ミトコンドリア機能障害、老化の特徴は、老化の重要な因子として特定されているが、高齢者においてこれらの欠陥を改善/回復させることは困難である。先行研究では、グリシンとN-アセチルシステイン(GlyNAC)を投与した高齢マウスにおいて老化の改善が報告されいる。ヒトにおいても同様の効果が得られるかを検討するための無作為化臨床試験が行われた。The Journals of Gerontology誌オンライン版2022年8月17日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.13(2022年8月18日号) 運動後の摂取はゆで卵、生卵どちらの摂取が有用か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.12(2022年8月11日号) 慢性腰痛を軽減する最良の運動オプションとは~RCTのネットワークメタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.11(2022年8月4日号) サル痘の臨床的特徴~最新症例報告 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号) 小児におけるオミクロンに対するファイザー社製COVID-19ワクチンの有効性 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.9(2022年7月21日号) 慢性便秘症に効果的な食物繊維摂取量は?:RCTの系統的レビュー&メタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号) COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
血液内科 Journal Check Vol.17(2022年8月30日号)
血液内科 Journal Check Vol.17(2022年8月30日号)
CLL患者におけるCOVID-19重症度と血栓症・出血リスク~ERICの研究 慢性リンパ性白血病(CLL)患者は、高齢、併存疾患、疾患や治療に関連する免疫不全のため、血栓症や死亡などのCOVID-19関連のアウトカム不良につながる可能性がある。本研究では、重度のCOVID-19の影響を受けたCLL患者における血栓症と出血リスクを評価した。【Journal of Hematology & Oncology誌2022年8月26日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 現代の多発性骨髄腫治療における心血管合併症 2015年、多発性骨髄腫の新たな治療薬としてFDAより承認されたエロツズマブ、イキサゾミブ、ダラツムマブ、パノビノスタットの実臨床における心血管系の有害事象を明らかにするため、FDA有害事象報告システムのデータを分析した。【British Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2022年8月22日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 同種造血幹細胞移植後の再発に対するペムブロリズマブの有用性 同種造血幹細胞移植後の抗PD-1抗体による治療は、重度のGVHDを発生させる可能性が示唆されている。そこで、同種造血幹細胞移植後の再発患者に対するペムブロリズマブの安全性、有効性を評価するため、プロスペクティブ研究が行われた。【Blood Advances誌オンライン版2022年8月16日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 再発難治性CLLにおけるベンダムスチンデバルキング後のオビヌツズマブ+アカラブルチニブ+ベネトクラクス療法~第II相試験 再発難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)患者を対象に、ベンダムスチンによるデバルキング後の3剤併用療法(オビヌツズマブ+アカラブルチニブ+ベネトクラクス)を評価した多施設共同非盲検第II相試験が実施された。【The Lancet. Haematology誌オンライン版2022年8月18日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む DLBCL患者の生存率に対するスタチンの影響~メタ解析 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の生存率に対するスタチンの影響を評価したこれまでの研究では、一貫した結果が得られていない。本システマティックレビューおよびメタ解析では、スタチン使用がDLBCL患者の生存率と相関するかを検討した。【International Journal of Clinical Practice誌2022年7月30日号の報告】 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.16(2022年8月23日号) 再発難治性多発性骨髄腫に対するE-Pd療法の全生存期間分析~ランダム化第II相ELOQUENT-3試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.15(2022年8月16日号) 再発難治性多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法後100日間の血球減少症および感染症 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.14(2022年8月9日号) 再発難治性慢性リンパ性白血病に対するベネトクラクス+イブルチニブによる微小残存病変陰性反応 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.13(2022年8月2日号) 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するPola-BR療法による長期生存率 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.12(2022年7月26日号) 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する4つの新規薬剤による全生存期間の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.11(2022年7月19日号) 未治療のステージIII、IV期の古典的ホジキンリンパ腫患者に対するA+AVD療法~ECHELON-1試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.10(2022年7月12日号) 未治療のiNHL、MCL、rrDLBCLに対するベンダムスチンの有用性~第I/II相試験 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.9(2022年7月5日号) LBCLのセカンドライン治療、CAR-T細胞療法はASCTにとってかわるか ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.8(2022年6月28日号) DLBCLに対するR-CHOP療法、10年後の臨床転帰は ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号) 再発難治性LBCLのセカンドライン治療におけるliso-celに有用性~TRANSFORM試験中間報告 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号) 再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.15(2022年9月1日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.15(2022年9月1日号)
顔が似ていると、遺伝情報も似ている!? 人間の顔は、個人としてのアイデンティティを示す最も顕著な特徴の一つである。著者らは、顔認識アルゴリズムによって「そっくりさん」と定義されたの人の遺伝子に類似点があるかを調査した。Cell Reports誌2022年8月23日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 女性の潮吹きの可視化 潮吹きとは、オーガズムの前または最中に膣前壁を刺激した際に、女性の尿道から液体が不随意に排出されることである。しかし、潮吹きの根底にあるメカニズムは確立されていなかった。岡山・みやびウロギネクリニックの井上 雅先生らは、潮吹きのメカニズムを解明するため、研究結果を報告した。International Journal of Urology誌2022年8月24日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 定期的な身体活動はCOVID-19の感染や重症化に影響するか~メタ解析 成人における身体活動とSARS-CoV-2の感染、入院、重症化、死亡リスクとの関連を明らかにするため、系統的レビューにより抽出された16研究(185万3,610人)についてメタ解析を実施した。British Journal of Sports Medicine誌オンライン版2022年8月22日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む フレイル患者にもダパグリフロジンは有効か~DELIVER試験 フレイルの有病率は増加しており、フレイル患者はベネフィット/リスク プロファイルがあまり好ましくないため、新しい薬理学的治療を受ける可能性が低くなることが少なくない。本研究は、駆出率が軽度に低下し、その状態が持続している心不全患者を対象に、フレイルの状態に応じたSGLT2阻害薬ダパグリフロジン(製品名:フォシーガ)の有効性と忍容性を検討したDELIVER試験である。Circulation誌オンライン版2022年8月27日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 睡眠時の呼吸信号を用いた、AIによるパーキンソン病の検出と評価 現在、パーキンソン病の診断や進行の追跡のための有効なバイオマーカーは存在しない。著者らは、夜間の呼吸信号からパーキンソン病を検出し、その進行度を追跡する人工知能(AI)モデルを開発し、米国の複数の医療機関および公共なデータセットからの得られた7,671人の大規模データセットを用いて評価を行った。Nature Medicine誌オンライン版2022年8月22日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.14(2022年8月25日号) ゼロカロリー甘味料は、耐糖能に影響を及ぼさないのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.13(2022年8月18日号) 運動後の摂取はゆで卵、生卵どちらの摂取が有用か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.12(2022年8月11日号) 慢性腰痛を軽減する最良の運動オプションとは~RCTのネットワークメタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.11(2022年8月4日号) サル痘の臨床的特徴~最新症例報告 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号) 小児におけるオミクロンに対するファイザー社製COVID-19ワクチンの有効性 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.9(2022年7月21日号) 慢性便秘症に効果的な食物繊維摂取量は?:RCTの系統的レビュー&メタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号) COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.16(2022年9月8日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.16(2022年9月8日号)
長生きできる紅茶の摂取量は? 紅茶の消費と全死因死亡率および原因別死亡率およびカフェイン代謝における遺伝的変異による潜在的な効果の変化との関連性を評価することを目的に、40~69 歳までの49万8,043人を対象とした前向きコホート研究が実施された(フォローアップ期間中央値:11.2年)。Annals of Internal Medicine誌オンライン版2022年8月30日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む より効果的な筋力トレーニングを実践するためには 筋力トレーニング(レジスタンストレーニング:RT)に対する反応の個人差に影響を与える要因については、まだ十分に解明されていない。著者らは、RTによる筋肥大に対する衛星細胞反応に骨格筋の毛細血管形成が重要であることを提唱し、有酸素運動(エアロビック コンディショニング)がRTによる適応を増強すると仮定し、検証を行った。FASEB Journal誌2022年9月号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 駆出率が維持または軽度に低下している心不全患者にもSGLT-2阻害剤は有効か~5 つのランダム化比較試験のメタ解析 駆出率が低下した心不全患者を治療するためのガイドラインでは、SGLT2阻害剤が強く推奨されているが、駆出率がある程度で維持されている場合の臨床的利点は十分に確立されていない。駆出率が維持または軽度に低下している心不全患者にもSGLT-2阻害剤は有用なのかを明らかにするため、心血管死亡率および患者サブグループにおける治療効果について、5つのランダム化比較試験の包括的なメタ解析が行われた。Lancet誌2022年9月3日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 2つのCOVID-19経口薬で入院および死亡の減少効果に違いはあるか COVID-19外来患者のリアルワールドコホートにおいて、モルヌピラビル(ラゲブリオ®)とニルマトルビル/リトナビル(パキロビッド®)の入院および死亡の減少効果を検討した。香港におけるレトロスペクティブコホート研究であり、2022年2月16日~3月31日の間に指定外来診療所に通院したCOVID-19外来患者を特定し、分析を行った。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2022年8月29日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む COVID-19後遺症に、漢方薬は効くか? COVID-19後遺症への対処法については、さまざまな議論がなされており、確立した治療方法は明らかとなっていない。果たして、COVID-19後遺症に漢方薬は有用なのであろうか。香港の公立病院から退院した150例を対象に、漢方薬治療の効果検証が行われた。Chinese Medicine氏8月22日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.15(2022年9月1日号) ゼロカロリー甘味料は、耐糖能に影響を及ぼさないのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.14(2022年8月25日号) ゼロカロリー甘味料は、耐糖能に影響を及ぼさないのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.13(2022年8月18日号) 運動後の摂取はゆで卵、生卵どちらの摂取が有用か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.12(2022年8月11日号) 慢性腰痛を軽減する最良の運動オプションとは~RCTのネットワークメタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.11(2022年8月4日号) サル痘の臨床的特徴~最新症例報告 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号) 小児におけるオミクロンに対するファイザー社製COVID-19ワクチンの有効性 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.9(2022年7月21日号) 慢性便秘症に効果的な食物繊維摂取量は?:RCTの系統的レビュー&メタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号) COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本