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強力化学療法が適応とならないAML、VEN+AZAはVEN+低用量AraCより優れているのか
公開日:2024年10月8日
Amador-Medina LF, et al. Hematol Transfus Cell Ther. 2024 Sep 23. [Epub ahead of print]
2020年、米国FDAは、VIALE-A研究およびVIALE-C研究の結果に基づき強力化学療法が適応とならない急性骨髄性白血病(AML)の治療に対し、ベネトクラクス(VEN)+アザシチジン(AZA)またはベネトクラクス+低用量シタラビン(AraC)併用療法を承認した。両研究結果発表後、VEN+AZAは、VEN+低用量AraCよりも優れていると考えられてきたが、これらの研究は、VEN+AZA併用療法の優位性を証明するようには設計されていなかった。そのため、メキシコ・グアナファト大学のLauro Fabian Amador-Medina氏らは、強力化学療法が適応とならない新たに診断されたAMLに対するこれら2つのレジメンの全生存期間(OS)、完全寛解(CR)、複合完全寛解(CRc)を明らかにするため、システマティックレビューを実施した。Hematology, Transfusion and Cell Therapy誌オンライン版2024年9月23日号の報告。
PubMed、Web of Scienceデータベースよりレトロスペクティブ研究を検索し、CR、CRc、OSデータを収集した。
主な結果は以下のとおり。
・特定された815件のうち、適格基準を満たした研究は11件(VEN+AZA:10件、VEN+低用量AraC:1件)のみであった。
・OS期間中央値は、VEN+AZAで10.75ヵ月、VEN+低用量AraCで未達(研究発表時点)であった。
・CRcは、VEN+AZAで63.3%、VEN+低用量AraCで90%であった。
・有害事象は、両群で同様であった。
著者らは「VEN+低用量AraCを調査した研究は非常に限られているものの、入手可能なデータに基づくと、強力化学療法が適応とならないAMLに対し、VEN+AZAがVEN+低用量AraCより優れているとは言い切れなかった。そのため、VEN+低用量AraCは依然として選択肢の1つとなりうる」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Amador-Medina LF, et al. Hematol Transfus Cell Ther. 2024 Sep 23. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39366887
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