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血液内科 Journal Check
同種造血幹細胞移植後のシクロホスファミド投与による心血管イベントリスク
公開日:2024年9月26日
Salas MQ, et al. Bone Marrow Transplant. 2024 Sep 14. [Epub ahead of print]
スペイン・Hospital Clinic de BarcelonaのMaria Queralt Salas氏らは、急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に、移植後シクロホスファミドを用いた同種造血幹細胞移植後の心血管イベントの発生率およびその予測因子を調査した。Bone Marrow Transplantation誌オンライン版2024年9月14日号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・対象は、AML患者453例。 ・心血管イベントの発生率は12.3%(57例)、発生までの中央値は52日(IQR:13〜289)、100日時点での累積発生率は7.7%、5年間の累積発生率は13.5%であった。 ・早期(100日以内)発生率は7.7%、後期発生率は4.8%。 ・最も多かった心血管イベントは、心不全(31.6%、18例)であり、次いで心膜合併症(28.1%、16例)、不整脈(24.6%、14例)であった。 ・心血管イベントが発生した患者は、55歳以上(64.9% vs. 46.1%、p=0.010)、高血圧(36.8% vs. 18.4%、p=0.001)、脂質異常症(28.1% vs. 11.1%、p=0.001)の割合が高かった。 ・ハプロ移植の患者では、心血管イベントが多くなる傾向が認められた(68.4% vs. 56.8%、p=0.083)。 ・多変量回帰分析では、心血管イベントの予測因子として高血圧(HR:1.88、p=0.036)、脂質異常症(HR:2.20、p=0.018)が挙げられた。ドナーの種類により、差は認められなかった(ハプロ移植 vs. その他のHR:1.33、p=0.323)。 ・心血管イベントが発生した患者57例の死亡率は、12.2%であった。 ・とくに、心血管イベントの発生は、非再発死亡率(HR:2.57、p=0.011)や全生存期間(HR:1.80、p=0.009)に悪影響を及ぼすことが示唆された。
著者らは「AML患者に対する移植後シクロホスファミドを用いた同種造血幹細胞移植後には、これらの合併症を抑制するため、心血管イベントのリスク因子を積極的に治療し、移植後の心臓モニタリングを実施する必要性が示唆された」としている。
主な結果は以下のとおり。
・対象は、AML患者453例。 ・心血管イベントの発生率は12.3%(57例)、発生までの中央値は52日(IQR:13〜289)、100日時点での累積発生率は7.7%、5年間の累積発生率は13.5%であった。 ・早期(100日以内)発生率は7.7%、後期発生率は4.8%。 ・最も多かった心血管イベントは、心不全(31.6%、18例)であり、次いで心膜合併症(28.1%、16例)、不整脈(24.6%、14例)であった。 ・心血管イベントが発生した患者は、55歳以上(64.9% vs. 46.1%、p=0.010)、高血圧(36.8% vs. 18.4%、p=0.001)、脂質異常症(28.1% vs. 11.1%、p=0.001)の割合が高かった。 ・ハプロ移植の患者では、心血管イベントが多くなる傾向が認められた(68.4% vs. 56.8%、p=0.083)。 ・多変量回帰分析では、心血管イベントの予測因子として高血圧(HR:1.88、p=0.036)、脂質異常症(HR:2.20、p=0.018)が挙げられた。ドナーの種類により、差は認められなかった(ハプロ移植 vs. その他のHR:1.33、p=0.323)。 ・心血管イベントが発生した患者57例の死亡率は、12.2%であった。 ・とくに、心血管イベントの発生は、非再発死亡率(HR:2.57、p=0.011)や全生存期間(HR:1.80、p=0.009)に悪影響を及ぼすことが示唆された。
著者らは「AML患者に対する移植後シクロホスファミドを用いた同種造血幹細胞移植後には、これらの合併症を抑制するため、心血管イベントのリスク因子を積極的に治療し、移植後の心臓モニタリングを実施する必要性が示唆された」としている。
(エクスメディオ 鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Salas MQ, et al. Bone Marrow Transplant. 2024 Sep 14. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39277653
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