ヒポクラ × マイナビ スタッフによる医師へのインタビュー記事を掲載しております

『赤血球形態から推測される血液疾患』教科書には書いていない血球の目視分類解説⑤
『赤血球形態から推測される血液疾患』教科書には書いていない血球の目視分類解説⑤
今回の企画では、血液内科専門医の先生方が知っておきたい、けど教科書には載っていない…そんな血球の目視分類のポイントについて、国立病院機構九州がんセンター 臨床検査科技師長 牟田 正一先生 に解説いただき、その解説の中で気になるポイントを 大阪国際がんセンター 血液内科副部長 藤 重夫先生 にお伺いしました!第5回目は、『赤血球形態から推測される血液疾患』についてです。 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):検査値上のポイント 今回のシリーズの最後のテーマとして、赤血球形態から推測される血液疾患について解説させて頂きます。このような疾患のひとつとして、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)があります。スライドにはTTPの症例の検査値データを示します。ここで注目すべきポイントは、まず一つ目は血小板数(PLT)です。PLTが2週間前の前回計測時は12.5万/μLであったのに対し、入院時の検査所見では、2万/μL以下と急激に減少している点です。もう一点は肝機能検査の異常です。肝臓にSOLが指摘されていますので、矛盾しないデータとなっています。次のスライドで肝機能検査からみるフローチャートをお示しします。このフローチャートは血液疾患か否かの鑑別を説明する際によく掲示している資料です。血液疾患で注視すべきなのはLDHです。肝臓の細胞破壊のマーカーのひとつですが、赤血球や白血球にも含まれる酵素であり、血液疾患で高値を示すマーカーです。LDHをALTで割って15を超える場合は血液疾患の可能性が高くなります。本症例も計算してみると、LDH/ALT=32.7と高い数値を示しています。血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):血液形態のポイント 血小板減少における末梢血標本の観察のポイントを掲示します。このスライドの④は血小板減少に加え、破砕赤血球が出現していると血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)や播種性血管内凝固症候群(DIC)が疑われます。破砕赤血球が出現する機序は、血管中の血栓を赤血球が通過する際に壊れてしまうためです。末梢血液像実際の形態像を掲載していきます。まずは末梢血液像です。2枚の画像中に血小板が全く見られません。貧血が認められず血小板数が正常であれば、赤血球:血小板=20:1程度の比率でみられます。この画像からも血小板減少が読み取れます。赤血球所見としては、破砕赤血球と多染性赤血球、大小不同症、赤芽球が認められます。破砕赤血球以外の所見からは赤血球の造血亢進が考えられます。藤先生 :破砕赤血球は技師の方の場合、どういうときに特に見ようとするのでしょうか?牟田先生:やはり、血小板減少の時には破砕赤血球の有無の確認は必須です。逆に破砕赤血球が出現している場合は血小板数や凝固・線溶系検査を確認します。報告は必要によっては赤血球中の破砕赤血球の割合をパーセンテージで報告します。藤先生 :正常と破砕の区別に関して、明確に定義はあるのでしょうか?牟田先生:現在、日本検査血液学会のワーキンググループで検討が進められています。ポイントは「ちぎれたような部分」があるでしょうか。破砕赤血球ができる機序としては、血栓や心臓弁などが有る場所を赤血球が通過する際に引っかかって壊れるためです。壊れた赤血球は小さくなりますが、ヘモグロビン量は比較的残っているため、色が濃くなる(高色素性)のが特徴かと思います。骨髄像骨髄像を提示します。骨髄は正形成でM/E比は0.57と赤芽球系細胞が優勢で幼若な赤芽球が目立ちます(画像の左側と中央)。巨核球はやや増加しておりアズール好性型が多く観察されます(画像の右側)。この骨髄像は、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の血小板血栓による赤血球の破壊と血小板消費を補う赤血球と血小板の造血亢進の所見と考えます。血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):診断へのアクセスここまでTTPの検査値と形態所見のポイントを示しましたが、診断の全体像を復習的に掲示します。 初めに、①急激な血小板減少があれば、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)・播種性血管内凝固症候群(DIC)・特発性血小板減少性紫斑病(ITP)・血球貪食症候群(HPS)などを疑います。②末梢血像では、白血球分類に異常がなく、赤血球形態に破砕赤血球、多染性赤血球、大小不同症、赤芽球出現 が認められました。この時点で血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)あるいは播種性血管内凝固症候群(DIC)に絞られます。③両疾患の鑑別として、FDPやD-ダイマーが有用です。FDPに大きな異常がないことからDICは否定的です。④AST、LDH、T-Bが高値、追加検査の網状赤血球が高値、ハプトグロビンが低値で溶血が疑われます。これは破砕赤血球の出現と合致します。⑤骨髄検査で巨核球の増生と形態異常や遺伝子・染色体検査に異常がないことを確認します。このような流れで血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の診断にアクセスします。その他の臨床的に意義の高い赤血球形態異常 その他の臨床的に意義の高い赤血球形態異常として球状赤血球と涙滴赤血球があります。球状赤血球の機序は、 遺伝性球状赤血球症では赤血球膜蛋白の異常で起こり、自己免疫性溶血性貧血では補体や抗体が結合した赤血球膜をマクロファージに貪食され膜を過剰に失って球状化します。涙滴赤血球の機序は、骨髄繊維症で起こる脾臓や肝臓による髄外造血では脱核が円滑に進まず有核赤血球が末梢血に出現します。有核赤血球が脾臓通過時に静脈洞内皮間隙に引っ掛かり脱核される時に赤血球が変形すると言われています。破砕赤血球、球状赤血球、涙滴赤血球は赤血球形態異常の中でも疾患特異性が高くそれらの報告は重要です。藤先生 :私の勤務施設では造血幹細胞移植を多く行うこともあり、画像上で破砕赤血球が確認された場合、移植後の微小血管障害なのかはよく議論になります。そのため技師さんにパーセンテージを出してもらうことがありますが、牟田先生の前述の通り、破砕赤血球か否かの基準が難しいと感じます。ちなみにですが、透析は破砕赤血球などとはあまり関係ないでしょうか?牟田先生:透析が関するか、という話はあまり聞かないですね…。藤先生 :急に伺って申し訳ないです。勤務先施設はがんセンターなので、あまり人工弁の方はおらず、透析の方がたまにいるので、少々お伺いさせて頂きました。もう一点お伺いとなりますが、勤務先施設でも最近は海外出身の患者が増えてきています。マラリアや遺伝性の疾患が日本人より多いと感じるのですがいかがですか?牟田先生:おっしゃる通り、ヘモグロビンS症の鎌状赤血球などアフリカ系の方に見られますね。地中海性貧血と呼ばれるサラセミアでは小型の標的赤血球が観察されます。また、年間に数件はマラリア原虫の確認の依頼があります。Fin.お二人の先生に今回は赤血球の形態異常を軸として、鑑別のポイントや各細胞の画像所見の具体例をお話頂きました。現場でしか知らない、強化書に中々載っていない内容をお教え頂き、より多くの先生方に知って頂きたい・お役立て頂きたいことを記事として発信できることが大変嬉しいです!当シリーズは今回の第5回目で終了となりますが、多くの先生方にお役立て頂ければと考えております。また、血液内科の先生方が他にも聞いてみたい内容など、ご意見をお待ちしております!牟田 正一先生、藤 重夫先生への記事に関するご質問やご意見・この記事に関する他の先生方のコメントなどは、血液内科医同士で臨床相談ができるオンライン医局®️︎ 血液内科 Pro(無料会員登録)からご覧ください。 この記事に関するご質問やご意見・他の先生のコメントはこちら▶https://hpcr.jp/app/pro/hematology/post/JTgBRLucnG無料会員登録はこちら▶https://www.marketing.hpcr.jp/hematology 文責:ヒポクラ事務局 血液内科 Pro とは 750名近くの血液内科医が参加するオンライン医局®️︎です。これまで100件以上の臨床相談(=会員医師が投稿した症例に対して、他の会員医師が意見・情報を伝える)が行われています。 難治例や再発・臨床試験の対象にならない高齢者・合併症がある方など、幅広い治療の選択肢があるような症例を経験豊富な先生から勉強できるサービスとして、血液内科の先生方に利用されています。 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 『巨赤芽球性貧血・寒冷凝集症・骨髄異形成症候群』教科書には書いていない血球の目視分類解説④
『巨赤芽球性貧血・寒冷凝集症・骨髄異形成症候群』教科書には書いていない血球の目視分類解説④
『巨赤芽球性貧血・寒冷凝集症・骨髄異形成症候群』教科書には書いていない血球の目視分類解説④
今回の企画では、血液内科専門医の先生方が知っておきたい、けど教科書には載っていない…そんな血球の目視分類のポイントについて、国立病院機構九州がんセンター 臨床検査科技師長 牟田 正一先生 に解説いただき、その解説の中で気になるポイントを 大阪国際がんセンター 血液内科副部長 藤 重夫先生 にお伺いしました!第4回目は、『巨赤芽球性貧血・寒冷凝集症・骨髄異形成症候群』についてです。 検査値上での鑑別において、注意すべき症例 ここでは、形態像の確認の前に、検査値上での鑑別において、注意すべき症例としてAとBの2症例を提示します。赤血球恒数のMCVが症例A・B共に130を超える高値となっています。MCHCは、症例Aは正常域ですが、症例Bは40を超え異常値を示しています。では、この症例AとBについて、形態像を交えて解説していきましょう。巨赤芽球性貧血と寒冷凝集の鑑別 症例Aは巨赤芽球性貧血です。巨赤芽球性貧血はビタミンB12または葉酸の欠乏による核酸代謝異常に伴うDNA合成の阻害によって核の成熟が遅れ細胞分裂に障害が起こります。骨髄中の赤芽球系細胞は、分化成熟において核は未熟のままで細胞質は成熟する成熟乖離が見られる巨赤芽球となり、大きな赤血球が産生されMCVが高くなります。また、顆粒球系細胞も細胞分裂に障害が起こり、4倍体核の細胞は過分葉好中球となります。症例Bは寒冷凝集素による赤血球凝集が見られます。赤血球凝集が起こると血球計数機では赤血球が偽低値、ヘマトクリット偽低値、MCVとMCHCが偽高値となります。ヘモグロビン値は正確に測定されますので計算項目のMCHCが偽高値となります。MCHCは通常37g/dLを超えませんので、症例Bの血算値からは赤血球凝集が疑われ血液像を確認します。赤血球凝集の対処法は採血管を37℃で15分以上加温後、直ちに測定します。加温により赤血球凝集が消失して、赤血球数とMCVが正しく測定され、ヘマトクリット値とMCHCが正しく算出されます。前述のスライドの症例Bは加温後、赤血球数222万/μLが380万/μL、ヘマトクリット値29.7%が39.6%、MCV133.7fLが103.7fL、MCHC41.0g/dLが31.6g/dLとなりました。強い赤血球凝集では肉眼でも採血管内の血球にザラツキが確認できます。藤先生 :寒冷凝集で特徴的な所見があるのが参考になりました。普段、病院内の室温はある程度安定していると思うのですが、温度の管理について注意する必要はあるのでしょうか?牟田先生:生体内は37℃前後なので赤血球凝集は起こりませんが、寒冷凝集素を持っている症例は室温で採血管内で赤血球凝集が起こることがありますので注意が必要です。検査値上での鑑別ポイントをまとめた資料です。 赤血球凝集の場合には、赤血球が偽低値、ヘマトクリット偽低値、MCV偽高値、MCHC偽高値となります。 巨赤芽球性貧血:赤芽球系細胞の形態所見のポイントここでは赤芽球の分化・成熟過程から画像上の鑑別のポイントをみていきましょう。 スライド上段は正常な赤芽球系細胞の分化・成熟段階です。前赤芽球は細胞径20~25μmで細胞質は塩基好性を呈し、クロマチン構造は繊細顆粒状で濃く染まった核小体が認められます。好塩基性赤芽球は細胞径16~20μmで細胞質は前赤芽球と同等の塩基好性を呈し、クロマチン構造は前赤芽球の繊細顆粒状と比べると微細顆粒状です。多染性赤芽球は細胞径12~18μmでヘモグロビン合成が盛んになり細胞質は赤血球の色調が混じってきます。核はクロマチン凝集が徐々に進み塊状となります。正染性赤芽球は細胞径8~10μmでヘモグロビン合成がほぼ完了しますので細胞質は赤血球と同等の色調になり、クロマチンは濃縮し無構造となります。下段は巨赤芽球性貧血の分化・成熟段階の巨赤芽球です。前赤芽球と好塩基性赤芽球では正常な赤芽球と比べ大きな変化は見られませんので、この段階で巨赤芽球と判定するのは困難です。多染性赤芽球になると細胞質の成熟に比べクロマチン凝集が弱くスポンジ状となり、核と細胞質の成熟乖離が分かりやすくなるので巨赤芽球を判定に適しています。細胞径は細胞分裂に障害があるため正常赤芽球の各成熟段階と比べ大型となり、大きな赤血球が産生されます。 藤先生 :スライドの図で表せば左側、幼若な細胞では区別がしにくいため、ある程度成熟が進んだ右側の細胞で区別をするのが良さそうですね。牟田先生:藤先生のおっしゃる通りです。 骨髄異形成症候群の鑑別 骨髄異形成症候群:形態所見上の鑑別ポイントここからは骨髄異形成症候群(MDS)についての三系統の細胞の異形成について見ていきましょう。当資料は、WHO分類2017及び厚生労働省の特発性造血障害に関する調査研究班において作成された、MDSの形態診断アトラスに掲載されている内容です。赤文字の環状鉄芽球、低分葉好中球、脱顆粒または低顆粒好中球、微小巨核球はカテゴリーAとして特に重要視される異形成所見となります。 骨髄異形成症候群:赤芽球系細胞の異形成のポイント赤芽球の異形成は多様な形状を示します。ここではどのような異形成を示すかをスライド中に示します。 核融解  :核の成熟不良によるクロマチン凝集の不足から不規則なクロマチン塊となります。核辺縁不整:正常であれば核は丸い形状ですが、形が整わず、核形が不整となっています。核分裂異常:核が正常に分裂できず、多核になっている状態です。核間架橋 :核の分裂異常で核同士が糸で繋がっている形状です。異常多核型:大型巨赤芽球で細胞分裂障害が考えられ、それに伴う異常な核分裂を起こした細胞です。PAS陽性赤芽球:赤芽球は本来陰性ですが、骨髄異形成症候群や赤芽球性白血病では陽性化する場合があります。一般的に上段の成熟型はびまん性に、下段の未熟型は顆粒状に観察されます。 骨髄異形成症候群:好中球系細胞の異形成のポイント次に、好中球系細胞の異形成について見ていきましょう。小型好中球:赤血球と同程度の小さいサイズになります。注意点として標本の厚い部分では細胞が縮まるので周囲に正常サイズの好中球が認められる観察位置での判定が重要です。大型好中球 :正常サイズの好中球の2倍以上の大きい細胞です。低分葉好中球:単核もあれば2核のものもあります。偽Peleger Huetとも呼ばれます。過分葉好中球:正常好中球は3~5核ですが、6核以上の細胞を過分葉好中球と判定します。顆粒減少・脱顆粒:矢印の細胞はほとんど顆粒がないため無顆粒好中球です。判定基準は研究班で異なりますが70~80%以上の顆粒が消失している場合は顆粒減少・脱顆粒と判定します。スライド下の細胞は顆粒消失が50%以下ですので顆粒減少・脱顆粒と判定されません。その他、デーレ小体やアウエル小体といった形状も特徴的です。藤先生 :顆粒減少は、70~80%以上というのは細胞質中の領域の70~80%という解釈で宜しいでしょうか?牟田先生:おっしゃるとおりです。細胞質中の領域を表しています。この領域の70~80%に顆粒がないことを確認していきます。牟田先生:顆粒減少・脱顆粒の所見は骨髄異形成症候群と巨赤芽球性貧血の鑑別に有用です。巨赤芽球性貧血では顆粒減少・脱顆粒が認められるのは稀です。藤先生:両者の異形成は赤芽球系細胞では類似していますので、顆粒減少・脱顆粒は鑑別に有用な所見ですね。牟田先生:検査値ではLDが骨髄異形成症候群と巨赤芽球性貧血の鑑別に有用です。骨髄異形成症候群では300 IU/Lを超える症例は少ないですが、巨赤芽球性貧血では300 IU/Lを超える症例が多いです。 骨髄異形成症候群:骨髄巨核球の異形成のポイント次に、骨髄巨核球の形態異常について見ていきましょう。 正常な骨髄巨核球は背塾段階、サイズ、核分裂状態にバリエーションが多いので以下の3点に絞って異形成を判定しましょう。微小巨核球:細胞質が成熟していても(アズール色素好性:赤紫色)サイズが前骨髄球と同等以下の微小な巨核球です。単核巨核球:細胞質が成熟していも(アズール色素好性:赤紫色)単核のままの巨核球です。※細胞質が成熟する前(塩基好性:濃青色)の前巨核球の単核は異常と判定されません。核分離異常巨核球:正常では核が重なり合うか核糸で繫がっていますが、核が分離している核分離異常の巨核球です。藤先生 :巨核球は探すのが大変だったりしますね。牟田先生:そうですね、少ない場合には大変ですね…。巨核球は標本の引き終わりや辺縁に集まりやすいのでそこを観察します。巨核球が極端に少ない場合には複数枚の標本を観察します。先ずは弱拡大で巨核球を探して中拡大で判定します。微小巨核球は弱拡大では見落とす可能性がありますので注意が必要です。 骨髄異形成症候群:特異的な異形成 ここまで、MDSにおける3系統の細胞の異形成に触れてきましたが、こちらのスライドでは改めて特異的な異形成をまとめています。微小巨核球、低分葉(偽ペルゲル)、低(脱)顆粒、環状赤芽球が定義されていますが、これらは比較的初心者でも判定しやすく有用と言えます。また、微小巨核球と偽ペルゲル核異常は予後に関係するとの報告もあります。Fin.お二人の先生に今回は巨赤芽球性貧血と骨髄異形成症候群を軸として、鑑別のポイントや各細胞の形態所見の具体例をお話頂きました。牟田先生による寒冷凝集の対応のお話なども含み、現場でしか知らない、教科書に中々載っていない内容をお教え頂き、より多くの先生方に知って頂きたい・お役立て頂きたいことを記事として発信できることが大変嬉しいです!今後も当シリーズを予定しております。ぜひ、血液内科の先生方が聞いてみたい内容など、ご意見をお待ちしております!牟田 正一先生、藤 重夫先生への記事に関するご質問やご意見・この記事に関する他の先生方のコメントなどは、血液内科医同士で臨床相談ができるオンライン医局®️︎ 血液内科 Pro(無料会員登録)からご覧ください。 この記事に関するご質問やご意見・他の先生のコメントはこちら▶https://hpcr.jp/app/pro/hematology/post/JtpbA9haqU無料会員登録はこちら▶https://www.marketing.hpcr.jp/hematology 文責:ヒポクラ事務局 血液内科 Pro とは 750名近くの血液内科医が参加するオンライン医局®️︎です。これまで100件以上の臨床相談(=会員医師が投稿した症例に対して、他の会員医師が意見・情報を伝える)が行われています。 難治例や再発・臨床試験の対象にならない高齢者・合併症がある方など、幅広い治療の選択肢があるような症例を経験豊富な先生から勉強できるサービスとして、血液内科の先生方に利用されています。 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 『特定の遺伝子異常を有するAML』教科書には書いていない血球の目視分類解説③ 『赤血球形態から推測される血液疾患』教科書には書いていない血球の目視分類解説⑤
『特定の遺伝子異常を有するAML』教科書には書いていない血球の目視分類解説③
『特定の遺伝子異常を有するAML』教科書には書いていない血球の目視分類解説③
今回の企画では、血液内科専門医の先生方が知っておきたい、けど教科書には載っていない…そんな血球の目視分類のポイントについて、国立病院機構九州がんセンター 臨床検査科技師長 牟田 正一先生 に解説いただき、その解説の中で気になるポイントを 大阪国際がんセンター 血液内科副部長 藤 重夫先生 にお伺いしました!第3回目は、『特定の遺伝子異常を有するAML』についてです。ご存知のとおり、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)の病型分類では、白血病細胞の染色体核型・遺伝子変異解析が必要ですが、今回は、特定の遺伝子異常を有するAMLの中でも、特徴的な形態像を有するAMLを例示していきます。さっそく、みていきましょう! AML t(8;21)(q22;q22);RUNX1-RUNX1T1 まず、AML t(8;21)(q22;q22);RUNX1-RUNX1T1の特徴的な形態像についてです。スライドに示すような部分が特徴であり、形態診断時のポイントとなります。藤先生 :細胞の辺縁が好塩基性に染まるのは、何らかのメカニズム的な理由はあるのでしょうか?牟田先生:その理由は不明瞭ですね…ただ、他にはみられない特徴、となっています。藤先生 :顆粒減少やアウエル小体を見る上で、注視するポイントはどこでしょうか?牟田先生:スライド中の上段中央の画像を少し拡大して掲示します。アウエル小体は写真のようにやや長く2~3本が束になっていたり、核に突き刺さるような形状に見えます。顆粒減少の基準は研究グループによって異なりますが、全体の70-80%程度顆粒が減少していると低顆粒と判定します。牟田先生:AML t(8;21)(q22;q22)の血液学的特徴として、スライドに示す12項目が挙げられます。藤先生 :項目を掲示頂きありがとうございます。この項目のうち、『4)成熟好中球に核の形態異常や異常顆粒がある』というのは、異形成によるものか、MDS関連か、と聞かれることがあります。AML t(8;21)(q22;q22);RUNX1-RUNX1T1の場合には、MDS関連は別物と考え、多少異形成が示されても、それはAML t(8;21)~の特徴であると理解していいものでしょうか。牟田先生:おっしゃる通り、MDSはまた別の話になりますので、藤先生のご理解の通りで宜しいかと思います。ただし、MDSの既往がある場合は、MDS時の異形成と比較して観察することが必要です。AML t(8;21)(q22;q22);RUNX1-RUNX1T1は、経験を重ねた技師の方であれば経験則的に鑑別できることが多いと思われます。では、他の類型についても見ていきましょう。 AML inv(16)(p13.1q22);CBFβ-MYH11 Point:急性骨髄性単球性白血病の形態所見に加えて、異常好酸球の増加が特徴的です。 AML t(9;11)(q21.3;q23.3);KMT2A-MLLT3 Point:t(9;11)(q21.3;q23.3)を有するAMLは、急性単球性白血病によく見られます。 AML with t(6;9)(p23;q34);DEK-NUP214 Point:好塩基球が増加していることがあるため、白血病で好塩基球が目立つようなことがあれば疑うようにすべきです。 AML with t(6;9)(p23;34.1);DEK-NUP214について、症例を3例提示します。 特徴として、年齢が若い、しばしば好塩基球の増加と、多血球系の異形成がみられます。 AML with inv(3)(q21.3q26.2) or t(3;3)(q21.3;q26.2);GATA2,MECOM 多血球系の異形成が見られ、特に巨核球系の異形成が著明にみられます。また、白血病にも関わらず、血小板が正常または増えていることなどが特徴です。そのため、白血病なのに血小板が多いときにまず疑うべき疾患です。 牟田先生:特定の遺伝子異常を有するAMLは遺伝子検査で診断されますが、中には特徴的な形態所見を有しているAMLが存在します。造血器腫瘍は遺伝子検査やフローサイトメトリー検査で確定診断されますが、形態検査は早期診断・治療効果判定・経済的効果などに貢献できる重要な検査と考えます。血球の画像をみていただく意義の一つになればと思います。Fin. 第3回目では、AMLの遺伝子変異毎の画像上での違いに関して、牟田先生に多くの画像を頂きました。取材チームとしては、お恥ずかしながら、AMLの中でも画像上でここまで違いがあるとは全く知らず…驚きの連続でした!今後も当シリーズを予定しております。ぜひ、血液内科の先生方が聞いてみたい内容など、ご意見をお待ちしております! 牟田 正一先生、藤 重夫先生への記事に関するご質問やご意見・この記事に関する他の先生方のコメントなどは、血液内科医同士で臨床相談ができるオンライン医局®️︎ 血液内科 Pro(無料会員登録)からご覧ください。 この記事に関するご質問やご意見・他の先生のコメントはこちら▶https://hpcr.jp/app/pro/hematology/post/UAfPWXcbLj無料会員登録はこちら▶https://www.marketing.hpcr.jp/hematology 文責:ヒポクラ事務局 血液内科 Pro とは 750名近くの血液内科医が参加するオンライン医局®️︎です。これまで100件以上の臨床相談(=会員医師が投稿した症例に対して、他の会員医師が意見・情報を伝える)が行われています。 難治例や再発・臨床試験の対象にならない高齢者・合併症がある方など、幅広い治療の選択肢があるような症例を経験豊富な先生から勉強できるサービスとして、血液内科の先生方に利用されています。 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 『急性前骨髄性白血病(APL)』教科書には書いていない血球の目視分類解説② 『巨赤芽球性貧血・寒冷凝集症・骨髄異形成症候群』教科書には書いていない血球の目視分類解説④
『急性前骨髄性白血病(APL)』教科書には書いていない血球の目視分類解説②
『急性前骨髄性白血病(APL)』教科書には書いていない血球の目視分類解説②
今回の企画では、血液内科専門医の先生方が知っておきたい、けど教科書には載っていない…そんな血球の目視分類のポイントについて、国立病院機構九州がんセンター 臨床検査科技師長 牟田 正一先生 に解説いただき、その解説の中で気になるポイントを 大阪国際がんセンター 血液内科副部長 藤 重夫先生 にお伺いしました!第2回目は、『急性前骨髄性白血病(acute promyelocytic leukemia:APL)』についてです。APLは重篤なDIC(disseminated intravascular coagulation:播種性血管内凝固症候群)のリスクの高さから、早期診断・治療が重要です。早期診断においては、末梢血のAPL細胞を見逃さず、迅速に臨床に報告することが求められます。ただ、このAPL細胞の判定には、多様な細胞の見極めが求められます。早速、APLの画像の特徴を掲示しつつ、解説していきます。 APLの画像上の特徴 [a]はAPL細胞の特徴であるアウエル小体が束になったファゴット細胞が多く認められます。そのため比較的容易に形態学的にAPLと診断されます。[c]はファゴット細胞は見られませんが、核が2核状、鉄アレイ状、ねじれ等の核形不整が著しく、細胞質にアズール顆粒が豊富に充満しています。これらもAPL細胞に特徴的な所見であり、形態学的にAPLが疑われます。[b]はAPL細胞のペルオキシダーゼ染色で強陽性に染色されています。これもAPL細胞の特徴的所見です。 APLの画像所見の注意点 APLの症例の中には、白血球数が低値で、APL細胞の出現率が低い事例もあります。鑑別の難度は高いですが、白血球低値の状況で鑑別出来ずに臨床に戻してしまうと、重篤になりえるため、注意して見なければならないポイントです。そのような症例では、前述の掲示した特徴とも重複しますが、APL細胞の形態学的特徴(①~⑤)である核形不整、豊富なアズール顆粒などを見極めて判定することが見落とし防止になり重要です。一方、APL細胞にはアズール顆粒が乏しい形態学的なvariant typeが存在しますので注意が必要です。[d]はAML-M3-variant type、[e]はAML-M4(急性骨髄単球性白血病)です。双方ともに核形不整が著しく、アズール顆粒が乏しいため鑑別を要します。鑑別にはペルオキシダーゼ染色が有用です。[f]のAPL-variant typeは強陽性で、[g]のAML-M4は陰性から弱陽性となります。 藤先生 :お話頂いたとおり、APLはアズール顆粒が目立つ場合は分かりやすいですが、顆粒が少ないと、単球との区別が確かに分かりにくいですね。色調や顆粒の大きさ、そのあたりで比べた場合には若干の違いはあるのでしょうか?牟田先生:そうですね、スライド左上のPB①②③は典型的なAPL細胞よりは顆粒が微細ですが、正常単球の顆粒と比べるとアズール好性が強く濃い色調を呈しています。ただし、経験が少ない人は①②③を単球と判定する可能性がありますので注意が必要です。同一標本の正常細胞と比べることがポイントと考えられます。白血球数が低値でAPL細胞の出現率が低い場合は、APL細胞の多様性を理解して判定することが重要です。 APLに対するATRAの分化誘導療法 APLの治療では分化誘導療法後に化学療法を実施するため、ATRA投与後の細胞判定は重要であり、APL細胞から分化誘導された細胞を成熟型APLとして判定しています。 ここではAPLに対するATRAの分化誘導療法の画像上の変化を示しています。投与後2週間程度でアウエル小体を持った好中球や偽ペルゲル様好中球が認められ、分化誘導が進んでいると判断されます。分化誘導療法が順調であれば、1~2ヶ月で正常な細胞が立ち上がってきます。もう少し時系列を刻んで、症例ベースで見ていきましょう。 ATRA投与7日後 この細胞像はvariant typeのATRA投与7日後のAPL細胞です。この時点ではまだ分化が進んでおらず、ATRA投与前の形態と殆ど変化はありません。 ATRA投与14日以降 投与14日後では、一部の細胞で核に分葉が見られ、成熟傾向が認められます。この段階では、APL細胞と成熟型APL細胞が混在しています。投与21日後では、殆どが成熟型APL細胞になります。正常好中球と比べるとクロマチン凝集が乏しいと思われます。投与28日後では、クロマチン凝集が乏しい成熟型APL細胞と、正常と思われる好中球が混在しています。投与35日後では、ほぼ正常と思われる好中球となり、形態学的には分化誘導が完了した形態像と考えられます。ATRA投与後にAPL細胞から分化した成熟型APL細胞と正常好中球をしっかりと鑑別することが重要となります。藤先生 :詳細な症例ベースでのご解説、ありがとうございます。長期的に細胞の異常が残存するということに注意をすべきであると理解できました。 Fin. 第2回目では、APLにフォーカスをあて、お二人の先生に診断と治療のポイントに対し、解説や質疑を頂きました。具体的な症例を通し、取材側も勉強させて頂きました!今後も当シリーズを予定しております。ぜひ、血液内科の先生方が聞いてみたい内容など、ご意見をお待ちしております! 牟田 正一先生、藤 重夫先生への記事に関するご質問やご意見・この記事に関する他の先生方のコメントなどは、血液内科医同士で臨床相談ができるオンライン医局®️︎ 血液内科 Pro(無料会員登録)からご覧ください。 この記事に関するご質問やご意見・他の先生のコメントはこちら▶https://hpcr.jp/app/pro/hematology/post/3rN9zKW4TP無料会員登録はこちら▶https://www.marketing.hpcr.jp/hematology 文責:ヒポクラ事務局 血液内科 Pro とは 750名近くの血液内科医が参加するオンライン医局®️︎です。これまで100件以上の臨床相談(=会員医師が投稿した症例に対して、他の会員医師が意見・情報を伝える)が行われています。 難治例や再発・臨床試験の対象にならない高齢者・合併症がある方など、幅広い治療の選択肢があるような症例を経験豊富な先生から勉強できるサービスとして、血液内科の先生方に利用されています。 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 『特徴的な形態のリンパ系疾患』教科書には書いていない血球の目視分類解説① 『特定の遺伝子異常を有するAML』教科書には書いていない血球の目視分類解説③
『特徴的な形態のリンパ系疾患』教科書には書いていない血球の目視分類解説①
『特徴的な形態のリンパ系疾患』教科書には書いていない血球の目視分類解説①
今回の企画では、血液内科専門医の先生方が知っておきたい、けど教科書には載っていない…そんな血球の目視分類のポイントについて、国立病院機構九州がんセンター 臨床検査科技師長 牟田 正一先生 に解説いただき、その解説の中で気になるポイントを 大阪国際がんセンター 血液内科副部長 藤 重夫先生 にお伺いしました! 第1回目は、『特徴的な形態のリンパ系疾患』についてです。 反応性(異形)リンパ球と異常リンパ球 まず、疾患の話に入る前に、反応性(異形)リンパ球と異常リンパ球について説明します。 反応性(異型)リンパ球の定義についてです。〝異型〟とは正常のリンパ球と比べると異常にみえるという意味です。何らかの抗原刺激に反応した細胞の変化像とみなされ、健常者でも数%みられることがあります。形態学的特徴が5つ挙げられ、①②が必須条件になります。(日本検査血液学会)① 細胞径16μm(赤血球の約2倍)以上② 細胞質の好塩基性が強い③ クロマチンの幼若化(網状化)or 粗剛化④ 核小体を認める⑤ バラエティに富んだ形態像 反応性(異型)リンパ球の鑑別について、どこがポイントになるかを掲示します。正常リンパ球と反応性(異型)リンパ球のそれぞれの特徴を細胞同定パラメータ毎に示しています。反応性リンパ球の見分け方のポイントは、一つがリンパ球の大きさで、何かしらの刺激が原因で反応性リンパ球が赤血球の2倍以上の大きさになることと、二つめが細胞質の塩基性が強くなる点、画像でいえば青みが強くなる点です。もう一点、正常標本よりも多彩な細胞像が顕著となることも挙げられます。 藤先生 :細胞質の塩基性に関してはどのように判断するのが宜しいですか?牟田先生:同一標本上の正常と思われるリンパ球と比較して判断するのが良いと考えます。 異常リンパ球様細胞の定義 つぎに、異常リンパ球様細胞の定義です。 反応性(異型)リンパ球は〝反応性の形態変化〟という定義でした。異常リンパ球は〝腫瘍性の形態変化〟と定義されます。形態学的特徴が5つ挙げられます。① 細胞径の異常② 核の異常③ N/C比高、merge大*、時に裸核様④ 細胞質(好塩基性増強/異常顆粒出現等)⑤ 単調的な同一形態像*=核と細胞質の接する部分をmergeと称し、2/3以上であれば“大”と表現している。 反応性リンパ球と異常リンパ球のそれぞれの特徴を細胞同定パラメータ毎に示しています。 藤先生 :反応性リンパ球と異常リンパ球との区別ですが、画像でいえば、核の辺縁は若干波打っている感じがあっても切れ込みはないといった感じで理解していけばいいですか?牟田先生:そうですね、反応性リンパ球は、核縁はスムーズな形で、若干へこみがあったとしても切れ込みやねじれはないといえます。藤先生 :反応性リンパ球と異常リンパ球の核網違いの説明がいつも難しいなと感じるのですが、今回のようにリンパ球系であれば、どのようにみるとわかりやすいですか?牟田先生:図中の細胞同定パラメータでいえば、クロマチン構造のところになります。正常から反応性(異型)のリンパ球、いわゆる腫瘍性でないものは、平坦で盛り上がりもなく、均一的な感じです。一方で異常リンパ球の場合には、疾患毎によって様々です。d.:ATL⇒クロマチンが増量したという表現をし、濃く染まっています。e.:びまん性大細胞性リンパ腫⇒中~大型で、クロマチン構造が繊細となり核小体を認めることがあります。f.:バーキットリンパ腫⇒クロマチンがレース状になり繊細と表現され、核小体がみられ幼若化しています。 また、バーキットリンパ腫は著明な空胞が特徴的です。g.:濾胞性リンパ腫⇒核の鋭い切れ込みが特徴的です。 藤先生 :お話をお伺いすると“透け感”のような表現が適切でしょうか?牟田先生:“ティッシュを広げてを光にかざしている感じ”が伝わりやすいかもしれません。正常リンパ球はコピー用紙のように平坦な感じに対し、腫瘍性の方はティッシュが透けたような感じですね。藤先生 :これはわかりやすいですね、教科書にも書いていない。笑牟田先生:説明する時にはわかりやすいかなと考え、そのような表現を使っています。笑 特徴的な形態のリンパ系疾患 では、特徴的な形態のリンパ系疾患を見ていきましょう。(ATLは後述にて説明。) ①伝染性単核症これは反応性リンパ球なので、大きいものもあればやや中型くらいのものもあり、標本の中で多様性があるのが特徴です。②ヘアリーセル白血病右側の写真は毛羽立っていて、左側は目玉焼きのようになっているのが分かると思います。これは標本の厚みが影響していて、厚いところは乾燥に時間がかかるため、右側の写真のように元の細胞形態に戻ろうとして毛羽立ちが出てきます。左側は伸展標本の引き終わりの薄い部分で、強制乾燥により引き延ばされた状態のままの細胞形態を呈しています。リンパ球系疾患を疑うときは、強制乾燥と自然乾燥の2つの標本を作って観察しています。③セザリー症候群藤先生 :自院の技師さんからも、よく標本の盛り上がりが…という話をするのですが、このセザリーの右側の細胞だと立体構造がありそうとわかりますが、左側だとどう判断されるのですか?牟田先生:左側も折りたたまれたような感じになっていますが、ピントを動かしながら見ていくと、顕微鏡上でももう少し表現されます。どうしても写真だとフォーカスが一点なのでこのような見え方になってしまいます。④濾胞性リンパ腫濾胞性リンパ腫は切れ込みが特徴的ですが、すべての細胞にある訳ではありません。そのため、濾胞性リンパ腫を疑う時、このような特徴的な細胞を探すことがポイントです。特に、濾胞性リンパ腫の診断がついていて、骨髄浸潤の有無を判定する時などしっかりと観察しています。⑤バーキットリンパ腫バーキット腫は細胞質の空胞が特徴的ですが、確定診断にはフローサイトメトリーや遺伝子での診断が必要です。⑥大顆粒リンパ球性白血病この疾患名で注意が必要なのは、“大”は顆粒球でなく、リンパ球のことです。つまり、大きなリンパ球、赤血球の2倍(15μm)以上あるリンパ球の中にアズール顆粒が3つ以上ある細胞が、大顆粒リンパ球です。大顆粒リンパ球が6ヶ月以上、2,000/μL以上持続して認められると診断されます。慢性的経過の中で血球減少症の原因となる白血病ですので、末梢血液像の所見は重要です。藤先生 :ちょっとくらい顆粒のある大きなリンパ球は正常な方にもみられそうですが、腫瘍かどうかの判断は均一性があるかどうかの視点で問題ないですか?牟田先生:そうですね、大顆粒リンパ球性白血病は、Tリンパ球の腫瘍性なので、核網も同じような形で、均一性があると言えます。⑦アグレッシブNK細胞アグレッシブNK細胞も顆粒を持つことが多いですが、細胞異型性が強く、悪そうな顔つきなどと表現することがあります。経過が非常に急激に悪化しますので、アグレッシブNK細胞が疑われる場合は迅速な報告が重要です。 ATL細胞について ATL細胞についてです。ATL細胞の特徴はフラワーセルです。正常なリンパ球は丸い核なのに対して、ATLは花びらのような核になります。ただし、慢性型、くすぶり型、発症前のキャリアでは核の異型性が乏しく、見落としや判定困難な細胞があります。 慢性型ATLの場合 図は慢性型ATLの同一標本中の細胞です。右側の緑枠は正常リンパ球、左側がATL細胞と判定したものです。慢性型の場合は、細胞量も多く核形不整や切れ込みがある程度見られますので鑑別は可能と考えます。実際に、核に異型性があるものをしっかりと捉えると、目視とフローサイト法でほぼ一致した結果となります。 ATLのキャリアの場合 ATLのキャリアの場合です。 キャリアではATL細胞の出現率が低くなり、細胞の異型性も軽度となるので慎重な判定が求められます。キャリアをしっかり判定できると、早期発見や早期診断に繋がり、患者の予後に大きく影響を与えるため、より重要であるといえます。この写真のATL細胞の出現率(%)は全リンパ球(正常リンパ球+ATL細胞)に対しての出現率(%)です。 藤先生 :こちらに挙げられているATL細胞は細胞質がほとんどないので、典型的なフラワーセルとは判定しようがないと思いますが、その場合はどのあたりを判定ポイントにするのでしょうか。牟田先生:図の右側の正常リンパ球は核膜不整がなく、細胞質が認められ、N/C比はやや低い細胞となります。図の左側のATL細胞は、核に切れ込みやねじれなどの不整などの核異型、N/C比、merge(核と細胞質の接する部分)が高い、クロマチンの増量(核の濃染)などをポイントとして判定すると、フローサイト法とほぼ一致した結果となります。抗HTLV-1抗体陽性検体は、軽度でも核の切れ込み、ねじれ、へこみなどがある細胞は積極的にATL細胞と判定すべきと考えます。 正常リンパ球とATL細胞の境界領域 最後に、正常リンパ球とATL細胞の境界領域の細胞写真です。 正常小型リンパ球は不整核形は見られず、核縁がスムーズです。対して小型ATL細胞では、核形にねじれ、切れ込み、核膜不整、複雑なくびれ、2核状などが認められます。CCR4による免疫染色でも証明されています。 ATLの細胞診断基準をまとめると、急性型は著しい核形不整(フラワーセルl)、大型化、核小体、クロマチンの繊細化または増量などを鑑別点とします。キャリア、くすぶり型、慢性型、リンパ腫型に出現する小型ATL細胞では境界域が不明瞭のため下記3項目の注視が必要です。① 核形不整:切れ込み・捻じれ・核膜不整・複雑なくびれ・2核② クロマチン濃度:正常と比べると増量・濃染 している③ N/C比・merge (核と細胞質の接する部分) が高い 藤先生 :CELLAVISION®関連でお伺いしたいのですが。顕微鏡では1,000倍で油浸で見るのが分かりやすいと思うのですが、CELLAVISION®の機械で読み込んだ画像ではそれよりは劣るのでしょうか?牟田先生:前述のATL細胞の判定基準の検討の写真はCELLAVISION®を用いた撮影で、10年前の画像です。最新のversionはさらに画像が良くなっていますが、顕微鏡の1000倍(油浸)と比べると解像度は劣ります。CELLAVISION®は、同一撮影条件のため、画像の比較をするのに適しています。また、本検討では36症例で約5,000個の細胞を撮影を行ったため、労力的にも有用でした。藤先生 :当施設でもCELLAVISION®DC-1があり、塗抹標本から読み込んで自動判定できています。自動判定にATLという分類はないのですが、単球のところにたまにATLが入るみたいです。単球とATLの見分け方を簡単に教えてもらえますか?牟田先生:ATL細胞と単球は一部の症例で同じような核形不整を呈することがあり鑑別を要します。先ずは核クロマチン構造を見てみるべきでしょう。単球の核クロマチンは、レース状でティッシュのような薄い構造ですが、ATL細胞は核クロマチンが増量し濃く見えます。芽球化するようなATLでは核クロマチンが繊細となり鑑別するのが困難な場合があります。そのような症例は細胞質が鑑別のポイントとなります。単球は細胞質に微細な顆粒が豊富に充満しているので灰青色のくすんだ色をしています。一方、ATL細胞(リンパ球)は青み(好塩基性)があっても透明感があり、鑑別のポイントとなります。また、明らかなATL細胞と単球と比べてどちらの細胞の特徴に似ているかで判定する比較類進法をお勧めします。Fin. お二人の先生にリンパ系疾患の目視分類に関して、ざっくばらんに解説や質疑を頂きました。取材側も先生方が楽しみながらの対談を拝聴できました! 今後も当シリーズを予定しております。 ぜひ、血液内科の先生方が聞いてみたい内容など、ご意見をお待ちしております! 牟田 正一先生、藤 重夫先生への記事に関するご質問やご意見・この記事に関する他の先生方のコメントなどは、血液内科医同士で臨床相談ができるオンライン医局®️︎ 血液内科 Pro(無料会員登録)からご覧ください。 この記事に関するご質問やご意見・他の先生のコメントはこちら▶https://hpcr.jp/app/pro/hematology/post/BSMD78YjHb無料会員登録はこちら▶https://www.marketing.hpcr.jp/hematology 文責:ヒポクラ事務局 血液内科 Pro とは 750名近くの血液内科医が参加するオンライン医局®️︎です。これまで100件以上の臨床相談(=会員医師が投稿した症例に対して、他の会員医師が意見・情報を伝える)が行われています。 難治例や再発・臨床試験の対象にならない高齢者・合併症がある方など、幅広い治療の選択肢があるような症例を経験豊富な先生から勉強できるサービスとして、血液内科の先生方に利用されています。 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 『急性前骨髄性白血病(APL)』教科書には書いていない血球の目視分類解説②
皮膚の診断・治療のお役に立てる自作スライドをシェア:となりの先生《医師インタビュー》
皮膚の診断・治療のお役に立てる自作スライドをシェア:となりの先生《医師インタビュー》
「私も知りたい」「参考になった」で役に立っているんだな、と実感しました ヒポクラ × マイナビの知見共有では皮膚の画像が多く、訪問診療や僻地の地域医療に従事されている先生方の中で、皮膚疾患で苦慮されている先生が多いんだなぁということに気づきました。 皮膚疾患は、皮膚科医からすると画像所見である程度の診断の予想が付きます。答えられる範囲ではありますが、自分が分かる範囲で皮膚科への相談にはコメントをするようにしています。ヒポクラを利用されている先生から「患者さんにやってみます。」とか、「それは知らなかったので大変勉強になりました、ありがとうございました!」などと返信をいただけると、自分の知識や経験が他の先生の役に立てているんだな、と実感できる瞬間ですね。 ヒポクラ × マイナビに登録する(医師限定・利用無料) 自分が患者になったことをきっかけに、働き方や患者さんへの対応が180度変わった 私は医学部に入学したときから皮膚科医を目指しておりました。前期研修などを通して、武器をたくさんもち、内科の知識のある皮膚科医を目指したい!と考えるようになり、興味のあることや気になることは片っ端からがむしゃらに勉強してきました。 勤務先の施設ではメンターの先生にすごく恵まれ、患者さんの病態をどうみたらよいか、とか、患者さんのどこに注視して行くべきかなど、吸収できることはたくさん吸収してきました。 患者さんへの対応だけではなくて、施設の売上を伸ばすという観点でも実績を出した経験もさせてもらい、あらゆる観点で経験をさせていただいたなぁと振り返っています。 さぁ、これから皮膚科専門医としてガツガツ働いていくぞ〜!というときに、ふと身体の不調を感じ病院で検査をしてもらったんです。そしたら思いもしない病名を言われ、すぐに入院することになりました。 正直、ああ、もう死んだ、と思ったくらいです。 ただ、この病気をきっかけに、働き方や患者さんへの向き合い方がすごく変わりました。 診察室に入ってきた患者さんへ「はじめまして、となりのといいます。」からがわたしの仕事です 患者になって初めて気づいたのですが、医者って患者さんの目を見ることが少ないんですよね。 あと、患者さんの名前を呼ぶこともほとんどないんです。 「この先生、ちゃんと話しきいているのかな?」って患者の立場にたってみるっと感じるだろうな、とも思いました。 この経験をふまえて、自分が診察を行うときには以下のことに気をつけています。 ・ 初めての患者さんの診察は、患者確認をしてから自ら自己紹介をする ・ 患者さんのはなしを聞くときは目を見る ・ なるべく患者さんの肌に触れる(触診) ・ 診察の最後に「質問はありませんか?」と患者さんに確認する どんな病気でも、治療を行っていくにあたって患者さんとの信頼関係が大事だと考えています。この点は当たり前のように理解していたつもりではありましたが、よくよく考えると具体的な行動として指導を受けたことはありませんでした。 自分が医師に病名を宣告されたときには、「どうして自分なんだ!!」と目の前が真っ暗になり、生きる希望を見失うくらい本当に悲観的になりましたが、今ではこの経験があったからこそ医師として成長することができたと思っています。 となりののスライドさえ理解していれば、皮膚の診断・治療の8割は一人でできると思います 自分が経験したことは他の誰にも経験ができないことだと思うので、少しでも役に立てばと思って、昔院内勉強用に作っていたスライドを少しずつヒポクラへシェアしてみました。 毎週欠かさず投稿してみたら、いいねや閲覧数が増えていき、役立っているのかな、と感じるようになりました。 ヒポクラを利用されている先生方の多くが、訪問診療や過疎の地域医療に従事している先生だということがわかったので、今年からスライドの内容をヒポクラ用に作り直して投稿するようにしています。 わたしの経験が少しでもヒポクラの先生に役立ち、皮膚疾患の診断・治療を学ぶきっかけとなったらとても嬉しいですね。 ●となりの先生のスライド確認は下記をご参照ください https://hpcr.jp/app/mypage?userId=gT0iS3DHv8 ※ご確認いただくには『ヒポクラ × マイナビ』への登録が必要です。 ●noteでは、高齢者医療について発信されていますhttps://note.com/woodbird_251 『ヒポクラ × マイナビ』では、今後もインタビューを通して会員の先生方のご活躍を取り上げていきます! インタビューをご希望の先生は、ぜひこちらまでお問い合わせください。
他分野でご活躍!血液内科の伝道師 はらD先生 《医師インタビュー》
他分野でご活躍!血液内科の伝道師 はらD先生 《医師インタビュー》
全国の魅力的な先生たちと臨床相談・情報交換できるオンライン医局『ヒポクラ × マイナビ』で活躍する先生を取り上げるインタビュー企画。 第1弾の今回は、臨床・研究に加え血液内科の伝道師YouTuberとしてもご活躍されている“はらD”先生にインタビューさせていただきました。 この記事を通して、はらD先生のご活躍を広く紹介できれば幸いです。 そして、はらD先生のように魅力的でユニークな先生が全国から集まる『ヒポクラ × マイナビ』って面白そうだから参加しよう!というきっかけになれば嬉しいです。 ヒポクラ × マイナビに登録する(医師限定・利用無料) 初期研修で目の当たりにした「移植ってすごい!」の経験が、血液内科医を目指すきっかけに 学生時代は、かつて自分が骨折したときの経験から、整形外科医を専攻しようと思っていました。 ところが、初期研修のローテーション中に、移植で寛解になった患者さんを目の当たりにして「血液内科ってすごい!移植ってすっげぇな!!」と思い、血液内科医を専攻しました。 研修医のときに担当していた40歳前後の患者さんは突然、白血病を発症し、半年ほど入院していました。化学療法を何度も行いましたが、病気をコントロールできず、当時の私にはにっちもさっちもいかない状態でした。 その患者さんにはまだ幼いお子さんがいらっしゃり、治療がうまくいけば、お子さんと一緒に過ごす未来がある、でもうまくいかなければ……という状況で、どうしたらいいか主治医の先生たちと悩みました。 私が研修していた施設では移植の経験がなく、この患者さんのときに初めて、兄弟から幹細胞を取って造血幹細胞移植を行いました。 その結果、これまで全く化学療法が奏功しなかった白血病が寛解となったのです! 若き日の自分は「移植ってすっげぇな!!」と感動しました。 半年も入院していた患者さんが無事に退院でき、お子さんと一緒に歩いて帰っていった姿は今でも鮮明に覚えています。一緒に写真も撮りました。思い出すと胸、いや魂が熱くなります。 患者さんを救うことは、患者さんの家族を救うことになる。この経験があるからこそ、血液内科医を志しました。 血液内科医はスペシャリストでありジェネラリスト、若手も対等なマンパワー 血液内科の患者さんの多くは勉強熱心で、自分の病気を乗り越えて生きていくためにしっかり勉強をされています。血液内科医は、そんな患者さんのために自分にできることは何かと模索し、完治への手助けをするのが仕事です。 多くの患者さんは、診断から治療を終えるまで、長い時間がかかります。 白血病であれば半年から1年かかりますし、退院後も何年にもわたり治療する必要があるので、患者さんのみならずご家族とも「一緒に頑張ろう!」という絆が生まれます。 一期一会ではなく、患者さんやご家族と一緒に治療していくところは、血液内科医のやりがいと感じています。 血液内科医はスペシャリストとしてがんの機序を解明し、治療する役割はもちろんのこと、ジェネラリストとして幅広い内科疾患を診て、さまざまな合併症をマネジメントする必要があります。 ありとあらゆる内科の合併症を一つずつ考えて治療する上で、専門医取得後の先生たちが気づかない合併症を、基礎力の高い研修医が気づくこともあります。 専門的な知識についても目の前の患者さんのことをしっかり調べて勉強すれば、3年目から上の先生(教授も含め)とも対等にディスカッションすることもできます。 血液内科においては、若手の先生も対等なマンパワーと言ってよいと思います。 臨床・研究に加え、YouTuberとしても活躍中のはらD先生。目指す姿とは!? YouTubeは、医学生や研修医の先生に向けたレクチャー動画として始めました。今は臨床しながら研究も行っているため忙しい日が多く、研修医の先生にレクチャーする時間を十分に取れないことを悩んでいました。そこで「説明内容を録画すれば、いつでも見られるし、試験前に見返すこともできる!」と考え、YouTubeという新しい取り組みにチャレンジしました。 当初はチャンネル登録者数1,000人を目標にしていましたが、2022年7月に達成できたので、より多くの方に見ていただけるよう目標を10倍の10,000人に変更し、スキマ時間をやりくりしながら動画撮影や編集を行っています。 YouTubeを始めたことで人前でプレゼンテーションすることに慣れてきました。 自ら骨髄検査を受けてみる企画では、患者さんの気持ちや痛みを知ることもできたので、患者さんへの声掛けの幅も広がったと感じています。 血液内科の領域を盛り上げられるように、さまざまなアプローチで血液内科に貢献できる人間になりたいと思っています。一つの分野で突き抜けている先生方に敬意を持ちながら、私自身は臨床・研究・YouTubeと幅広く携わるドクターを目指していきます。 いつか学会の公認YouTuberになることが夢です。 はらD先生にとっての『ヒポクラ × マイナビ』とは? 私は血液内科医なので、血液内科に特化されたオンライン医局『ヒポクラ × マイナビ 血液内科 Pro』を利用し、自由投稿フォームで普段疑問に思っていることを投稿してみました。 投稿後すぐに他の血液内科の先生からアドバイスをいただけたので「これは便利だなぁ!」と思いましたね。 すぐに周りに相談できないとき、あれはどうだったかな?と気になったときなど、隣の先生に話しかけるような感じで一度使ってみると『ヒポクラ × マイナビ』の良さがわかるでしょうね。 しっかり相談したいときは症例検討・相談用の投稿フォーム※から、さくっと聞いてみたいときはシンプルな自由投稿フォームから、と使い分けるのも良いと思います。 ※2022年8月現在。2022年10月に臨床相談・症例検討に加えて、投稿・交流できる機能を拡大しました。詳細はこちら コロナ禍で多数の医師が対面で集まる機会は減ってしまったので、『ヒポクラ × マイナビ 血液内科 Pro』に参加する血液内科医がもっと増えて、これまでできていた「うちの施設では今こういうことをやっているけど、先生の施設はどう?」といった気軽な話ができる日を楽しみにしています。 運営会社のエクスメディオさんには、医師同士の情報交換・交流が活発になる機能強化※を期待しています。 ※2022年10月に臨床相談・症例検討に加えて、投稿・交流できる機能を拡大しました。詳細はこちら 以上 今回は、血液内科医で『ヒポクラ × マイナビ』会員のはらD先生にインタビューをさせていただきました。はらD先生、普段なかなか聴けない貴重なお話をありがとうございました! 『ヒポクラ × マイナビ』では、今後もインタビューを通して会員の先生方のご活躍を取り上げていきます! インタビューをご希望の先生は、ぜひこちらまでお問い合わせください。 ヒポクラ × マイナビに登録する(医師限定・利用無料)