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AMLにおける最良のドナー選択肢は?〜EBMT WG研究
公開日:2024年9月4日
Baron F, et al. Am J Hematol. 2024 Aug 31. [Epub ahead of print]
HLA適合ドナーのいない急性骨髄性白血病(AML)患者にとって、最適なドナー選択肢に関しては、議論の的となっている。ベルギー・リエージュ大学のFrederic Baron氏らは、初回完全寛解(CR1)のAML患者を対象に、造血幹細胞移植のアウトカムを比較した大規模レトロスペクティブレジストリ研究の結果を報告した。American Journal of Hematology誌オンライン版2024年8月31日号の報告。
2013〜21年までの移植でCR1の成人AML患者を対象に、ダブルユニット臍帯血移植(dCBT群)209例とシクロホスファミドをベースとしたGVHD予防を伴う9/10 HLA非血縁ドナー(UD 9/10群)270例における移植後アウトカムを比較した。
主な結果は以下のとおり。
・グレード2〜4の急性GVHDの180日間における累性発生率は、UD 9/10群で29%、dCBT群で44%であった(p=0.001)。 ・共変量で調整したのち、dCBT群はUD 9/10群と比較し、非再発死亡率が高く(HR:2.35、95%CI:1.23〜4.48、p=0.01)、再発発生率は同程度(HR:1.12、95%CI:0.67〜1.86、p=0.66)、無白血病生存割合が低く(HR:1.5、95%CI:1.01〜2.23、p=0.47)、全生存割合(OS)が低かった(HR:1.66、95%CI:1.08〜2.55、p=0.02)。
著者らは「CR1のAML患者に対する移植結果では、dCBTよりもシクロホスファミドをベースとしたGVHD予防を伴うUD 9/10の方が良好であることが示唆された」とし「HLA適合ドナーのいないAML患者には、シクロホスファミドをベースとしたGVHD予防を伴うUD 9/10が支持される可能性がある」とまとめている。
2013〜21年までの移植でCR1の成人AML患者を対象に、ダブルユニット臍帯血移植(dCBT群)209例とシクロホスファミドをベースとしたGVHD予防を伴う9/10 HLA非血縁ドナー(UD 9/10群)270例における移植後アウトカムを比較した。
主な結果は以下のとおり。
・グレード2〜4の急性GVHDの180日間における累性発生率は、UD 9/10群で29%、dCBT群で44%であった(p=0.001)。 ・共変量で調整したのち、dCBT群はUD 9/10群と比較し、非再発死亡率が高く(HR:2.35、95%CI:1.23〜4.48、p=0.01)、再発発生率は同程度(HR:1.12、95%CI:0.67〜1.86、p=0.66)、無白血病生存割合が低く(HR:1.5、95%CI:1.01〜2.23、p=0.47)、全生存割合(OS)が低かった(HR:1.66、95%CI:1.08〜2.55、p=0.02)。
著者らは「CR1のAML患者に対する移植結果では、dCBTよりもシクロホスファミドをベースとしたGVHD予防を伴うUD 9/10の方が良好であることが示唆された」とし「HLA適合ドナーのいないAML患者には、シクロホスファミドをベースとしたGVHD予防を伴うUD 9/10が支持される可能性がある」とまとめている。
(エクスメディオ 鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Baron F, et al. Am J Hematol. 2024 Aug 31. [Epub ahead of print]
▶https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/39215605
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