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血液内科 Journal Check
移植前処置Flu/Mel、メルファラン減量は支持されるか
公開日:2024年8月19日
Albanyan O, et al. Transplant Cell Ther. 2024 Aug 13. [Epub ahead of print]
フルダラビン(Flu)とメルファラン(Mel)による低強度前処置レジメンは、急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)患者の同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)によく用いられる。しかし、Mel使用がallo-HSCTの毒性および臨床アウトカムに及ぼす影響に関するエビデンスは限られている。米国・Moffitt Cancer CenterのOmar Albanyan氏らは、AMLおよびMDS患者を対象にFluと組み合わせたMel100mg /m2またはMel140mg /m2におけるHLA8/8適合allo-HSCTのアウトカムをレトロスペクティブに比較した。Transplantation and Cellular Therapy誌オンライン版2024年8月13日号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者345例のうち、Ful /Mel100群は62例、Ful/Mel140群は283例であった。 ・allo-HSCT時の年齢中央値は66歳、フォローアップ期間中央値は36.5ヵ月であった。 ・Ful /Mel100群とFul/Mel140群では以下の点で統計学的に有意な差が認められた。 【胃腸障害】40.3% vs. 67.8%(p<0.001) 【100日目のグレード2〜4の急性GVHD】21.0% vs. 43.1%(p=0.001) 【2年間の慢性GVHD】17.4% vs. 27.1%(p=0.033) ・多変量解析では、Ful/Mel140群において、胃腸障害(HR:1.83、p=0.013)、グレード2〜4の急性GVHD(HR:2.35、p=0.003)、中等度〜重度の慢性GVHD(HR:3.13、p=0.007)のリスクが高かった。 ・Melの総投与量は、口腔粘膜炎、非再発死亡率、再発、無イベント生存期間(EFS)、全生存期間(OS)に独立した影響を及ぼさなかった。
著者らは「Melを減量したFul /Mel100を用いることで、allo-HSCTの毒性およびGVHDを最小限に抑制することが可能であることが支持された」としている。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者345例のうち、Ful /Mel100群は62例、Ful/Mel140群は283例であった。 ・allo-HSCT時の年齢中央値は66歳、フォローアップ期間中央値は36.5ヵ月であった。 ・Ful /Mel100群とFul/Mel140群では以下の点で統計学的に有意な差が認められた。 【胃腸障害】40.3% vs. 67.8%(p<0.001) 【100日目のグレード2〜4の急性GVHD】21.0% vs. 43.1%(p=0.001) 【2年間の慢性GVHD】17.4% vs. 27.1%(p=0.033) ・多変量解析では、Ful/Mel140群において、胃腸障害(HR:1.83、p=0.013)、グレード2〜4の急性GVHD(HR:2.35、p=0.003)、中等度〜重度の慢性GVHD(HR:3.13、p=0.007)のリスクが高かった。 ・Melの総投与量は、口腔粘膜炎、非再発死亡率、再発、無イベント生存期間(EFS)、全生存期間(OS)に独立した影響を及ぼさなかった。
著者らは「Melを減量したFul /Mel100を用いることで、allo-HSCTの毒性およびGVHDを最小限に抑制することが可能であることが支持された」としている。
(エクスメディオ 鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Albanyan O, et al. Transplant Cell Ther. 2024 Aug 13. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39147136
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