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再発・難治性FLT3変異陽性AMLに対するギルテリチニブ+VEN+AZAは第1選択に支持されるか
再発・難治性FLT3変異陽性AMLに対するギルテリチニブ+VEN+AZAは第1選択に支持されるか
公開日:2024年8月27日 Fu Q, et al. Leuk Res. 2024 Aug 22. [Epub ahead of print]  FLT3阻害薬ギルテリチニブは、再発・難治性FLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)に対する標準治療薬として用いられるが、全生存期間(OS)は20%程度であり、深い奏効や持続的な奏効を達成する患者は限られている。中国・北京大学のQiang Fu氏らは、ギルテリチニブ+ベネトクラクス(VEN)+アザシチジン(AZA)による3剤併用療法で治療を行った再発・難治性FLT3変異陽性AML患者29例をレトロスペクティブに分析した。Leukemia Research誌オンライン版2024年8月22日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者29例中、FLT3阻害薬治療歴を有していた患者は19例(65.5%)であった。 ・modified複合的寛解率(mCRc)は62.1%(18例)であった(完全寛解[CR]:4例[13.8%]、正常な血球回復が不完全な寛解[CRi]:6例[20.7%]、形態学的に白血病細胞がない状態[MLFS]:8例[27.6%])。 ・mCRcを達成した18例のうち、FLT3-PCR陰性は94.4%(17例)、フローサイトメトリー陰性は77.7%(14例)であった。 ・mCRc 率は、FLT3チロシンキナーゼ阻害薬治療歴のない患者で70%(10例中7例)、治療歴のある患者で57.8%(19例中11例)であった(p=0.52)。 ・1サイクル目終了時点での治療反応者におけるANC 0.5×109/L超までの期間中央値は38日、血小板 50×109/L超までの期間中央値は31日であったが、60日間の死亡率は0%であった。 ・すべての患者における推定2年OSは60.9%であった。 ・1年OSは、FLT3チロシンキナーゼ阻害薬治療歴のない患者で80%、治療歴のある患者で58.8%(p=0.79)。 ・3剤併用療法後に同種造血幹細胞移植を行った19例(65.5%)における推定2年OSは62%、移植を行わなかった10例における推定2年OSは37%であった(p=0.03)。  著者らは「ギルテリチニブ+VEN+AZAによる3剤併用療法は、効果的かつ安全であり、再発・難治性FLT3変異陽性AMLに対する第1選択治療として有望であることが示唆された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fu Q, et al. Leuk Res. 2024 Aug 22. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39180903 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら