「アザシチジン(ビダーザ)」の記事一覧

血液内科 Journal Check Vol.19(2022年10月7日号)
血液内科 Journal Check Vol.19(2022年10月7日号)
再発難治性多発性骨髄腫に対する新規CAR-T細胞療法シルタカブタゲン オートルユーセル Chekol Abebe E, et al. Front Immunol. 2022;13:991092. ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む 未治療DLBCLに対するポラツズマブの第III相臨床試験結果 Flowers C, et al. Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2022;22 Suppl 2:S358-S359. ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む 再発難治性の成人T細胞白血病リンパ腫に対するバレメトスタットの国内第II相臨床試験 Izutsu K, et al. Blood. 2022 Sep 23. [Online ahead of print] ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む 高リスクMDSの移植後維持療法としてのアザシチジン用量設定試験~関東造血幹細胞移植共同研究グループによる研究 Najima Y, et al. Ann Hematol. 2022 Sep 23. [Online ahead of print] ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む 悪性リンパ腫に対するFlu/Melベースの低強度コンディショニングによる臍帯血移植、最適な投与量は? Sakatoku K, et al. Ann Hematol. 2022 Oct 5. [Online ahead of print] ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性FLT3変異陽性AMLに対するギルテリチニブ+VEN+AZAは第1選択に支持されるか
再発・難治性FLT3変異陽性AMLに対するギルテリチニブ+VEN+AZAは第1選択に支持されるか
公開日:2024年8月27日 Fu Q, et al. Leuk Res. 2024 Aug 22. [Epub ahead of print]  FLT3阻害薬ギルテリチニブは、再発・難治性FLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)に対する標準治療薬として用いられるが、全生存期間(OS)は20%程度であり、深い奏効や持続的な奏効を達成する患者は限られている。中国・北京大学のQiang Fu氏らは、ギルテリチニブ+ベネトクラクス(VEN)+アザシチジン(AZA)による3剤併用療法で治療を行った再発・難治性FLT3変異陽性AML患者29例をレトロスペクティブに分析した。Leukemia Research誌オンライン版2024年8月22日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者29例中、FLT3阻害薬治療歴を有していた患者は19例(65.5%)であった。 ・modified複合的寛解率(mCRc)は62.1%(18例)であった(完全寛解[CR]:4例[13.8%]、正常な血球回復が不完全な寛解[CRi]:6例[20.7%]、形態学的に白血病細胞がない状態[MLFS]:8例[27.6%])。 ・mCRcを達成した18例のうち、FLT3-PCR陰性は94.4%(17例)、フローサイトメトリー陰性は77.7%(14例)であった。 ・mCRc 率は、FLT3チロシンキナーゼ阻害薬治療歴のない患者で70%(10例中7例)、治療歴のある患者で57.8%(19例中11例)であった(p=0.52)。 ・1サイクル目終了時点での治療反応者におけるANC 0.5×109/L超までの期間中央値は38日、血小板 50×109/L超までの期間中央値は31日であったが、60日間の死亡率は0%であった。 ・すべての患者における推定2年OSは60.9%であった。 ・1年OSは、FLT3チロシンキナーゼ阻害薬治療歴のない患者で80%、治療歴のある患者で58.8%(p=0.79)。 ・3剤併用療法後に同種造血幹細胞移植を行った19例(65.5%)における推定2年OSは62%、移植を行わなかった10例における推定2年OSは37%であった(p=0.03)。  著者らは「ギルテリチニブ+VEN+AZAによる3剤併用療法は、効果的かつ安全であり、再発・難治性FLT3変異陽性AMLに対する第1選択治療として有望であることが示唆された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fu Q, et al. Leuk Res. 2024 Aug 22. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39180903 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
強力化学療法が適応とならないAML、VEN+AZAはVEN+低用量AraCより優れているのか
強力化学療法が適応とならないAML、VEN+AZAはVEN+低用量AraCより優れているのか
公開日:2024年10月8日 Amador-Medina LF, et al. Hematol Transfus Cell Ther. 2024 Sep 23. [Epub ahead of print]  2020年、米国FDAは、VIALE-A研究およびVIALE-C研究の結果に基づき強力化学療法が適応とならない急性骨髄性白血病(AML)の治療に対し、ベネトクラクス(VEN)+アザシチジン(AZA)またはベネトクラクス+低用量シタラビン(AraC)併用療法を承認した。両研究結果発表後、VEN+AZAは、VEN+低用量AraCよりも優れていると考えられてきたが、これらの研究は、VEN+AZA併用療法の優位性を証明するようには設計されていなかった。そのため、メキシコ・グアナファト大学のLauro Fabian Amador-Medina氏らは、強力化学療法が適応とならない新たに診断されたAMLに対するこれら2つのレジメンの全生存期間(OS)、完全寛解(CR)、複合完全寛解(CRc)を明らかにするため、システマティックレビューを実施した。Hematology, Transfusion and Cell Therapy誌オンライン版2024年9月23日号の報告。  PubMed、Web of Scienceデータベースよりレトロスペクティブ研究を検索し、CR、CRc、OSデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。 ・特定された815件のうち、適格基準を満たした研究は11件(VEN+AZA:10件、VEN+低用量AraC:1件)のみであった。 ・OS期間中央値は、VEN+AZAで10.75ヵ月、VEN+低用量AraCで未達(研究発表時点)であった。 ・CRcは、VEN+AZAで63.3%、VEN+低用量AraCで90%であった。 ・有害事象は、両群で同様であった。  著者らは「VEN+低用量AraCを調査した研究は非常に限られているものの、入手可能なデータに基づくと、強力化学療法が適応とならないAMLに対し、VEN+AZAがVEN+低用量AraCより優れているとは言い切れなかった。そのため、VEN+低用量AraCは依然として選択肢の1つとなりうる」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Amador-Medina LF, et al. Hematol Transfus Cell Ther. 2024 Sep 23. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39366887 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性AMLに対するベネトクラクス併用療法、より良い組み合わせは?〜メタ解析
再発・難治性AMLに対するベネトクラクス併用療法、より良い組み合わせは?〜メタ解析
公開日:2024年10月17日 Jiao N, et al. BMC Cancer. 2024; 24: 1271.  再発・難治性の急性骨髄性白血病(AML)における患者の臨床アウトカム改善のために今後の研究の方向性、臨床上の意思決定、治療戦略の継続的な進化などを目指し、中国・Zibo Traditional Chinese Medicine HospitalのNing Jiao氏らは、ベネトクラクス併用療法に関するシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。BMC Cancer誌2024年10月13日号の報告。  2023年11月までに公表された再発・難治性AMLに対するベネトクラクス併用療法に関する英語の研究を、PubMed、Embase、Cochraneデータベースより、システマティックに検索した。重複した研究、不完全な研究、動物実験、文献レビュー、システマテック研究などは対象より除外した。メタ解析には、STATA 15.1を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・特定された58研究のうち、7研究をメタ解析に含めた。 ・プールされた完全寛解(CR)率は15.4%、複合完全寛解(CRc)率は35.7%、部分寛解(PR)率は2.6%、非寛解(NR)率は24.4%であった。 ・CRc患者における微小残存病変(MRD-CRc)率は39.4%、形質学的無白血病状態(MLFS)率は10.3%。 ・主な有害事象の発生率は、下痢10.0%、悪心4.3%、嘔吐2.6%、低カリウム血症16.4%、低マグネシウム血症0.8%、食欲減退4.2%、疲労9.1%、発熱性好中球減少39.6%、血小板減少28.4%。 ・併用薬に基づくカテゴリ分析では、CR率とCRc率に違いが認められた。 ・ベネトクラクスと併用した際のCR率およびCRc率は、アザシチジンとの併用が最も優れており、idasanutlinは中程度、mivebresibは最も低かった。 【ベネトクラクス+アザシチジン】CR率:31.3%、CRc率:62.7% 【ベネトクラクス+idasanutlin】CR率:6.1%、CRc率:26.5% 【ベネトクラクス+mivebresib】CR率:3.3%、CRc率:8.0%  著者らは「ベネトクラクスとアザシチジンの併用療法は、再発・難治性AMLの良好な治療反応を達成する上で有望であるが、安全性プロファイルの包括的な評価が不可欠である。とくに発熱性好中球減少、血小板減少には注意が必要である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Jiao N, et al. BMC Cancer. 2024; 24: 1271.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39396935 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
AMLに対するアザシチジン+ベネトクラクス短縮レジメンの有用性
AMLに対するアザシチジン+ベネトクラクス短縮レジメンの有用性
公開日:2024年10月31日 Fleischmann M, et al. Ann Hematol. 2024 Oct 25. [Epub ahead of print]  現在、ベネトクラクスと脱メチル化薬との併用療法は、強化化学療法が適応とならない高齢者急性骨髄性白血病(AML)に対する標準治療となっている。その有効性は良好であるにもかかわらず、臨床では寛解後の血球減少を伴うことが多く、治療期間の延長や用量変更を余儀なくされることも少なくない。ドイツ・ライプツィヒ大学のMaximilian Fleischmann氏らは、ベネトクラクスの治療期間を短縮したレジメンを使用した場合の有効性および安全性を評価するため、多施設共同研究を実施した。Annals of Hematology誌オンライン版2024年10月25日号の報告。  対象は、2021〜24年、ドイツの学術センター4施設において、ベネトクラクス(7日間投与:9例、14日間投与:11例)+5-アザシチジン(5〜7日間投与)併用療法による1stライン治療を行った成人AML患者20例。アウトカム指標には、骨髄奏効、輸血依存、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者の年齢中央値は73.5歳、二次性AMLが70%。 ・分子的な有害リスクは75%の患者で認められた。 ・全体として、全奏効(OR)率は100%、複合完全寛解(CR)率は78%であった。 ・ベネトクラクスの7日間投与と14日間投与との間に、奏効率の有意な差は認められなかった。 ・OS中央値は15ヵ月。 ・感染症関連の合併症は、55%に認められ、重度の敗血症が20%で認められた。  著者らは「AMLに対するアザシチジン+ベネトクラクス短縮レジメンは、標準レジメンと同等の有効性を示し、血液毒性を軽減する可能性が示唆された。これらの結果は、副作用を最小限にコントロールしながら、臨床アウトカムを最適化するための個別化治療の必要性を裏付けている」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fleischmann M, et al. Ann Hematol. 2024 Oct 25. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39453477 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
AML/MDSに対するVEN+AZAはリアルワールドでも支持されるか
AML/MDSに対するVEN+AZAはリアルワールドでも支持されるか
公開日:2024年11月8日 Acar IH, et al. Medicina (Kaunas). 2024; 60: 1623.  急性骨髄性白血病(AML)と骨髄異形成症候群(MDS)は、いずれもクローン性血液悪性腫瘍であり、主に高齢者で発症する。AML/MDSの現在の治療は、その種類も有効性も限られている。トルコ・Osmaniye State HospitalのIbrahim Halil Acar氏らは、AML/MDSにおけるベネトクラクスベースの治療における全生存割合(OS)、無再発生存割合(RFS)に焦点を当てて評価し、この関連に関するリアルワールドデータを詳しく調査した。Medicina誌2024年10月4日号の報告。  2019年1月〜2022年7月にベネトクラクスでの治療を行った18歳以上のAML/MDS患者を対象に、臨床データおよび検査データを収集した。生存率分析は、2019〜23年の期間に基づき算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象は、AML患者161例、MDS患者40例。 ・年齢中央値は、AML患者で63.53±15.30歳、MDS患者で70.12±10.21歳。 ・男性の割合は、両群ともに55%以上であった。 ・ベネトクラクス治療前に前治療を行っていた患者の割合は、AML患者77.6%、MDS患者75.0%。 ・ベネトクラクスをアザシチジンと併用していた患者の割合は、AML患者84.5%、MDS患者67.5%。 ・AML患者の再発率は、約15%であった。 ・全体における2年生存率は46%(18.73ヵ月)。 ・全体的なCR/CRi率は、AML患者で49.1%、MDS患者で50%であった。 ・MDS患者の2年生存率は52.7%。 ・2年RFSは、AML患者で75.5%、MDS患者で90.9%。 ・グレード3以上の毒性を有する患者において、治療中止につながる有害事象の割合は低く、AML患者で26.7%(43例)、MDS患者で15%(6例)であった。  著者らは「本リアルワールドデータにおいて、ベネトクラクスと脱メチル化薬の併用療法は、全生存率の向上に寄与する可能性があり、AML/MDS患者に対する使用が支持された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Acar IH, et al. Medicina (Kaunas). 2024; 60: 1623.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39459410 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
HSCT後の再発MDSに対しドナーリンパ球輸注を検討すべき患者像は
HSCT後の再発MDSに対しドナーリンパ球輸注を検討すべき患者像は
公開日:2024年11月26日 Marumo A, et al. Cytotherapy. 2024 Oct 17. [Epub ahead of print]  同種造血幹細胞移植(HSCT)は、骨髄異形成症候群(MDS)の臨床アウトカム改善に寄与するが、再発率は依然として高く、再発後の治療選択肢は限られている。日本医科大学の丸毛 淳史氏らは、HSCT後の再発MDS患者に対するドナーリンパ球輸注(DLI)へ治療反応を示す要因を特定するため、本研究を実施した。Cytotherapy誌オンライン版2024年10月17日号の報告。  2002〜22年に初回HSCTを行い、造血細胞移植登録一元プログラムに登録された再発またはDLI治療実施のMDS患者107例。単変量および多変量生存率解析には、ログランク検定、Cox比例ハザードモデルを用いた。全生存期間(OS)とDLIに対する反応率も分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・1年OSは30.0%。 ・単変量解析では、予後不良因子として、58歳以上(p=0.030)、complex karyotype(CK: p=0.026)、血液学的再発(p=0.026)、早期再発(p=0.004)が特定された。 ・アザシチジンとDLIの併用により、予後改善が認められた(p<0.001)。 ・多変量解析でも、58歳以上、血液学的再発、早期再発が予後不良因子として特定された。 ・移植後110日未満で再発した58歳以上の患者における調整済みOSに関して、細胞遺伝学的/分子学的再発患者の1年OSは43.6%であったのに対し、血液学的再発患者では9.4%であった。 ・急性移植片対宿主病(GVHD)は62.3%、慢性GVHDは30.8%でみられたが、マネジメント可能であり、GVHDリスクの予後への影響は最小限であった。  著者らは「若年、細胞遺伝学的/分子学的再発、後期再発のHSCT後の再発MDS患者のOS改善に、DLIが寄与する可能性がある。HSCT後の再発MDSに対する治療オプションは限られているため、DLIを検討する必要性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Marumo A, et al. Cytotherapy. 2024 Oct 17. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39503682 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
IDH1変異陽性再発・難治性AMLに対するolutasidenib+アザシチジン療法〜第I/II相試験
IDH1変異陽性再発・難治性AMLに対するolutasidenib+アザシチジン療法〜第I/II相試験
公開日:2025年1月23日 Cortes JE, et al. J Hematol Oncol. 2025; 18: 7.  イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)は、細胞質に存在し、クエン酸回路において、イソクエン酸からα-ケトグルタル酸(α-KG)への酸化的脱炭酸を触媒する代謝酵素である。IDH1遺伝子変異がある場合、DNAのメチル化が促進され、幹細胞や前駆細胞の正常な細胞分化の阻害や、腫瘍性形質転換の促進をもたらすと考えられている。米国・Georgia Cancer CenterのJorge E. Cortes氏らは、急性骨髄性白血病(AML)の6〜9%にみられるIDH1変異陽性の再発・難治性AMLに対するIDH1阻害薬olutasidenibとアザシチジンの併用療法の有効性および安全性を評価するため、第I/II相試験の複数のコホートから統合解析を行った。Journal of Hematology & Oncology誌2025年1月16日号の報告。  対象は、olutasidenib(1日2回150mg)とアザシチジン(標準治療)の併用療法を行った再発・難治性IDH1変異(R132)AML患者67例。第I/II相試験の複数のコホートからデータを抽出し、統合解析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・年齢中央値は66歳(範囲:28〜82歳)、男性の割合は54%。 ・2回以上の治療歴を有する患者は83%であり、その内訳は、脱メチル化薬が40%、IDH1阻害薬が31%(olutasidenib:24%)、造血幹細胞移植が10%。 ・細胞遺伝学的リスクは、中程度が72%、不良が18%、不明が10%。 ・完全寛解または血液学的完全寛解(CR/CRh)は、67例中21例(31%、95%CI:21〜44)で達成し、期間中央値は14.7ヵ月(95%CI:4.6〜未達)であった。 ・CR達成は18例(27%、95%CI:17〜39)、期間中央値は20.3ヵ月(95%CI:3.7〜未達)。 ・部分寛解以上の全奏効(OR)は34例(51%、95%CI:38〜63)で達成した。 ・全生存期間中央値は12.9ヵ月(95%CI:18.7〜19.3)。 ・olutasidenibによる前治療歴を有する患者を除いたサブセット解析では、CR/CRhは51例中19例(37%、95%CI:24〜52)、CRは16例(31%、95%CI:19〜46)、ORは30例(59%、95%CI:44〜72)で達成した。 ・CR/CRhを達成し、ベースライン時に輸血依存であった患者における輸血非依存達成率は、赤血球64%(11例中7例)、血小板57%(7例中4例)。 ・主なグレードIII/IVの有害事象(20%以上で発生)は、血小板減少(37%)、赤血球減少(25%)、好中球減少(24%)。 ・IDH分化症候群の発生は、6例(9%)で認められた。 ・有害事象により治療を中止した患者は4例(6%)であった。  著者らは「さまざまな治療歴を有する再発・難治性AMLに対するolutasidenib+アザシチジン併用療法は、高い奏効率と持続的な寛解をもたらし、副作用プロファイルは許容範囲内であることが確認され、IDH1変異陽性AMLに対する新たな治療選択肢となりうる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cortes JE, et al. J Hematol Oncol. 2025; 18: 7.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39819505 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
HDAC阻害薬ツシジノスタット+VEN+AZA+CAG療法、初発AMLの新レジメンとなるか
HDAC阻害薬ツシジノスタット+VEN+AZA+CAG療法、初発AMLの新レジメンとなるか
公開日:2025年2月28日 Yang J, et al. Int Immunopharmacol. 2025 Feb 21. [Epub ahead of print]  急性骨髄性白血病(AML)は、死亡率の高い非常に異質な造血器悪性腫瘍である。AML治療において、エピジェネティック療法が重要な役割を果たすことが期待されている。しかし、複数のエピジェネティック作用薬と従来の化学療法との併用による臨床アウトカムは、いまだ明らかになっていない。中国・The Fifth Medical Center of Chinese PLA General HospitalのJingjing Yang氏らは、AML患者を対象に、CAG療法およびベネトクラクス+アザシチジンを組み合わせたVEN+AZA+CAG療法にHDAC阻害薬ツシジノスタットを併用した際の臨床的安全性および有効性を評価するため、第II相試験を実施した。International Immunopharmacology誌オンライン版2025年2月21日号の報告。  対象患者には、アクラルビシン(day1、3、5:10mg/m2)、シタラビン(day1〜5:75mg/ m21日2回)、G-CSF(5μg/kg/日)ベネトクラクス(day1:100mg、day2:200mg、day3〜14:400mg)、アザシチジン(day1〜7:75 mg/m2)、ツシジノスタット(30mg週2回、2週間)による導入療法を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・1コース後の全奏効率(OR)は96.7%、複合完全奏効率(CR)93.3%。 ・NCCNリスク分類不良な患者における複合CRは86.7%。 ・2コース後の複合CRは100%であった。 ・12ヵ月間の全生存率(OS)は69.7%。 ・導入療法後の回復までの中央値は、血小板数5万/μL以上の場合で19日、好中球絶対数が500cell/μL以上の場合で17日であった。 ・シングルセルRNAシーケンシングでは、腫瘍細胞を除去したのち、ほとんどの免疫細胞の割合に大きな変化は認められなかった。  著者らは「ツシジノスタット+VEN+AZA+CAG療法は、新たに診断されたAML患者に対において良好なCRを達成し、とくに不良リスクの患者で顕著であった。また、本レジメンは、細胞免疫にほとんど影響を及ぼさないことも確認された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yang J, et al. Int Immunopharmacol. 2025 Feb 21. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39986194 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
AMLの遺伝子変異リスクによるVEN+AZA併用療法の予後の違いを実臨床で確認
AMLの遺伝子変異リスクによるVEN+AZA併用療法の予後の違いを実臨床で確認
公開日:2025年3月7日 Brandwein J, et al. Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2025 Feb 1. [Epub ahead of print]  ベネトクラクス(VEN)とアザシチジン(AZA)の併用は、unfit高齢者AMLに対する標準治療として推奨されている。カナダ・アルバータ大学のJoseph Brandwein氏らは、リアルワールドにおける初発unfit AML患者に対するVEN+AZA併用療法の治療アウトカムを分析した。Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia誌オンライン版2025年2月1日号の報告。  2020〜24年、単一施設において未治療のunfit AMLに対しVEN+AZA併用療法を行った患者を対象に、治療アウトカムの分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・全奏効率(OR)は66%(105例中69例)。IDH1/2変異患者で最も高く(82%)、TP53変異患者で最も低かった(40%)。 ・全生存期間(OS)中央値は9.6ヵ月、完全寛解(CR)およびまたは正常な血球回復が不完全な寛解(CRi)を達成した患者では16.3ヵ月であった。 ・CR達成患者とCRi達成患者でOSに有意な差は認められなかった(p=0.077)。 ・2022年以降に治療された患者は、それ以前に治療された患者よりも早期死亡率が低く(8%vs.22%、p=0.096)、OSが良好であった(中央値:10.4ヵ月vs.5.8ヵ月、p=0.033)。 ・年齢別または脱メチル化薬治療歴の有無でOSに違いは認められなかった。 ・FLT3-ITD/RAS(OS:8.1ヵ月)またはTP53変異患者(OS:1.7ヵ月)は、他の患者(OS:16ヵ月)と比較し、OSが不良であった。 ・多変量解析では、CR/CRi達成はOS改善と関連しており(p<0.001)、FLT3-ITS/RAS/TP53変異はOS不良との関連が認められた(p=0.003)。一方、ELN2022リスクとOSとの関連は認められなかった。 ・CR/CRi達成患者の無病生存期間(DFS)中央値は、FLT3-ITS/RAS変異で7.1ヵ月、TP53変異で4.9ヵ月、その他の変異で21ヵ月であった(p=0.003)。  著者らは「リアルワールドデータの解析により、VEN+AZA併用療法における変異リスク分類と予後との関連が明らかとなった。本試験では、以前のVIALE-A試験で報告されたOSよりも劣っていたものの、時間経過とともに改善が認められた」としている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Brandwein J, et al. Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2025 Feb 1. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/40023757 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら