未治療の日本人CLLに対するアカラブルチニブ+オビヌツズマブ〜第I相試験
血液内科 Journal Check

未治療の日本人CLLに対するアカラブルチニブ+オビヌツズマブ〜第I相試験

公開日:2024年7月11日

Takizawa J, et al. Leuk Lymphoma. 2024 Jul 1. [Epub ahead of print]
 新潟大学の瀧澤 淳氏らは、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)の日本人患者を対象に、アカラブルチニブとオビヌツズマブ併用療法の安全性、薬物動態、薬力学、抗腫瘍活性を評価した多施設共同非盲検第I相試験パート3に焦点を当て、報告した。Leukemia & Lymphoma誌オンライン版2024年7月1日号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者は、未治療の日本人CLL患者10例(年齢中央値:68歳)。 ・治療期間中央値は27.2ヵ月。 ・治療中に発生した有害事象(AE)は、すべての患者において認められ(グレード3以上:70%)、最も多かったAEは貧血および頭痛であった(各々、40%)。 ・グレード4の好中球減少症が1例で認められた(唯一の用量制限毒性)。 ・薬物動態の結果から、オビヌツズマブの併用は、アカラブルチニブに明らかな影響を及ぼさないことが示唆された。 ・薬力学評価では、併用療法により、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)占有率が98%以上になることが示唆された。 ・全奏効率は100%、奏効期間中央値と無増悪生存期間中央値は未達であった。
 著者らは「アカラブルチニブとオビヌツズマブ併用療法は、未治療の日本人CLL患者において、概ね安全かつ有効な治療法であることが示唆された」としている。


(エクスメディオ 鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Takizawa J, et al. Leuk Lymphoma. 2024 Jul 1. [Epub ahead of print]
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38952054

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