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形質転換CLLに対するR-CHOPブリッジング後ブリナツモマブ〜多施設共同第II相試験
形質転換CLLに対するR-CHOPブリッジング後ブリナツモマブ〜多施設共同第II相試験
公開日:2024年8月13日 Guieze R, et al. Nat Commun. 2024; 15: 6822.  慢性リンパ性白血病では、時に組織学的形質転換(Richter症候群)をきたし、急激な病勢進行を示す。フランス・クレルモン フェラン大学のRomain Guieze氏らは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)への転換をきたしたRichter症候群患者を対象に、R-CHOP療法でのブリッジング後における抗CD3/CD19二重特異性T細胞誘導抗体ブリナツモマブの有効性および安全性を評価するため、多施設共同第II相試験を実施した。Nature Communications誌2024年8月9日号の報告。  R-CHOPを2サイクル後に完全奏効(CR)が得られなかったDLBCLへの転換をきたしたRichter症候群患者を対象に、8週間のブリナツモマブ持続静脈注射(112μg/日まで段階的に投与)を行った。主要エンドポイントは、ブリナツモマブ導入後のCR率とし、副次的エンドポイントは、安全性、奏効期間、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・R-CHOPを開始した39例中、25例にブリナツモマブが投与された。 ・ブリナツモマブ導入後、CR 5例(20%)、部分奏効(PR)4例(16%)、安定(SD)6例(24%)であった。 ・フル解析セットにおける全奏効(OR)率は46%(18例)、14例(36%)はCRを達成した。 ・治療中に発生したすべてのグレードの主な有害事象は、発熱(36%)、貧血(24%)、リンパ球減少(24%)であった。 ・サイトカイン放出症候群(グレード1〜2)は16%、神経毒性は20%で認められた。  著者らは「DLBCLへの転換をきたしたRichter症候群に対するブリナツモマブ治療は、主要エンドポイントを達成する抗腫瘍効果と許容可能な毒性を示した」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Guieze R, et al. Nat Commun. 2024; 15: 6822.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39122717 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら