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DLBCL
DLBCLの1stライン、Pola+R-CHPはR-CHOPを超えられるか
公開日:2024年12月24日
Zhao P, et al. Hematol Oncol. 2025; 43: e70017.
ポラツズマブ ベドチン併用R-CHP(Pola-R-CHP)療法は、国際共同第III相ランダム化二重盲検試験であるPOLARIX試験に基づき、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する新たな第1選択治療として承認された。しかし、リアルワールドにおける有効性および安全性に関するデータは、十分とはいえない。中国・天津医科大学のPeiqi Zhao氏らは、中国の日常診療におけるPola-R-CHP療法とR-CHOP療法のアウトカムを評価するため、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Hematological Oncology誌2025年1月号の報告。
2024年2月までにポラツズマブ ベドチンによる治療を1回以上行ったすべての患者を対象に、多施設レトロスペクティブコホート研究を実施した。6施設より適格患者600例(Pola-R-CHP療法群:131例、R-CHOP療法群:469例)が特定された。1:2の傾向スコアマッチング後、128組が生存および予後分析に含また。
主な結果は以下のとおり。
・フォローアップ期間中央値は12.8ヵ月、12ヵ月無増悪生存割合(PFS)は、Pola-R-CHP療法群の方がR-CHOP療法群よりも高かった(90.3% vs.84.1%、p=0.18)。 ・分子生物学的サブグループ全体で一貫したベネトットが認められ、とくに進行期、全身状態(ECOG)2以上、リンパ節外病変2以上、non-GCB-DLBCLにおいて顕著であった。 ・完全奏効率は、Pola-R-CHP療法群の方がR-CHOP療法群よりも高かったが、統計学的に有意な差は認められなかった(86.8% vs.79.7%、p=0.09)。 ・安全性プロファイルは、両群間で同等であり、新たな懸念は見当たらなかった。 ・Pola-R-CHP療法群128例のうち、96例でゲノムシーケンス解析を実施した。結果の内訳は、MCDタイプ(25.0%)、EZBタイプ(13.5%)、複合サブタイプ(12.5%)、ST2タイプ(12.5%)、その他/分類不能(30.2%)。 ・25%以上で認められた最も一般的な変異は、PIM1、TP53、BCL-6、KMT2D、SOCS1、BCL-2であった。 ・遺伝子検査の結果では、遺伝子型やPIM1/TP53の遺伝子変異と治療効果との相関関係が示唆された。
著者らは「Pola-R-CHP療法は、リアルワールドの対象集団において、DLBCLに対する有効な第1選択治療であることが裏付けられ、R-CHOP療法よりも持続的な有効性が示された。12ヵ月PFSに有意差は認められなかったものの、サブグループ解析では、Pola-R-CHP療法の方が良好であった」と結論付け「今後は、より大規模な研究、長期フォローアップ研究、より有効な患者群を対象とした研究が求められる」としている。
2024年2月までにポラツズマブ ベドチンによる治療を1回以上行ったすべての患者を対象に、多施設レトロスペクティブコホート研究を実施した。6施設より適格患者600例(Pola-R-CHP療法群:131例、R-CHOP療法群:469例)が特定された。1:2の傾向スコアマッチング後、128組が生存および予後分析に含また。
主な結果は以下のとおり。
・フォローアップ期間中央値は12.8ヵ月、12ヵ月無増悪生存割合(PFS)は、Pola-R-CHP療法群の方がR-CHOP療法群よりも高かった(90.3% vs.84.1%、p=0.18)。 ・分子生物学的サブグループ全体で一貫したベネトットが認められ、とくに進行期、全身状態(ECOG)2以上、リンパ節外病変2以上、non-GCB-DLBCLにおいて顕著であった。 ・完全奏効率は、Pola-R-CHP療法群の方がR-CHOP療法群よりも高かったが、統計学的に有意な差は認められなかった(86.8% vs.79.7%、p=0.09)。 ・安全性プロファイルは、両群間で同等であり、新たな懸念は見当たらなかった。 ・Pola-R-CHP療法群128例のうち、96例でゲノムシーケンス解析を実施した。結果の内訳は、MCDタイプ(25.0%)、EZBタイプ(13.5%)、複合サブタイプ(12.5%)、ST2タイプ(12.5%)、その他/分類不能(30.2%)。 ・25%以上で認められた最も一般的な変異は、PIM1、TP53、BCL-6、KMT2D、SOCS1、BCL-2であった。 ・遺伝子検査の結果では、遺伝子型やPIM1/TP53の遺伝子変異と治療効果との相関関係が示唆された。
著者らは「Pola-R-CHP療法は、リアルワールドの対象集団において、DLBCLに対する有効な第1選択治療であることが裏付けられ、R-CHOP療法よりも持続的な有効性が示された。12ヵ月PFSに有意差は認められなかったものの、サブグループ解析では、Pola-R-CHP療法の方が良好であった」と結論付け「今後は、より大規模な研究、長期フォローアップ研究、より有効な患者群を対象とした研究が求められる」としている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Zhao P, et al. Hematol Oncol. 2025; 43: e70017.
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39641321
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