消化器がんリスクを上げる食事と下げる食事は?
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消化器がんリスクを上げる食事と下げる食事は?

公開日:2025年2月18日

 近年、消化器がんの発生率は増加している。消化器がんは、世界においてがんの死因の主な原因の1つであり、生命や健康に深刻な脅威をもたらしている。主な消化器がんである胃がん、大腸がん、肝がんの進行に対する食事の影響は、とくに注目されている。しかし、食事因子と消化器がんとの関連は、十分に調査されていない。中国・吉林大学のXinxin Qin氏らは、30種の食事因子と消化器がんとの関連性を評価するため、横断的研究を実施した。Frontiers in Nutrition誌2025年1月22日号の報告。
 対象は、2007〜18年のNHANES調査に参加した20歳以上の成人3万789人。食事因子30種と消化器がんとの関連を評価した。参加者の人口統計学的特徴は、記述式分析により調査した。加重線形回帰モデルを用いてp値を算出した。カテゴリ変数は、パーセントで記述し、加重カイ二乗検定を用いてp値を算出した。
 大腸がん、胃がん、肝がんと相関が認められた食事因子は次のとおり。
・大腸がんと正の相関:タンパク質、ビタミンB1、カルシウム、鉄 ・大腸がんと負の相関:ビタミンB2、リン ・胃がんと正の相関:ビタミンD、銅 ・胃がんと負の相関:葉酸、ビタミンB12 ・肝がんと正の相関:リコピン、ビタミンB2、カルシウム、鉄、亜鉛 ・肝細胞がんと負の相関:ビタミンE
・それ以外では、食事因子と消化器がんとの関連は認められなかった。
 著者らは「食事摂取は消化器がんと関連しており、これらの結果を検証するためにも更なる疫学研究が求められる」としている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Qin X, et al. Front Nutr. 2025: 12: 1539401.
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39911800

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