「早漏治療に関する臨床実践ガイドライン」世界で実践されている治療は?
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「早漏治療に関する臨床実践ガイドライン」世界で実践されている治療は?

公開日:2025年2月24日

 早漏は、一般的にみられる男性の性機能障害であるが、その定義、診断基準、治療オプションが多岐に渡り、早漏マネジメントには大きな異質性および議論が伴う。エジプト・カイロ大学のTaymour Mostafa氏らは、早漏の診断およびマネジメントの世界的な実践パターンを調査した。The World Journal of Men's Health誌オンライン版2025年2月5日号の報告。
 国際的な専門家集団が作成した質問票を用いて、早漏に関する横断的かつ世界的なオンライン調査を実施した。R version 4.1.2を用いて分析し、修正デルファイ法も用いて専門家の推奨事項を策定した。
主な結果は以下のとおり。
・41ヵ国、264人が本調査に回答した。 ・回答者の多くは45歳未満であり、男性科学と性的健康にフォーカスした泌尿器科医であった。 ・早漏の診断は、主に膣内射精潜時が1分未満に基づき行われていた(61.5%)。 ・カテゴリ別では、生涯にわたる早漏が47.7%と最も多く報告された。 ・25%未満の症例でante-portasの早漏が観察されたと回答した割合は84.2%。 ・早漏と勃起不全との鑑別が困難であると回答した割合は60.7%。 ・最も多い併存疾患は糖尿病であった(17.1%)。 ・薬物療法は、最も頻度の高い治療選択肢であり(34.3%)、dapoxetineが最も好まれていた(37.9%)。 ・外科的治療の選択は稀であった。 ・ヒアルロン酸ゲルによる亀頭増大術などの新たな治療法の支持は、わずか11.7%に留まった。 ・早漏治療の有効性に関する第1評価基準は患者満足度であり(55.9%)、コストは最大の懸念事項であった(35.5%)。 ・患者ニーズに合わせたマルチモーダル治療アプローチが好まれていた。
 著者らは「世界的調査により、早漏の診断および治療戦略の多様性が明らかとなった。標準的な診断基準は、一般的に受け入れられていた。適応外の薬物療法の頻度が高く、手術に関しては依然として議論の余地が残る結果であった。早漏マネジメントを改善するためには、さらなる神経生物学的研究の促進、効果的かつ安全な治療選択肢の開発が必要であろう」と結論付けている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Mostafa T, et al. World J Mens Health. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39947652

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