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赤ワインの新たな生物学的効果、ヘプシジン発現調節メカニズムとは?
公開日:2025年2月17日
アルコール摂取は、鉄代謝制御の中心を担うペプチドホルモンであるヘプシジンの発現低下と関連しており、体内の鉄蓄積に影響を及ぼす可能性がある。ワインに含まれるポリフェノールは、ヘプシジン発現や鉄吸収に対するアルコールとは異なる影響が示唆されている。クロアチア・スプリット大学のJurica Nazlic氏らは、血清ヘプシジン濃度に対する赤ワインの影響およびそのメカニズムを評価した。Food & Function誌オンライン版2025年2月11日号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・以前の研究において、健康成人13例および2型糖尿病患者18例を対象に2週間のアルコールフリー後、赤ワイン300mlを3週間摂取した際の血清ヘプシジン濃度の変化を検討した。その結果、赤ワイン摂取による血清ヘプシジン濃度の減少が確認された。 ・赤ワイン摂取後のヘプシジン減少メカニズムを明らかにするため、対象者の予備の血清サンプルを用いて、追加の生物学的分析を行った。 ・両群において、エリスロポエチンレベルの上昇を伴うヘプシジン減少が認められた。 ・2型糖尿病患者のみで、エリスロフェロンの有意な増加が確認された。 ・これらの結果は、赤ワインの摂取により、エリスロポエチン−エリスロフェロン−ヘプシジン経路が活性化されることを示唆している。 ・エリスロポエチン−エリスロフェロン−ヘプシジン経路の活性化の指標として、両群で赤血球分布幅が増加した。また、2型糖尿病患者では、網状赤血球数の増加および血清フェリチンの減少がみられた。
著者らは「鉄分の恒常性およびヘプシジンの機能全般に影響を及ぼす条件において重要な、赤ワインの新たな生物学的効果が明らかとなった」と結論付けている。
主な結果は以下のとおり。
・以前の研究において、健康成人13例および2型糖尿病患者18例を対象に2週間のアルコールフリー後、赤ワイン300mlを3週間摂取した際の血清ヘプシジン濃度の変化を検討した。その結果、赤ワイン摂取による血清ヘプシジン濃度の減少が確認された。 ・赤ワイン摂取後のヘプシジン減少メカニズムを明らかにするため、対象者の予備の血清サンプルを用いて、追加の生物学的分析を行った。 ・両群において、エリスロポエチンレベルの上昇を伴うヘプシジン減少が認められた。 ・2型糖尿病患者のみで、エリスロフェロンの有意な増加が確認された。 ・これらの結果は、赤ワインの摂取により、エリスロポエチン−エリスロフェロン−ヘプシジン経路が活性化されることを示唆している。 ・エリスロポエチン−エリスロフェロン−ヘプシジン経路の活性化の指標として、両群で赤血球分布幅が増加した。また、2型糖尿病患者では、網状赤血球数の増加および血清フェリチンの減少がみられた。
著者らは「鉄分の恒常性およびヘプシジンの機能全般に影響を及ぼす条件において重要な、赤ワインの新たな生物学的効果が明らかとなった」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Nazlic J, et al. Food Funct. 2025 Feb 11. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39931951
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