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血液内科 Journal Check
難治性B細胞性ALLに対するNKTR-255+CAR19-22〜第I相試験
公開日:2024年7月9日
Srinagesh HK, et al. Blood. 2024 Jul 5. [Epub ahead of print]
CAR-T細胞療法は、B細胞性リンパ腫治療に革命をもたらしたが、いまだ多くの患者が再発してしまうため、抗腫瘍免疫治療戦略には改善の余地が残っている。著者らはこれまで、CD19およびCD20を標的とする二重特異性CAR(CAR19-22)を設計した。CAR19-22は、忍容性が良好で、高い奏効率が認められたものの、再発も多かった。インターロイキン-15(IL15)は、多様な免疫細胞の増殖を誘導し、リンパ球のトラフィックを増強することが知られている。そこで、米国・スタンフォード大学のHrishikesh Krishna Srinagesh氏らは、再発・難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の成人患者を対象に、CAR19-22と新規ポリマー結合組み換えIL15受容体アゴニスト(NKTR-255)との初めての併用試験として第I相臨床試験を実施し、その結果を報告した。Blood誌オンライン版2024年7月5日号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・登録患者数11例中9例は、CAR19-22による治療に続き、NKTR-255による治療に成功した。 ・用量制限毒性は認められず、一過性の発熱および骨髄抑制が最も多く認められた。 ・9例中8例(89%)において、測定可能残存病変(MRD)陰性化が達成され、良好な有効性が確認された。 ・12ヵ月時点での、NKTR-255の無増悪生存期間(PFS)は、従来の対象薬と比較し、約2倍であった(67% vs. 38%)。 ・IL15受容体アゴニストの影響を評価するため、相関分析を行った。 ・サイトカインプロファイリングでは、IL15とケモカインCXCL9およびCXCL10の有意な増加が示唆された。 ・ケモカインの増加は、リンパ球の絶対数の減少、血中のCD8陽性CAR-T細胞の減少、CSF CAR-T細胞の10倍増と関連が認められ、組織へのリンパ球のトラフィックが示唆された。
著者らは「NKTR-255とCAR19-22の併用は、安全かつ実行可能であり、持続的な高い奏効率が期待できることが示唆された」としている。
主な結果は以下のとおり。
・登録患者数11例中9例は、CAR19-22による治療に続き、NKTR-255による治療に成功した。 ・用量制限毒性は認められず、一過性の発熱および骨髄抑制が最も多く認められた。 ・9例中8例(89%)において、測定可能残存病変(MRD)陰性化が達成され、良好な有効性が確認された。 ・12ヵ月時点での、NKTR-255の無増悪生存期間(PFS)は、従来の対象薬と比較し、約2倍であった(67% vs. 38%)。 ・IL15受容体アゴニストの影響を評価するため、相関分析を行った。 ・サイトカインプロファイリングでは、IL15とケモカインCXCL9およびCXCL10の有意な増加が示唆された。 ・ケモカインの増加は、リンパ球の絶対数の減少、血中のCD8陽性CAR-T細胞の減少、CSF CAR-T細胞の10倍増と関連が認められ、組織へのリンパ球のトラフィックが示唆された。
著者らは「NKTR-255とCAR19-22の併用は、安全かつ実行可能であり、持続的な高い奏効率が期待できることが示唆された」としている。
(エクスメディオ 鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Srinagesh HK, et al. Blood. 2024 Jul 5. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38968138
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