日本人真性多血症に対するロペグインターフェロンα-2bの3年間長期有用性
血液内科 Journal Check

日本人真性多血症に対するロペグインターフェロンα-2bの3年間長期有用性

公開日:2024年10月10日

Kirito K, et al. Int J Hematol. 2024 Oct 3. [Epub ahead of print]
 新世代のインターフェロン製剤であるロペグインターフェロンα-2b(ropegIFN)は、既存治療が効果不十分または不適当な真性多血症(PV)に対する治療薬として、本邦で承認されている薬剤である。しかし、日本人PV患者におけるropegIFNの長期的なアウトカムは、明らかになっていない。山梨大学の桐戸 敬太氏らは、日本人PV患者におけるropegIFNの長期的な安全性および有効性を評価し、JAK2V617Fの遺伝子変異割合の経時的な変化を明らかにするため、第II相試験とその後36ヵ月間の延長試験のデータについて、中間解析結果を報告した。International Journal of Hematology誌オンライン版2024年10月3日号の報告。
 対象は、日本人PV患者27例。主要エンドポイントは、瀉血のない血液学的完全奏効(CHR)の維持率とした(過去12週間で瀉血がない、ヘマトクリット値45%未満、血小板数400×109/L以下、白血球数10×109/L以下)。
主な結果は以下のとおり。
・CHR維持率は、12ヵ月で29.6%(8例)、24ヵ月で66.7%(18例)、36ヵ月で81.5%(22例)。 ・血栓症または出血性イベントは認められなかった。 ・ベースラインからのJAK2V617Fの遺伝子変異割合変化の中央値は、36ヵ月時点で−74.8%であった。 ・すべての患者が有害事象を経験し、薬物有害反応(ADR)は92.6%(25例)で認められたが、重篤なADRまたは死亡は認められなかった。
 著者らは「日本人PV患者における36ヵ月にわたるropegIFNの安全性および有効性が実証された」と結論付けている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Kirito K, et al. Int J Hematol. 2024 Oct 3. [Epub ahead of print]
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39361233

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