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血液内科 Journal Check
ダブルエクスプレッサーPCNSLの鑑別に役立つMR画像の特徴は〜熊本大学
公開日:2025年1月8日
Sasaki G, et al. Neuroradiology. 2024 Dec 19. [Epub ahead of print]
2016年のWHO分類においてMYCおよびBCL2タンパク質の過剰発現は、ダブルエクスプレッサーリンパ腫と定義されている。ダブルエクスプレッサー中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)患者は、そうでない患者よりも再発リスクが高く、予後不良であると報告されている。熊本大学の佐々木 剛氏らは、ダブルエクスプレッサーPCNSLの臨床的およびMR画像に特徴的な所見が認められるかを調査した。Neuroradiology誌オンライン版2024年12月19日号の報告。
対象は、ダブルエクスプレッサーPCNSL患者(DE-PCNSL群)16例および非ダブルエクスプレッサーPCNSL患者(非DE-PCNSL群)20例。DE-PCNSL群と非DE-PCNSL群における増強パターン、病変の見かけの拡散係数(ADC)、相対的脳血液量(rCBV)、漏出補正rCBV、K2値を比較した。ADCマップ上のROIの平均値(ADCmean)および最小値(ADCmin)を算出した。rCBV、漏出補正rCBV 、K2値のデータは、DSC法によるMR灌流画像より収集した。無増悪生存期間(PFS)の差の推定には、カプランマイヤー法を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・DE-PCNSL群は、非DE-PCNSL群と比較し、女性の割合が高かった(12例[75%] vs.7例[35%]、p=0.02)。 ・rCBV(p=0.02)、漏出補正rCBV(p=0.03)は、非DE-PCNSL群と比較しDE-PCNSL群で有意に低かった。 ・増強パターン、ADCmean、ADCmin、K2値には、両群間で有意な差が認められなかった。 ・DE-PCNSL群は、非DE-PCNSL群よりもPFSが短い傾向であったが、有意な差は認められなかった。
結果を踏まえ、著者らは「PCNSL患者のダブルエクスプレッサーの鑑別には、rCBVおよび漏出補正rCBVが役立つ可能性が示唆された」としている。
対象は、ダブルエクスプレッサーPCNSL患者(DE-PCNSL群)16例および非ダブルエクスプレッサーPCNSL患者(非DE-PCNSL群)20例。DE-PCNSL群と非DE-PCNSL群における増強パターン、病変の見かけの拡散係数(ADC)、相対的脳血液量(rCBV)、漏出補正rCBV、K2値を比較した。ADCマップ上のROIの平均値(ADCmean)および最小値(ADCmin)を算出した。rCBV、漏出補正rCBV 、K2値のデータは、DSC法によるMR灌流画像より収集した。無増悪生存期間(PFS)の差の推定には、カプランマイヤー法を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・DE-PCNSL群は、非DE-PCNSL群と比較し、女性の割合が高かった(12例[75%] vs.7例[35%]、p=0.02)。 ・rCBV(p=0.02)、漏出補正rCBV(p=0.03)は、非DE-PCNSL群と比較しDE-PCNSL群で有意に低かった。 ・増強パターン、ADCmean、ADCmin、K2値には、両群間で有意な差が認められなかった。 ・DE-PCNSL群は、非DE-PCNSL群よりもPFSが短い傾向であったが、有意な差は認められなかった。
結果を踏まえ、著者らは「PCNSL患者のダブルエクスプレッサーの鑑別には、rCBVおよび漏出補正rCBVが役立つ可能性が示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Sasaki G, et al. Neuroradiology. 2024 Dec 19. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39699645
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