再発・難治性の成熟T/NK細胞リンパ腫の臨床アウトカムと予後〜PETALコンソーシアム/Blood Adv
血液内科 Journal Check

再発・難治性の成熟T/NK細胞リンパ腫の臨床アウトカムと予後〜PETALコンソーシアム/Blood Adv

公開日:2024年11月13日

Han JX, et al. Blood Adv. 2024 Oct 31. [Epub ahead of print]
 再発・難治性の成熟T細胞/NK細胞リンパ腫(MTCL/MNKCL)に対する現在の治療によるメリットを理解することは、薬剤や治療法が世界でばらついているため困難である。米国・マサチューセッツ工科大学のJessy Xinyi Han氏らは、再発・難治性MTCL/MNKCL患者925例を対象に、国際的なレトロスペクティブコホート研究を実施した。Blood Advances誌オンライン版2024年10月31日号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)、ALK陰性未分化大細胞リンパ腫(ALK陰性ALCL)では、再発患者は、難治性患者と比較し、2次治療から全生存期間(OS)中央値が優れていた。 ・再発・難治性リンパ腫のOSの独立した予測因子として、60歳超、治療抵抗性疾患、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)以外の組織学的サブタイプ、リンパ節外部位1つ超、Ki67 40%以上、リンパ球絶対数正常限界値未満などが挙げられた。 ・これらを組み込んだ多変量モデルにより、再発・難治性T細胞リンパ腫の予後指標を形成した。予後指標は、低リスク群(リスク因子:0〜1)、中リスク群(リスク因子:2〜3)、高リスク群(リスク因子:4以上)に分類された。 ・各リスク群における3年OSは、低リスク群57.14%(95%CI:17.1〜83.7)、中リスク群23.30%(95%CI:8.7〜41.9)、高リスク群7.00%(95%CI:0.4〜26.9)であった。 ・2次治療では、新規単剤療法(35%)または細胞障害性化学療法(60%)のいずれかが行われた。 ・全体では、新規単剤療法は、細胞障害性化学療法よりも無増悪生存期間(PFS)が良好で、AITLおよびALK陰性ALCLでは、3年OSが良好であった。 ・AITLにおいて低分子阻害薬単剤療法は、細胞障害性化学療法よりもOSが良好であることが示唆された。
 著者らは「本結果は、再発・難治性MTCL/MNKCLに対する新薬の有効性および新たな予後予測モデルの可能性を示唆している」とまとめている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Han JX, et al. Blood Adv. 2024 Oct 31. [Epub ahead of print]
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39481087

※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら

ヒポクラは会員登録すると便利に!

約7万人の医師が会員登録。ヒポクラへの相談や論文の日本語での検索、勉強会情報などの診療に役立つサービスが全て無料で利用できるようになります。

01知見共有

約7万人が参加する医師限定の相談所。たくさんの相談症例・アドバイスを見ることで、全国の先生の臨床経験を効率的に学べます。

02専門医コンサルト

皮膚悪性腫瘍以外にも、皮膚科・眼科・心不全、心電図・肺などの専門医に1対1のクローズドな環境で相談できます。

03論文検索

PubMedを日本語検索できます。また検索結果のアブストラクトも和訳して表示するため、論文検索の時短に繋がります。

04勉強会まとめ

Web上に公開されている勉強会情報を、診療科別にお届け。「興味あり」を選択した勉強会は、開催前にリマインドメールが届くため見逃しを防ぎ、情報収集を1本化できます。

ヒポクラに会員登録する

「血液内科 Journal Check」記事一覧へ戻る