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高腫瘍量初発FLに対するオビヌツズマブ+BEN、日本の実臨床における有用性は
公開日:2025年1月15日
Nagata H, et al. Int J Clin Oncol. 2025 Jan 7. [Epub ahead of print]
高腫瘍量の初発濾胞性リンパ腫(FL)では、20年以上にわたりR-CHOP療法が標準治療の中心となっていた。日本では、オビヌツズマブ+ベンダムスチン(BEN)併用療法が2018年に承認され、現在では標準治療の1つとなっている。しかし、日常臨床におけるオビヌツズマブ+BENの長期的な有効性および安全性は、これまで十分に評価されていなかった。京都府立医科大学の長田 浩明氏らは、京都血液臨床研究グループ(KOTOSG)において、高腫瘍量初発FLに対するオビヌツズマブ+BENの実臨床アウトカムを評価するため、多施設共同レトロスペクティブ研究を実施した。International Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年1月7日号の報告。
対象は、KOTOSGにおいて2018〜21年にオビヌツズマブ+BENによる1stライン治療を行った高腫瘍量の初発FL患者53例。すべての患者に、2年以上のフォローアップ期間を設けた。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者の年齢中央値は67歳。 ・濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)に基づく分類では、60.4%が高リスク群に分類された。 ・オビヌツズマブ+BEN導入療法後の全奏効率(OR)は98%、完全奏効率(CR)は83%。 ・フォローアップ期間中央値は38.5ヵ月、3年無増悪生存期間(PFS)は77.3%、3年全生存率(OS)は91.2%。 ・グレードIII〜IVの血液学的有害事象(AE)は一般的であり、好中球減少(58.5%)、リンパ球減少(98.1%)が含まれた。 ・非血液学的AEは、肺感染症、新型コロナウイルス感染症、敗血症などの感染症が含まれ、そのうち2例(3.8%)は死亡した。 ・傾向スコアマッチング解析では、2001〜19年にKOTOSGにおいてオビヌツズマブ+BEN治療を行った患者46例とR-CHOP療法を行った患者46例におけるPFSに、有意な差は認められなかった。
著者らは「高齢患者が対象となる実臨床においては、患者の背景や病状に基づき慎重な治療選択が求められることが浮き彫りとなった」とまとめている。
対象は、KOTOSGにおいて2018〜21年にオビヌツズマブ+BENによる1stライン治療を行った高腫瘍量の初発FL患者53例。すべての患者に、2年以上のフォローアップ期間を設けた。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者の年齢中央値は67歳。 ・濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)に基づく分類では、60.4%が高リスク群に分類された。 ・オビヌツズマブ+BEN導入療法後の全奏効率(OR)は98%、完全奏効率(CR)は83%。 ・フォローアップ期間中央値は38.5ヵ月、3年無増悪生存期間(PFS)は77.3%、3年全生存率(OS)は91.2%。 ・グレードIII〜IVの血液学的有害事象(AE)は一般的であり、好中球減少(58.5%)、リンパ球減少(98.1%)が含まれた。 ・非血液学的AEは、肺感染症、新型コロナウイルス感染症、敗血症などの感染症が含まれ、そのうち2例(3.8%)は死亡した。 ・傾向スコアマッチング解析では、2001〜19年にKOTOSGにおいてオビヌツズマブ+BEN治療を行った患者46例とR-CHOP療法を行った患者46例におけるPFSに、有意な差は認められなかった。
著者らは「高齢患者が対象となる実臨床においては、患者の背景や病状に基づき慎重な治療選択が求められることが浮き彫りとなった」とまとめている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Nagata H, et al. Int J Clin Oncol. 2025 Jan 7. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39776016
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