おすすめキーワード

血液内科 Journal Check
CAR-T細胞療法後の再発多発性骨髄腫に対する二重特異性抗体、その有効性は
公開日:2025年1月10日
Merz M, et al. Blood Cancer J. 2024; 14: 214.
再発・難治性多発性骨髄腫(MM)に対するCAR-T細胞療法は、良好な治療アウトカムをもたらしたが、依然として多くの患者は最終的に再発する。BCMAを標的としたCAR-T細胞療法後の再発に対する救援療法に関しては、利用可能なデータが限られている。ドイツ・ライプツィヒ大学のMaximilian Merz氏らは、再発・難治性MM患者におけるCAR-T細胞療法後の再発アウトカムに対する救援療法の影響を分析した。Blood Cancer Journal誌2024年12月5日号の報告。
対象は、国際コホートに登録された再発・難治性MM患者139例(ide-cal:139例、cilta-cel:9例)。救援療法として、talquetamab(28例)、teclistamab(37例)、免疫調整薬(IMiDs)/プロテアソーム阻害薬/CD38モノクローナル抗体の併用(43例)、その他(31例)が選択された。
主な結果は以下のとおり。
・CAR-T細胞療法後の再発までの期間中央値は5ヵ月であり、再発時に髄外病変が認められた患者(53%)のアウトカムは不良であった(p=0.005)。 ・救援療法後の全奏効率(OR)および完全奏効率(CR)は次のとおりであり、二重特異性抗体の方が良好な反応が認められた(p<0.001)。 【talquetamab】OR:79%、CR:39% 【teclistamab】OR:64%、CR:32% 【IMiDs/プロテアソーム阻害薬/CD38モノクローナル抗体の併用】OR:30%、CR:0% 【その他】OR:26%、CR:3% ・奏効期間および生存期間中央値は、二重特異性抗体により有意な改善が認められた(各々:p<0.001)。 ・二重特異性抗体は、早期再発および髄外病変に関連する予後不良を改善し、多変量解析においても生存率改善の独立した予測因子であることが示唆された。
著者らは「再発・難治性MMにおけるCAR-T細胞療法後の再発に対する二重特異性抗体による治療は、標準治療と比較し、有効であることが示唆された」と結論付けている。
対象は、国際コホートに登録された再発・難治性MM患者139例(ide-cal:139例、cilta-cel:9例)。救援療法として、talquetamab(28例)、teclistamab(37例)、免疫調整薬(IMiDs)/プロテアソーム阻害薬/CD38モノクローナル抗体の併用(43例)、その他(31例)が選択された。
主な結果は以下のとおり。
・CAR-T細胞療法後の再発までの期間中央値は5ヵ月であり、再発時に髄外病変が認められた患者(53%)のアウトカムは不良であった(p=0.005)。 ・救援療法後の全奏効率(OR)および完全奏効率(CR)は次のとおりであり、二重特異性抗体の方が良好な反応が認められた(p<0.001)。 【talquetamab】OR:79%、CR:39% 【teclistamab】OR:64%、CR:32% 【IMiDs/プロテアソーム阻害薬/CD38モノクローナル抗体の併用】OR:30%、CR:0% 【その他】OR:26%、CR:3% ・奏効期間および生存期間中央値は、二重特異性抗体により有意な改善が認められた(各々:p<0.001)。 ・二重特異性抗体は、早期再発および髄外病変に関連する予後不良を改善し、多変量解析においても生存率改善の独立した予測因子であることが示唆された。
著者らは「再発・難治性MMにおけるCAR-T細胞療法後の再発に対する二重特異性抗体による治療は、標準治療と比較し、有効であることが示唆された」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Merz M, et al. Blood Cancer J. 2024; 14: 214.
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39632797
※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
ヒポクラは会員登録すると便利に!
約7万人の医師が会員登録。ヒポクラへの相談や論文の日本語での検索、勉強会情報などの診療に役立つサービスが全て無料で利用できるようになります。
01知見共有

約7万人が参加する医師限定の相談所。たくさんの相談症例・アドバイスを見ることで、全国の先生の臨床経験を効率的に学べます。
02専門医コンサルト

皮膚悪性腫瘍以外にも、皮膚科・眼科・心不全、心電図・肺などの専門医に1対1のクローズドな環境で相談できます。
03論文検索

PubMedを日本語検索できます。また検索結果のアブストラクトも和訳して表示するため、論文検索の時短に繋がります。
04勉強会まとめ

Web上に公開されている勉強会情報を、診療科別にお届け。「興味あり」を選択した勉強会は、開催前にリマインドメールが届くため見逃しを防ぎ、情報収集を1本化できます。