再発・難治性PCNSLにBTK阻害薬ザヌブルチニブレジメンが有用
血液内科 Journal Check

再発・難治性PCNSLにBTK阻害薬ザヌブルチニブレジメンが有用

公開日:2025年1月22日

Wang Y, et al. Leuk Lymphoma. 2025 Jan 17. [Epub ahead of print]
 再発・難治性中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)は、予後不良リスクが高く、治療選択肢も限られている。北京・Beijing Tiantan HospitalのYali Wang氏らは、BTK阻害薬ザヌブルチニブを用いたレジメンで治療を行った再発・難治性PCNSL患者の治療アウトカムを検討し、報告した。Leukemia & Lymphoma誌オンライン版2025年1月17日号の報告。
 対象は、自施設においてザヌブルチニブレジメンで治療を行った再発・難治性PCNSL患者38例。
主な結果は以下のとおり。
・全奏効(OR)率は76.3%、完全奏効(CR)率は47.4%、病勢コントロール率は92.1%。 ・無増悪生存期間(PFS)中央値は31.0ヵ月、全生存期間中央値は未達であった。 ・Cox比例ハザードモデルによる単変量解析では、PFS延長の独立した因子は、OR(非奏効と比較したハザード比[HR]:0.18、95%CI:0.07〜0.48、p=0.001)、ザヌブルチニブ長期投与(6ヵ月以上 vs.2〜5ヵ月のHR:0.20、95%CI:0.06〜0.63、p=0.006)であることが明らかとなった。 ・log-rank検定では、ザヌブルチニブベースの治療後に腫瘍遺伝子変異量が高い患者(TMB:14.75muts/Mb以上)でPFS延長が認められた(p=0.016)。
 著者らは「実臨床における再発・難治性PCNSLに対するザヌブルチニブレジメンの有効性および許容可能な安全性が確認された。また、PFS延長には、ザヌブルチニブ長期投与が関連している可能性が示唆された」と結論付けている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Wang Y, et al. Leuk Lymphoma. 2025 Jan 17. [Epub ahead of print]
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39819306

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