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ステロイド抵抗性慢性GVHDに対するイブルチニブ〜多施設共同リアルワールド解析/Blood Adv
公開日:2024年11月1日
Pidala JA, et al. Blood Adv. 2024 Oct 25. [Epub ahead of print]
米国・H. Lee Moffitt Cancer Center and Research InstituteのJoseph A. Pidala氏らは、ステロイド治療抵抗性の慢性移植片対宿主病(GVHD)に対するイブルチニブ治療のリアルワールドでの有効性および安全性を評価するため、多施設共同レトロスペクティブ研究を実施した。Blood Advances誌オンライン版2024年10月25日号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・対象データは、19施設より標準的に収集された270例。 ・慢性GVHDの臓器別内訳は、皮膚(75%)、眼球(61%)、口腔(54%)、筋/関節(47%)、消化管(26%)、肺(27%)、肝臓(19%)、生殖器(7%)、その他(4.4%)。 ・NIHの重症度は、軽症5.7%、中等症42%、重症53%。 ・重複型は39%にみられた。 ・KPSは80%以上が72%であった。 ・プレドニゾロンの用量中央値は0.21mg/kg(0〜2.27)。 ・イブルチニブは、慢性GVHD発症後、18.2ヵ月(中央値)で開始され、より早期の治療ラインで用いられていた(2次:26%、3次:30%、4次:21%、5次:9.6%、6次:10%、7次以降:1.2%)。 ・評価可能な対象患者のうち、6ヵ月のNIH全奏効率(CR/PR)は45%であった(PR:42%、CR:3%)。 ・奏効期間中央値は15ヵ月(1〜46)。 ・肝臓病変と6ヵ月全奏効率との関連が認められた(多変量OR:5.49、95%CI:2.3〜14.2、p<0.001)。 ・Best overall response(BOR)は56%であり、その多くは1〜3ヵ月で達成していた(86%)。 ・生存者のフォローアップ期間中央値は30.5ヵ月。 ・治療成功生存期間(FFS)は、6ヵ月で59%(53〜65)、12ヵ月で41%(36〜48)。 ・多変量解析では、高齢、ベースライン時のプレドニゾロン高用量、肺病変は、FFS不良と関連が認められた。 【高齢】HR:1.01、95%CI:1.00〜1.02、p=0.033 【ベースライン時のプレドニゾロン高用量】HR:1.92、95%CI:1.09〜3.38、p=0.032 【肺病変】HR:1.58、95%CI:1.10〜2.28、p=0.016 ・イブルチニブ中止の主な因子は、慢性GVHDの進行(44%)、毒性(42%)であった。
著者らは「リアルワールドにおけるイブルチニブのステロイド抵抗性慢性GVHDに対する有効性が確認された。本検討により、奏効率やFFSに関連する新たな洞察および治療中止と関連する毒性プロファイルが示された」としている。
主な結果は以下のとおり。
・対象データは、19施設より標準的に収集された270例。 ・慢性GVHDの臓器別内訳は、皮膚(75%)、眼球(61%)、口腔(54%)、筋/関節(47%)、消化管(26%)、肺(27%)、肝臓(19%)、生殖器(7%)、その他(4.4%)。 ・NIHの重症度は、軽症5.7%、中等症42%、重症53%。 ・重複型は39%にみられた。 ・KPSは80%以上が72%であった。 ・プレドニゾロンの用量中央値は0.21mg/kg(0〜2.27)。 ・イブルチニブは、慢性GVHD発症後、18.2ヵ月(中央値)で開始され、より早期の治療ラインで用いられていた(2次:26%、3次:30%、4次:21%、5次:9.6%、6次:10%、7次以降:1.2%)。 ・評価可能な対象患者のうち、6ヵ月のNIH全奏効率(CR/PR)は45%であった(PR:42%、CR:3%)。 ・奏効期間中央値は15ヵ月(1〜46)。 ・肝臓病変と6ヵ月全奏効率との関連が認められた(多変量OR:5.49、95%CI:2.3〜14.2、p<0.001)。 ・Best overall response(BOR)は56%であり、その多くは1〜3ヵ月で達成していた(86%)。 ・生存者のフォローアップ期間中央値は30.5ヵ月。 ・治療成功生存期間(FFS)は、6ヵ月で59%(53〜65)、12ヵ月で41%(36〜48)。 ・多変量解析では、高齢、ベースライン時のプレドニゾロン高用量、肺病変は、FFS不良と関連が認められた。 【高齢】HR:1.01、95%CI:1.00〜1.02、p=0.033 【ベースライン時のプレドニゾロン高用量】HR:1.92、95%CI:1.09〜3.38、p=0.032 【肺病変】HR:1.58、95%CI:1.10〜2.28、p=0.016 ・イブルチニブ中止の主な因子は、慢性GVHDの進行(44%)、毒性(42%)であった。
著者らは「リアルワールドにおけるイブルチニブのステロイド抵抗性慢性GVHDに対する有効性が確認された。本検討により、奏効率やFFSに関連する新たな洞察および治療中止と関連する毒性プロファイルが示された」としている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Pidala JA, et al. Blood Adv. 2024 Oct 25. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39454280
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