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血液内科 Journal Check
自家HSCTにおける造血幹細胞動員の失敗とその要因は?
公開日:2025年3月17日
パキスタン・The Armed Forces Bone Marrow Transplant CentreのIrsa Hidayat氏らは、造血幹細胞動員失敗リスクを有する患者を特定し、代替治療を迅速に検討するため、この地域における造血幹細胞動員の失敗率およびその関連因子を調査した。JCPSP誌2025年3月号の報告。
2014年1月〜2023年7月にパキスタン・The Armed Forces Bone Marrow Transplant Centreの臨床血液学科にて、記述的研究を実施した。自家造血幹細胞移植(auto-HSCT)の予定があり、造血幹細胞動員を行なった115例を対象に、カルテを分析した。造血幹細胞の動員が不十分なpoor mobilizer患者は、CD34陽性細胞数2.0×106 /kg超のPBSC採取が未達の患者または目標達成のためにシクロホスファミド・G-CSF投与後、プレリキサホル追加投与を必要とした患者と定義した。
主な結果は以下のとおり。
・造血幹細胞動員レジメンの内訳は、シクロホスファミド+G-CSFが85例(74%)、G-CSF+プレリキサホルが28例(24%)、G-CSFのみが2例(2%)。 ・初回造血幹細胞動員レジメン後、CD34陽性細胞数2.0×106 /kg超のPBSC採取を達成した患者の割合は84%であった。 ・造血幹細胞動員の失敗率は16%。 ・造血幹細胞採取の成功と有意な相関が認められた因子は、年齢、悪性リンパ腫タイプとその移植適応、化学療法治療歴、骨髄毒性を有する薬剤の使用、定常状態におけるCD34陽性細胞数、プレリキサホルの使用であった。 ・多変量解析では、プレリキサホルの使用のみが造血幹細胞動員の成功と関連していた。
著者らは「とくに重度の治療歴を有する悪性リンパ腫患者では、プレリキサホルの使用により造血幹細胞動員の成功率を有意に向上させ、造血幹細胞動員レジメンによるPBSC採取量および費用対効果を有意に改善することが示唆された」と結論付けている。
2014年1月〜2023年7月にパキスタン・The Armed Forces Bone Marrow Transplant Centreの臨床血液学科にて、記述的研究を実施した。自家造血幹細胞移植(auto-HSCT)の予定があり、造血幹細胞動員を行なった115例を対象に、カルテを分析した。造血幹細胞の動員が不十分なpoor mobilizer患者は、CD34陽性細胞数2.0×106 /kg超のPBSC採取が未達の患者または目標達成のためにシクロホスファミド・G-CSF投与後、プレリキサホル追加投与を必要とした患者と定義した。
主な結果は以下のとおり。
・造血幹細胞動員レジメンの内訳は、シクロホスファミド+G-CSFが85例(74%)、G-CSF+プレリキサホルが28例(24%)、G-CSFのみが2例(2%)。 ・初回造血幹細胞動員レジメン後、CD34陽性細胞数2.0×106 /kg超のPBSC採取を達成した患者の割合は84%であった。 ・造血幹細胞動員の失敗率は16%。 ・造血幹細胞採取の成功と有意な相関が認められた因子は、年齢、悪性リンパ腫タイプとその移植適応、化学療法治療歴、骨髄毒性を有する薬剤の使用、定常状態におけるCD34陽性細胞数、プレリキサホルの使用であった。 ・多変量解析では、プレリキサホルの使用のみが造血幹細胞動員の成功と関連していた。
著者らは「とくに重度の治療歴を有する悪性リンパ腫患者では、プレリキサホルの使用により造血幹細胞動員の成功率を有意に向上させ、造血幹細胞動員レジメンによるPBSC採取量および費用対効果を有意に改善することが示唆された」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Hidayat I, et al. J Coll Physicians Surg Pak. 2025; 35: 367-371.
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/40055174
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