未治療MCLに対するアカラブルチニブ+ベネトクラクス+リツキシマブの2年間の安全性および有効性
血液内科 Journal Check

未治療MCLに対するアカラブルチニブ+ベネトクラクス+リツキシマブの2年間の安全性および有効性

公開日:2024年5月31日

Wang ML, et al. Blood Adv. 2024 May 23. [Epub ahead of print]
 米国・テキサス大学のMichael L. Wang氏らは、未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)に対するアカラブルチニブ+ベネトクラクス+リツキシマブの安全性および有効性を評価するため、第Ib相試験を実施した。Blood Advances誌オンライン版2024年5月23日号の報告。
 疾患の進行または毒性が発現するまで、アカラブルチニブ(1〜24サイクル)、リツキシマブ(1〜6サイクル+24サイクルまで隔サイクル)、ベネトクラクス(2〜24サイクル)を投与した。
主な結果は以下のとおり。
・21例が登録された。6サイクルが完了した患者は95.2%、アカラブルチニブによる維持療法を継続した患者は47.6%であった。 ・グレード3、4の有害事象は61.9%(13例)に見られた。最も多い有害事象は好中球減少症(33.3%)であった。 ・COVID-19感染患者は7例(33.3%)であった(重篤な有害事象:6例、死亡:5例、すべてワクチン未接種)。 ・グレード3以上の心房細動、心室頻拍、出血、腫瘍崩壊症候群は見られなかった。 ・Lugano基準に基づく全奏効率(ORR)は100%(95%CI:83.9〜100.0)、完全奏功率(CR)は71.4%であった。 ・フォローアップ期間中央値は27.8ヵ月、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)は、中央値に到達しなかった。 ・1年PFSは90.5%(95%CI:67.0〜97.5)、2年PFSは63.2%(95%CI:34.7〜82.0)であった。COVID-19による死亡を除外すると、いずれも95%であった。 ・1年OSは95.2%(95%CI:70.7〜99.3)、2年OSは75.2%(95%CI:50.3〜88.9)であった。COVID-19による死亡を除外すると、いずれも100%であった。 ・全体として、微小残存病変(MRD)を有する患者の87.5%が、治療中にMRD陰性(次世代シーケンス:10-6)を達成した。
 著者らは「アカラブルチニブ+ベネトクラクス+リツキシマブは、未治療MCLに対するケモフリーレジメンであり、高いORRおよびMRD陰性率が期待できる治療である」としている。


(エクスメディオ 鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Wang ML, et al. Blood Adv. 2024 May 23. [Epub ahead of print]
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38781315

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