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血液内科 Journal Check
AMLの遺伝子変異リスクによるVEN+AZA併用療法の予後の違いを実臨床で確認
公開日:2025年3月7日
ベネトクラクス(VEN)とアザシチジン(AZA)の併用は、unfit高齢者AMLに対する標準治療として推奨されている。カナダ・アルバータ大学のJoseph Brandwein氏らは、リアルワールドにおける初発unfit AML患者に対するVEN+AZA併用療法の治療アウトカムを分析した。Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia誌オンライン版2025年2月1日号の報告。
2020〜24年、単一施設において未治療のunfit AMLに対しVEN+AZA併用療法を行った患者を対象に、治療アウトカムの分析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・全奏効率(OR)は66%(105例中69例)。IDH1/2変異患者で最も高く(82%)、TP53変異患者で最も低かった(40%)。 ・全生存期間(OS)中央値は9.6ヵ月、完全寛解(CR)およびまたは正常な血球回復が不完全な寛解(CRi)を達成した患者では16.3ヵ月であった。 ・CR達成患者とCRi達成患者でOSに有意な差は認められなかった(p=0.077)。 ・2022年以降に治療された患者は、それ以前に治療された患者よりも早期死亡率が低く(8%vs.22%、p=0.096)、OSが良好であった(中央値:10.4ヵ月vs.5.8ヵ月、p=0.033)。 ・年齢別または脱メチル化薬治療歴の有無でOSに違いは認められなかった。 ・FLT3-ITD/RAS(OS:8.1ヵ月)またはTP53変異患者(OS:1.7ヵ月)は、他の患者(OS:16ヵ月)と比較し、OSが不良であった。 ・多変量解析では、CR/CRi達成はOS改善と関連しており(p<0.001)、FLT3-ITS/RAS/TP53変異はOS不良との関連が認められた(p=0.003)。一方、ELN2022リスクとOSとの関連は認められなかった。 ・CR/CRi達成患者の無病生存期間(DFS)中央値は、FLT3-ITS/RAS変異で7.1ヵ月、TP53変異で4.9ヵ月、その他の変異で21ヵ月であった(p=0.003)。
著者らは「リアルワールドデータの解析により、VEN+AZA併用療法における変異リスク分類と予後との関連が明らかとなった。本試験では、以前のVIALE-A試験で報告されたOSよりも劣っていたものの、時間経過とともに改善が認められた」としている。
2020〜24年、単一施設において未治療のunfit AMLに対しVEN+AZA併用療法を行った患者を対象に、治療アウトカムの分析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・全奏効率(OR)は66%(105例中69例)。IDH1/2変異患者で最も高く(82%)、TP53変異患者で最も低かった(40%)。 ・全生存期間(OS)中央値は9.6ヵ月、完全寛解(CR)およびまたは正常な血球回復が不完全な寛解(CRi)を達成した患者では16.3ヵ月であった。 ・CR達成患者とCRi達成患者でOSに有意な差は認められなかった(p=0.077)。 ・2022年以降に治療された患者は、それ以前に治療された患者よりも早期死亡率が低く(8%vs.22%、p=0.096)、OSが良好であった(中央値:10.4ヵ月vs.5.8ヵ月、p=0.033)。 ・年齢別または脱メチル化薬治療歴の有無でOSに違いは認められなかった。 ・FLT3-ITD/RAS(OS:8.1ヵ月)またはTP53変異患者(OS:1.7ヵ月)は、他の患者(OS:16ヵ月)と比較し、OSが不良であった。 ・多変量解析では、CR/CRi達成はOS改善と関連しており(p<0.001)、FLT3-ITS/RAS/TP53変異はOS不良との関連が認められた(p=0.003)。一方、ELN2022リスクとOSとの関連は認められなかった。 ・CR/CRi達成患者の無病生存期間(DFS)中央値は、FLT3-ITS/RAS変異で7.1ヵ月、TP53変異で4.9ヵ月、その他の変異で21ヵ月であった(p=0.003)。
著者らは「リアルワールドデータの解析により、VEN+AZA併用療法における変異リスク分類と予後との関連が明らかとなった。本試験では、以前のVIALE-A試験で報告されたOSよりも劣っていたものの、時間経過とともに改善が認められた」としている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Brandwein J, et al. Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2025 Feb 1. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/40023757
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