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血液内科 Journal Check
Flu/Bu4を用いたHSCTは高齢者でも推奨されるか〜国内大規模データベース分析
公開日:2025年2月4日
Shinohara A, et al. Eur J Haematol. 2025 Jan 20. [Epub ahead of print]
高齢者の同種造血幹細胞移植(HSCT)におけるフルダラビンと骨髄破壊的前処置(MAC)量のブスルファンによるFlu/Bu4レジメンは、いまだ十分に検討がなされていない。東京女子医科大学の篠原 明仁氏らは、日本の大規模データベースを用いて、レトロスペクティブに分析を行った。European Journal of Haematology誌オンライン版2025年1月20日号の報告。
対象は、造血器悪性腫瘍に対しFlu/Bu4を用いた初回HSCTを行った成人患者(15歳以上)。対象患者を若年群(60歳未満:1,295例)および高齢群(60歳以上:993例)に分類し、比較を行った。
主な結果は以下のとおり。
・高齢群のHSCT後の3年全生存率(OS)は、若年群よりも有意に不良であった(39.9% vs.48.5%、p<0.01)。 ・高齢群の3年間の非再発死亡率(NRM)は、若年群よりも有意に高かった(30.9% vs.23.0%、p<0.01)。 ・3年間の再発累計発生率は、両群間で同程度であった。 ・多変量解析では、60歳以上はOS不良およびNRMの高さと有意に関連していることが示唆された。 ・高齢群のサブグループ解析では、Flu/Bu4に化学療法薬を追加することは、OS不良およびNRMの高さと有意な関連が認められた。 ・全身照射は、NRMの高さおよび類洞閉塞症候群1年発生率との有意な関連が認められたが、OSとの関連は認められなかった。
以上の結果を踏まえ、著者らは「高齢者に対するFlu/Bu4の使用は、慎重に行う必要がある」と結論付けている。
対象は、造血器悪性腫瘍に対しFlu/Bu4を用いた初回HSCTを行った成人患者(15歳以上)。対象患者を若年群(60歳未満:1,295例)および高齢群(60歳以上:993例)に分類し、比較を行った。
主な結果は以下のとおり。
・高齢群のHSCT後の3年全生存率(OS)は、若年群よりも有意に不良であった(39.9% vs.48.5%、p<0.01)。 ・高齢群の3年間の非再発死亡率(NRM)は、若年群よりも有意に高かった(30.9% vs.23.0%、p<0.01)。 ・3年間の再発累計発生率は、両群間で同程度であった。 ・多変量解析では、60歳以上はOS不良およびNRMの高さと有意に関連していることが示唆された。 ・高齢群のサブグループ解析では、Flu/Bu4に化学療法薬を追加することは、OS不良およびNRMの高さと有意な関連が認められた。 ・全身照射は、NRMの高さおよび類洞閉塞症候群1年発生率との有意な関連が認められたが、OSとの関連は認められなかった。
以上の結果を踏まえ、著者らは「高齢者に対するFlu/Bu4の使用は、慎重に行う必要がある」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Shinohara A, et al. Eur J Haematol. 2025 Jan 20. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39834012
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