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エルラナタマブ、多発性骨髄腫治療のパラダイムシフトを起こすのか
公開日:2024年10月22日
Saied G, et al. Ann Pharmacother. 2024 Oct 16. [Epub ahead of print]
米国・ユニオン大学のGeorge Saied氏らは、再発・難治性多発性骨髄腫(MM)治療における新規のT細胞リダイレクト二重特異性抗体エルラナタマブの治療プロファイルについてのレビュー結果を報告した。The Annals of Pharmacotherapy誌オンライン版2024年10月16日号の報告。
2000年1月〜2024年6月までに公表された英語文献をPubMedより検索した。検索キーワードには、PF-06863135、エルラナタマブ、エルレフィオ、MMを用いた。追加データは、ClinicalTrials.govおよびその他の関連出版物、会議録から収集した。エルラナタマブに関する臨床試験、ガイドライン、処方情報に関する研究をレビューに含めた。
主な結果は以下のとおり。
・MagentisMM-3第II相試験では、B細胞成熟抗原(BCMA)標的療法を行っていない患者123例(コホートA)における全奏効(OS)率が61.0%(95%信頼区間:51.8〜69.6)であることが示されており、4種類以上の治療を行った再発・難治性MM患者においてエルラナタマブ単独療法は、実行可能な治療選択肢であることが証明された。 ・12ヵ月時点での奏効期間および無増悪生存期間(PFS)は、それぞれ75.3%、56.6%であった。 ・エルラナタマブは、再発・難治性MMに対し有望な活性が示されているが、本剤による治療に伴う重大な治療関連副作用には、注意深いモニタリングおよび専門家によるマネジメントが必要とされる。 ・一般的な有害事象として、サイトカイン放出症候群、神経毒性、血液毒性、感染症などが報告されている。 ・エルラナタマブの費用対効果は、現時点では未評価であった。
著者らは「エルラナタマブは、重治療歴の再発・難治性MM患者に対する治療選択肢として、米国FDAより承認されている薬剤である。再発・難治性MMのマネジメントにおけるエルラナタマブと他の二重特異性抗体の最適な治療戦略を明らかにするためには、さらなる研究が求められる」と結論付けている。
2000年1月〜2024年6月までに公表された英語文献をPubMedより検索した。検索キーワードには、PF-06863135、エルラナタマブ、エルレフィオ、MMを用いた。追加データは、ClinicalTrials.govおよびその他の関連出版物、会議録から収集した。エルラナタマブに関する臨床試験、ガイドライン、処方情報に関する研究をレビューに含めた。
主な結果は以下のとおり。
・MagentisMM-3第II相試験では、B細胞成熟抗原(BCMA)標的療法を行っていない患者123例(コホートA)における全奏効(OS)率が61.0%(95%信頼区間:51.8〜69.6)であることが示されており、4種類以上の治療を行った再発・難治性MM患者においてエルラナタマブ単独療法は、実行可能な治療選択肢であることが証明された。 ・12ヵ月時点での奏効期間および無増悪生存期間(PFS)は、それぞれ75.3%、56.6%であった。 ・エルラナタマブは、再発・難治性MMに対し有望な活性が示されているが、本剤による治療に伴う重大な治療関連副作用には、注意深いモニタリングおよび専門家によるマネジメントが必要とされる。 ・一般的な有害事象として、サイトカイン放出症候群、神経毒性、血液毒性、感染症などが報告されている。 ・エルラナタマブの費用対効果は、現時点では未評価であった。
著者らは「エルラナタマブは、重治療歴の再発・難治性MM患者に対する治療選択肢として、米国FDAより承認されている薬剤である。再発・難治性MMのマネジメントにおけるエルラナタマブと他の二重特異性抗体の最適な治療戦略を明らかにするためには、さらなる研究が求められる」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Saied G, et al. Ann Pharmacother. 2024 Oct 16. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39415515
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