イキサゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン療法を用いる最適なタイミングは?
血液内科 Journal Check

イキサゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン療法を用いる最適なタイミングは?

公開日:2024年8月30日

Fric D, et al. Eur J Haematol. 2024 Aug 26. [Epub ahead of print]
 実臨床において、ダラツムマブによる治療歴を有する再発・難治性多発性骨髄腫(MM)に対してイキサゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン療法(ILd療法)を行った患者における有用性を評価するため、チェコ・マサリク大学のDominik Fric氏らは、レトロスペクティブに分析を行った。European Journal of Haematology誌オンライン版2024年8月26日号の報告。
 本研究は、ダラツムマブによる治療歴を有する再発・難治性MM患者に対するILd療法の有効性を評価し、ILd療法によるメリットが最も大きい患者サブタイプを明らかにすることを目的として実施した。全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)のハザード比(HR)の評価も行った。
主な結果は以下のとおり。
・対象は、ダラツムマブによる治療歴を有する再発・難治性MM患者43例。 ・最小奏効(MR)以上を達成した患者は53.3%であった。 ・PFS中央値は4.56ヵ月(95%CI:2.56~8.03)、OS中央値は28.92ヵ月(95%CI:5.4~未達)であった。 ・奏効持続期間(DOR)の評価が可能であった28例におけるDOR中央値は21.3ヵ月(95%CI:6.85~未達)に達した。 ・3クラス抵抗性でない患者(HR:0.39、95%CI:0.14~1.10、p=0.07)および前治療歴が3ライン未満の患者(HR:0.13、95%CI:0.03~0.6、p=0.003)で、OSの改善が認められた。 ・OSと同様に、3クラス抵抗性でない患者(HR:0.52、95%CI:0.25~1.10、p=0.08)において、PFSの改善も認められた。
 著者らは「ダラツムマブによる治療歴を有する再発・難治性MM患者においてILd療法が最も有効であった患者は、3クラス抵抗性でなく、前治療歴が3ライン未満の患者であることが示唆された」としている。


(エクスメディオ 鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Fric D, et al. Eur J Haematol. 2024 Aug 26. [Epub ahead of print]
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39187373

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