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血液内科 Journal Check
GVHD予防に最適な移植後シクロホスファミドの投与量は?
公開日:2025年1月7日
Ulas T, et al. Transfus Apher Sci. 2024 Dec 17. [Epub ahead of print]
トルコ・University of Health SciencesのTurgay Ulas氏らは、造血器悪性腫瘍患者に対する移植後シクロホスファミドの投与量が生着日数、移植片対宿主病(GVHD)発生率、再発率、全生存率(OS)に及ぼす影響を評価した。Transfusion and Apheresis Science誌オンライン版2024年12月17日号の報告。
対象は、2018〜24年に骨髄破壊的前処置レジメンおよび末梢血幹細胞移植を受けた後、移植後シクロホスファミド25mg/kg2(45例)または50 mg/kg2(117例)の投与を行った患者162例。生着日数、GVHD発生率、再発率、OSを両群間で比較した。
主な結果は以下のとおり。
・研究終了時の生存率は61.1%(99例)であった(25mg群:60%[27例]、50mg群:61.5%[72例])。 ・フォローアップ期間中央値は25mg群で6.9ヵ月、50mg群で7ヵ月。 ・OS中央値は25mg群で15.5ヵ月、50mg群で49.5ヵ月であったが、統計学的に有意な差は認められなかった(log rank=0.796)。 ・25mg群における生着日数は、血小板で13日、好中球で17日。 ・50mg群における生着日数は、血小板で18日、好中球で17日であり、血小板では有意な差が認められたが(p<0.001)、好中球では差が認められなかった(p=0.839)。 ・急性GVHDの発生率は、25m群で40%(18例)、50mg群で23%(27例)であり、25mg群は50mg群よりも高かった(p=0.031)。 ・慢性GVHDの発生率は、25m群で15.5%(7例)、50mg群で5.12%(6例)であり、25mg群は50mg群よりも高かった(p=0.048)。 ・再発率は、25m群で55.6%(25例)、50mg群で16.2%(19例)であった(p<0.001)。
著者らは「移植後シクロホスファミドの2種類の投与量の比較では、OSに差はなかったが、血小板生着日数、急性GVHD、慢性GVHDの発生率、再発率に違いが認められた」と報告した。
対象は、2018〜24年に骨髄破壊的前処置レジメンおよび末梢血幹細胞移植を受けた後、移植後シクロホスファミド25mg/kg2(45例)または50 mg/kg2(117例)の投与を行った患者162例。生着日数、GVHD発生率、再発率、OSを両群間で比較した。
主な結果は以下のとおり。
・研究終了時の生存率は61.1%(99例)であった(25mg群:60%[27例]、50mg群:61.5%[72例])。 ・フォローアップ期間中央値は25mg群で6.9ヵ月、50mg群で7ヵ月。 ・OS中央値は25mg群で15.5ヵ月、50mg群で49.5ヵ月であったが、統計学的に有意な差は認められなかった(log rank=0.796)。 ・25mg群における生着日数は、血小板で13日、好中球で17日。 ・50mg群における生着日数は、血小板で18日、好中球で17日であり、血小板では有意な差が認められたが(p<0.001)、好中球では差が認められなかった(p=0.839)。 ・急性GVHDの発生率は、25m群で40%(18例)、50mg群で23%(27例)であり、25mg群は50mg群よりも高かった(p=0.031)。 ・慢性GVHDの発生率は、25m群で15.5%(7例)、50mg群で5.12%(6例)であり、25mg群は50mg群よりも高かった(p=0.048)。 ・再発率は、25m群で55.6%(25例)、50mg群で16.2%(19例)であった(p<0.001)。
著者らは「移植後シクロホスファミドの2種類の投与量の比較では、OSに差はなかったが、血小板生着日数、急性GVHD、慢性GVHDの発生率、再発率に違いが認められた」と報告した。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Ulas T, et al. Transfus Apher Sci. 2024 Dec 17. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39700842
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