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血液内科 Journal Check
HSCT後の再発MDSに対しドナーリンパ球輸注を検討すべき患者像は
公開日:2024年11月26日
Marumo A, et al. Cytotherapy. 2024 Oct 17. [Epub ahead of print]
同種造血幹細胞移植(HSCT)は、骨髄異形成症候群(MDS)の臨床アウトカム改善に寄与するが、再発率は依然として高く、再発後の治療選択肢は限られている。日本医科大学の丸毛 淳史氏らは、HSCT後の再発MDS患者に対するドナーリンパ球輸注(DLI)へ治療反応を示す要因を特定するため、本研究を実施した。Cytotherapy誌オンライン版2024年10月17日号の報告。
2002〜22年に初回HSCTを行い、造血細胞移植登録一元プログラムに登録された再発またはDLI治療実施のMDS患者107例。単変量および多変量生存率解析には、ログランク検定、Cox比例ハザードモデルを用いた。全生存期間(OS)とDLIに対する反応率も分析した。
主な結果は以下のとおり。
・1年OSは30.0%。 ・単変量解析では、予後不良因子として、58歳以上(p=0.030)、complex karyotype(CK: p=0.026)、血液学的再発(p=0.026)、早期再発(p=0.004)が特定された。 ・アザシチジンとDLIの併用により、予後改善が認められた(p<0.001)。 ・多変量解析でも、58歳以上、血液学的再発、早期再発が予後不良因子として特定された。 ・移植後110日未満で再発した58歳以上の患者における調整済みOSに関して、細胞遺伝学的/分子学的再発患者の1年OSは43.6%であったのに対し、血液学的再発患者では9.4%であった。 ・急性移植片対宿主病(GVHD)は62.3%、慢性GVHDは30.8%でみられたが、マネジメント可能であり、GVHDリスクの予後への影響は最小限であった。
著者らは「若年、細胞遺伝学的/分子学的再発、後期再発のHSCT後の再発MDS患者のOS改善に、DLIが寄与する可能性がある。HSCT後の再発MDSに対する治療オプションは限られているため、DLIを検討する必要性が示唆された」と結論付けている。
2002〜22年に初回HSCTを行い、造血細胞移植登録一元プログラムに登録された再発またはDLI治療実施のMDS患者107例。単変量および多変量生存率解析には、ログランク検定、Cox比例ハザードモデルを用いた。全生存期間(OS)とDLIに対する反応率も分析した。
主な結果は以下のとおり。
・1年OSは30.0%。 ・単変量解析では、予後不良因子として、58歳以上(p=0.030)、complex karyotype(CK: p=0.026)、血液学的再発(p=0.026)、早期再発(p=0.004)が特定された。 ・アザシチジンとDLIの併用により、予後改善が認められた(p<0.001)。 ・多変量解析でも、58歳以上、血液学的再発、早期再発が予後不良因子として特定された。 ・移植後110日未満で再発した58歳以上の患者における調整済みOSに関して、細胞遺伝学的/分子学的再発患者の1年OSは43.6%であったのに対し、血液学的再発患者では9.4%であった。 ・急性移植片対宿主病(GVHD)は62.3%、慢性GVHDは30.8%でみられたが、マネジメント可能であり、GVHDリスクの予後への影響は最小限であった。
著者らは「若年、細胞遺伝学的/分子学的再発、後期再発のHSCT後の再発MDS患者のOS改善に、DLIが寄与する可能性がある。HSCT後の再発MDSに対する治療オプションは限られているため、DLIを検討する必要性が示唆された」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Marumo A, et al. Cytotherapy. 2024 Oct 17. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39503682
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