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新規多発性骨髄腫に対するDara-KLd療法、MRD陰性やsCRを改善/Blood Adv
公開日:2024年12月4日
Bhutani M, et al. Blood Adv. 2024 Nov 22. [Epub ahead of print]
新たに診断された多発性骨髄腫(MM)では、微小残存病変(MRD)が予後予測にとって重要であるが、治療決定におけるMRDの役割は、明らかになっていない。米国・Atrium Health Levine Cancer InstituteのManisha Bhutani氏らは、ダラツムマブ+カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(Dara-KLd療法)による寛解導入療法とその後の次世代シーケンシング(NGS)に基づくMRD陰性化戦略の評価を行うため、第II相試験を実施した。Blood Advances誌オンライン版2024年11月22日号の報告。
主要エンドポイントは、寛解導入療法後の完全奏効(CR)率および厳格な完全奏効(sCR)率とした。フローサイトメトリーを用いて、T細胞プロファイルを作成した。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者39例中、21例(54%)が寛解導入療法後にsCRを達成(p=0.375)、MRD陰性化率は、閾値10-5で59%、10-6で41%であった。 ・MRD陰性患者24例(A群)には、レナリドミド維持療法を行い、18例中14例(77.8%)において12サイクル以上にわたるMRD陰性の継続が認められた。 ・MRD陽性の移植適応のある患者8例(B群)には、自家造血幹細胞移植(ASCT)を行い、5例がMRD陰性(10-5)、3例がMRD陰性(10-6)に移行した。 ・MRD陽性の移植適応のない患者4例(C群)には、Krd療法による地固め療法を行い、MRD陰性化率は、10-5で77%、10-6で72%まで改善が認められた。 ・Dara-KLd療法における、未知の安全性上の懸念は認められなかった。 ・フォローアップ期間中央値30.1ヵ月における病勢進行または死亡例は、A群3例、B群2例、C群1例。 ・2年PFSは82.5%であった。
著者らは「Dara-KLd療法は、メモリーT細胞を強力に活性化し、寛解導入後のMRD陰性化と関連していることが示唆された。新たに診断されたMM患者に対するDara-KLd療法は、主要エンドポイントは未達であったが、未知の安全性の懸念も認められず、高いsCR率およびMRD陰性化を達成した。寛解導入後のMRD陰性化戦略により、MRD陽性患者では奏効が向上し、継続的なMRDコントロールが可能であった」と結論付けている。
主要エンドポイントは、寛解導入療法後の完全奏効(CR)率および厳格な完全奏効(sCR)率とした。フローサイトメトリーを用いて、T細胞プロファイルを作成した。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者39例中、21例(54%)が寛解導入療法後にsCRを達成(p=0.375)、MRD陰性化率は、閾値10-5で59%、10-6で41%であった。 ・MRD陰性患者24例(A群)には、レナリドミド維持療法を行い、18例中14例(77.8%)において12サイクル以上にわたるMRD陰性の継続が認められた。 ・MRD陽性の移植適応のある患者8例(B群)には、自家造血幹細胞移植(ASCT)を行い、5例がMRD陰性(10-5)、3例がMRD陰性(10-6)に移行した。 ・MRD陽性の移植適応のない患者4例(C群)には、Krd療法による地固め療法を行い、MRD陰性化率は、10-5で77%、10-6で72%まで改善が認められた。 ・Dara-KLd療法における、未知の安全性上の懸念は認められなかった。 ・フォローアップ期間中央値30.1ヵ月における病勢進行または死亡例は、A群3例、B群2例、C群1例。 ・2年PFSは82.5%であった。
著者らは「Dara-KLd療法は、メモリーT細胞を強力に活性化し、寛解導入後のMRD陰性化と関連していることが示唆された。新たに診断されたMM患者に対するDara-KLd療法は、主要エンドポイントは未達であったが、未知の安全性の懸念も認められず、高いsCR率およびMRD陰性化を達成した。寛解導入後のMRD陰性化戦略により、MRD陽性患者では奏効が向上し、継続的なMRDコントロールが可能であった」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Bhutani M, et al. Blood Adv. 2024 Nov 22. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39576965
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