「カルフィルゾミブ(カイプロリス)」の記事一覧

血液内科 Journal Check Vol.20(2022年10月14日号)
血液内科 Journal Check Vol.20(2022年10月14日号)
CMLに対するSTAMP阻害薬アシミニブへの期待【ASCEMBL試験の長期フォローアップ結果】 Rea D, et al. Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2022; 22 Suppl 2: S295-S296. ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む CMLに対するSTAMP阻害薬アシミニブへの期待【ASCEMBL試験の日本人サブグループ解析】 Yuda J, et al. Cancer Med. 2022 Sep 27. [Online ahead of print] ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む CMLに対するSTAMP阻害薬アシミニブへの期待【T315I変異だけでない、アシミニブの3rdライン治療オプションの有用性】 Monestime S, et al. Am J Health Syst Pharm. 2022 Oct 5. [Online ahead of print] ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む CAR-T細胞療法による感染症リスクはどの程度か Telli Dizman G, et al. Expert Rev Anti Infect Ther. 2022 Sep 28. [Online ahead of print] ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む 再発難治性の小児ALLに対するカルフィルゾミブ使用は支持されるか Burke MJ, et al. Pediatr Blood Cancer. 2022 Oct 10. [Online ahead of print] ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む 再発難治性多発性骨髄腫に対する「belantamab mafodotin」実臨床下での長期フォローアップ結果 Shragai T, et al. Br J Haematol. 2022 Oct 7. [Online ahead of print] ≫血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ≫Bibgraphを読む 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
高リスクくすぶり型多発性骨髄腫の治療戦略
高リスクくすぶり型多発性骨髄腫の治療戦略
公開日:2024年7月24日 Mateos MV, et al. J Clin Oncol. 2024 Jul 22. [Epub ahead of print]  スペイン・サラマンカ大学のMaria-Victoria Mateos氏らは、2年時点での進行リスクが50%超となる高リスクくすぶり型多発性骨髄腫(MM)の移植適応のある患者を対象に、カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(KLd療法)による寛解導入療法6サイクル後、大量メルファランによる自家幹細胞移植(HDM-ASCT)、KLd療法による地固め療法2サイクルおよび維持療法として2年間のLd療法の有効性を評価した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年7月22日号の報告。  主要エンドポイントは、ASCT後のnext-generation flowによる検出不能な測定可能病変(uMRD)の割合とした。副次的エンドポイントは、ASCT4年後時点でのuMRDの継続とした。 主な結果は以下のとおり。 ・2015年6月〜2017年6月、対象患者90例が登録された。登録患者の31%は、CRAB症状を認めた。 ・ASCTの3ヵ月後(フォローアップ期間中央値70.1ヵ月)、ITT集団では、90例中56例(62%)においてuMRDがみられた。4年後、29例(31%)においてuMRDの継続が認められた。 ・MMへ進行した患者は5例、70ヵ月進行率は94%(95%CI:84〜89)であった。 ・CRAB症状は、MMへの進行の予測因子であった(5例中4例、ハザード比:0.12、95%CI:0.14〜1.13、p=0.03)。 ・36例で生化学的進行が認められ、その予測因子は、治療終了時のuMRD未達であった。 ・70ヵ月の全生存率は92%(95%CI:82〜89)であった。 ・治療中に最も発生した有害事象は、好中球減少と感染症であり、治療関連の死亡は、1件報告された。 ・二次原発性悪性腫瘍は、3件報告された。  著者らは「より長期にわたるフォローアップ調査が必要ではあるものの、31%の患者において、4年後もuMRDが継続していることからも本治療法は有望であり、活動性のMMよりも効果的な可能性が示唆された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mateos MV, et al. J Clin Oncol. 2024 Jul 22. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39038268 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
新規多発性骨髄腫に対するDara-KLd療法、MRD陰性やsCRを改善/Blood Adv
新規多発性骨髄腫に対するDara-KLd療法、MRD陰性やsCRを改善/Blood Adv
公開日:2024年12月4日 Bhutani M, et al. Blood Adv. 2024 Nov 22. [Epub ahead of print]  新たに診断された多発性骨髄腫(MM)では、微小残存病変(MRD)が予後予測にとって重要であるが、治療決定におけるMRDの役割は、明らかになっていない。米国・Atrium Health Levine Cancer InstituteのManisha Bhutani氏らは、ダラツムマブ+カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(Dara-KLd療法)による寛解導入療法とその後の次世代シーケンシング(NGS)に基づくMRD陰性化戦略の評価を行うため、第II相試験を実施した。Blood Advances誌オンライン版2024年11月22日号の報告。  主要エンドポイントは、寛解導入療法後の完全奏効(CR)率および厳格な完全奏効(sCR)率とした。フローサイトメトリーを用いて、T細胞プロファイルを作成した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者39例中、21例(54%)が寛解導入療法後にsCRを達成(p=0.375)、MRD陰性化率は、閾値10-5で59%、10-6で41%であった。 ・MRD陰性患者24例(A群)には、レナリドミド維持療法を行い、18例中14例(77.8%)において12サイクル以上にわたるMRD陰性の継続が認められた。 ・MRD陽性の移植適応のある患者8例(B群)には、自家造血幹細胞移植(ASCT)を行い、5例がMRD陰性(10-5)、3例がMRD陰性(10-6)に移行した。 ・MRD陽性の移植適応のない患者4例(C群)には、Krd療法による地固め療法を行い、MRD陰性化率は、10-5で77%、10-6で72%まで改善が認められた。 ・Dara-KLd療法における、未知の安全性上の懸念は認められなかった。 ・フォローアップ期間中央値30.1ヵ月における病勢進行または死亡例は、A群3例、B群2例、C群1例。 ・2年PFSは82.5%であった。  著者らは「Dara-KLd療法は、メモリーT細胞を強力に活性化し、寛解導入後のMRD陰性化と関連していることが示唆された。新たに診断されたMM患者に対するDara-KLd療法は、主要エンドポイントは未達であったが、未知の安全性の懸念も認められず、高いsCR率およびMRD陰性化を達成した。寛解導入後のMRD陰性化戦略により、MRD陽性患者では奏効が向上し、継続的なMRDコントロールが可能であった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Bhutani M, et al. Blood Adv. 2024 Nov 22. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39576965 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
未治療で移植適応のある多発性骨髄腫に対するISA-KLd療法〜第III相MIDAS試験分析
未治療で移植適応のある多発性骨髄腫に対するISA-KLd療法〜第III相MIDAS試験分析
公開日:2025年1月28日 Perrot A, et al. Blood. 2025 Jan 22. [Epub ahead of print]  未治療で移植適応のある多発性骨髄腫(MM)患者では、自家移植前に4剤併用による寛解導入療法が一般的に行われる。フランス・トゥールーズ大学のAurore Perrot氏らは、未治療で移植適応のあるMM患者を対象に、イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン併用(ISA-KLd療法)による寛解導入療法の微小残存病変(MRD)に対する地固め療法および維持療法戦略を評価するため、第III相IFM2020-02-MIDAS試験を実施し、28日間のISA-KLd療法6サイクルの安全性および有効性を報告した 。Blood誌オンライン版2025年1月22日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・2021年12月〜2023年7月に72施設より791例が登録された。 ・年齢中央値は59歳、ISSステージIIIが13%、R-ISSステージIIIが5%、細胞遺伝学的高リスク(IFM Linear Predictor cytogenetic score:1超)が8%。 ・全体で治療が完了した患者は96%(757例)であった。 ・CD34陽性細胞数中央値は7×106/kg、患者の94%はタンデム移植可能であった。 ・最良総合効果(ORR)は95%。 ・ITI集団における治療の最良部分奏効(VGPR)以上達成率は91%、MRD陰性率は閾値が10-5で63%、10-6で47%。 ・MRD陰性率は、ISSステージおよび細胞遺伝学サブグループにより違いが認められた。 ・寛解導入療法中、病勢進行が7例、死亡が5例(病勢進行:1例、心イベント:2例、その他の原因:2例)でみられた。 ・グレードIII/IVの主な有害事象は、好中球減少(25%)、血小板減少(5%)、感染症(7%)。 ・すべてのグレードの末梢神経障害の発生率は13%。  著者らは「未治療で移植適応のあるMMに対するISA-KLd療法は、より深い奏効およびMRD陰性率を示し、幹細胞採取が可能であり、新たな安全性上の懸念も見られなかった。これらの結果を確認するためにも、本研究の継続的なフォローアップが必要である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Perrot A, et al. Blood. 2025 Jan 22. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39841461 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら