AML/MDSに対するVEN+AZAはリアルワールドでも支持されるか
血液内科 Journal Check

AML/MDSに対するVEN+AZAはリアルワールドでも支持されるか

公開日:2024年11月8日

Acar IH, et al. Medicina (Kaunas). 2024; 60: 1623.
 急性骨髄性白血病(AML)と骨髄異形成症候群(MDS)は、いずれもクローン性血液悪性腫瘍であり、主に高齢者で発症する。AML/MDSの現在の治療は、その種類も有効性も限られている。トルコ・Osmaniye State HospitalのIbrahim Halil Acar氏らは、AML/MDSにおけるベネトクラクスベースの治療における全生存割合(OS)、無再発生存割合(RFS)に焦点を当てて評価し、この関連に関するリアルワールドデータを詳しく調査した。Medicina誌2024年10月4日号の報告。
 2019年1月〜2022年7月にベネトクラクスでの治療を行った18歳以上のAML/MDS患者を対象に、臨床データおよび検査データを収集した。生存率分析は、2019〜23年の期間に基づき算出した。
主な結果は以下のとおり。
・対象は、AML患者161例、MDS患者40例。 ・年齢中央値は、AML患者で63.53±15.30歳、MDS患者で70.12±10.21歳。 ・男性の割合は、両群ともに55%以上であった。 ・ベネトクラクス治療前に前治療を行っていた患者の割合は、AML患者77.6%、MDS患者75.0%。 ・ベネトクラクスをアザシチジンと併用していた患者の割合は、AML患者84.5%、MDS患者67.5%。 ・AML患者の再発率は、約15%であった。 ・全体における2年生存率は46%(18.73ヵ月)。 ・全体的なCR/CRi率は、AML患者で49.1%、MDS患者で50%であった。 ・MDS患者の2年生存率は52.7%。 ・2年RFSは、AML患者で75.5%、MDS患者で90.9%。 ・グレード3以上の毒性を有する患者において、治療中止につながる有害事象の割合は低く、AML患者で26.7%(43例)、MDS患者で15%(6例)であった。
 著者らは「本リアルワールドデータにおいて、ベネトクラクスと脱メチル化薬の併用療法は、全生存率の向上に寄与する可能性があり、AML/MDS患者に対する使用が支持された」と結論付けている。


(鷹野 敦夫)

原著論文はこちら Acar IH, et al. Medicina (Kaunas). 2024; 60: 1623.
https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39459410

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