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再発・難治性CLLに最も有効なレジメンとは〜ネットワークメタ解析
公開日:2025年1月14日
Kim J, et al. Blood Res. 2025; 60: 1.
再発・難治性慢性リンパ性白血病(CLL)に対する治療の相対的な有効性を評価するため、韓国・仁荷大学のJinchul Kim氏らは、とくに17p欠失もしくはTP53変異を有する患者に焦点を当て、ネットワークメタ解析を実施した。Blood Research誌2025年1月2日号の報告。
2023年12月までに公表されたすべてのランダム化比較試験(RCT)をPubMed、EMBASE、Cochraneデータベースおよび会議録をシステマティックに検索し、文献レビューを実施した。ベイジアンネットワークメタ解析を実施し、無増悪生存期間(PFS)のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定した。含まれた治療レジメンのランク付けを行った。
主な結果は以下のとおり。
・メタ解析には、13の治療レジメンを対象とした12件の試験(4,437例)を含めた。 ・全体として、再発・難治性CLLに対して最も効果的な治療レジメンは、ベネトクラクス+リツキシマブおよびザヌブルチニブであり、PFSのHRはイブルチニブと比較し最も低く、含まれたすべてのレジメンの中で最上位(SUCRA値:90%未満)にランク付けされた。 【ベネトクラクス+リツキシマブ】PFSのHR:0.62(95%CI:0.32〜1.20) 【ザヌブルチニブ】PFSのHR:0.65(95%CI:0.49〜0.86) ・17p欠失もしくはTP53変異を有する患者では、ザヌブルチニブが最も良好な有効性を示し、SUCRA値も最も高かった(97%)。イブルチニブと比較したHRは0.52(95%CI:0.31〜0.88)。 ・17p欠失もしくはTP53変異のない患者では、ベネトクラクス+リツキシマブが最も効果的であり、SUCRA値は94%であった。イブルチニブと比較したHRは0.49(95%CI:0.26〜0.94)。
著者らは「本結果より、再発・難治性CLLに対するベネトクラクス+リツキシマブとザヌブルチニブの優れた有効性が示され、変異の有無に応じて両レジメンを使い分ける必要性が改めて確認された」と結論付けている。
2023年12月までに公表されたすべてのランダム化比較試験(RCT)をPubMed、EMBASE、Cochraneデータベースおよび会議録をシステマティックに検索し、文献レビューを実施した。ベイジアンネットワークメタ解析を実施し、無増悪生存期間(PFS)のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定した。含まれた治療レジメンのランク付けを行った。
主な結果は以下のとおり。
・メタ解析には、13の治療レジメンを対象とした12件の試験(4,437例)を含めた。 ・全体として、再発・難治性CLLに対して最も効果的な治療レジメンは、ベネトクラクス+リツキシマブおよびザヌブルチニブであり、PFSのHRはイブルチニブと比較し最も低く、含まれたすべてのレジメンの中で最上位(SUCRA値:90%未満)にランク付けされた。 【ベネトクラクス+リツキシマブ】PFSのHR:0.62(95%CI:0.32〜1.20) 【ザヌブルチニブ】PFSのHR:0.65(95%CI:0.49〜0.86) ・17p欠失もしくはTP53変異を有する患者では、ザヌブルチニブが最も良好な有効性を示し、SUCRA値も最も高かった(97%)。イブルチニブと比較したHRは0.52(95%CI:0.31〜0.88)。 ・17p欠失もしくはTP53変異のない患者では、ベネトクラクス+リツキシマブが最も効果的であり、SUCRA値は94%であった。イブルチニブと比較したHRは0.49(95%CI:0.26〜0.94)。
著者らは「本結果より、再発・難治性CLLに対するベネトクラクス+リツキシマブとザヌブルチニブの優れた有効性が示され、変異の有無に応じて両レジメンを使い分ける必要性が改めて確認された」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Kim J, et al. Blood Res. 2025; 60: 1.
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39747710
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