おすすめキーワード

血液内科 Journal Check
イブルチニブ+BR療法、再発・難治性B細胞リンパ腫に対する有効性は示されるか
公開日:2024年12月17日
Kedmi M, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e70001.
自家造血幹細胞移植(ASCT)後の再発・難治性の進行期B細胞性非ホジキンリンパ腫または高齢患者に対する治療は、しばしば困難である。イスラエル・Sheba Medical CenterのMeirav Kedmi氏らは、1stまたは2ndライン後に再発した移植適応のないまたはASCT後に2回目の再発を認めた再発・難治性の進行期B細胞性非ホジキンリンパ腫患者を対象に、ベンダムスチン+リツキシマブ(BR療法)にイブルチニブを併用した場合の有効性を評価するため、単一施設シングルアーム第II相臨床試験を実施した。Hematological Oncology誌2024年11月号の報告。
対象は、1stまたは2ndライン後に再発した移植適応のないまたはASCT後に2回目の再発を認めた再発・難治性の進行期B細胞性非ホジキンリンパ腫患者56例(男性の割合:54%、年齢中央値:69.7歳)。対象患者には、標準用量で28日6サイクルのBR療法+イブルチニブ(1日1回560mg)併用による治療を行った。主要エンドポイントは、全奏効率(ORR)とした。
主な結果は以下のとおり。
・BR療法+イブルチニブ治療を1サイクル以上行った55例におけるORRは49.1%、3サイクル以上行った36例におけるORRは69.4%であった。 ・再発患者は、難治性患者よりもORRが有意に高かった(72.3% vs.37.8%、p=0.024)。 ・全生存期間(OS)中央値は11.6ヵ月(95%CI:7.1〜22.3)、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.3ヵ月(95%CI:2.5〜7.4)。 ・完全奏効および部分奏効の患者は、安定および進行患者と比較し、OS中央値が有意に延長した(28.1ヵ月 vs.5.2ヵ月、p<0.0001)。 ・有害事象は、血小板減少(19.6%)、貧血(16.1%)、好中球減少(7.1%)、疲労(35.7%)、下痢(28.6%)、悪心(28.6%)などであった。 ・移植に移行した患者は、最初の有効性評価時点で8例、フォローアップ期間中で3例。 ・BR療法+イブルチニブ治療レジメンは、移植までのブリッジングとしても利用可能で、安全かつ効果的な治療オプションである可能性が示唆された。
対象は、1stまたは2ndライン後に再発した移植適応のないまたはASCT後に2回目の再発を認めた再発・難治性の進行期B細胞性非ホジキンリンパ腫患者56例(男性の割合:54%、年齢中央値:69.7歳)。対象患者には、標準用量で28日6サイクルのBR療法+イブルチニブ(1日1回560mg)併用による治療を行った。主要エンドポイントは、全奏効率(ORR)とした。
主な結果は以下のとおり。
・BR療法+イブルチニブ治療を1サイクル以上行った55例におけるORRは49.1%、3サイクル以上行った36例におけるORRは69.4%であった。 ・再発患者は、難治性患者よりもORRが有意に高かった(72.3% vs.37.8%、p=0.024)。 ・全生存期間(OS)中央値は11.6ヵ月(95%CI:7.1〜22.3)、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.3ヵ月(95%CI:2.5〜7.4)。 ・完全奏効および部分奏効の患者は、安定および進行患者と比較し、OS中央値が有意に延長した(28.1ヵ月 vs.5.2ヵ月、p<0.0001)。 ・有害事象は、血小板減少(19.6%)、貧血(16.1%)、好中球減少(7.1%)、疲労(35.7%)、下痢(28.6%)、悪心(28.6%)などであった。 ・移植に移行した患者は、最初の有効性評価時点で8例、フォローアップ期間中で3例。 ・BR療法+イブルチニブ治療レジメンは、移植までのブリッジングとしても利用可能で、安全かつ効果的な治療オプションである可能性が示唆された。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Kedmi M, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e70001.
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39572395
※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
ヒポクラは会員登録すると便利に!
約7万人の医師が会員登録。ヒポクラへの相談や論文の日本語での検索、勉強会情報などの診療に役立つサービスが全て無料で利用できるようになります。
01知見共有

約7万人が参加する医師限定の相談所。たくさんの相談症例・アドバイスを見ることで、全国の先生の臨床経験を効率的に学べます。
02専門医コンサルト

皮膚悪性腫瘍以外にも、皮膚科・眼科・心不全、心電図・肺などの専門医に1対1のクローズドな環境で相談できます。
03論文検索

PubMedを日本語検索できます。また検索結果のアブストラクトも和訳して表示するため、論文検索の時短に繋がります。
04勉強会まとめ

Web上に公開されている勉強会情報を、診療科別にお届け。「興味あり」を選択した勉強会は、開催前にリマインドメールが届くため見逃しを防ぎ、情報収集を1本化できます。