「非ホジキンリンパ腫(NHL)」の記事一覧

血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号)
血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号)
再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 再発・難治性の濾胞性リンパ腫(FL)に対するCAR-T細胞療法アキシカブタゲン シロルユーセルの有効性は、ZUMA-5試験で報告されている。長期フォローアップにおいても、その有効性は維持されており、SCHOLAR-5試験の実臨床データとの比較(傾向スコア法)においても、持続的な有効性が確認された。Blood誌オンライン版2022年6月9日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 日本における血友病インヒビター発症の臨床状態やリスク因子:J-HIS2研究 血友病患者の重篤な合併症であるインヒビター発症。これまでの研究では、治療や遺伝的要因がこれらの同種抗体と関連している可能性が報告されていたが、遺伝的背景や日本での治療法の違いなどに関連する臨床的特徴はよくわかっていなかった。Haemophilia誌オンライン版2022年6月11日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 日本人における肉、魚、脂肪酸摂取と非ホジキンリンパ腫との関係:JPHC研究 肉、魚、脂肪酸の摂取は、非ホジキンリンパ腫(NHL)と関連しているといわれている。大阪大学の下村良充氏らは、赤肉と飽和脂肪酸の摂取はNHLリスクを増加させ、魚と多価不飽和脂肪酸の摂取はNHLリスクを減少させると仮定し、検討を行った。The Journal of Nutrition誌オンライン版2022年6月8日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む CAR-T細胞療法後のDLBCL再発例の評価とマネジメントに関する実践ガイドライン調査:ASTCT委員会 米国移植細胞治療学会(ASTCT)実践ガイドライン委員会は、再発難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するCAR-T細胞療法治療後のモニタリング、診断、マネジメントについての横断的調査をオンラインで実施した。Transplantation and Cellular Therapy誌オンライン版2022年6月4日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 東アジアの再発難治性多発性骨髄腫に対するIsa-PdとPd治療との比較 日本人を含む東アジアジアの再発難治性多発性骨髄腫患者を対象にイサツキシマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(Isa-Pd)とポマリドミド+デキサメタゾン(Pd)の有効性・安全性の比較が行われた。Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia誌オンライン版2022年4月8日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号)
血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号)
再発難治性LBCLのセカンドライン治療におけるliso-celに有用性~TRANSFORM試験中間報告 現在、再発難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)のサードライン治療に用いられるCAR-T細胞療法Lisocabtagene maraleucel(liso-cel)について、セカンドラインにおける標準療法と比較したliso-celの第III相試験であるTRANSFORM試験の中間分析結果が報告された。Lancet誌2022年6月18日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 造血幹細胞移植レシピエントにおける急性呼吸器感染症の発生率~日本のリアルワールドデータ 日本の造血幹細胞移植レシピエントにおける急性呼吸器感染症の発生率および経済的負担について、JMDCのデータを用いた評価が行われた。Journal of Medical Economics誌オンライン版2022年6月15日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 進行期ENKLに対するDDGPレジメンの有効性・安全性~ランダム化比較試験 新規の進行期(III/IV)節外性 NK/T細胞リンパ腫(ENKL)に対するDDGP(デキサメタゾン+シスプラチン+ゲムシタビン+Pegaspargase)レジメン vs. SMILEレジメンのランダム化比較試験の結果が報告された。JAMA Oncology誌オンライン版2022年6月16日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 移植非適応の日本人多発性骨髄腫患者に対するmodified BLd療法の有効性・安全性 とくに高齢者で問題となる末梢神経障害リスクを軽減するためボルテゾミブを減量したmodified BLd療法(ボルテゾミブ+レナリドマイド+デキサメタゾン)の日本人新規多発性骨髄腫患者に対する有効性・安全性の検討が行われた。International Journal of Hematology誌オンライン版2022年6月14日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 非ホジキンリンパ腫に対するCHOP-likeレジメンによる間質性肺炎の発生率とそのリスク因子 非ホジキンリンパ腫患者の致死的合併症の1つである間質性肺炎の発生率およびそれに関連する患者、疾患、薬物関連のリスク因子についての調査が行われた。Frontiers in Oncology誌2022年6月1日号の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号) 再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
血液内科 Journal Check Vol.10(2022年7月12日号)
血液内科 Journal Check Vol.10(2022年7月12日号)
未治療のiNHL、MCL、rrDLBCLに対するベンダムスチンの有用性~第I/II相試験 山形大学の石澤 賢一先生らは、未治療の低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(rrDLBCL)に対するベンダムスチン急速静注の安全性、忍容性、有効性、薬物動態を評価した第I/II相試験の結果を報告した。【Cancer Chemotherapy and Pharmacology誌オンライン版2022年7月7日号】 ≫Bibgraphで続きを読む rrBCP ALLに対するブリナツモマブの安全性と有効性~拡大コホート最終結果 神奈川県立こども医療センターの後藤 裕明先生らは、日本人の再発難治性Ph陰性前駆B細胞急性リンパ性白血病(rrBCP ALL)の成人および小児に対するブリナツモマブの安全性および有効性を評価した第Ib/II相試験の拡大コホート研究の結果を報告した。【Acta Haematologica誌オンライン版2022年7月5日号】 ≫Bibgraphで続きを読む 成人HSCTレシピエントにおけるワクチン接種の効果 造血幹細胞移植(HSCT)レシピエントに対して、はしかや風疹などのワクチン接種は推奨されているが、これらワクチンで予防可能な疾患を有するレシピエントにおける研究は限られていた。岡山大学の前田 嘉信先生らは、HCT後の長期フォローアップ中に血清学的検査を実施し、その結果を報告した。【Acta Medica Okayama誌2022年6月号】 ≫Bibgraphで続きを読む 日本人再発難治性多発性骨髄腫に対するKRdおよびKd療法のリアルワールドデータ解析 関西骨髄腫フォーラムデータベースに登録された157例を対象にカルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(KRd)とカルフィルゾミブ+デキサメタゾン(Kd)の実臨床におけるベネフィットと安全性プロファイルについて評価が行われた。【Therapeutic Advances in Hematology誌2022年6月24日号】 ≫Bibgraphで続きを読む rrDLBCLに対するPola-BR療法~PolaとRit併用の分子的根拠 再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(rrDLBCL)に対して、ベンダムスチン+リツキシマブ(BR)との併用で承認されているポラツズマブ ベドチン(Pola)。中外製薬は、Polaとリツキシマブ(Rit)との併用がどのようなベネフィットをもたらすのかについて、分子的根拠の側面から報告を行った。【British Journal of Haematology誌オンライン版2022年6月28日号】 ≫Bibgraphで続きを読む 血液内科 Proへ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら 血液内科 Journal Check Vol.9(2022年7月5日号) LBCLのセカンドライン治療、CAR-T細胞療法はASCTにとってかわるか ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.8(2022年6月28日号) DLBCLに対するR-CHOP療法、10年後の臨床転帰は ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.7(2022年6月21日号) 再発難治性LBCLのセカンドライン治療におけるliso-celに有用性~TRANSFORM試験中間報告 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.6(2022年6月14日号) 再発難治性FL患者におけるAUMA-5試験とSCHOLAR-5試験の比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.5(2022年6月7日号) 血液悪性腫瘍患者における予防的トラネキサム酸:プラセボ対照RCT ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.4(2022年6月1日号) 日本人再発難治性LBCLに対するCAR-T細胞療法liso-cel~第II相臨床試験 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.3(2022年5月24日号) 再発難治性多発性骨髄腫のサルベージ療法におけるDVdとDRdの比較 ≫その他4本 血液内科 Journal Check Vol.2(2022年5月17日号) 大細胞型B細胞リンパ腫患者におけるCAR-T療法に対するブリッジング療法の影響~メタ解析 ≫その他2本 血液内科 Journal Check Vol.1(2022年5月10日号) 血液悪性腫瘍または造血細胞移植患者におけるCOVID-19管理に関する推奨事項 ≫その他2本
悪性リンパ腫患者のHRQoLはどの程度悪化しているのか〜REALYSAコホート
悪性リンパ腫患者のHRQoLはどの程度悪化しているのか〜REALYSAコホート
公開日:2024年7月17日 Anota A, et al. Eur J Cancer. 2024 Jul 4. [Epub ahead of print]  近年、悪性リンパ腫の治療は、著しく進歩を遂げている。そのため、悪性リンパ腫患者の健康関連QOL(HRQoL)の評価は、臨床研究や日常診療において重要なポイントとなっている。しかし、診断時における悪性リンパ腫特有のHRQoLプロファイルに関するデータは、十分ではない。フランス・Centre Leon BerardのAmelie Anota氏らは、フランスのプロスペクティブ非介入多施設コホートであるREALYSAコホートの登録患者を対象に、新規悪性リンパ腫患者における診断時のHRQoLの評価を行った。European Journal of Cancer誌オンライン版2024年7月4日号の報告。  対象は、REALYSAコホートに含まれる成人悪性リンパ腫患者3,922例。高悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL-HG)患者1,994例、低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL-LG)患者1,053例、ホジキンリンパ腫(HL)患者875例の診断時のHRQoLを評価した。疾患特有のHRQoLを評価するため、3つの検証済みEORTC質問票をそれぞれ用いた(NHL-HG:QLQ-NHL-HG29、NHL-LG:QLQ-NHL-LG20、HL:QLQ-HL27)。 主な結果は以下のとおり。 ・本コホートにおける質問票の完了率は高く、QLQ-HG29の84%からQLQ-HL27の88%にまで達していた。 ・全般的な健康状態が悪化している患者の割合は、T細胞リンパ腫67%、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)62%、バーキットリンパ腫61%、HL 53%、辺縁帯リンパ腫49%、マントル細胞リンパ腫48%、濾胞性リンパ腫(FL)47%であった。 ・DLBCL、FL、HLの多変量回帰分析では、性別、PS、B症状がすべてのHRQoLと独立して関連していることが示唆された。ただし、各サブタイプ間で、年齢とステージによるさまざまな影響が観察された。  著者らは「本研究により、各悪性リンパ腫患者の診断時におけるHRQoLプロファイルが明らかとなった。本研究で使用した最近検証されたEORTC質問票は、今後の研究でHRQoL結果の解釈を促進する上で役立つであろう」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Anota A, et al. Eur J Cancer. 2024 Jul 4. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39002346 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
CAR-T細胞療法後の最適なモニタリング期間は
CAR-T細胞療法後の最適なモニタリング期間は
公開日:2024年7月25日 Ahmed N, et al. Blood Adv. 2024 Jul 23. [Epub ahead of print]  CD19を標的としたCAR-T細胞療法として、アキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel)、チサゲンレクル ユーセル(tisa-cel)、リソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel)などが承認されたことにより、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)治療は一変し、有効な治療法として確立されつつある。その一方で、サイトカイン放出症候群(CRS)や免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)などの毒性リスクが問題となっている。米FDAは、リスク評価および緩和戦略の一環として、毒性リスクのモニタリングのために患者を治療センターの近隣に4週間滞在することを義務付けている。しかし、このような慎重な対策は、治療費の増加、患者および介護者の負担増加、患者アクセスや社会経済的格差などの課題をもたらす可能性がある。米国・カンザス大学のNausheen Ahmed氏らは、CAR-T細胞療法を行った患者におけるCRS、ICANSの発生や持続期間、非再発死亡率(NRM)の原因を調査した。Blood Advances誌オンライン版2024年7月23日号の報告。  2018〜23年に9施設でaxi-cel、tisa-cel、liso-celによる治療を行った患者475例を対象に、リアルワールドにおけるCAR-T細胞療法実施患者のCRS、ICANSの発生や持続期間、NRMの原因を調査するため、レトロスペクティブ研究を実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・製品間でCRS、ICANSの発生率や持続期間に違いが認められたが、注入後2週間以降で新規に発生したCRS(0%)、ICANS(0.7%)は極めて稀であった。 ・2週間後にCRSの新規発生は認められず、ICANSの新規発生は、3週間後に1例のみで認められた。 ・NRMは、フォローアップ初期にICANS(28日目までで1.1%)、その後3ヵ月間で感染症(1.2%)により発生していた。  著者らは「本研究結果は、CAR-T細胞療法のモニタリングを最適化する上で重要であり、今後は患者の身体的および経済的制約を軽減するための仕組みが求められるであろう」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ahmed N, et al. Blood Adv. 2024 Jul 23. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39042880 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
低悪性度B細胞リンパ腫の再発例に対するオビヌツズマブ+レナリドミド併用療法〜第I/II相試験
低悪性度B細胞リンパ腫の再発例に対するオビヌツズマブ+レナリドミド併用療法〜第I/II相試験
公開日:2024年8月21日 Gurumurthi A, et al. EClinicalMedicine. 2024: 74: 102747.  リツキシマブ+レナリドミドは、再発の低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫に対する有用な選択肢の1つである。オビヌツズマブは、リツキシマブと比較し、抗体依存性細胞傷害や貪食作用に優れることから、レナリドミドとの併用薬として、有望な候補薬剤と考えられる。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのAshwath Gurumurthi氏らは、再発・難治性低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫における固定用量のオビヌツズマブと併用したレナリドミドの推奨用量を明らかにするため、第II相試験を実施した。EClinicalMedicine誌2024年7月27日号の報告。  テキサス大学MDアンダーソンがんセンターで再発・難治性のWHOグレード1〜3Aの濾胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫の患者(ECOG PS:0〜2)を対象に、単群非盲検第I/II相試験を実施した。アグレッシブリンパ腫への進行が確認された患者は除外した。フェーズIでは、レナリドミド20mgをフェーズIIの推奨用量とするため、3+3ドーズエスカレーションデザインにより、オビヌツズマブ1,000mg静脈内投与と3つの定義済みレベルのレナリドミド経口を併用した。フェーズIIでは、導入療法として28日サイクルのオビヌツズマブ1,000mg+レナリドミド20mgを6サイクル行った。リツキシマブ+レナリドミド治療によるこれまでの経験に従い、併用療法に治療反応が認められた場合には、最大6サイクル(計12サイクル)の併用療法を行った。治療反応が認められたすべての患者に対し、6サイクル後も2ヵ月毎にオビヌツズマブ投与を継続し、最大30ヵ月継続した。6サイクル以上の併用療法の回数については、治験責任医師の判断に委ね、曝露を最小限としながらも治療反応を最大化するための個別化治療を可能とした。共同主要目的は、安全性および全奏効(OS)の評価とした。OSの定義は、再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫において、導入療法終了時の完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を達成した患者の割合とした(Chesoらの2007年基準)。副次的エンドポイントは、導入療法後のCR、無増悪期間(TTP)、無増悪生存期間(PFS)、OSを含むイベント発生までの期間とした。解析は、いずれかの治療を1回以上行ったすべての患者を対象に、有効性(ITT)および安全性(各治療群)を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・2014年6月3日〜2019年3月7日に66例(フェーズI:9例、フェーズII:57例)が登録された。 ・すべての患者について安全性評価を実施し、フェーズII推奨用量であるレナリドミド20mgで治療された患者60例は、有効性評価可能であった。 ・グレード3〜4の血液毒性は、好中球減少21%(66例中14例)、血小板減少11%(66例中7例)であり、発熱性好中球減少は認められなかった。 ・グレード3〜4の非血液毒性は、肺感染症8%(66例中5例)、疲労8%(66例中5例)、発疹6%(66例中4例)であった。 ・導入療法終了時のOS達成率は90%(60例中54例、95%CI:79〜96)、事前に指定した有効性エンドポイントを満たしていた。 ・導入療法終了時のCRは33%(60例中20例、95%CI:22〜47)であった。 ・フォローアップ期間中央値41.7ヵ月において、PFS、TTP、OSは中央値に達しなかった。 ・推定4年PFSは55%(95%CI:42〜73)、TTPは56%(95%CI:43〜74)、OSは84%(95%CI:74〜95)であった。  著者らは「再発・難治性の低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫に対し、オビヌツズマブ+レナリドミドの併用は、安全かつ有効であり、奏効期間の延長に寄与することが示唆された。本研究は、対照群を採用していないため評価に制限があることを踏まえ、今後はリツキシマブ+レナリドミドと比較したランダム化試験が求められる」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gurumurthi A, et al. EClinicalMedicine. 2024: 74: 102747.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39161543 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
低悪性度NHLに対する抗CD47抗体magrolimab+リツキシマブ〜3年間フォローアップ試験/Blood Adv
低悪性度NHLに対する抗CD47抗体magrolimab+リツキシマブ〜3年間フォローアップ試験/Blood Adv
公開日:2024年9月3日 Mehta A, et al. Blood Adv. 2024 Aug 30. [Epub ahead of print]  再発・難治性低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療において、現在の治療法では、治癒不能であると考えられている。これまで実施された抗CD47抗体magrolimabと抗CD20抗体リツキシマブとの併用による第Ib/II相試験では、再発・難治性低悪性度NHLに対する抗腫瘍効果が示されている。米国・アラバマ大学バーミンガム校のAmitkumar Mehta氏らは、再発・難治性低悪性度NHLに対するmagrolimab+リツキシマブの長期における安全性および有効性を評価するため、第Ib/II相試験の3年間フォローアップ調査を行い、その結果を報告した。Blood Advances誌オンライン版2024年8月30日号の報告。  第Ib相試験では、magrolimabプライミング後に4群に対し、リツキシマブ375mg/m2+magrolimab維持用量10〜45mg/kgを投与した。第II相試験では、magrolimab 30mg/kgまたは45mg/kgの検討を行った。主要エンドポイントは、治療中に発生した有害事象(TEAE)および全奏効率(ORR)とした。副次的エンドポイントには、奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を含めた。探索的分析には、循環腫瘍DNA、magrolimab抗腫瘍効果のバイオマーカー、薬物標的発現の評価を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・第Ib/II相試験で治療を行った患者46例の内訳は、濾胞性リンパ腫42例、辺縁帯リンパ腫4例であった。 ・すべての患者で1つ以上のTEAEが認められ、治療関連TEAEは44例で認められた。 ・長期フォローアップ期間中、新たな毒性および治療関連死亡は、いずれも報告されなかった。 ・フォローアップ期間中央値は36.7ヵ月(範囲:1.2〜62.3)。 ・ORR達成率は52.2%、完全奏効(CR)達成率は30.4%であった。 ・DOR中央値は15.9ヵ月(95%CI:5.6〜推定不能)であった。 ・奏効までの期間中央値は1.8ヵ月(範囲:1.6〜5.5)、PFS中央値は7.4ヵ月(95%CI:4.8〜13.0)、OS中央値は未達であった。  著者らは「低悪性度NHLに対するmagrolimab+リツキシマブの長期的な安全性および有効性が示され、CD47とCD20を標的とした治療の組み合わせの有用性が裏付けられた」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mehta A, et al. Blood Adv. 2024 Aug 30. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39213421 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
オビヌツズマブはリツキシマブよりCOVID-19重症化リスクが本当に高いのか〜アジア人対象研究
オビヌツズマブはリツキシマブよりCOVID-19重症化リスクが本当に高いのか〜アジア人対象研究
公開日:2024年9月10日 Shu W, et al. Virol J. 2024; 21: 212.  抗CD20モノクローナル抗体で治療を行った患者では、COVID-19による有害アウトカムリスクが上昇する可能性がある。新規抗CD20モノクローナル抗体であるオビヌツズマブは、リツキシマブと比較し、B細胞減少効果が高く、in vitroでの優れた有効性が示されている。中国・Ningbo Medical Center Li Huili HospitalのWenxiu Shu氏らは、オビヌツズマブがリツキシマブよりもCOVID-19によるアウトカムを悪化させるかを評価するため、レトロスペクティブ単施設コホート研究を実施した。Virology Journal誌2024年9月9日号の報告。  対象は、2022年にNingbo Medical Center Li Huili Hospital に入院し、抗CD20モノクローナル抗体による治療を行ったB細胞リンパ腫患者124例(リツキシマブ群:106例、オビヌツズマブ群:18例)。COVID-19による有害アウトカムを、両群間で比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・リツキシマブ群の86.8%はアグレッシブリンパ腫であったのに対し、オビヌツズマブ群の多くはインドレントリンパ腫であった。 ・リツキシマブ群の57.5%、オビヌツズマブ群の88.9%は、COVID-19波の3ヵ月以内に抗CD20モノクローナル抗体治療が行われており、オビヌツズマブ群ではリツキシマブ群よりもベンダムスチンを投与した患者の割合が高かった(22.2% vs. 4.7%、p=0.031)。 ・COVID-19による主な有害アウトカムの比較は次のとおりであり、オビヌツズマブ群はリツキシマブ群よりも高リスクであったが、COVID-19関連死亡率に有意な差は認められなかった。 【入院した患者の割合】55.6% vs. 20.8%(p=0.005) 【SARS-CoV-2の長期感染した患者の割合】38.9% vs. 2.9%(p<0.001) 【重度のCOVID-19を発症した患者の割合】33.3% vs. 4.7%(p<0.001) ・ベンダムスチンの影響を排除するため、ベンダムスチンを使用しなかった患者を対象としたサブグループ解析においても、依然としてオビヌツズマブ群(14例)はリツキシマブ群(101例)よりも高リスクであった。 【入院した患者の割合】50.0% vs. 19.8%(p=0.031) 【SARS-CoV-2の長期感染した患者の割合】28.6% vs. 2.0%(p=0.002) 【重度のCOVID-19を発症した患者の割合】21.4% vs. 4.0%(p=0.038) ・多変量解析の結果では、オビヌツズマブ治療は、SARS-CoV-2感染の長期化(OR:27.05、95%CI:3.75〜195.22、p=0.001)、重症COVID-19の発生率上昇(OR:15.07、95%CI:2.58〜91.72、p=0.003)との関連が示唆された。  著者らは「オビヌツズマブ群は、リツキシマブ群よりもSARS-CoV-2感染の長期化および重症COVID-19のリスクが高いことが示唆された。本研究は、アジア人集団におけるオビヌツズマブとリツキシマブを投与された患者のCOVID-19のアウトカムを比較した最初の研究である」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Shu W, et al. Virol J. 2024; 21: 212.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39252096 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら