「セフタジジム/アビバクタム(ザビセフタ)」の記事一覧

造血器悪性腫瘍に対するβ-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質アビバクタム/セフタジジム投与、実臨床での有用性は
造血器悪性腫瘍に対するβ-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質アビバクタム/セフタジジム投与、実臨床での有用性は
公開日:2024年12月3日 Tumbarello M, et al. J Antimicrob Chemother. 2024 Nov 15. [Epub ahead of print]  多剤耐性グラム陰性菌感染症治療に対するβ-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質アビバクタム/セフタジジムの臨床的影響を評価するため、イタリア・シエナ大学のMario Tumbarello氏らは、造血器悪性腫瘍患者の大規模コホートにおける多施設共同観察リアルワールド研究を実施した。The Journal of Antimicrobial Chemotherapy誌オンライン版2024年11月15日号の報告。  対象は、イタリアの17施設の血液病棟で感染症が疑われるまたは確定し、アビバクタム/セフタジジムを投与した造血器悪性腫瘍患者。主要エンドポイントは、感染症発症後30日間における全死亡率とした。副次的エンドポイントには、in vitroでのアビバクタム/セフタジジム耐性の発現、副作用、感染症の再発を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・登録された198例のうち、原因不明の発熱が認められた患者は66例、微生物学的に証明された感染症(MPI:microbiologically proven infection)は132例。 ・MPIの原因としては、腸内細菌目細菌(enterobacterales)が98件、そのうち75%はKPC産生菌であり、MPI の25%はカルバペネム耐性緑膿菌であった。 ・30日以内の死亡率は、全体で17.7%。 ・MPI患者の4例で感染症の再発が認められた。 ・感染症発症から30日以内に死亡した患者には、感染症発症時に脳血管疾患の既往、チャールソン併存疾患指数(CCI)4超、敗血症性ショックを呈し、不適切な初期抗生物質治療の傾向が認められた。 ・30日以内の死亡率は、感染症発症時の敗血症性ショックおよび不適切な初期抗生物質治療との独立した関連が示唆された。  著者らは「造血器悪性腫瘍治療におけるアビバクタム/セフタジジムに関するリアルワールドの有用性が示された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tumbarello M, et al. J Antimicrob Chemother. 2024 Nov 15. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39545817 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら